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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2009年9月号モニター回答


■ 聖なる海上のピラミッド

見た瞬間に引き付けられました。観光用のパンフレットでしか見たことがなかった場所。全体的な景色が垣間見れてよかったです。この異様な、しかし興味を引く光景が、自然の掟と、人間の営みが密接にかかわってつくりだされたと思うと、現在の街づくりはどうなのか?と振り返ってみる起点となるのかもしれないと思いました。  
(所属:岐阜新聞 氏名:土屋 亜由子)

■ 第6回 失敗から学んだこと

会長からのメッセージを読んで、土木業界に発信するメッセージと土木業界以外へその魅力や社会での役割・重要度を理解してもらうためのメッセージに大別されるように感じています。今回のメッセージは、土木業界への直球的なメッセージで、技術者として、自分の新入社員時代の失敗が、苦い思い出とともにオーバーラップし、思わずうなずき共感いたしました。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

私は入社して7年目を迎えますが、未だに仕事で良く失敗致します。この記事を読んでまず思ったことは、今の時代「馬鹿ー!」と思いっきり怒ってくれる人はなかなかいないということです。私は今でも良く怒られますが、入社当初はさすがにこたえました。今では考えが異なり、怒られるのはその分期待されていることだと思って逆に怒ってくれる上司に大変感謝しております。失敗から学ぶものは土木技術に限らず、数え切れないほど沢山あります。怒られた分だけ自分は成長している証拠だと思いながら、毎日仕事に取り組んでおります。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

■ 鳥居川、アファンの森での自然再生

災害復旧工事で「元の渓流に近い環境を再現する試み」として紹介されている。本当にこういう取組みが自然再生といえるのだろうか?疑問に思う。 試みとして良いのだろうが、違和感があるのは何故なのだろうか、紹介写真の護岸をみると「とても自然再生とは思えない」ものであるからなのか。紹介以外の意見は無かったのか?出来たらその辺の記事があると学会誌らしいのだが。 C・W・ニコル氏などの意見も取り入れた再生と紹介されているが、「総合的に判断した自然と土木の共生」がこれでは納得いかない。彼の駐車場緑化・公園の考え方には大賛成である。数年前、長野県の駒ヶ根市で同じように整備された河川公園を散歩したが、国の整備指針なのだろうか?背後の駒ヶ根カ−ルを控え、自然保護に最大限配慮したものなのだろうが、もう少し何とかならなかったのかと記憶している。関係者の大変な努力には思いを馳せるが、・・・・・自然、自然と「はやりもの」では土木回帰につながるとは思えない。
(所属:てすとぴあ 氏名:坂本 和雄)

■ 第58回 作家・(財)C・W・ニコル・アファンの森財団理事長 C・W・ニコルさんに伺いました [聞き手]苗村 由美

コンクリートジャングルの都会で生活していると、環境への配慮と言っても、生活環境や住環境など、人間主体の環境だけが先行し、本来は同等であるべき自然環境への配慮がおろそかになってしまいがちだと思います。右肩上がりの時代を経て、多くの自然を失ってしまった今、自然との共存を目指すために、まず、自然を取り戻す土木が必要なのだと感じました。
(所属:大林組 氏名:村上真也)

急峻な地形が多く、地震や豪雨などの災害が多い日本ではカナダと違い、近自然工法で造られた土木施設の利用者には、自然に親しむ事と脅威は隣り合わせであることを十分に理解してもらうことが大切ですが、土木施設の役割である防災を考えると、自然の脅威から生命・財産を守ることを前提とした自然との共生を図る技術のさらなる向上が必要だと思いました。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出圭介)

■ 地域資源循環と広域廃棄物処理システムの構築へ

資源環境問題やエネルギー問題をあるべき政策で語ることは難しくないが、実際に成り立たせるのは難しい。その点九州は、響灘という広大な埋立地、人の和、企業活動、大学の支援などではじめて成り立ったモデルケースと言って良いのではないだろうか。日本地図をよくよく眺めても、伊豆七島の岩礁にいたるまで自然環境の重要さと、人々の生活がかかっているのである。その点に関して言えば、地域のシンボルとなっていた大手建設会社の本社ビルが、おそらく50年もたたないうちに消えていく。消える手法は説明があったが、その短さについては説明はない。前の都庁もそうであった。同じ設計者が、一生のうちに二度も設計をするということがあってよいものだろうか。ローマの500年住宅の例を引くまでもなく、建築廃材や建築物の寿命をどのように考えたらよいか、誰に聞けばよいのか。素人の悩みである。
(斉藤 恒孝)

