2.減災対策マトリクスとは?

1) 減災対策マネジメントにおける7つの対策フェーズ


 災害対策は事前対策(リスク・マネジメント)と事後対策(クライシス・マネジメント)に分かれ、それぞれの対策の立案・進捗管理が行われる。

 これらの事前・事後対策は以下の図のように、発災時点を境に事前として「被害抑止」「被害軽減」「災害予知と早期警報」の3つ、事後として「被害評価」「災害対応」「復旧」「復興」の4つ、の計7つのフェーズに分けることができる。

 効果的な防災対策とは、災害や地域の特性を踏まえ、これら7つのフェーズの対策を適切に組み合わせることで成り立つ。

7つの対策フェーズ

 以下に事前および事後対策の対策を例示する。

対策フェーズ 対策の内容
被害抑止力 建物や各種構造物の耐震補強、粘り強い構造への補強、液状化対策、宅地耐震化
被害軽減力 津波避難ビル等の避難施設,停電に対するバックアップシステムの整備、道路橋の落橋防止構造等
災害予知と早期警報 地震の直前予知や緊急地震速報等の情報伝達手段の確保や二重化
被害評価 地震動データに基づく即時被害推定システム、衛星・航空等のリモートセンシングなど各種モニタリングシステムによる早期被害把握、被害額の早期見積もりと財政措置
災害対応 災害対策本部立ち上げ、被害状況の把握、人命救助、消火活動、二次災害の抑止などの初動対応、避難生活の支援、緊急物資の調達等の応急活動など、物流産業・宅配業者等による生活・産業向けサービスの充実
復旧 インフラ施設やライフラインの早期復旧、仮設住宅への入居支援、復興方針策定、廃棄物処理など
復興 都市復興、生活復興、経済復興、都市環境の回復・改善、財源確保、心のケアなど


→ 2) 減災対策マトリクスの構築


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