JSCE

JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2008年1月号モニター回答


■ 表紙

表紙の写真が活気に溢れており、新年の始まりに相応しいと感じました。今後も大きいに期待しております。
(所属:東京大学 氏名:入谷和範)

■ PHOTO REPORT (1) コウノトリと人が共生する環境の再生を目指して―コウノトリ野生復帰推進計画と円山川自然再生事業―

便利な世の中へ発展するその代償として生態系が壊されているのが現状。一度壊されたものを元のように戻すのは非常に難しいことだと思う。また、守ろうとするがゆえに、逆に人と自然の隔離が著しくなる。その結果自然界が全くの別世界になってしまい、自分たちの生活環境ではない自然界が害される結果になっているのだと思う。人と自然の共存においては、自然界にある程度足を踏み入れることが大切で、自然に触れることにより多くのことを学ぶことが大切だと思う。
(所属:株式会社豊和開発 氏名:冨田直人)

■ この人に聞く 元・内閣総理大臣 中曽根康弘さんに伺いました [聞き手]藤井 聡

氏の言葉「政治は土木なり」、我々土木に従事する者にとっては魅力的な言葉である。何百年も昔から今日に至るまで土木事業によってコツコツと積み上げられてきた財産の上に、今の高度な文明が載っている現実はとかく忘れられがちである。土木の成果物は、財産としての価値が末永く残るところに他との違いがあると思う。
(所属:川田工業 氏名:畠中 真一)

記事からは、中曽根氏から土木に関連づけた話を引き出そうとする聞き手の意図が強く見えた(「我田引水」とまでは言わないが)。もう少し自由に語っていただいてもよかったのではないか。
(所属:東日本高速道路(株) 氏名:三石 晃)

■ 特 集 新しい土木のかたち

オムニバス形式の特集記事であったが、改めて「土木」のあり方について考えさせられた。土木工学(Civil Engineering)が単なるものづくりの技術ではなく、広く社会との関わりのなかで成立することは、大きな魅力であるが、日々の実務の世界では、ついつい気づかないこともある。一息ついて、学会誌に目を通し、土木技術者にとっての歴史観や世界観を考えるのも、意外と楽しいものである。企画の趣旨から、著名な方の記事ばかりであったが、多少硬軟織り交ぜても、面白いと思う。是非ともまた企画いただきたい。
(所属:JR東日本 氏名:森山泰明)

記事を読み進める中で、土木に求められる「新しさ」には時代の趨勢に合わせて変化することだけではなく、そうした変化を見据えた新しい態度や関係を見出すことが求められていると認識しました。
(所属: 鉄道・運輸機構 氏名:窪田 崇斗)

「横書き」であった学会誌が「縦書き」「右開き」になりこの変化に驚きましたが,この変化が単なる文字方向の変化にとどまることがなく,土木屋の「教養誌」にふさわしい学会誌となることを期待いたします。
今回の特集は,さまざまな視点から「新しい土木のかたち」について企画していただいてたいへん興味深く読ませていただきました。
特に,古市公威先生のお言葉に「土木屋なるもの,土木の新しいかたちとは何かを探し続けるとともに,土木における変わらぬものとは何かということを問い続けねばならぬ」という土木的精神に共感いたしました。
土木業界は,公共事業の減少や脱談合により,これまでの様々な秩序や枠組みが崩壊し,激動期を迎えていることから,「新しい土木のかたち」の考えを生かした事例や視点の記事についても掲載していただければ,「教養誌」にふさわしい学会誌になると思います。
(所属:東京電力株式会社 氏名:井上 章)

「新しい土木のかたち」という特集名からは、一般的には「海外」「先端技術」といった伸張性のある言葉がキーワードとして思い浮かびますが、本誌では「日本」「歴史」「哲学と教養」という言葉に表されるように正反対の方向性を示していて驚きました。温故知新の重要性は理解しつつも、日常の業務のなかでは日本近代土木にまで思いを馳せることは少ないため、こういった特集は勉強になります。
(所属:清水建設 氏名:小林 伸司)

