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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

催事
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9.2012年度(第48回) 水工学に関する 夏期研修会

Aコース 河川・水文  行事コード:23202
Bコース 海岸・港湾  行事コード:23203

・主 催

土木学会(担当:水工学委員会,海岸工学委員会)

・共 催

土木学会北海道支部(予定)

・期 日

2012年8月 27日(月)〜 28日(火)の2日間 (A,Bコース並行開催)

・場 所

北海道大学工学部B31講義室およびB32講義室
(札幌市北区北13条西8丁目、
ホームページ:http://www.hokudai.ac.jp/introduction/campus/campusmap/
・JR「札幌駅」北口、地下鉄南北線「北12条駅」もしくは「北18条駅」。

・定 員

Aコース 150名 Bコース 150名

・受講料

1コースにつき1名  一般 (社会人)   16,000円
学生・院生      13,000円
*いずれのコースも受講料に,講義集代(6,500円)が含まれています.

・申込方法

下記のいずれかの方法でお申込下さい
(1) 土木学会ホームページ: http://www.jsce.or.jp/event/active/information.asp から
(2) FAX:学会誌巻末に掲載されている「本部行事参加申込用紙」をご利用下さい.

・申込に関するお願い

(1)当日の受付は非常な混雑が予想されるため,参加費のお払いは,請求書類を発行しますので, なるべく銀行振込または郵便振替にてお支払い下さい.
(2)申込締切日前に定員に達している場合がございますので予めご了承ください.   締切日以降の事前受付は致しませんが,定員に余裕があれば行事当日会場にて受付します.
(3) 申込み後,やむを得ずキャンセルをされる場合は,必ず開催日の5日前(土・日・祝祭日を含まず)までに研究事業課(水工学夏期研修会担当:03-3355-3559)へご連絡ください.ご連絡がない場合は,参加費を徴収させて頂きますので予めご了承ください.
* 申込書到着後,10日前後にて折り返し「参加券」および「請求書類」をお送り致します.

・申込締切日

2012年8月17日(金)【必着】

・講義集の販売について

テキストのみご希望の場合は、研修会終了後に出版事業課までお問合せください。 注)研修会場でも販売いたします. 価格:A,Bコース共に 1冊 6,500円(税込)

・プログラム等の最新情報は

水工学委員会ホームページ  http://committees.jsce.or.jp/hydraulic/
海岸工学委員会ホームページ http://www.coastal.jp/ja/
をご覧ください.

Aコース:河川・水文コース 「大規模水害の減災技術」
近年,洪水や津波による大規模な水害が国内外で相次ぎ,その分析や対策の立案が迅速に,かつ多くの場で求められるようになっています.とくに,昨年の東北地方太平洋沖地震に伴う津波,紀伊半島豪雨,タイの洪水などの大規模自然災害を経験した今日,どのような現象が起きるのかに予見を持たずに向き合い,その対策を考えていく必要性を痛感したところです.そのような現状を的確に分析し,減災対策への今後の幅広い需要に応えるには精度の高いシミュレーション技術に加え,多数の人間が関与して多種多様なニーズに応えられるようにソフトウェアの汎用化が求められます.そのためには要素計算のエンジン部分だけではなく,それらをうまく連携させ目的とする成果を効率的に得ることができるようないわばプラットホームとなる部分が必要といえます.
そこで,研修の前半部分は水害分析の基礎となる流出計算,河川水理,氾濫流などの計算技術とそれを実現するための汎用的なソフトウェアの最新動向を紹介したいと思います.実際の計算作業については,データの入出力や個人ベースでつくられたプログラムの操作性の煩わしさなどから,どちらかというと専門とする一部の研究者やコンサルタントを除いて抵抗感があったものと推察されます.それを解消したシステム開発を目指すことで,学生や行政職員,コンサルタント技術者の必ずしも計算に馴染みがなかった方々へも解析技術の裾野を広げていきたいと考えています.後半部分は,そのような計算技術を実務に適用していくためにも,大規模水害に対してこれまでどのように取り組み,今後どうすべきかについて国土交通省でのキャリアをもつ講師から紹介していただきます.さらに,気候変動によって懸念される極端現象の動向や水害への具体的対策として堤防やダムの機能についての最新の研究成果を紹介いたします.以上より,本年度の研修会は総合タイトルを「大規模水害の減災技術」とし,水工学に関連する様々な分野で活躍されている9名の講師の方々に講義をお願いしました.

