■ 会長室から

第4回アジア土木技術国際会議報告

アジア土木学協会連合協議会(ACECC)が主催する第4回アジア土木技術国際会議(4th CECAR)が6月25日から28日の会期で台湾・台北市で開催されています。2日目の26日、Asian Summitにおいて、台北宣言が発表されましたので、速報としてお知らせします。


【速報】持続可能な発展に関する台北宣言

Asian Civil Engineering Coordinating Council   Taipei Declaration on Sustainable Development    June 26, 2007(PDF/51KB)
2007年6月26日  アジア土木学協会連合協議会  持続可能な発展に関する台北宣言(仮訳)

急速な社会的発展と科学技術の進歩は、生活の質を改善しようとする人間の能力を高めてきた。しかしながら、これらの能力は環境と調和してはあらゆる場合に使われてきたとは言えない。実際、人間が地球を搾取し続けてきたために、我々の環境と生態系は悪化の一途をたどっている。この影響は気候の変動に現れており、持続可能な未来のために、我々はただちに行動を起こさなくてはならない時点に達している。

アジアは世界の人口の約60%を抱える最大の大陸である。現在、アジアはUS$18兆のGDPを生産する。1990年代以降、豊富な人的かつ自然資源は、生産性を高め、その巨大市場はアジアを地球上で最も急速に成長する経済域にした。しかしながら、急速な成長は自然資源の過度の需要を生み、地球環境と生態系を傷つけている。加えて、アジアは常に洪水、地すべり、大気水質汚染、地震、津波、台風、その他の自然災害に見舞われている。特にCO2など地球温暖化ガスの排出による地球温暖化の進行に対しアジアの責任は極めて大きいということを認識しなければならない。この現在の状況を鑑みれば、アジアにおいて持続可能な発展をめざすことは必要なことである。

土木技術者は倫理的で、思いやり深く、人間と環境が調和して共存できるようにするための持続可能性のヴィジョンを持っていなくてはならない。我々はアジアの社会基盤と地球の環境のバランスをとることにおいて、積極的な役割を果たさなくてはならない。特に差し迫っている地球温暖化による気候変動とそれによる災害に対し、抜本的な対策を提案しなければならない。さらに、我々は、恵まれない人々に対する思いやりを持ち、人材を育成し、また全ての人々に対して清潔な水と空気、食糧、安全な避難所を供給することなど、人間性と社会システムの緊急重要課題と取り組んでいかなくてはならない。

我々、各土木技術者組織の代表は、多様なアジアの民族と文化の必要性に答えるため、適切な技術の発見、開発、使用を通し、生活の質を高めることに全力を挙げて取り組むことを誓う。我々は、環境を保護し、増進させ、楽観主義を鼓舞し、持続可能な世界の一部としての持続可能なアジアを作り出すために、力を合わせ取り組んでいくものである。

前述の確約を遂行するため、我々、土木技術者は、以下の行動をとることに同意する。

  1. 持続可能な発展を達成するための短期的、長期的戦略を構築する。
  2. 生活の質を高めることに努めるとともに、環境と生態系を保護し、発展させる。
  3. 自然資源を保全し、再利用資源を使用する。
  4. 地球温暖化の原因を削減し、気候変化の影響を軽減しつつ、順応する。
  5. 公共政策の形成と遂行に参加することを奨励し、良質な統治能力の透明なシステムを推進する。
  6. 環境にやさしい技術に関する能力形成に努め、知識移転を促進する。
  7. 新規に建設される社会基盤の寿命を延長し、既存の社会基盤と施設の再生技術を発展させる。
  8. 目的の遂行に際しては、文化的価値と遺産の保全を確約する。
  9. 教育と研究開発への参加を奨励する。
  10. 災害の影響を削減し災害から守られる政策を発展させる。
Restoration of Japan's Environment after the High Economic Growth - Case Studies on Urban-landscape -Presidential Meeting at 4th CECAR in Taipei on June 25, 2007

Last Updated:2015/06/12