狭義の土木のかたちから広がりのある土木のかたちへと多方面のご意見結構苦労して読ませていただきました。私たち土木技術者は狭義の土木の世界に陥りがちですが、広義の土木を考えることも専門馬鹿にならないためにはどうやら必要のようです。今後どの様な特集が企画されているかわかりませんが、広義の土木に目を向けられる様な特集を期待しています。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

土木を専門としない方々の土木に対する認識や意見を聞く機会はあまりない。土木技術者は深い専門性はもちろん、広い視野を持っているべきと思ってはいるものの、目先のことに気をとられて狭い世界で完結しがちになる。その点、今回の特集も含めて近頃の土木学会誌がさまざまな分野からのさまざまな意見を発信していることは非常に良いことだと思う。大変だと思うが今後も続けて欲しい。ただ、今回の特集については土木を専門とする人の意見についても紙面を割いて欲しかった。
(所属:前田建設工業 氏名:陳友真)

「我々は歴史に学ばないといけない」という思いを改めて強くした。
土木に直接関係しない著名人の話を読めたのは、貴重かつ有益であった。今後も節目に同様の企画を期待する。
(所属:東日本高速道路(株) 氏名:三石 晃)

■ 1. シビル・エンジニアに必要な歴史感覚 西部邁

左翼思想だのアメリカ製憲法だの、西部邁氏特有の政治的立場を象徴する刺激的なキーワードが並んでいたので興味深く読んでみた。ちょっと恥ずかしくなるほどカタカナ語が散りばめられた百科事典的な断定がえんえんと羅列されており、結局のところ西部氏の個人的意見としては何が言いたいのか私には読解力がないせいかさっぱり分からない。どうやら左翼思想を非難し、保守思想を支持しているようなのだが、百科事典的な断定のどこまでが客観的データで実証され学説化していることなのか、どこからが西部氏独自の主観的推論なり願望なりを述べたことなのかということがまるで明確ではない。「こうだから、私はこう考えた」といった自分自身の論理展開の記述が見当たらない。事実と意見を区別するのは作文技術の基本だと思うが、西部氏の文体は個人的意見をも百科事典的な修辞に紛れさせて煙に巻きながら学説化しているような疑いを私は抱く。最終段落でやや唐突にシビル・エンジニアリングに言及してはいるが、どうも個人の政治的好みを断定口調で権威化しているような印象を私は受け、土木学会誌には場違いに思えた。 編集部へ:批判的内容を含む記事なので、修正を加えて採用する場合には修正した文章をメールで確認させて戴けますか。
(所属:秋田大学 氏名:後藤文彦)

■ 2. 社会的共通資本と土木 宇沢 弘文

本記事の中でも特に印象的だったのは、溜池灌漑の技術がスリランカ発祥であり、5世紀にはすでに他国に伝えられるほど確立していたという事実である。現代社会のように文明の発達していない当時の社会において、溜池や灌漑水路といった巨大構造物を造ることには、想像以上の時間と労力がかかったと予想される。他国の侵略を受けながらも、自らの生活、森林を守りつつ水利文明を発展させたことに感銘を受けた。
我が香川県では干害が頻繁に発生し、飲料水も制限される中、水田を維持し、農作物を守っているのが県下に点在する溜池とそれを巧みに操る地元の人々の技術である。近年、溜池の重要性が低下したり、溜池環境が低下したりしている。歴史を知り、溜池の持つ本来の機能を見つめ直し、今一度古き良き技術を見つめ直すことが今後の土木技術発展につながっていくことと改めて考えさせられた。
(所属:株式会社豊和開発 氏名:冨田直人)

■ 3. ファッションと景観の創造 ―コシノジュンコ氏講演録― [講演者]コシノ ジュンコ [取材]日比野 直彦

都市をデザインする土木技術者にとって、風景や景観のデザインというのは、まさに重要な視点である。著者の指摘にあるように、「現在の日本の風景は、まったくデザインされていないように感じられる。」という言葉を真摯に受け止め、将来に誇れる景観が構築できるように、我々技術者の感性、美意識を磨いていきたい。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:岩本 敏彦 )

