■2019-20年の学会誌編集方針■


「時を超えて明日へつなぐ学会誌」を目指して

編集委員長 鎌田敏郎

土木学会誌は1915年に創刊され、以降、100年以上の長きにわたって本学会の主たる刊行物として、さまざまな役割を果たしてきた。発刊当初の学会誌は、純粋な土木技術に関する論説報告や討議などがおもな内容であったが、その後、時代の流れに従って土木の役割が変化する中で、土木周辺の他分野の状況や、分野横断的な情報など、学会誌の扱う領域は広範囲になり、今に至っている。
現在、本委員会では、委員長・副委員長・幹事長の3役が会の運営の主軸となり、総勢約50名の委員から成る陣容で毎月1回の委員会を開催し、特集記事、および連載記事等の提案、編集に関する審議を行っている。昨年度まで委員長をお務めになられた舘石和雄先生は、学会誌の編集方針として「土木をつなぐ −内側へ、外側へ−」をお示しになり、土木内部のつなぎ役、あるいは土木と外部とのつなぎ役としての本誌の役割を明確にされた。現体制でも、この点は極めて重要な視点と受止めて踏襲しつつ、来るべき次の世代により良い社会を受け渡す役割も意識した編集方針のもと、さらに「時を越えて明日へつなげる学会誌」を目指して企画・編集に取り組んでいきたい。
そこで、上記の方針のもと、面白く、魅力的で、読者に役立ち喜ばれる学会誌を目指すため、本誌を編集する目的について、ここで改めて整理してみたい。
すなわち、本誌編集の目的としては、具体的には、
(1)土木の役割や魅力、その社会貢献等について、学会誌を通じて社会に向けて発信し、その認知度を向上させること。
土木の社会的地位を向上させることは、土木分野に携わる者の士気を高めるとともに、この分野を志す若者の数の増加にもつながり、土木全体のレベルアップや今後の土木の発展に大いに役立つ。

(2)土木の関係者同士、あるいは、土木の関係者と異分野の方々とが学会誌を通して情報交流することで、相互の理解を深め、協力し、お互いを高めあうこと。
今後、ますます複雑化する社会ニーズにこたえるためには、細分化した土木の各領域が横断的に協力し、総合工学としての土木が有機的に機能するよう、読者間あるいは読者と社会とを繋ぐ場・機会が必要である。本誌は、その場を創出する高いポテンシャルを有している。

(3)過去から現在の土木の歴史的変遷を踏まえて、学会誌を通して土木の将来を占い、当該分野の今後のさらなる発展を促すこと。
故きを温ねて新しきを知る作法は、もちろん、土木にとっても有効である。土木技術が戦後のわが国の驚異的な発展に大きく貢献したことは紛れもない事実であり、この経緯についての入念な分析結果から、今後の持続可能な社会の実現に資する望ましい土木技術の在り方について考察し、本誌から有意義な情報を発信したい。

などがあげられる。
いずれにしても、上記の編集方針および目的のもと、土木学会の伝統と品格を堅持しつつ、社会に広く役立つ学会誌を目指して、編集活動を行っていきたい。
© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会