選考委員

齋藤 潮
(選考委員長)
所属
東京工業大学 教授
専門
景観論
著書
「港の景観設計」(分担)「景観用語辞典」(分担)「環境と都市のデザイン」(共編著)ほか
作品
新潟みなとトンネル擁壁、別府港海岸餅ヶ浜地区海岸整備ほか
審査の
ポイント
応募者諸氏の仕事では、景観や意匠云々以前に、ある用途を満足することが不可欠の条件になっていると思います。しかし、ひとたび竣工すれば、その地の景観・空間状況に大きな変化を与えてしまっている。公共事業で景観に注意を払うという問題意識の出発点はここにありました。わたくしはその変化の意味をあらためて問いたいと思います。ただし、神は細部に宿る。いっぽうに大地との関係を意識しながら、しかしディテールにまで目配りがある。そういう仕事に出会いたいと思っています。
椛木 洋子
所属
株式会社エイト日本技術開発 交通インフラ事業本部構造事業部 構造狭量分野統括
専門
道路・橋梁の計画、設計
著書
新しい合成構造と橋(共著)
作品
相模原IC高架橋、あきる野IC高架橋、東部丘陵線駅舎・軌道高架橋、りんくう高架橋など
審査の
ポイント
そのデザインによって心地よい公共空間を生み出していることが実感できる作品。土木構造物の持つ強い影響力を意識したうえで、十分に発揮させていることが伝わってくる作品。その場所ならではの独自性を感じさせてくれる作品。長い時を経てもその力がぶれることがないと思わせる作品。設計者の意図するところが明確に伝わってくる作品。そのような作品を主観的に審査したいと思う。こころときめくデザインに数多く出会えることを期待している。
須田 武憲
所属
株式会社GK設計 代表取締役
専門
環境プロダクトデザイン
作品
沼津駅北口駅前広場景観設計、富山市内電車延伸景観基本計画ほか
審査の
ポイント
私は環境プロダクトと言われるモノや装置が置かれた状況を通して、機能性と快適性の向上はもとより、地域の持続可能性を担うような新たな価値の提供や、時間軸の中で形成される地域の美の創出に寄与しているかどうかを評価のポイントとします。すなわち、カタチだけではなく配置と視点場、まちづくりの仕組みと維持管理の連携、時間の経過とともに深まっていく人々との関わりなど、モノがつくり出す場との関係性によって、「自然に美しくなること」が極めて重要だと考えます。背景となる文脈や物語の豊かさと広がりを感じさせる作品を期待しています。
高見 公雄
所属
法政大学デザイン工学部教授/(株)日本都市総合研究所代表
専門
都市計画、都市デザイン
著書
日本の街を美しくする(共著)、日本の都市環境デザイン85~95(共著)ほか
作品
北彩都あさひかわ都市デザイン、鶴岡西部地区景観計画・基本設計ほか
審査の
ポイント
賞の対象は幅広く設定されています。私は都市デザインの立場から、①設計対象となる土木施設等とその場所の関係性(「ふさわしさ」)、②その実現に至ったプロセス、③その中での時間軸面での配慮事項など、について注意深く見させていただけたらと思っております。そして④フィニッシュとしてのビジュアル、も。
戸田 知佐
所属
オンサイト計画設計事務所 パートナー/取締役
専門
ランドスケープアーキテクチュア
作品
品川セントラルガーデン、ROKIグローバル本社ランドスケープ、YKKセンターパークなど
審査の
ポイント
日本の気候で空き地を数年放っておけば、それなりに豊かな自然環境は出来上がります。ただしそれは、何千年もの間培われた森林と同じ自然環境ではありません。自然環境にも種類や年代があり、人の生活も文化や時代によって変わるからこそ、都市や環境をデザインするという事に意味があります。デザイン思想が明確であり、人の生活と環境の関係に対して独自の提案がある事、その具現化された空間が長い年月の中で風化しない力強さがある事、そういうプロジェクトに沢山出会える事を期待します。
西村 浩
所属
ワークヴィジョンズ 代表
専門
建築・土木デザイン・まちづくり
著書
「グラウンドスケープ宣言 土木・建築・都市−デザインの戦場へ」(共著)、「『駅・復権!』-JR岩見沢複合駅舎誕生とまち再生への軌跡-」(共著)ほか
作品 岩見沢複合駅舎、鳥羽海辺のプロムナード、長崎水辺の森公園橋梁群、佐賀まち中再生構想ほか
審査の
ポイント
モノづくりが、まちや暮らしにフィットした美的な価値を持つことは当然のことで、まずは、設計者の想いが全体からディテールにまでに行き渡るデザイン力に期待したいと思います。その上で、今後大きく変わりゆく社会に対して、その結果がどのようにまちや市民の暮らしに波及していくかが大切で、ずっと街を支え続けられるような新しい仕組みやプロセスを実践した、時間軸を持った作品に注目したい。現地に身を置いた瞬間に、その先にあるまちの姿が豊かに想像できるような作品を期待しています。
山道 省三
所属
NPO法人全国水環境交流会代表理事
専門
国土管理への住民参画
著書
私たちの「いい川・いい川づくり」最前線(共著)ほか
審査の
ポイント
土木構造物が地域の自然や文化、暮らしとの「なじみ」に着目します。とくに、自然系のデザインは緑系、水系、地系、生物系といったつながりに対する配慮、歴史的に培われてきた技術へのつながり、土木構造物を地域の人たちが暮らしの中で愛着を持ち育てていくつながりにどう配慮しているかに着目します。