「ひき算の美」をはじめ,景観デザインに関するコシノ氏の講演内容は,勉強になりました.景観とは直接的に関わらない異分野の方々が,それぞれの視点で美しい景観を創造・保全するための知恵やアイデアを情報発信することは,国民の関心と議論を喚起するためにも意義のあることだと思います.今後も積極的に提言してもらいたいと思います.また,その一方で,現在の景観に対する評価は,個々人の主観に基づくところが多く,美しい景観の創造・保全に向けた社会的合意形成を困難にしている場合も少なくないと思います.今後は,景観の良し悪しを客観的に評価するための方法論の確立も重要になってくるのではないでしょうか.
(所属:京都大学 氏名:大庭哲治)

高速道路や舗装道路などが普及することで、人間が歩きたくなるような「道」が失われてきていると私も常に感じていました。「道」が失われた原因をコシノジュンコ氏は日本人の美意識の低下であると指摘されておられますが、まさにそのとおりであると思います。特にこれからの日本を背負う若者の公共の場でのマナーやモラルの欠如が目立ちます。このような若者の姿を見ると、今後日本の美意識はますます低下してしまうのではないかと考えてしまいます。これ以上美意識が低下せぬよう、若者の一人として私も清き心を常に持つように努めたいと思います。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎 )

■ 特集を終えて

「縦書き」により確かに数字や英文は読み辛くなり、今の時代「縦書き」が日本語が最も躍動するフォルムかどうかは定かでないが、「哲学と教養」という土木屋精神を表現する象徴として「横書き」から「縦書き」に変更したことは理解できます。今回の変更にあたり編集部では数多くの議論があったことでしょう。非常に興味があるので何かの機会に紹介していただければありがたく思います。
(所属:清水建設 氏名:小林 伸司)

■ 事故・災害 コンクリート構造物の損傷事故とマネジメント 丸山 久一

わが国の建設工事における発注者・設計者・施工者・施工管理者などの関係が、責任の所在が曖昧なまま分業化と専門化が進んでいるという状況であることがよく分かった。それと同時に、責任を求めすぎると、できるだけ責任を取らない方向に動くという危険性も理解できる。新しい技術や制度の採用にはリスクが伴うと言いつつも、採用しなくてはステップアップすらできないというバランス感覚が難しい。
(所属:川田工業 氏名:畠中 真一)

コンクリート構造物の損傷事故を2件例に挙げて、公共事業における工事システム(発注者・設計者・施工者等の位置づけ)に関する現状・課題等に述べられていました。私も業務を通じて、設計者の現場への配慮、施工者における設計思想の理解、発注者の技術認識等が全般的に不足していると感じる場面に遭遇することは少なくありません。これらの連携不足や技術認識の希薄等の原因により、最悪の場合、事例のような損傷事故が発生するのであろうと思われます。この対策として、公共事業における発注形態の見直しなども必要かと思いますが、三者の技術向上・連携・相互理解が不可欠であると思います。
(所属:東亜建設工業 氏名:上田陽彦)

2つのコンクリート構造物の損傷事故に対し,技術的・工学的な観点からだけではなく,発注形態などシステム上の視点から考察されており,あまり関係が無いと思われる2つの損傷事故には実は共通点があることを知り,非常に興味深く感じた。 土木事業には,発注者,設計者,施工者,材料メーカーなど,様々な立場の人々が関わっている。今日,土木への風当たりが強い中で,自分の立場を守ることに必死になっているように感じられる時がある。しかし,これら全ての立場は,「社会基盤を市民・国民に提供する」という役割としては同じ立場にあり,このことを私たちはもう少し認識した方が良いのではないだろうか。 学会の倫理規定にも,「自己の属する組織にとらわれることなく」とか,「自己および他者の業務を適切に評価し」といったフレーズが出てくる。倫理規定は学会員に認知されているでしょうか?技術者資格の受験のためだけに使われていないでしょうか?倫理規定を学会誌の毎号で掲載してはいかがでしょうか?
(所属:九州大学 氏名:佐川 康貴)