■ 1.対談 北九州エコタウン [対談メンバー]花嶋 正孝、垣迫 裕俊 [司会]島岡 隆行 [執筆]高橋 史武

北九州エコタウン事業の内容や成果等に関しては、既に国内外で広く知られており、まさにわが国における廃棄物リサイクル事業の先駆けとして、かつモデルとして評価が高いことは周知の通りです。今回の特集(対談)によってこの事業の構想段階から今日の運用に至るまでの経緯を詳しく知ることができました。地域特性やタイミングの事も頷けましたし、市長のリ−ダ−シップのもと北九州市をあげての行政の熱意ある取組みや産官民の連携等による成果であることも良く理解できました。何より、記事全体を通じて強く感じた事は、わが国の廃棄物処理・リサイクル分野を先導しておられる花嶋正孝先生が近くにおられ深く関わられた事がこの事業が成功裡に進展し、更に今後の発展にも大きな期待を持たせるに至っている要素ではないかということでした。
(福冨幹男)

この種の対談記事では、出席者が自分の精通している話題のみを語り、結果として全体の議論がかみ合っていないことが往々にしてあるように思う。しかし、今回は同じ課題に対して取り組み、共通認識を持つお二人の対談であり、北九州エコタウン事業の成功に至る経緯がよくわかった。 「エコ」というとイメージよく聞こえるが、廃棄物処理施設もあるとなれば地元の理解を得るのは一般的には困難だ。これを克服できたのは、官の担当者の情熱のみならず、 産学の協力もあいまって、事業自体がうまく好循環の流れに乗れたためだろう。 また、リサイクル事業は今後も成長していくものかと思っていたが、ペットボトルリサイクルをはじめとして撤退している分野もあると知り、認識を新たにした。
(所属:富山県 氏名:山中久生)

静脈産業成立のプロセス、行政のご苦労を初めて知りました。「役所の情熱」、感動しました。エコタウン事業の益々のご発展を期待します。
(氏名:秀島 雄二朗)

中心市街地のシャッター街など地方都市の衰退が顕著となっている中で「北九州エコタウン」は、地方の取り組みが国の基準になるなど、地方から日本を変えていく地方の力強さを感じさせる大変興味深い特集記事でした。また、産官学の適材が活躍されたことが紹介されているとともに、その活躍の場を提供した市長の英断などプロジェクト成功の要因も紹介されておりました。全てのプロジェクトがこのようなに適所適材に恵まれることは難しいと思いますが、時代の要求など様々な要因が後押ししたものと感じました。ただ、資源循環型社会の構築が重要な課題となっている昨今、このような特徴ある取り組みがあまり情報発信されていないことは大変残念に感じました。このような事業の情報発信について土木学会も考慮していく必要があると感じました。
(所属:大日コンサルタント(株) 氏名:船場俊秀)

■ COLUMN─1 アジア循環資源貿易の実態 中山 裕

循環資源・中古品の輸出額からの考察であり,九州の役割の重要さを理解することができた.ただ,紙面の関係から割愛されたと推察するが,輸出後にどの様に利用されているかについても,フォローしておくことが重要と思われる.後半でご紹介のプロジェクトやビジネスミッションなどで対応されることと思うが,一時的な環境ブームで会費収入が見込めたとしても,今後減少していく危険性も想定して,継続的に活躍されることを期待したい.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

■ 3.地域資源循環への取組み 九州におけるバイオマス利用の現状と課題 島岡 隆行、佐川 康貴、鈴木 誠二

率直に言ってバイオマス利用のエネルギ−生産の実用化がこんな段階まで進んだかと感無量です。特に日田市における畜産排泄物、ススキなどの草類を利用する試みと実用化は、将来のわが国におけるエネルギ−問題を飛躍的に発展させる事になるものと期待しています。私は、将来、究極的には厄介物のセイタカアワタチソウの利用(農村の耕地・荒地等の土地を利用して大量生産、栽培が容易。農村の活性化)、人糞の利用(トイレと台所・風呂等との一体システム化、し尿の家庭内エネルギ−化と利用)が実現すれば、バイオマス利用法の分野では画期的ではないかと夢見ております。
(福冨幹男)

日田市の事例で,課題として提示されている通り,発電した電力を関東の都市圏に送電していることは問題と感じた.この例に限らず,太陽光などの自然エネルギーに関しても,人口の密集した都市部から離れた地域にしか立地できず,遠距離の送電を余儀なくされているといった話しを聞く.これについては,地域だけの問題ではなく,行政を含めた全国レベルでの取り組みが必要で,例えば,土木学会などもその中心的役割を担えるのではないかと思う.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

