ジョイントセミナー
Joint Seminar

第2回都市とITSに関する日中共同セミナー 〜 アジアの都市の未来を考える 〜

(2006.7.30, 中国土木工程学会, 土木計画学研究委員会)

CCES-JSCE ジョイントセミナー 実施報告



平成18年7月30日,土木学会(土木計画学研究委員会)と中国土木工程学会(都市道路と交通工程委員会)主催、ハルビン工業大学・豊田都市交通研究所・名古屋大学(交通・都市国際研究センター)・中国建設省都市交通工程技術センター共催、潟gヨタマップマスター協賛の下,標記のジョイントセミナーを中国のハルビン工業大学にて開催した。

急速な人口の増加とモータリゼーションが進むアジアの大都市では,都市のスプロール,環境・エネルギー問題,交通事故の激増,貧困層や身障者のモビリティ欠如などの都市交通問題がますます深刻化している.その一方で,情報通信技術の発展を背景に,交通システムのインテリジェント化(ITS)が進められており,これら問題解決の新たな展望も現れつつある.これらの問題にいち早く直面した日本と直面しつつある中国の交通/都市研究者が情報を継続的に交換し,知恵を出し合うことは,21世紀のアジアの都市の持続可能な発展のために極めて有効であると思われる.このような交流の場を構築することを目的として,2005年7月に名古屋大学で「都市とITSに関する日中共同セミナー〜アジアの都市の未来を考える〜」が、名古屋大学森川・山本研究室主催「(NPO)ITS Japan・(財)豊田都市交通研究所・清華大学交通研究所共催」の下、成功に収められた。このセミナーの閉会の際、この分野で活発に活動している日中両国の研究者が会し,研究成果や都市/交通のプロジェクトに関して情報交換することの
必要性を確認し、2006年以降も定期的に開催することを決めた。
一方、このような活動の影響力を高めるべく、2006年度には日本土木学会(土木計画学研究委員会)と中国土木工程学会(都市道路と交通工程委員会)の共同主催を目指して、ハルビン工業大学(中国側)と豊田都市交通研究所(日本側)が事務局として準備をして上述のような形で実現させた。

今回のセミナーは、7月29日夜のウェルカムレセプションから始まって7月30日夜の交流会で終わった。参加者数は約100人であった。7月30日に7セッションに分けて行った講演と論文発表は計41件であった。また、時間の制約上発表できなかった論文も含めて合計65編の論文と6件の発表資料を収録した講演論文集はペーパーバージョンとCD-ROM版の両方を発行しました。

開幕式では、ハルビン工業大学孫和義副学長、名古屋大学森川高行教授、中国土木工程学会都市道路と交通工程委員会の劉桂生委員長(北京市市政工程設計研究総院院長)、ハルビン工業大学交通科学与工程学院安実院長がそれぞれ挨拶した。日本側の代表として、東京大学原田昇教授が「Transport and social exclusion: quantitative index and application results」、森川先生が「A dynamic guidance system (DRGS) using probe vehicle data」を題するKeynote Speechを行った。また、交流会で行った閉幕式においては、土木計画学研究委員会前幹事長の溝上章志熊本大学教授が日本側の代表として挨拶をされ、2007年に日本で第3回の実現を約束し、中国からの参加を呼びかけた。

日本からは、上述の原田先生、森川先生のほか、溝上先生、岐阜大学の応 江黔助教授、広島大学の? 峻屹助教授および豊田都市交通研究所の安藤良輔研究主席もそれぞれ発表を行った。

最後に,本セミナーでご講演いただいた方々や会場の準備、論文集作成にお骨折りいただいたハルビン工業大学交通研究所長の裴玉龍(PEI Yulong)教授をはじめとする本セミナー開催にご尽力いただいたハルビン工業大学の関係者、開催資金の助成・支援をしてくださった土木学会と株式会社トヨタマップマスターおよびハルビン工業大学、ならびに参加者など関係各位に深く感謝の意を表する。

なお、本セミナーは、土木学会学術交流基金の助成を受けて行ったものである。


(財団法人豊田都市交通研究所 安藤良輔)

 
参加者記念写真



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