土木分野において、技術力の低下という実態はどこでも言われていることであるが、こういった重大事故の原因もこの技術力の低下となると本当に重要な課題であると実感する。私も発注者として現場での施工管理を行う立場にあるが、ここにも記載されている通り「設計や施工の実態に通じており、目配せをし、必要に応じて適切な指示を出す」という当たり前のことが一番大切なことであり、たとえ経験や知識が十分でないとしても土木に携わる人間としてこういった認識をもち続けることが重要なことであると改めて認識させられた。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:山田 久美)

成功から学ぶものは殆んど無いが失敗から学ぶものは非常に多いと言われる通り、土木においても事故から学ぶものは非常に多いものです。
今回の二件の事故事例は共に設計から施工への情報伝達不足と両者の力量不足が原因と思われます。
特に建築物との取り合いやデザイン重視の設計になると建築関係の方が設計される場合が多く見受けられます。
この様な場合には建築と土木のやり方の違いをお互いに良く理解した上で仕事を進めないととんでもない誤解から事故につながらないまでも不具合が発生します。
このようなことが無い様なシステムになっていることが一番良いわけですが、私たち技術者も潜んでいるリスクを敏感に嗅ぎ取れる臭覚と技術を身に付けたいものです。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

■ 事故・災害 木曽川大橋の斜材の破断から見えるもの 山田健太郎

木曽川大橋のトラス斜材の腐食による破断は,社会的大問題となり,様々な形で全国に波及しております.山田先生もご指摘されたように,点検・評価の重要性を改めて認識しているところです.また,新設の橋梁でも,維持管理を容易にする構造詳細を採用するなど,維持管理を考慮した設計も必要と考えます.今回の事故を受けて,私もアーチ橋を拝見する機会がありましたので,少し紹介いたしたいと存じます.そのアーチ橋は,ハンガーが木曽川大橋と同様,床版の中に埋め込まれる形になっておりましたが,地際部に円弧状の屋根をモルタルで設けており,その縁を薄い鋼板によってハンガーに雨水が浸入しないような工夫がなされておりました.アーチ橋は海岸に近く,すでに30年余り経過しておりますが,薄い鋼板はかなり腐食しているもののハンガーはほとんど錆びておりませんでした.当時の設計者の高い見識と将来の読みに敬服いたしましたが,このような工夫によって格段の耐久性の向上ができるのではないかと期待しております.
(所属:広島大学大学院 氏名:藤井 堅)

記事を読み、日本のインフラは、新規に大量に造る時代から、過去大量に造られたものを維持管理していく時代に移りつつあることを感じた。昨年ASCE会長がJSCEで講演された際、ASCEではアメリカ国内のインフラの通信簿を付けて公開していると話されていたが、日本でもインフラ通信簿が必要になってきたのではないかと感じた。
(氏名:笠原宏紹)

■ 事故・災害 津波高さメモリアルポールの建設と防災教育 ―スマトラ沖地震・津波大災害3周年― 家村浩和

バンダアチェ市でスマトラ沖地震・津波大災害が起こったその年、私は仕事で初めてインドネシアを訪れた。ジャカルタでの仕事だったが、現地案内人の故郷がバンダアチェ市だった。バンダアチェ市では日本人をほとんど見たことがないと言っていた。
そんなバンダアチェ市で、日本人による支援がこれほど大規模に行われていることを初めて知った。驚いたのは、85本の津波高さメモリアルポールである。学会誌の見開きに85本全ての写真が掲載されているのは、強烈なインパクトがあって圧巻だった。
地震直後に非難を開始しても百%助かるとは限らない地形を持つバンダアチェ市だが、このように大災害の記録と教訓を風化させずに長期間残していけば、いずれ子孫が対策(地下通路網など)のアイデアを考えるだろう。このような日本人による地道な支援を、マスコミはもっと宣伝すべきである。見える国際貢献が少ないと言われている昨今、このような地道な活動を少しでも多くの人が知り、考え、行動することになれば、国際社会における日本の役割が見えてくると思う。さて、前述の案内人が故郷に帰った時に、このポールを見て何を思うか気になるところである。
(所属:NEXCO総研 氏名:舩橋修)

