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土木学会関東支部では毎年、土木の日(11月18日)記念行事として親子見学会を開催しております。今回は11月16日(土)に開催し、大人14名、子供14名の計28名の方々にお越しいただき、「東京外かく環状道路 本線トンネル(南行)大泉南工事」と「相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)工事」を見学しました。

■東京外かく環状道路 本線トンネル(南行)大泉南工事の概要

画像:本線トンネル(南行)大泉南工事の概要

本工事は、東京外かく環状道路の大泉JCT付近から井の頭通り付近までの総延長約7.0kmをシールド工法により施工するトンネル工事で、見学当時の進捗率は0.3km程度とのことでした。トンネルの外径は15.8m、最大地下深度は40m、シールドマシンはこの工事のために製作され、外径は15.8m、重さ約4,000tにもおよびシールドマシンの現場組立には約8カ月を要したそうです。また、シールドマシンによる掘削で発生した土砂は、現場から約6.0km先の仮置き場までベルトコンベヤにより運搬され、そのうちの約5.0kmは供用中の外環本線の中央分離帯上を用いて運搬されています。

画像:本線シールドトンネル諸元概要 画像:シールドマシン、セグメントの概要

■東京外かく環状道路 本線トンネル(南行)大泉南工事の見学内容

見学会を開催した時の状況は、掘進距離約300m、地表面から約7.0m~8.0mという進捗で大泉立坑から徒歩で見学するにはちょうどいい感じの見学コースでした。

現場到着後は、会議室で工事の概要やシールド工法の説明をお聞きして、シールドマシンの模型や実際のセグメント、ベルトコンベヤに用いているベルトなども見学しました。

そしていよいよ施工中の工事現場へ移動し、大規模な仮設機材が配置される中を歩いてトンネルへと進み、セグメントを運搬する軌道や各設備を見学しながら、先端のシールドマシン付近に到着。ここでは,シールドマシンの運転室やシールドマシン本体を見学、かなり貴重な体験をすることが出来たのではないでしょうか。

見学終了後は、会議室に戻って質問タイムがあり、子供たちにはお土産を頂き、案内をしてくださった現場の方々にお礼の挨拶をして、バスで次の現場である新横浜へと向かいました。

画像:工事概要やシールド工法の説明
工事概要やシールド工法の説明
画像:セグメントの見学
セグメントの見学
画像:大規模な仮設資材の中を坑口へ向けて移動
大規模な仮設資材の中を坑口へ向けて移動
画像:坑口付近に到着
坑口付近に到着
画像:坑口からシールドマシンへと延びる軌道
坑口からシールドマシンへと延びる軌道
画像:トンネル内で記念撮影
トンネル内で記念撮影

■相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)工事の概要

画像:相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)工事の概要

本事業は、相鉄・JR直通線羽沢横浜国大駅を経由し、東急東横線・目黒線日吉駅までを繋ぐ連絡線のうち、相鉄線と東急線との相互運転を行う相鉄・東急直通線を建設するものです。(独)鉄道・運輸機構により整備が進められています。見学する工事は、東海道新幹線新横浜駅の駅前付近の主要地方道環状2号線下に、延長325.5mの鉄道地下駅を開削工法により築造するもので、鉄道・運輸機構施工区間における駅舎は最大幅28.5m、深さ約33mの鉄筋コンクリート4層構造となります。本駅で採用した土留め壁は、鋼製地中連続壁工法が用いられ、仮設材としてだけではなく本体構造にも利用することで様々なメリットがあります。

相鉄・東急直通線が完成すれば相鉄線から東急線へ直接乗り入れが可能となり、これまでの横浜駅での乗り換えが解消され、短時間で都心へのアクセスが可能となるとともに、新幹線へのアクセスも向上します。

画像:鉄道地下駅新設工事(開削工法)と相鉄・東急直通線、新横浜駅 鋼製地中連続壁工法 標準断面図

■相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)工事の見学内容

この工事の特徴は、何と言っても地下4階、掘削深さ33mを開削工法で施工しているところです。交通量の多い主要地方道環状2号線の地下で行われる大規模な工事であり、難易度の高い工事でもあります。

まず現場事務所で工事の概要説明をお聞きし、施工中の現場へは西工区(羽沢横浜国大駅側)の昇降設備から入坑しました。地下1Fは路面覆工の真下になり、覆工版の隙間からは頭上を通行する車両を確認できる状況です。見学者のみなさんはどのように感じたのでしょうか。また、地下鉄交差部では壁を挟んだ向こう側に市営地下鉄のブルーラインが営業している状況でした。地下4Fのホームでは、開業前の線路も車両もない真新しいホームがライトに照らされ非常にきれいで土木技術者が造る芸術作品という感じでした。開通したら見ることの出来ない光景に、参加者のみなさんは写真を撮られていました。

見学終了後は地下33mからの階段を上り地上へと出て、事務所へ戻り質疑応答となりました。鉄道に興味を持たれている方も多く、活発に質問が飛び交っていました。そして、クリアファイルなどのお土産を頂き、最後に案内をしてくださった現場の方々にお礼の挨拶をして、バスに乗り込み帰路へと着きました。

画像:工事概要の説明
工事概要の説明
画像:歩道橋から見る路面覆工状況
歩道橋から見る路面覆工状況
画像:地下1F 黒い壁の向こうには市営地下鉄が走る
地下1F 黒い壁の向こうには市営地下鉄が走る
画像:地下1Fから見る路面覆工の状況
地下1Fから見る路面覆工の状況
画像:地下4F 真新しいホーム
地下4F 真新しいホーム
画像:地下4Fで説明を聞く参加者の方々
地下4Fで説明を聞く参加者の方々
画像:仮設材の向こうからシールドが抜けてくる
仮設材の向こうからシールドが抜けてくる
画像:地下4F 新しいホームの前で記念撮影
地下4F 新しいホームの前で記念撮影

■おわりに

今回の親子見学会も関係者の皆様方のご協力により、無事開催することができ、ありがとうございました。今回は二つの現場を見学させて頂きましたが、どちらの現場も非常に丁寧な説明や案内により参加された親子の方々にも満足して頂けたのではないかと思っております。この見学会は、完成した土木構造物を見るのではなく、構造物が出来るまでの段階を見学する日常ではなかなか体験できない機会だと思います。

東京外かく環状道路 本線トンネル(南行)大泉南工事では、巨大なシールドマシンのすぐ目の前で見学することが出来、シールド工法による地下トンネルの作り方や設備の多さ、精密さを知る貴重な機会であったかと思います。

相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)工事は、日常で利用する鉄道の地下駅建設であり、鉄道に興味がある方、そうでない方、どちらの方も関心を持たれたのではないでしょうか。しかも地下深度33mという深さでの工事ということもあり、土木工事の凄みを感じていただけたのではないかと思います。

土木学会関東支部広報部会では、土木という仕事に親しみと興味を持っていただけるよう、より楽しめる見学会を企画いたしますので、ぜひご参加ください。「こんなものが見たい・知りたい」という意見などありましたら、下記連絡先にお寄せください。

土木学会関東支部への連絡先:kanto@jsce.or.jp

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