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土木学会誌

講演・論文などの募集

11.2010年度河川技術に関するシンポジウム ─新し い河川整備・管理の理念とそれを支援する河川技 術─ および「河川技術論文集 第16巻」論文


河川部会は1997年度に土木学会水理委員会(現水工学委員会)に発足した部会です。
河川部会は、河川技術を、「河川(水・土砂・物質循環系を含む)と人間および生物との関係をより良いもの変えていくために河川を賢く制御する実践的技術の総体」ととらえ、河川技術の分野において、産学官を問わず広い裾野から研究開発や技術検討が精力的に行われ、それが河川や流域の現場に広がり、現実を変え、そのことが国民、流域住民から肯定的に認知され、河川技術の発展とその現場への適用を促進するという好循環の形成に貢献することを目指しています。
そのために河川部会は、既存の三つの部会(基礎水理部会、環境水理部会、水文部会)との連携協力を推進するとともに、学術と技術との橋渡し、官・学・民の連携、従来の河川工学以外の河川にかかわる学術との学際領域への展開など、河川の技術に求められるさまざまなインターフェ−ス的側面を追求しています。
河川部会では2010年度も標記シンポジウムを下記のように企画いたしましたので、ふるってご参加いただきますようご案内申し上げます。

・開催期日

2010年6月3日(木)・4日(金)

・開催場所

東京大学農学部 弥生講堂
(文京区弥生1-1-1)

・参加費

一般6500円6000円、学生4000円(論文集代含む)

・シンポジウム募集課題

本シンポジウムは、1つの会場で特定の課題について全体で議論を進めるオーガナイズドセッションと、ポスターセッションから構成されます。以下の特定課題および一般課題について論文等を募集します。「論文等」には、投稿ジャンルに示すように、[論文、総説、報告]があります。河川部会の目的に則り、報告も論文や総説と同等に重視しています。
特定課題、一般課題とも「河川技術を主題とし、あるいは生物・生態、社会経済などの周辺領域の論文等については河川技術とのインターフェ−スを有し、いずれも河川整備や管理に資するもの」、また「実際の事象に基づいた考察がなされ、研究された論文等であること。たとえば、現地を対象とした観測・調査、数値計算や模型実験などから見出された知見をもとに、問題設定がなされ、研究が展開されている論文等であること」を投稿の条件とします。

(1)特定課題:気候および社会条件の変化への適応と河川技術
地球温暖化に伴う気候変化が洪水や渇水などに関わる極端現象の激化をもたらすとの懸念が指摘されています。また我が国は、今後長期にわたって人口減少や高齢化などの大きな社会条件変化のトレンドに入り、これは土地や水の利用形態などに影響しうるものです。
河川・流域の整備や管理において、こうした基本的条件の変化を考慮し、適応するために、「河川技術として本当に重要なこと、やるべきことは何なのか?」を考えます。河川・流域さらには地先ごとの複雑で多様な特徴を踏まえるという局所性の考慮を得意としてきた河川技術の特長を踏まえつつ、「今まで培われてきたどのような技術を大切にし、さらに伸ばすべきか?」「新たに開拓すべき技術は何か?」を議論します。
[変化予測、影響評価、施策検討]という括りがありますが、ここでは後二者を中心にし、また現場に適用できる技術という側面を重視したいと考えています。議論の分野として[流域計画・管理/河川計画、河道計画・設計・管理/治水、環境、利水など複数の目的の統合化]などを想定していますが、これらに限定するものではなく、また、これらを横断するものでも構いません。
本格的に動き出しつつある課題であり、正面から本課題を取り上げた検討の蓄積は現段階では少ないかもしれません。今までの取り組みや技術検討の中で、本課題の議論に資する部分があり、それを掘り起こして報告いただくことも、本特定課題に馴染むものと考えています。
以上の主旨に関係する論文等を幅広く募ります。

(2)一般課題
一般課題の論文等は、河川部会活動の基盤となる重要なものです。特定課題以外の、河川部会の目的に沿った論文等を幅広く募ります。

・論文集投稿ジャンル

シンポジウムでの発表は、次のジャンルの投稿を対象とし、いずれも、要旨、全文の2段階審査(河川技術論文集編集委員会を設置します)を実施します。
(1)論文(理念に関する論文を含む)
論文は、河川技術上新しい事実の発見や解釈を含むものであり、科学的な手続きを踏んで得られた結果に対して論理的に筋の通った考察が加えられているもの。また、理念に関する論文とは、新しい河川整備・管理に資する理念や提案であり、新規性・有用性があり、論理的に筋の通ったもの。
河川部会の目的、特長に則り、理念に関する論文の投稿も重視しています。
(2)総説
これまでに公表された当該分野に関する事実や論文に含まれた多くの知見を幅広く総括することによって河川技術に関する課題を比較考察し、今後の研究及び技術開発の方向性を考察した論文
(3)報告(調査報告、研究プロジェクト報告など)
調査・計画・設計・施工・現場計測・研究プロジェクトなどの報告で、技術的・工学的に有益な内容を含むもの

・発表形式

特定課題に投稿された論文等は、オーガナイズドセッションにて発表していただくこともあります。その場合の発表形式は各課題のオーガナイザーより連絡いたします。一般課題では、ポスター発表と1分間程度の口頭による概要説明を行います。特定課題に応募された論文等の多くは基本的に一般課題のものと同様の扱いとします。

・要旨による応募方法

応募方法は、2009(平成21)年12月上旬までに河川部会ホームページに掲載しますのでご覧ください。同ホームページに掲載された形式で下記内容(1)から(6)を記載していただきます。河川部会ホームページには土木学会水工学委員会ホームページから入ることができます。
http://www.jsce.or.jp/committee/hydraulic/hydr.html
(1)題目
(2)要旨
(a)目的、(b)内容、(c)得られた成果を1000字(40文字25行)以内で明記してください。この字数制限は厳守してください。要旨は文章のみとします(図面、写真は不可)。また、既往の関連論文がある場合には論文名および論文集名を別記し、投稿論文等と既往の関連論文の違いを明確に要旨に記述するようにしてください。第1段階審査はこの論文要旨をもとに行います。なお、論文審査要領については、土木学会水工学委員会河川部会のホームページをご覧ください。
(3)募集課題:(特定課題or一般課題)
(4)投稿のジャンル:(総説or論文or報告)
(5)著者、発表者、発表者所属
(6)連絡先(代表者の氏名、郵便番号、住所、電話、FAX番号、Eメールアドレス)

・応募締切

2010年1月28日(木)

・スケジュール

要旨による応募に対して第1段階審査を行い、2月中旬に代表者に審査結果をお送りします。全文原稿は、A4用紙で4〜6ページ(様式は河川部会ホームページに掲載)で、2010年4月8日(木)を提出期限とします。提出された論文等は、編集委員会で審査し、期日までの修正を求める場合や、掲載を見送る場合があります。なお、シンポジウムでの発表形式は第2段階審査後5月中旬にお知らせいたします。シンポジウムのプログラムおよび発表形式は、河川部会のホームページに掲載します。

・問合せ先

河川部会長 藤田 光一
〒305-0804 茨城県つくば市旭1
 国土交通省国土技術政策総合研究所河川研究部
 TEL:029-864-7875
 FAX:029-864-1168
 e-mail:fujita-k85ab@nilim.go.jp
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