■ COLUMN─2 焼酎かすを資源に 高橋 史武、古川 愛子

エコな取り組みには多種多様と言われているが,九州南部の特産品である焼酎の絞りかすを対象物としてリサイクルシステムを確立されたことは衝撃的である。特に,焼酎かすから副産物としてエリンギなどの高機能性きのこを算出することで,地域産業へ経済的なプラスの効果をもたらしている。一次産業の再生や食糧自給率の向上が国策として取り組み始められている。地域ごとの実情や,となりの分野への関心を持ち,安価で継続的に運営できるシステムを考えるなど,シビルエンジニアはその枠を広げながら,成果の事業化に前向きに取り組まなければならない。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

焼酎かすのバイオマスリサイクルフローに感動した.建設現場でも廃材をリユース,リサイクルに努めているところではあるが,その先がブラックボックスである印象を受ける.当然,リユース,リサイクル後のフローも存在しているはずだが,現場の外,土木以外の分野で具体的にどの様に活用されているかのイメージが少ない.せっかくの取り組みが,業界の中にいてさえ不明瞭に感じることは非常に残念であり,土木のイメージアップのためにも,宣伝方法を再考する必要があるように感じた.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

焼酎といえば、最近若者のあいだでも親しんで飲まれるようになったお酒という印象があります。よく飲む機会はあるのですが、その焼酎が製造時には2倍もの焼酎かすが発生するとは知りませんでした。これを利用してキノコを栽培するというのは、おもしろいですね。まさか、食べ物に利用できるとは思ってもみなかったです。それだけではなく、薬用キノコの栽培にも取組まれているということで、とても期待しています。また、コンクリートにも利用できれば、使用範囲は大きく広がりますね。今後も利用範囲を広げてもらい、よりエコな環境が広がれば良いなと思います。
(所属:住友大阪セメント(株) 氏名:川瀬 彩)

焼酎をつくる過程で、大量の廃棄物が発生することを知り、驚きました。海洋処分ができなくなり、リサイクルに対する研究が進んでいることは、大変よいことです。きっと他にも、まだまだリサイクルに取組まなくてはいけないことがあるはずだと思います。
(氏名:平田貴久美)

資源循環型社会の形成を目指し、様々な分野で廃棄物の有効利用を図る研究が進められている。本記事は、焼酎を製造する際に発生する“焼酎かす”をキノコの菌床や海中環境の浄化促進に利用するという非常に興味深い内容であった。今後も廃棄物の新しい有効利用について注目していきたい。
(所属:戸田市 氏名:宇田将人)

■ 4.循環型社会を目指して 賢い消費者になろう!久留 百合子

ゴミを減らす取り組みは、国民一人一人が実践していくことが必要です。そのためには、環境に対する教育や、 ゴミ廃棄料の値上げなど、対策を講じなければなりません。まだまだ、私たちは真剣に環境問題に対して勉強しなければいけないと感じております。
(氏名:平田貴久美)

何をするにも、「環境」とは切り離せない時代となり、3R運動のさらなる推進が望まれている。その中で、企業、行政、消費者など様々な立場から言及している部分に共感が持てた。
(所属:岡山県 氏名:難波明代)

■ 第7回 クロスボーダー 噴水と土木 渡辺 香奈、杉江 裕実

クロスボーダー毎回楽しみに拝見させていただいております。噴水にも土木技術が生かされていることに大変感激致しました。また、辰巳用水の暗渠の工夫について、流量損失を減らしかつメンテナンスフリーを考えていたとは、改めて昔の技術者の凄さを感じてしまいました。現在、メンテナンスフリーを目標として、いろいろ新しい技術が開発されておりますが昔の人の知恵を振り返ることも大切だと改めて感じました。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

『CROSS BORDER7 噴水と土木』について,図1の吐出口が辰巳用水と思うが,それが明記されている方が分かりやすかったと思います.また「渇水のための技術とは・・・」の節で,「導水の過程に設けられた噴水は霞ケ池を水源・・・」と記されていますが,図1の導水経路と整合が悪い感じがしますが.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

水文化として湧水文化、溢水文化、流水文化という区分があることを初めて知りました。確かに中東地域に比べれば格段に水に恵まれている我が国は、湧水への憧れは低く、むしろイリュージョンとして受け入れられる方が主流な感覚を持っていると思います。兼六園における噴水技術は上水道技術の応用でもあり、土木技術そのものと言えると思います。現在ではポンプで簡単に噴水を作ることが出来ますが、暗渠の断面形状や縦断線形を考慮して掃流力を確保し、水頭差だけで湧水させているのは凄いです。現代においても先人達の功績を見習い、自然の力を最大限に利用した地球に優しい土木施設を構築していく必要があると改めて感じました。
(所属:日本水工設計 氏名:佐々木隆)

