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●災害物流(ヒューマニタリアン・ロジスティクス)

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2011年の東日本大震災後,災害の影響下でのロジスティクスに関する様々な問題が広く議論されています.被災者のニーズと支援者から提供された物資の不整合,不必要な物資による保管施設のオーバーフロー,非効率な物資の配分,重複などの多くの問題が挙げられています.

災害救援活動の効率化はその準備状況に大きく依存します.それゆえ,より効率的な資源活用をしつつ,十分な備えのある計画を行えれば救援できる人命を増やせます.将来の災害へ備えるために,人道援助ロジスティクスの特徴を理解する必要があります.人道援助ロジスティクスを複雑にする要因は,1)多数の異種関係者(被害者,NGO,政府機関,民間セクター,個人支援者),2)救援活動の異なる段階,3)個別の支援要求(物資,人的支援を含む)の3点と言えます.このすべての複雑な要因は,より効率的で,より早く,より信頼性が高い支援をするためには,費用を度外視してでも,人道援助ロジスティクスの計画・運用全体の考慮に入れなければなりません.

人道援助ロジスティクスの分野に携わる者は関係者間の協力の欠如を問題視します.被災者に物資やサービスを提供する支援者(政府や非政府組織,物流会社や個人支援者を含む)は,被災者に真に有用な物資を,必要なときに,必要な量だけ,必要な場所に提供しなければなりません.そのために,政府と非政府機関は,提供する支援の重複を避けるために調整する必要があります.そのとき,物流会社(車両,機械,訓練を受けたスタッフなど)の持つ多くの物流支援の仕組みは非常に有用で,救援活動が非常に向上します.

効率的で機能的な人道援助ロジスティクスの実現には,全ての関係者の深い関与や調整が重要になります.

(Wisinee Wisetjindawat:名古屋工業大学)

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