災害の記録と教訓を風化させないために、津波高さポールを建設することはとても意義深いと思いました。災害などの記憶を風化させない努力としては、身近では記録ビデオや写真展、防災訓練、原爆ドーム等もその例でしょうか。貴重な記憶を世代をこえて継承する事が大切ですが、津波高さポールはとても分かり易いメッセージとして後世に伝えられるものと感じました。
(所属:川田工業 氏名:畠中 真一)

早いものでスマトラ沖地震から3年が過ぎた.この記事にあるように人々の記憶は時間と共に風化していく.何年かして忘れた頃にまた災害がやってくる.そのような事にならない為にも,人々の記憶から悲劇の記憶を繋ぎ止めておくために,このように目に見える形で記憶に残すことが重要であるということを再認識させられた.また,日本においても近く大地震が起こることが予想されている.そのため,スマトラ沖地震に見られるような悲劇を繰り返さないためにも,日本においても備える必要があり,警鐘となる記事であった.
(所属:港湾空港技術研究所 氏名:渡辺 一也)

天災の種類は知っていても、自分自身が体験したことがないために、具体性に乏しいのが現状で、その結果として、防災意識はあっても、それをはるかに超えるような規模の震災だった場合、全く防災にならない場合が多々あると思われる。実際にこの記事を読んで、津波の高さを示すポールの写真に驚かされた。高いところでは9m。この高さの津波に襲われたら、自分なら助かる気がしない。防災にとって大切なことは、悲しくも体験してしまった人々からの情報に加え、疑似体験など、自ら身体で感じることであると思う。
このように、本来なら消してしまいたい悲しい記憶を今後の安全のために残そうという試みは大変重要なものであると思う。
(所属:株式会社豊和開発 氏名:冨田直人)

記事を読んで思い出したのですが、我が町御宿でも元禄地震のときに襲来した津波の浸水高さを表示して町民の意識を高めています。
元禄地震の際には御宿町で8mの津波が襲来した記録があるようです。この記録で行くと海岸沿いの地域は殆んど水没することになります。幸い私の住んでいるところは標高61mなので水没の被害は考えられませんが、海岸沿いの方々の避難箇所となることを想定した話合いを自治会にて行っている様です。残念ながらまだ私は参加できていませんが、土木技術者の端くれとして参加しなければいけないかなと考えています。
(所属:前田建設 氏名:林 克彦)

大きな被害を起こした災害であっても、時間が経てばその記憶は風化してしまう。特に地震災害は一度大きな被害を受けたとしても、同じ場所に次に同じような地震が起きるのは数十年後、数百年後となるために被害の記憶を風化させないことが難しい。このメモリアルポールのように記憶を形として残しておくことは意味のあることだと思う。ただ今後、記憶が風化してくると『邪魔だから撤去』とならないかが心配である。アフターフォローが必要と思う。20年後ぐらいにちゃんと残っているか確認して欲しい。
(所属:前田建設工業 氏名:陳友真)

■ CE リポート 話題 東京大学第二工学部土木工学科における教育 泉 知行、中井 祐

福田武雄の「現場を知らない技術者は、技術者」ではないという、言葉を読み、技術者としてあるべき姿、物事に取り組む姿勢に共感した。自然・人と無限に対する、探究心・追求を求める姿勢では無いかと、若輩者の私は感じました。
(所属:(株)大林組  氏名:池田 悠介)

