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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2011年10月号モニター回答


■ 第83回 沿岸技術研究センター 前理事長 村田 進さんに伺いました

「リスク管理の要諦は、最悪のシナリオを想定し、これに備えるということです。過去に起こったことは必ず起きる。自分たちの世代で起こらないとは決して言えない。」東日本大震災を受けて、改めて考えさせられる言葉だと思う。二度と戻らない人の命を奪っていく自然災害への対策には、とてつもなくお金も人力も時間も要するが、その要否の判断をどのように行っていくのかを再考していくことが必要だと感じた。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:飯島雄一)

■ 第9回  工藤 久男さん 民謡 蔭山 武志

東日本大震災から半年、未だに報道はテレビも新聞も災害、原発、円高、株安と暗い話が多く、今月の土木学会誌も目次をみれば冒頭からBCP、災害廃棄物、インフラの被害、復旧と災害関連が続く。何か明るい話はないのかと思って読み進めていたところ、金屏風を背に熱唱する男性の姿が目に入った。国内旅行の広告かと思ったが、民謡を歌う土木人の紹介であった。民謡は聞く側の状況によっては大きな効果がある。駐在地のリヤドで聞いたソーラン節の公演では、自分には帰る国がある、と心が熱くなった。「南の島に雪が降る」心境だ。意表を突く構成とした編集部への敬意を表したい。どうせならQRコードを貼りつけて、録音データへのリンクを張るところまで挑戦してほしかった。
(所属:国土交通省 氏名:佃 誠太郎)

■ 記事1 座談会 大規模災害に備える[座談会メンバー]]指田 朝久、西川 智、白木 渡

記事の中で、「DCP」という言葉が出てきますが、何の略なのかの説明がありませんでした。「BCP」のように説明し、「D」が何なのか補足記載して頂けるとありがたいと思いました。読者が正確に記事を理解するためにも、必要かと思います。
(所属:日特建設株式会社 氏名:田中 尚)

■ 記事2 阪神・淡路大震災からの復興と生活再建 桜井 誠一

阪神大震災の復興における規模のボリュームやスピード感についての記述が理解しやすく、東日本大震災との比較がされていたが、今回は地震プラス津波ということで、予測数字からも東日本大震災の被害規模の大きさを改めて実感した。阪神大震災の教訓で生活再建では、人びとが「感じる部分」のキーワードが挙げられていた。復興計画を立てる中で、地域住民との連携を強く持ちながら、(1)被災体験の反映、(2)わかりやすいイメージ、(3)訓練に直接結びつく内容にすることが、その状況における冷静な判断を生む要素になると思った。
(所属:東京急行電鉄 氏名:鶴池 康介)

■ 3-2 社会インフラの機能継続 山田 安則

皮肉にもこの度の東日本大震災によって,災害時に社会インフラ機能を継続させることがいかに重要かを学んだ。この記事を読んで,阪神高速道路では実態に即したBCPを策定し,訓練を実践することで,より充実したBCPを作り上げようとしていることが伝わった。高速道路は日常生活だけでなく,災害時には特に重要な交通手段となり得るため,今回の震災で学んだこと・見直すべきことを踏まえて,種々の外的要因(地震や津波)に対応可能なBCPの策定に繋げてもらいたい。
(所属:新日本製鐵 氏名:久積和正)

■ 3-3 被災地の食を支える 山岸 豊後

過去の災害経験をもとに、被災直後から時系列にて被災地で必要になる商品について独自に商品リストを整理されているとのことで、過去の経験を有効活用したよい取組みが紹介されていました。またボランティアセンターとの連携も行い、効率的に被災者へ物資が届けられるシステムも構築されていたことは、参考にすべき取組みであると考えます。被災地への物資供給は生命線とも言うべき非常に大切なこと事柄であり、この取組みをスムーズに行うためには、やはり地域行政と食品販売業者の日頃からの連携が大切であると思います。震災当初は都内では個人の買占めが相次ぐ中、被災地最優先の考えで活動をされていたという話は、見習うべき行動であると感じました。
(所属:東京急行電鉄株式会社 氏名:杉山 圭大)

ニュースでよく、救援物資がなかなか被災者まで届かないということが取り上げられている。今回の記事において被災時に営業を再開することを最優先すべき社会的使命と考え、受け取り手がいなければ捨ててきてもいいという気持ちで実行していく会社の方針がすばらしいと感じた。また、当時時系列別に必要とされた商品リストを公開することは、現実的な備え等を考える上ではとても貴重な情報だと思う。今回課題点とされた各行政の連携やツールの活用等、課題と感じられた部分はしっかりと受け止め、同じ事を繰り返さないように意識していくことが大切であると思う。
(所属:東京急行電鉄 氏名:鶴池 康介)

本記事では、これまでの災害の経験を踏まえて商品リストや対応のノウハウ等を蓄積してきたことで、今回の東日本大震災時の早期支援につなげることができたこと、蓄積した経験を外部に公開したりセミナー等で説明して水平展開を図ったことが記されており、非常に興味深く拝見した。一方、支援を受ける行政側の窓口一本化等についての要望も記されていた。災害時には恐らく、支援する側以上に支援を受ける側には混乱も多く余裕も無いため、ともすれば場当たり的な対応になりがちになると考えられる。そのため、支援を受ける側(行政側)についても日頃から、支援する側(食品等の供給元)と共に対応を確認し準備しておくことが必要ではないだろうか。
(所属:JR東日本 氏名:山田 拓也)

