■ 就任ご挨拶

2013年6月14日

第101代会長 橋本 鋼太郎

第101代会長 橋本 鋼太郎

来年2014年は工学会設立から135年、土木学会創立から100年になります。土木学会は「豊かなくらしの礎をこれまでも、これからも」をキャッチフレーズとし、100周年事業を行います。

このような時機、その3年前に未曾有の被害をもたらした東日本大震災を経験したことを、私たち土木学会会員は貴重な教訓として真摯に受け止めなければなりません。
わが国は明治以降、河川改修、砂防、港湾、鉄道、電力、道路、上下水道等、の整備を営々と進めてきましたが、これら土木事業の偉業を思うとともに、「世のため、人のため」という先人の献身的な精神を改めて学ぶことが大切です。
世界において、地球温暖化、巨大災害の多発、人口急増、資源の枯渇、国・民族・宗教の対立等の問題が顕在化する一方で、わが国においては少子高齢化、経済社会の停滞、巨大災害の発生及びその恐れの高まり等の課題に直面しています。

土木界及びそこに位置する土木学会は、改めて社会インフラを通した社会貢献という自らの役割の重要性を意識し、「真の公共」のために努力をしなければなりません。

東日本大震災からの復興、特に巨大津波、そして原発事故の被災地には特段の支援が必要です。また全国において今後予想される巨大災害から国民の安全・安心を守ることが緊急の課題です。

国土強靭化計画はそのための基本的な政策と考えます。その理念は
  • 総合的な国家百年の大計を立案すること
  • 人命を守り、経済社会の機能に致命的な損傷を負わないこと
  • 迅速な復旧、復興が可能であること
としています。

 

土木学会では、全国8支部すべてで「安全な国土の再設計」支部タスクフォースを設置し、各地で安全な国土の再設計を持続的に展開することとしています。
 また、土木学会は創立100周年を機に来し方を振り返り、往く末を見定めるべく次なる100年に向けた土木・土木技術者の役割、土木学会のあり方をとりまとめ、将来ビジョンとして提案することとしています。安全・安心の確保、環境保全、持続可能な経済社会の構築、そしてこれらで培った経験、技術でもって国際協力を目指すものです。

 そのためには土木学会は、各種技術分野、産官学、そして市民との広範な連携による調査・研究の推進、知の体系化、社会への提言とその具現化に向けた組織的な活動が必要です。土木学会の会員は一人ひとりが高度でかつ多様な国民のニーズに適切に応えるために、献身的な精神を保ち、自己研鑽に励むことが求められます。これはとりもなおさず、土木技術者は全員、社会に貢献できることを誇りに思って行動することができるということだと思います。

土木の課題は地域の現場にあります。土木技術者が現場の課題と向き合って公共性、地域性を考慮しながら、英知を結集して問題の解決に当たる姿勢を貫いていきたいと思います。

 

本年度は次の事項について、特に重点的に取り組んでいくべきと考えます。
  1. 100周年記念事業が実りあるものとするための準備を進める。
  2. 東日本大震災からの着実な復興を地域の側に立って支援する。
  3. 安全・安心な国土の構築に向けて、想定される巨大災害についての防災・減災対策を促進する。
  4. 社会インフラのメンテナンス工学の基礎を総合的に確立する。
  5. 国際交流・国際協力を相手国の利益に資することを最優先に進める。
  6. 伝わる側に立った土木広報を展開するために、支部活動を中心に市民交流を活性化する。
  7. 土木工事の技術的安全性確保・向上のための方策を提案する。
  8. 土木技術者の技術水準向上のため、学会活動を充実するとともに支部活動の補強、及び会員の増強を図る。

Last Updated:2015/06/12