種々の設計時に数値計算を援用する実務者には,目前の技術課題に対して迅速かつ精確に工学現象をモデル化し,分析し,評価できることが求められています.一般的には,この目的達成のために商用ソフトウェアを解析ツールとして使用することが多いと思われます.しかし,その理論や詳細な機能についてユーザーは十分な理解のないまま利用している場合があると考えられます.このため,対象とする問題に対して,解析ツールの性能・特性が十分に検証されているのか(Verification),また,工学的利用目的に対して妥当な解析結果が得られているのか(Validation)を確認しないまま解析ツールを利用している可能性も否定できません.実際に,解析方法や結果評価に対してエンジニアが重大なミスを犯し,開発・設計に大きな影響が出た事例も報告されています.

このような状況下において,V&V(Verification & Validation)に如何に取り組むかは,産業界にとって最も重要なテーマの一つです.V&Vに関する取り組みは機械分野・原子力分野では積極的に議論されていますが,地盤・コンクリートなどの土木分野特有の材料を対象としたV&Vについてはまだその方向性が確立されておらず,信頼性の高い数値解析が実施されていることを確認する方法論がありません.そこで,本小委員会では先行している分野の成果を参照しつつ,地盤・鋼・コンクリート・流体など土木分野の材料ごとに必要となるV&Vの具体的な実施方法をまとめて,数値解析の信頼性向上を図ることを目的とします.具体的な活動項目は次のとおりです.

(1) 国内外の関連分野のV&Vの動向調査と分析
(2) 各材料分野における数値解析の信頼性の現状調査と分析
(3) 各材料分野におけるV&Vの具体的な実施方法の検討