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土木学会誌

■土木学会誌2008年11月号モニター回答


■ 会長からのメッセージ 第2回 謙虚な受信 栢原 英郎

会長は約4万人の会員の長であるので,一人の会員から見ると非常に縁遠いと感じますが,このように会長自らがタイムリーにメッセージを発して頂けるのは良いことだと思います。今回のご発言の中で,「1分間の説明は相手の時間を1分間奪っている」というフレーズにドキッといたしました。多くの人々が携わる土木の仕事において,人と人との会話は欠かせません。相手のことを意識し,相手が心を開いてもらえるような説明が出来るよう,取り組んでみたいと思いました。
(所属:九州大学 氏名:佐川康貴)

「謙虚な受信」というタイトルを見て、耳を背けがちな批判の声にも謙虚に耳を傾けるということかと単純に思いましたが、記事を読んで、ただ単に耳を傾けるだけでなく、相手の立場になって考えることの重要性を改めて感じました。このところ、学会誌の巻頭言は土木学会の厳しい状況について書かれていますが、「謙虚な受信」で学会の活性化につなげていただきたいと思います。
(所属:大林組 氏名:佐々木一成)

土木学会トップの考えの一端を垣間見ることができるため、会員にとって有用な企画と思います。今回は、文章の書き方や説明の仕方に触れられており、非常に参考になりました。今後も、会員に向け強い明確なメッセージをお願いします。
(氏名:笠原宏紹)

会長の言われている「謙虚な受信」の「相手の立場になって語れ」は、誰しも経験して感じていることだと思います。しかしこれがなかなか難しいものです。一番簡単なのが、土木の専門化と称する人達に説明することです。この人達にはいつも使っている言葉で話せば勝手に理解してくれるからです。一番難しいのが、異分野の専門家です。この人達は違った高度な価値観を持っていて、なかなか納得してくれません。もちろん私の力不足に負うところが大きいのですが…。次に難しいのは子供達です。子供達にもわかる様に説明出来るようになれば土木屋として一人前でしょうか。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

■ PHOTO REPORT (1)エチオピア幹線道路改修工事―厳しい自然環境、地すべりとの戦い― 山内丈樹

日本から海外への技術援助と聞くと、道路や橋梁の建設というイメージがあるが、今回のように道路の改修工事も粛々と進めているのを知って安心した。テレビや新聞で報道される日本から海外への技術援助の紹介は、ほとんどがビッグプロジェクトであり、いつも維持管理はどうするのかを心配していた。実際に作 りっぱなしですぐに機能しなくなった道路や特殊な技術がないと維持管理できない橋梁を作って不評という報道も聞いたことがある。土木学会誌でも、作るだけでなく維持のための支援をしているということを、どんどん報道して欲しいと思う。
ところで、本記事では新設橋梁のことが書かれているが、下流側にすでに橋があるのにどうしてわざわざ新設しないといけないのだろうか。そのあたりの事情も知りたかった。
(所属:中日本高速道路 氏名:舩橋修)

■ PHOTO REPORT (3)東京国際空港国際線地区エプロン連絡橋―UFCを用いた世界最大の道路橋― 一戸 秀久

羽田空港の見学会に参加した際、この橋を見ました。そのときは「ふ〜ん」という程度で特に気にしなかったのを覚えています。世界最大の道路橋というサブタイトルに惹かれてこの記事を読むにつれ、超強度繊維補強コンクリートって何?と初歩的なことから興味を抱き、インターネットで調べるなどしました。東京国際空港整備工事としてみると、どうしてもD滑走路建設工事が報道等でクローズアップされがちですが、本記事のように空港整備には欠かせない構造物に関する情報も多くの方に知ってもらう機会を提供することが大事だと感じます。
(所属:日本シビックコンサルタント株式会社 氏名:田島久美)

■ この人に聞く (株)海洋堂 代表取締役社長 宮脇 修一さんに伺いました(後編) [聞き手]溝渕 利明

前回同様、ものつくりに対する情熱が伝わりました。宮脇氏の発言の中で、「特に勉強したわけでもなく、すきなことだけを、延々やり続けて、ここまできた」というフレーズが印象的です。私は羨ましいと思う反面、そのような経歴の人はごく僅かしかいないと思います。好きなことだけを延々とやり続けていくというのは難しく、人が見えない陰では「血の滲むような努力」をしていると思うからです。海洋堂が製作した「土木フュギュア」、いつか店頭で拝見できることを楽しみにしています。
(所属:日本シビックコンサルタント株式会社 氏名:田島久美)

異業種の方にお話を聞くというのはいい企画だと思いますが、前編と後編に分かれていたのが、少々読みづらくて残念でした。せっかくなら1号にまとめてあったほうが読みやすいと思いました。これからも続けて欲しい企画だと思います。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

■ 特 集 東海道幹線交通のこれから 企画趣旨 野村 謙二

私の場合、物心ついた頃から新幹線も高速道路も存在していた。幹線交通が存在しないなどと考えたことがなかった。むしろ幹線交通が無い地域は不便だと感じるほど幹線交通は生活に密着している。また特集にあったように高度経済成長を牽引し、景気拡大に大きく貢献したことは想像がつく。しかし記事を読みながら、ふと、阪神大震災の際に大きく報道された高速道路の哀れな姿を思い出した。当時中学生だったがとてもショックだった。確かに、このような幹線交通が多くの国民にとっての「国家の永続性を象徴するもの」なのだと実感した。
(氏名:天王 嘉乃)