■ 特別委員会 報告 ─東日本大震災特別委員会・特定テーマ委員会の活動報告─ 金子 雄一郎

津波堆積物やコンクリートガラは積極的に利用されるべきであるが,土壌汚染の適正処理や,土木資材としての強度確保が検討課題となるであろう。個人的にも,砂分が多く,第2種建設発生土相当である感触はつかんではいるが,一方で砂分が多いために再度地震が起こった際液状化する危険性もあると感じる。もち ろん,盛土であるため地下水面下での使用は考えにくいとは言えるが,地盤沈下した箇所の埋土材としての利用も想定するのであれば,検討項目としては考慮すべきではないだろうか。
(所属:京都大学 氏名:高井敦史)

■ 記事1 インタビュー 災害廃棄物処理の現状と課題 [語り手]大迫 政浩氏

今回の震災は広域多所災害であることに加えて、津波による震災廃棄物の多さが問題となっている。本インタビューを通じてその対応に対するご苦労がよくわかった。一刻も早い復興を願うとともに、本文最後で述べられているように、今後他でも予想される津波災害に対して、先を見据えて手を打っておくことは大切であると感じた。
(所属:(財)阪神高速道路管理技術センター 氏名:志村 敦)

■ 第1回 砂防スペシャリスト編 池谷 浩 辻本 剛士、三室 碧人

おもしろい記事が始まりましたね。その人がどう考え、どう歩み、今に至っているのか、人の人生を学ぶことは、自分の人生の学びに大いに役立つと思います。今回の池谷さんの歩みや考え方を学び、とても勉強になりました。今後の連載を楽しみにしています。
(所属:日特建設株式会社 氏名:田中 尚)

今回から始まった企画であるが、非常に面白く、興味を持って読める記事であった。社会人となった今では、「スゴ腕技術者」と言われる方々から技術的なご意見を頂いたりすることがあるので、学生と比較すれば触れ合う機会が多いとは思うが、今回の企画のような「スゴ腕技術者」がどのような学生時代を過ごしていたか、なぜ土木という道を選んだか、などという少し突っ込んだ話を伺える機会は、なかなかないので、良い企画だと思う。自分自身もこの企画を通して、「スゴ腕技術者」の考え方や取り組み方を少しでも吸収していけるようにしていきたい。今後とも注目して読んでいきたいと思います。
(所属:首都高速道路 氏名:浅野 靖)

池谷さんの仰る「理科系の人は文化系の仕事を理解し,文化系の人は理科系の仕事を理解することが大切」というメッセージには全くの同感である。どうしても専門分野に集中してしまいがちであるが,やはり視野を広く持ち続け,幅広い知識を身に付けることはどのような業種の人にも重要であると思う。
(所属:京都大学 氏名:高井敦史)

一人の技術者として、一つの分野で大きな成果を上げるということは目標である。ただし、そのためにその一つの分野だけで努力を行えば良いのかというと、そうでもないということをこの記事より感じた。記事の中にある「理科系の人は文科系の仕事を理解し、文科系の人は理科系の仕事を理解することが大切」という池谷さんの言葉は、物事を多角的に見ることの重要性を説いていると私は思う。今後、広い視野を持ちながら仕事と向き合い、ある分野で大きな成果を上げたいと思う。
(所属:日本水工設計(株) 氏名:森脇隆一)

スゴ腕技術者の持つ土木の技術や知識ばかりでなく、個人のパーソナリティーが 感じられ、人となりが伺える記事であり共感が持てました。 今後の連載に期待したいと思います。
(氏名:坂上聡史)

土石流と言う災害は、雲仙水無川において衝撃的な映像とともに、その被害の怖さを植えつけてくれた。 海に囲まれ、火山が多い日本ではこういった土砂災害にも気を配る必要があることを改めて教えてくれたと考えている。そして、災害が起きた時には早期に復旧することも大事であるが、二次災害を極力起さず復旧することも重要であり、池谷氏の信念が、土木に対して、技術者が向きあう姿勢を示していると感じた。
(所属:中野区 氏名:諸井 敬嘉)

■ 今後は許されぬ『未曾有・想定外』という言い訳 金井 誠

表題の「今後は許されぬ「未曾有・想定外」という言い訳」は土木技術者のみんなが感じている事と考えます。「ネットワークの重要性」や「自然を100%制御しようとするのは思い上がりである」、「歴史観に基づく哲学の確立が不可欠」といった考え方には共感いたします。しかし「反省と決意」と言われている割には明確な反省や確固たる決意が述べられていないのが残念です。特に筆者が述べておられる「道理と正論」が本当にそうなのか謙虚に反省するとともに国民やマスコミからの批判に対して反論するのではなく、いかに理解して貰うかを努力することが大切と思われます。筆者の言わんとする所はほぼ理解できますがもう少し判りやすい説明が望まれます。
(所属:NPO法人シビルまちづくりステーション 氏名:比奈地 信雄)

■ その他・意見等

ふと、土木学会誌を読んでいて思いました。「土木学会誌は、どんな読者を想定して書かれているのか?」 学会ホームページを見ると、「土木学会の広報活動の中心とした機関誌として、毎月、約4万人の会員と、国会図書館をはじめとする各種図書館やマスコミ関係機関等にも頒布しています。」と書かれていました。 一般市民に土木を身近に感じてもらうためにも、土木学会誌を市民の皆さんが読んでもらえるように配布するのはどうでしょうか?そして、もっと市民目線の記事を取り上げ、内容の説明も分かりやすくしてはどうかと思いました。
(所属:日特建設株式会社 氏名:田中 尚)

「スゴ腕技術者に学ぶ」の企画は,これまでのキャリアや学生時代のことなど,幅広い内容の記事であり,大変興味深く読ませていただいた。今後の連載にも引き続き期待していきたい。
(所属:京都大学 氏名:高井敦史)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会