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土木学会誌

委員会委員などの募集

21.コンクリート委員会 「コンクリートにおける水の挙動研究小委員会(349委員会)」委員募集

応募締切日:7月31日[木]

コンクリート委員会では,下記の研究小委員会を発足させることになりました.積極的に活動に参加してくださる委員を募集しますので,奮ってご応募下さい.なお,本委員会はコンクリート委員会3種委員会のため,委員会出席のための旅費等は支給されません.

1.委員会名称

コンクリートにおける水の挙動研究小委員会(349委員会)

2.構成

委 員 長: 大下英吉(中央大学)
幹 事 長: 吉田亮(名古屋工業大学)
委  員: 公募による委員

3.委員会設立の主旨・目的と活動内容

セメント系材料にとって水の振る舞いは,セメントとの水和反応から始まり,フレッシュ性状,強度発現,各種要因による体積変化,各種有害物質の輸送から劣化に至るまで多岐にわたっており,水に絡むセメント・コンクリートの現象は数多くあります.この種の一連の現象は,コンクリート構造物の構造性能や耐久性能と密接に関連するため,水の役割は非常に重要な位置付けにあります.
従来,セメント系材料における水の取り扱いは,現象を引き起こす要因として水に着目し,水の特性に関連付けることで現象の説明がなされてきました.その代表的な現象には,水和反応による相変化と強度発現,硬化コンクリートの力学的特性ならびにクリープや乾燥収縮などの体積変化,コンクリートの透水性状と有害物質の拡散ならびに劣化などが挙げられます.これらの現象は水と深く関わっており,旧来からの精力的な研究により多くの成果が得られてきました.しかしながら,水に関わる現象の解明や予測は飛躍的な成果を挙げているものの,水が媒介となって生じる各種現象の関連性や現象同士の相互作用などに関しては十分に整理されているとは言えません.
一方で近年,欧米諸外国においては核磁気共鳴(NMR)装置を駆使して水分子に着目した珪酸カルシウム水和物の構造と強度発現や体積変化の関連性,細孔組織内部の水分拡散性状の評価を行い,水に絡むコンクリートの各種性状を分子レベルで再評価する試みが盛んに実施されています.すなわち,分子レベルで水が関与する現象同士を関連付けることの重要さを示しているものと思われます.
本研究小委員会では,セメント系材料にとって必要不可欠である水に焦点をあて,水に絡むある特定の現象に特化したものではなく,一連の現象を包括的に取り扱うものであります.具体的には,(1)従来の水に絡む現象の抽出と現象評価の調査と補足,(2)水を媒介とした現象同士の関連性と相互作用の整理,(3)欧米諸外国における核磁気共鳴(NMR)装置を用いた研究情報の収集,(4)上記(3)に主眼を置いた(1),(2)の再整理を行う予定であります.このことにより,環境条件や各種外的,内的要因によるコンクリート構造物の性能を,時空間でより的確に把握できることになるものと思われます.このことは供用後の時空間で変化するコンクリート構造物の性能が事前に設計段階で把握できることとなり,新設構造物ではそれを設計に取り入れることにより,構造物の機能と要求性能を適切に満足する性能設計体系の高度化に繋がるとともに,既設構造物においても構造物の適切な維持管理手法の体系化にも繋がるものでもあると思われます.
本委員会の活動では,若手研究者や実務者の積極的な参加を期待するとともに,土木分野以外からの参加も大いに歓迎いたします.

4.活動方法

年間数回の委員会およびE-mailによる集中的な審議を通じて活動を行います.委員構成が確定した状況に応じて,幹事会やWGを開催することもあります.

5.応募の方法

本委員会に委員として参加を希望される方は,氏名,所属,連絡先を明記の上,応募理由,興味のある研究内容または貢献可能な研究内容を簡潔に沿えて,下記連絡先へご連絡下さい.

6.申込み先

名古屋工業大学  吉田亮
TEL/FAX 052-735-5125
E-mail:yoshida.ryo@nitech.ac.jp
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