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●合意形成,住民参加

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 まちづくり,みちづくりを計画し,実行していくのは行政の役割ですが,その実現のためには住民の理解が不可欠です.行政や専門家だけで計画を進めて住民に一方的に立ち退きを迫るようなことが許されないのはもちろん,とにかく量を整備すればいい時代を過ぎ,国民が持つ多様な価値観を認め合い,さまざまな価値を考慮したインフラが求められる時代となっているからです.国民の関心が高まってきたことにより,行政や専門家だけでの意思決定では通用しなくなってきているので,市民と議論を重ねて方向性を確認し,認め合うこと(合意形成)が大切です.

 計画を策定していくために,市民自身が計画の方向性を定める意思決定プロセスに参画できる機会を保証するしくみが考えられ,パブリック・インボルブメント(PI)と呼ばれます.市民の中でも特に利害関係者である近隣住民を参加させること(住民参加)が多く見られます.住民参加では,十分に情報公開を行って計画を理解してもらうことや,住民の関心事に応えられるコミュニケーションの方法が求められます.現在では日本でも,道路整備などの場面でパブリック・インボルブメントが適用され,中には市民参加推進条例を制定している自治体もあります.

(鈴木 美緒:東京工業大学)

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