言わずと知れた大動脈である東海道幹線交通である東海道新幹線と東名高速道路。着眼点は面白いと思いましたが、維持管理と新東名の話しだけではなく、東海道の歴史やリニアの話しまでもがどこかに入っていると更によかったかなという印象でした。新しい貨物輸送のしくみは大変興味深く、CO2削減のためにも是非早期の実現を望みたいと思います。また、CEレポートのひとつめとぶらっとぉ土木現場も新東名の話題だったのでせっかくならば近くにまとめたほうがよかったかなと思いました。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

■ 2. 大動脈の健康診断と延命治療 (1)東海道新幹線構造物の維持管理における総合的な課題 荒鹿 忠義

東海道新幹線は、他の新幹線に比べ土構造物区間が長いため軌道の維持管理が非常に大変だと聞いたことがあります。毎日最終電車が終わったあと始発電車が通るまでの数時間の内に狂いが生じた軌道を整備しなくてはならないからです。土構造物でもあまり狂いが生じないような補強工法は無いものでしょうか。今度一 度考えてみたいものです。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

■ 4.東海道貨物輸送のこれから 岩尾 詠一郎

太平洋ベルトを構成する東海道であるから,そのシェアや及ぼす影響は大きいと思う。今回,「東海道物流新幹線構想」なるものを初めて知った。インターネットで検索してみると,これに関して厳しい見方を示すものも結構みられた。リニア新幹線との関係もどうなるのか。また,果たして,新たなインフラ整備が今後も求められ続ける世の中なのか,社会変革を迫るのか。そういう長期的,政策的部分を含めて,この構想についてもう少し知りたいと思いました。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ はたらくどぼくきかい 第4回(最終回) かにクレーン 近藤 由美、香月 亜記範

「はたらくどぼくきかい」が4回で連載終了なのは少々残念でした。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

■ CE リポート 話題 国産木材を活用したまちづくり―新川の木橋群計画― 土屋 信行

この記事は,まず,図1「利根川の東遷事業」が目を引き,面白かった。記事へのモニター意見としては少し趣旨が異なるが,別の機会で関連する本など読んでみたいと思った。私の家の近くには,玉川上水,千川上水が流れ,江戸時代の大土木事業跡に身近に触れられることも思い出した。この記事は私にとってそのような良いきっかけを与えてくれた。同時に,林業の活性化,森林機能の復活,温暖化対策など大切なことだなと思い,それらを喚起する記事を今後も続けて欲しいと思います。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ 見どころ土木遺産 旧・江尾発電所 ―山陰に花咲いた可憐なる電力施設の美― 樋口 輝久

本誌に掲載されている旧江尾発電所の写真を見て、改めて時代の流れを実感した。この発電所は、建設から90年近くが経過しているにも拘らず、現在の状態を維持しており、当時の技術者の知恵や丁寧な造りが伺える。
老朽化を理由にこの建物の解体が検討された時期もあったが、土木遺産認定という形で一躍注目を浴びたことは実に多大である。
土木遺産の存在によって、当時の建設技術や技術者の意匠を知る上での手がかりになると考えられる。そのため、これらの構造物を残す方法や存在価値を考えることは大切であると思う。
(所属:金沢工業大学 氏名:高柳大輔)

■ モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場 新東名高速道路 猿田川橋―吉原ジャンクション間(静岡県静岡市)

見ているだけで本当に面白い!これまでの作品をまとめた本ができれば良いのに、と思う。
(氏名:天王 嘉乃)

大規模土木事業や道路の建設は(都市部に住む私の視野では),どうしても自然破壊に見えてなりません。クルマ社会を進める(ことにつながるタイプの)道路整備が,本当に,これ以上求められる時代なのでしょうか。貨物だけでなく,人の移動ももっとモーダルシフトするのが良いと私は考えています。「ぶらっと土木現場」も,できるだけ,伝統的土木建造物などの修復や伝統手法の適用現場,環境修復事業など,環境保全との一致点が多い話題が増えて欲しい気がします。おそらく,このことは,私のような人間にも土木への理解を進めることになるかと思います。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ 論説委員会の頁 第16回論説(2008年9月版)冗長性のあるストック設計 米田 雅子

論説を読み、大阪・御堂筋の建設計画が立てられた当時、「滑走路を造るつもりか」というような意見が出たけれども、現在では誰もそんなことは思わない、という話を思い出し、国家百年の計を考えたインフラ整備が高度成長期よりもさらに重要になっているということがわかりました。ただ、計画対象の世代ニーズを超えた、超長期の供用を想定した構造物の整備費用を負担する現役世代にとっては、その意義には総論賛成でも、短期的な視点で各論反対という場合が結構あるのではないかと思います。各論に対する訴えには、具体的な事例が説得力を持つと思うので、論説で述べれられていた、冗長性が足りないが故に長期的には不経済になっている建築分野における事例のように、土木分野の事例を学会誌の企画等で、一度、整理していただけないかと感じました。
(氏名:笠原宏紹)

■ どぼく自由自題 第6回 続けること パート2 須田 久美子

「土木技術者女性の会」もちろん知ってます。でも1983年発足とは知りませんでした。そんなに歴史があるのですね。当社ではまだまだその頃は女性土木技術者は居ませんでした。10年以上遅れていたことになるのでしょか。発足当初はさぞ大変だったことでしょう。やはり「継続は力なり」ですね。でも最近は「やめる勇気」も必要なので、その使い分けが難しい。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会