■ 第62回 七条大橋 吉田 長裕

現況写真と絵葉書を見比べて「うん、なるほど」と思いました。文中の新たなデザイン様式の導入の意義が二つの写真のおかげで納得できました。力強くかつ優雅なデザインであることは現況写真にも当然現れていますが、絵葉書の何とお洒落なこと。白いアーチを取り戻せませんか?風雪に耐えた歴史より竣工時の美しさがより心を打ちました。
(氏名:秀島 雄二朗)

■ 企画趣旨

かつて、技術開発に関わる業務をおこなっていた。当然大きな壁に当たったり、悩んだり、助けられたり、多くの貴重な経験を積むことができたと思う。その中で、「技術開発という行為が紛れもなく一人ひとりの技術者の人間的な活動である」ということに、大いに共感できる。技術開発の過程でのこぼれ話、苦労話などを紹介するという、そのような視点でスタートした企画に期待したい。
(所属:キャプティ 氏名:斉藤 実)

■ 土木の将来について 青山 俊樹

土木構造物の美しさは「機能美」の面が大きいと思います。例えば土木遺跡は、昔は大いに機能していた様子を想像することで美しさを見出し、壮大な土木構造物は、機能が目に見える形で現れているため美しいと感じるのだと思います。社会基盤となっている土木構造物は何らかの機能を持っているので、人々に土木構造物の美しさを知ってもらうためには、土木構造物の役割や機能を人々に十分理解してもらえるような技術者の説明責任が大切だと感じました。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出圭介)

■ 縄文遺跡の覆土保存技術について 三浦 哲彦、宮崎 寛章

最近古代史の諸事に関わる機会が少なくありませんが、その経験から、考古学分野における遺跡・遺構の発掘の殆どは、全ての遺構を掘り尽くす、全ての遺物(出土品)を採取するという方法が採られており、100年とか500年とかの半永久的な保存とか伝承とかいう観点では果たして大丈夫かと技術的には少なからず疑問視されるところです。そのような現状の中で、この巨勢川調整池造成地において遺跡の一部を未発掘せずに埋め戻したという手法は実に画期的な配慮だったのではと思います。併せて、遺跡発掘や考古学年代の検討等の多くが考古学専門家主体で行われておりますが、この東名遺跡では、考古学・古生態学・地質学・地下水工学・地盤工学・行政の専門家が携わり、総合的な判断を下すべく調査検討が行われており、今後の遺跡・遺構の発掘の進め方の好例となるのではないかと高く評価されます。
(福冨幹男)

■ 大学のオリエンテーションから−ベトナムの留学生−

本校にもアジア,アフリカからの留学生を受け入れている。特に,東南アジアの発展はめざましく,ベトナムでは日本方式の新幹線導入など,社会資本整備によって大きく発展をしようとしている。このような活力のある時期に,若い技術者が日本で学び,その技術力と実情を本国へ持ち帰って,役立ててくれることは,真の国際貢献となろう。東南アジアでも巨大地震が続いているし,メコン川近隣の開発ラッシュ,資源争奪,これに伴う環境悪化が懸念されていると聞く。ベトナムの市民生活に適切な開発と保全がなされることを,若き技術者達に夢を持って取り組んで欲しい。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

■ その他・ご意見

学会誌が,最近少しずつ遅くなっているように思います。これは私が地方に居るからでしょうか。あるいは,配達日の曜日の関係;土日を挟むなどでしょうか。学会誌を早く届けるのも,何年か前に取り組まれてきたように思います。郵送ではなく配送業者さんなので,安心して届けられているとは思いますが,少し気になりました。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

出版物について,全般書籍のオンディマンド化などは考えておられないのでしょうか。外国の業務で,過去の士方書等に立ち返りたいとき,図書館にもなく学会も発売していないとなるとアマゾンやオークションなどぐらいしか手がありません。士方書は,大災害などで変更されていることが多く,現在の士方書だけでは十分に教訓を学ぶことが出来ません。土木学会出版の書籍は,高い学術的な検討を重ねたものが多く,オンディマンド化してもPAYするものが少なくないのではないでしょうか。在庫を抱えたくない実情があるのなら,オンディマンド化を進めることは一考の価値があると思われます。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会