■2015-16年の学会誌編集方針(2015年1月号の編集委員長挨拶より)■


伝えたい、深めたい ―― 土木の公共性、土木技術の総合性

編集委員長 清水英範

明けましておめでとうございます。土木学会誌は、創刊号が学会創立翌年の1915年、戦争の影響で1945年は休刊とされたため、本号をもって第100巻を迎えました。編集委員会にとって今年は、昨年の学会100周年と同じく、記念すべき年であり、また、気持ちを新たにする年になります。
さて、学会100周年ということもあり、近年、「土木の原点」の重要性について語られる機会が増えたように思います。いろいろな解釈がありましょうが、私は、土木の役割が多様化し、土木の技術者や組織の活動がますます細分化、先鋭化、複雑化していくなか、公共性や技術の総合性といった土木の神髄をいま一度ここで確認しよう、そのことを強く意識して土木の未来を展望しようということだと理解しています。そして、土木界、土木学会において、このような視点がいま特に重要であると認識しています。
学会誌ではこれまで通り、土木の歴史や、土木技術の最新動向、現状の課題や将来展望に関わる時宜を得た情報を提供していきますが、記事の企画にあたっては、常に土木の公共性、土木技術の総合性という視点を大事にしたいと思います。特に、東日本大震災からの復興への土木の貢献は、公共性や総合性という観点から真価が問われるものであり、その動向には、土木の課題に理解を深め、未来を占うに意義ある多くの情報が含まれていると思います。引き続き、積極的な情報発信を行っていきます。
細分化、分業化が進む土木の分野において、土木学会は、産官学の技術者が集まり議論を交わす場であり、国の内外に視野を広げながら、学際的、国際的かつ実践的な活動を模索する場です。土木の公共性や土木技術の総合性のあるべき姿を議論し、その実現を目指していく上で、学会の役割はますます重要になると思います。学会誌では、本部・支部、各種委員会の動向にこれまで以上に注目し、興味深い活動を幅広く取り上げていきたいと思います。
私たちは、以上のような基本方針のもと、歴代の編集委員会の創意工夫を大切に引き継ぎながら、ますます面白くて、新鮮な驚きに満ちた魅力的な誌面づくりを心掛けていきます。また、編集委員会一同、張り切って企画・編集に取り組み、私たちの熱意が読者の皆様にも伝わるような雑誌にできればと思っています。本年もよろしくお願い申し上げます。
© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会