8月27日(月)
(1)9:15-10:45 Common MPによる流出計算
国土技術政策総合研究所 河川研究室 菊森佳幹
(2)11:00-12:30 総合洪水解析システム(IFAS)による水文データ不足流域における洪水解析
土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター 深見和彦
(3)13:30-15:00 iRICによる河川シミュレーション(1)
iRIC基本コンセプトと三次元ソルバー 
北海道大学 工学研究院 木村一郎
(4)15:15-16:45 iRICによる河川シミュレーション(2)
Nays2DとNays2DFLOODの説明・事例紹介・デモおよびiRICの今後の展開
北海道大学 工学研究院 川村里実
(5)17:00-18:45 河川計画立案手法の現状と今後の展望
国土交通省水管理・国土保全局 河川計画課 泊  宏
8月28日(火)
(6) 9:15-10:45 石狩川治水百年の歴史と流域の発展 
北海道大学 工学研究院 鈴木英一
(7)11:00-12:30 近年発生している極端現象とその予測手法
北海道大学 工学研究院 山田朋人
(8)13:30-15:00 十勝川千代田実験水路における越水破堤実験
土木研究所 寒地土木研究所 柿沼孝治
(9)15:15-16:45 ダム管理の高度化に向けて
国土技術政策総合研究所 水資源研究室 鳥居謙一

Bコース:海岸・港湾コース 「数値波動水槽 −波浪計算の深化と耐波設計の革新を目指して−」
数値計算技術の高度化に伴い発展する数値流体力学は,微視スケールから地球規模に至る広域レンジの多様な流体を対象に新たな知見の取得と産業技術の創出に大きく貢献してきました.これら多様な計算技術は,海岸工学においても,自由水面流れとしての波浪計算,砕波帯,構造物近傍で発達する乱流計算,漂砂予測のための固液二相流計算,そして波浪−海上風相互作用の解明へ向けた気液二相流計算など広範囲の問題へ応用され,調査研究の基盤技術へと進化してきただけでなく,海岸構造物の新たな設計技術及び海浜変形の予測技術として工学的応用へ向けたさらなる深化が進められています.
 海岸工学委員会数値波動小委員会では,最新計算技術と海岸工学におけるアプリケーションを解説し,研究者及び技術者の正しい理解と適切な技術の導入を促進するものとして,書籍「数値波動水槽 −波浪計算の深化と耐波設計の革新を目指して−」を土木学会から出版する予定です(2012年7月初版).今回の研修会では,この書籍をサブテキストとして位置付け,数値計算の第一線で活躍する書籍の著者が講師として,計算技術の基礎から海岸工学の諸問題への応用に至る多様なトピックスを系統的に解説します.数値計算に興味のある大学院生や数値技術の導入を検討している技術者にとって絶好の機会となりますので,是非ご参加ください.

8月27日(月)
(1)9:15-10:45 自由表面流れの概要,基礎方程式と離散化および応用例
京都大学防災研究所 森 信人
(2)11:00-12:30 VOF法による数値波動水槽
名古屋大学大学院工学研究科 川崎浩司
(3) 13:30-15:00 セミラグランジュ的移流計算法 −CIPなどセミラグランジュ計算の基礎,今後の展開−
広島大学大学院工学研究院 陸田秀実
(4)15:15-16:45 高精度粒子法 −数値波動水槽のための粒子法の高度化−
京都大学工学研究科 後藤仁志
8月28日(火)
(5) 9:15-10:45 漂砂の計算法と今後の展望
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科 岡安章夫
(6)11:00-12:30 海岸構造物の耐波設計と数値波動水槽の活用
大成建設 伊藤一教
(7)13:30-15:00 DEMによる漂砂過程および耐波設計に関する応用計算
京都大学工学研究科 原田英治
(8)15:15-16:45  統一ベンチマークテストによる数値モデルの特性評価
北海道大学大学院工学研究科 渡部靖憲

・問 合 先

土木学会研究事業課・岩西(TEL:03-3355-3559)
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