今までの学生生活を振り返ってみると、現場にでて学習したのは、たった3,4回だったのではないかと思います。最近ではコンピュータの発達により、パソコン上で様々なシミュレーションが行えるようになりました。そのため、「二工」のような教育が行われることは少なくなったように思います。大学時代にお世話になった、生態学を専門としている教授も「昔は常にフィールドに出ていたのだが、最近はほとんどの学生がコンピュータでエコロジーを研究する様になってしまった。」とおっしゃっていました。教室のみの講義だけではなく、実際に現場に赴くことも重要なことであるということを、改めて実感させられました。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎)

非常に面白く、興味深く拝見した。私自身、土木という分野が面白いと実感したのは、勉強していた時ではなく実際に仕事をしてからであったので、実体験に基づく教授の講義というのはとても面白いものであったと想像できる。そして、そのことが結果として優秀な人材を育てたということは、やはり土木という学問はこういうことなんだろうと、妙に納得できてしまった。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:山田 久美)

■ CE リポート 話題東京都景観色彩ガイドラインの策定について ―美しく風格のある東京を目指して― 林 瑞恵

学生時代は京都で過ごしたこともあって、景観法といえば京都というイメージが強く、東京で景観計画が策定されていることをこの記事で初めて知った。雑然と建物が並んでいる街よりも、構造物のデザイン・色彩を検討して計画された街並み作りは、そこで働く者・住む者・訪れる者、誰にとっても魅力あるものになるはずである。魅力ある街は内外問わず人を惹きつけ、より活気ある街へと変化を遂げると思う。こういった計画を持続性を持って進めていっていただければと思いました。
(所属:JFEスチール 氏名:宇佐美俊輔)

昨年に住宅の色彩において住民のトラブルがTVで放送されていた.そのように住環境が非常に重視されてきている中で,民間に限らず公共の構造物においても景観が重視されようになってきるという面で興味深く読ませて頂いた.色彩という非常に各々の主観が入ってしまいそうな問題について,住民全員を満足させるということは難しいとは思うが指針を示す上で,今後,感覚的なものをどの程度定量的なものとして扱っていけるかということについて関心を持たされる記事であった.
(所属:港湾空港技術研究所 氏名:渡辺 一也)

■ 制度が変わる、土木が変わる 第8回 国土形成計画法 中島洋

中曽根元総理のインタビュー記事にも触れられている通り,わが国の目指すべき国家像を実現する全国計画として,現在策定中である国土形成計画の果たすべき役割はとても重要なものであると思います.計画の策定状況も含め,今後も国民に広く情報を公開してもらいたいと思います.
(所属:京都大学 氏名:大庭哲治)

非常にわかりやすく,簡潔にまとめられていたので,法律の話に疎い私でも本計画法の概要をつかむことができました.本法律により,国土の利用,整備,保全に対する重要性が広く国民に理解されることを望みます.
(所属:前田建設工業(株) 氏名:松林 卓)

■ 行動する技術者たち 第16回 愛すべき現場をもて―由布院の思いを一つに―猪爪範子氏 [取材]大橋 幸子

具体的な土木事業の話が書かれているわけではないのですが、猪爪氏の現場主義;「愛すべき現場を持ち、そこに自分の座標軸を持たねばならない」という考え方は、土木工学の本質を示しており、最近の土木技術者に少し欠けている部分であるように思いました。計画・設計・施工・管理のどの段階の技術者も、このような意識を持って仕事に取り組むことが、これからの地域の土木事業を盛り上げる為に必要であると思います。
(所属:(株)大林組 氏名:齋藤 隆)

今の私の職場では、様々なまちづくりを横断的に見ることができますが、つくづく思うのが、まちづくりは「人」だな、ということです。よき伝統を残すのも、新しい風を入れるのも、ある取り組みを継続していくのも、それに携わっている人に依るところが大きく思われます。それがまちづくりの難しいところでもあり、面白いところでもあるのでしょう。そんな中で技術者の存在意義を考えると、代表的な(?)キーワードの一つ、「よそ者」なのでしょうが、それだけだと物足りない。今回の「座標軸」という言葉は、一見「よそ者」と相反するようにも見えますが、両面を持ち合わせることでむしろ、技術者としてより向上できるように感じ、改めて心に留めておきたいと思いました。
(所属:国土交通省  氏名:田中成興)

