藤原章正委員長所信
2018年11月23日(第58回土木計画学研究発表会(大分大学))
この度,屋井鉄雄委員長を引き継ぎ,2018年6月より土木学会土木計画学研究委員会の委員長に就任しました。就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
土木計画学研究委員会は第1回東京オリピックの翌々年の1966年に設立以来,精力的な活動を続けて今日に至っております。設立50周年に当たる2016年には,桑原前々委員長,屋井前委員長のリーダーシップのもとに,「土木計画学50周年記念シンポジウム」を始め各種50周年記念事業を開催し,土木計画学のアイデンティティを確認することで,過去半世紀の活動の総括と今後に向けた展望をまとめました。2017年度には,次の50年に向けて,さらに一層若い力が結集し,土木学会や社会への貢献,国際的な貢献につながるような枠組みを整備して行くことを宣言しました。
2018年6月に委員長の職を拝命して以来,立て続けに大規模な自然災害が発生しました。7月上旬には西日本の広範囲に相乗型被害をもたらした平成30年7月豪雨災害,9月4日には近畿地方に上陸し観測史上最大瞬間風速を記録した台風21号,2日後の9月6日には北海道内全域停電を引き起こした平成30年北海道胆振東部地震です。土木計画学委員会は地域の大学等と連携し,即座に調査団を結成し,被害調査とともに啓開・復旧・復興活動に貢献しております。一方で,社会全体に目を向けると,IoT,AI,Society5.0,SDGsの用語が踊り,土木計画学の内と外の境界線がはっきりと区分できなくなりました。換言すれば,総合実践学である土木計画学の役割が,これまでになく大きくなっているように感じます。土木計画理論や技術の社会実装の研究成果を,様々な方法を通じて,世界に向けて時間遅れなく情報発信することが責務と思います。
末筆になりましたが,これまで諸先輩方が築き上げてきた伝統のうえに,新しい取り組みを少しずつ重ねて参ります。本委員会の活動に対して,今後の皆様の変わらぬご協力,ご尽力を仰ぎ,就任のご挨拶とさせて頂きます。今後ともよろしくお願い申しあげます。