JSCE
土木学会

地球温暖化対策特別委員会

地球温暖化に挑む土木工学

 土木建設事業の成果は、世代を越えて長く人類と地球環境に貢献することが可能である反面、適切な対応を怠れば環境破壊の方向に働く可能性があり、地球環境問題の解決に土木工学が貢献するべき大きな責務がある。大規模な土木建設事業の実施に際しては特に、その事業が自然環境や社会問題に関わる複雑な利害関係をはらんでいる場合が多いこと、短期的な経済性を優先し環境質の劣化と引換えに安易な妥協を図ることは後世に禍根を残し、また長期的にはかえって経済性を損なうことを十分に理解することが必要である。
 このような認識から、特に土木分野に関係する気候変動、海面上昇などの影響予測や、それら影響に対して海岸侵食や水害の被害軽減のための適応策、そして温暖化緩和策として土木分野に課せられた温室効果ガス削減対策について最新の知識を概観し、地球温暖化に対して土木技術者が今後いかに行動していくべきかを取りまとめた。
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