トップページ > 九州の近代土木遺産 > 九州の近代土木遺産マップ >第一白川橋梁
![]() |
|
第一白川橋梁は、一級河川白川と黒川が合流した所に架かる南阿蘇鉄道の鉄道橋である。
立野駅より1500mの位置にあり、周りはうっそうとした北向山原生林となっており、阿蘇が削り上げた火山岩の渓谷に、赤茶色のアーチ橋が浮かび上がっている。
昭和2年に架けられたこの橋梁は、日本国有鉄道最初の鋼製アーチ橋であり、水面からレール面までの高さ約62mは本四連絡橋・瀬戸大橋の高さも凌いでおり、同じ九州内の宮崎県高千穂鉄道高千穂橋梁が1972年に完成するまでは日本一の高さを誇っていた。 実際に渓谷に近づいてみると、足場一つ組むスペースが無い程に切り立った絶壁で、その険しさと深さに驚嘆させられる。両側の橋は谷の斜面に組まれた足場の上で架設し、中央部は足場を用いずに、両側から釣竿を伸ばすように跳ね出していき、中央で閉合している。この工法は、現在では「張り出し工法」と呼ばれ、第一白川橋梁に日本で最初に用いられている。部材はリベットで接合されているが、その数は3万9986本で、鋼製のデリック・クレーンもここで初めて使われたようである。
(一般社団法人 九州地域づくり協会HP「土木遺産in 九州」より抜粋)
|