■ 土木学会デザイン賞 第10回 門司港レトロ地区環境整備/牛深ハイヤ大橋/高松市内の高速道路四国横断自動車道高松西IC〜 高松東IC/中筋川ダム/朧大橋

紹介されているのはみな受賞作だけあってどれも美しく、刺激になる。受賞作についてのコメント以外に、土木デザインについてのコラムのようなものでも掲載してもらえるとありがたい。
(所属:前田建設工業 氏名:陳友真)

■ モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場 石神井川 モリナガ・ヨウ、溝渕 利明

以前、石神井公園の辺りに行ったことがあり、住宅地の狭隘な場所での工事のイメージが、今回の記事を読み非常に自然に浮かんできた。土木は、橋梁や港湾、河川、道路など様々な分野があり、土木技術者は自分の携わっている分野以外の分野に関しては、ほとんど知らない場合も多いと思う。この企画で、土木のなるべく異なる分野を紹介していただきたく存じます。
(氏名:笠原宏紹)

お堅い記事を読み進めていくうちに、ふと現れる暖かいイラストのページに思わず目を奪われました。一般の方が日ごろ目にすることの少ない土木現場をとても好奇心いっぱいに驚きながら歩いていらっしゃるモリナガさんの人柄がとってもよく出ている記事だと思いました。土木のプロの皆さんから見ればごく当たり前のことが、我々一般人からしてみると驚きの塊!というような目で私も拝見しました。こうした企画が学会誌で取り上げられているとうことはとてもよいことだと思います。ぜひ、モリナガさんにはこの連載をまとめて書籍を出版されてはいかがでしょうか?土木の大きさ、緻密さ、すばらしさを若い世代に伝えて、一人でも多くの若者が土木技術者を目指してくれたらこんなにすばらしいことはないと思います。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

■ 論説委員会の頁 道路公団民営化がもたらしたもの 井上 啓一

民営化後の状況についての状況と今後の方針について,大変分かり易い記事でした.欲を言えば,特に収支の面での説明において,活字のみでの説明でなく図表を示して頂けるとより理解し易かったかと思います.
(所属:港湾空港技術研究所  氏名:渡辺 一也)

■ 土木学会の動き 委員会報告 「新潟県中越地震 土砂災害学習マップ」を作成地盤工学委員会 斜面工学研究小委員会

現地調査による貴重な情報であるが、この記事で初めてその存在を知った。防災マップなど類似例はあるものの、世界的に注目を浴びている原発立地地域での被災教訓を情報共有することは重要で、英訳して世界に発信するべきである。自分は原子力発電所の耐震安全に係る課題調査を行っている観点から地質、地盤等の土木分野と原子力分野の学術交流が不可欠であるが進んでいないという認識を持っている。これも上記同様に両分野の技術交流が進むことを望む。
(所属:(株)三菱総合研究所 氏名:落合孝正)

■ その他

〔コンクリート構造物の損傷事故とマネジメント 及び 木曽川大橋の斜材の破断から見えるもの〕 どちらも全体の中では技術的色彩の強い記事で、社会のニーズに対応した興味深い内容である。自分は原子力発電所の高経年化対策の事業に深く関わっており、金属やコンクリートの劣化メカニズム解明や予防保全、事故対策の観点から、他分野での取り組みを知ることは大いに参考になる。土木分野では、機械学会の維持規格のような補修・保全に係る規格・基準制定が未整備のようなことも聞いており、両分野の技術交流が進むことを望む。
(所属:(株)三菱総合研究所 氏名:落合孝正)

〔事故災害全体について〕 事故や災害の検証についてのページが紙面の多くを占めていることに驚きました。土木の現場においても事故が多く見られる昨今、その原因究明や今後の対策について「スピーディーに」かつ「客観的に」検証することはとても重要なことだと思います。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

