社団法人土木学会

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土木学会 北海道支部


土木学会北海道支部 支部長挨拶


 土木学会北海道支部長に就任しました国土交通省北海道開発局長の高松です。支部の活動を通じて、北海道の土木工学の充実、土木技術者の資質向上を図り、社会全体の発展、地域の安心安全に寄与することが重要であり、支部長としてこれらに貢献して参りたいと存じますので、皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。


北海道の開発と土木技術

 北海道の計画的開拓は、開拓使の設置(明治2年)と開拓使10年計画(明治5年)により始まり140年が経過しました。また、今年は石狩川の治水事業が第1期拓殖計画(明治43年)により始まり100年目にあたり、さらに、本格的総合計画として策定された第1期北海道総合開発計画(昭和27年)の根拠法である北海道開発法が制定され60年目にあたります。

 140年の間にわずか5万人余りの人口が、550万人余りの人口を擁する地域に発展し、北海道開発は開発途上国のみならず北方圏諸国などからも地域開発の成功例として注目されてきたところですが、北海道は日本の最北にあって、積雪寒冷の過酷な気象条件や広範囲に分布する泥炭性軟弱地盤など厳しい条件下にあり、北海道の開発を進めるための多くの技術的課題を克服してきたことが背景にあります。

 これからは、地球温暖化対策をはじめ環境・エネルギー分野の取り組み、経済・地域戦略としての観光や物流の支援、土木構造物の長寿命化や予防保全、地域の安全安心の確保など時代に呼応した土木技術が一層求められており、北海道の地域特性を踏まえつつ、積極的に全国の先駆けとなる土木技術に取り組む必要があると考えています。土木学会全国大会が本年9月に札幌で開催されますが、土木技術者の研鑽や交流を一層深め、以上のような取り組みの一つの大きな契機となることを期待しています。

土木学会全国大会

 平成22年度は土木学会全国大会が札幌市において開催されます。全国大会は9月1日(水)〜3日(金)の3日間北海道大学札幌キャンパスを会場とし、土木学会の7つの研究部門が一同に会する唯一の機会として開催されます。今年度の大会テーマは、「土木はつなぐ、“地域”を“生命(いのち)”をそして“未来”へ」です。このテーマには「地球温暖化等環境変化への対応と人類社会の持続可能な発展を同時に考える今、環境と土木は対立軸にあってはならない。人類も自然も同じ生命(いのち)である。豊かな生命をはぐくむ環境を持続させる土木、そしてこの地球を未来へとつなぐ土木でありたい。」との思いが込められています。

 大会行事としては、学術講演会、研究討論会、特別講演、全体討論会のほか、パネル展示及び国際関連行事が開催されます。学術・技術の研鑽の場、交流・情報交換の場として実り多い大会とするため、全国から一人でも多くの方々に参加していただきたいと考えております。 大規模な事故や災害に対して、支部から緊急災害調査団を派遣し、原因の究明と調査結果を公表する体制を充実していきます。また、昨年度に引き続き道内の土木技術や土木構造物を通じて地域や北海道の発展に貢献したと認められる団体に「地域活動賞」として表彰いたします。一般の方にも土木に親しみ、土木の社会的貢献・役割を理解していただくため、現場見学会、土木遺産ツアーなどを開催し、土木技術や土木構造物を通じて地域や北海道の発展に対する貢献活動を進めていきたいと考えております。

北海道支部の活動

 グローバル化の進展、自然環境・エネルギー問題、人口減少、少子高齢化など、我が国を取りまく状況は大きな転換期を迎えており、北海道はその優れた資源・特性を活かして、課題解決に貢献し、活力ある地域社会の形成を図ることが必要です。地球環境時代を先導するため、北海道の土木工学の充実、土木技術者の資質向上を図りつつ、先駆的な取り組みを進めることが重要であると考えています。

 また、社会基盤を適切に整備、保全することにより、国民の安全・安心を確保し、豊かな社会の形成を図るために、土木技術者の倫理が必要不可欠であることは言うまでもありません。専門的知識と経験の蓄積に基づき、使命と責任の重大さを認識しつつ社会に貢献していくことが求められており、支部活動もこのような認識の下、進めていきたいと考えています。

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