■ 学会誌全般へのご意見,編集委員会へのご要望

本号から,横書きから縦書きの体裁に変更されました.手にしたときに一瞬裏表紙をみて”あれっ”と思い,少し違和感を感じました.このスタイルが悪いというのではありませんが,各種の記事で,タイトルや見出しが横書きになっているのは,縦書きに統一された方がよいのではないでしょうか?もちろん,デザイン的にはいろいろと工夫されているのは理解しておりますが・・・・
(所属:広島大学大学院 氏名:藤井 堅)

他の週刊誌・雑誌から建設業の文章を読み、不安を募らせる事よりも、土木学会誌は、理想を追う姿勢であり、土木技術者として誇りを持てた。
また、技術に興味を持つきっかけ作りをする雑誌であると感じた。
最後に過去の土木学会誌に掲載されていたかもしれませんが、日本と比べて、海外の道具・仮設材・技術 特集などもっと身近な企画があっても良いと思いました。
(所属:(株)大林組  氏名:池田 悠介)

全体として,今回から縦書きにフォーマットを変えられているようですが, 慣れていないせいもあるのか読み辛かった.まあ,慣れの問題かもしれませんが.
(所属:港湾空港技術研究所 氏名:渡辺 一也)

学会誌の記事が,慣れ親しんでいた横書きから縦書きになったため,手にとって読み始めたときは違和感を覚えました.慣れてくるまでには,もう少し時間がかかりそうです.
(所属:京都大学 氏名:大庭哲治)

(1)今月号から縦書きになったとのことですが、日本古来の書式であるせいか意外と馴染みやすい。他学会にはないユニークな取組みである。(2)カラーの写真や図が豊富で理解促進に寄与している。(3)p34−49の「CEレポート話題」の上端の幅5cmに及ぶグレーのスペースは冗長で、せいぜい2cmくらいにとどめてその分を本文のスペースとして拡大すべきである。
(所属:(株)三菱総合研究所 氏名:落合孝正)

新しくなった土木学会誌は、今までより内容がより容易になり読みやすくなっていました。これからも読みやすい記事を期待しております。
(所属:東京大学大学院 氏名:真田 圭太郎)

時期を同じくして、建築学会誌1月号を拝見する機会がありました。奇しくも建築学会誌「建築雑誌」は自らの存在を自答する企画を特集にすえていました。建築学会誌の存在意義を問う、そして、他の学会誌に学ぶという企画もありました。土木学会誌もまた「新しい土木のかたち」と題する特集で他の分野の方からの提言を求め、とても意義深い特集であったと思います。また、縦書きへの全面移行の大英断についても、大きな拍手を送りたいと思います。私は土木に関しては素人ですが、こうしたすばらしい冊子がもっと多くの方の目に触れる機会があればいいと思いました。学会誌という性格上、主な読者は学会員なのでしょうが、ぶらっとぉ土木現場をはじめ、一般の方にも興味深いコンテンツもあり、特に、これから進路を考える若い世代に土木のすばらしさを伝える努力は、我々ゼネコンももちろんですが、もっと必要なのではないかと思いました。例えば、WEBでも読むことができるコンテンツがありますが、そのままのPDFではなく、見方を変えてHP上で公開していくなども検討されたらもっと多くの方の目に触れるのではないかと思いました。最後になりますが編集委員の皆さんの努力は並大抵ではないと思います。これからもすばらしい学会誌を作ってください。期待しています。
(所属:鹿島建設株式会社 氏名:岩瀬秀子)

今般縦書きに変更となった「新生」土木学会誌について、日本語の伝統を踏まえつつ、適宜横書きの記事がちりばめられたことによりメリハリがつき(例えば、アンサンブル シヴィルの演奏報告)、読みやすいと感じる。「論文集目次」や「情報」のページについても、横書きでの記述にした方が、読みやすいであろうしページ数を減らすことができると思った。
(所属:東日本高速道路(株) 氏名:三石 晃)
© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会