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技術賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) Iグループ

わが国初の鉄道トンネルへの全断面TBM 工法の適用に関する設計・施工技術
−吾妻線付替八ッ場トンネル−

Design and Construction Technologies for the First Full-Face TBM Railway Tunnel in Japan - New Agatsuma-Line Yamba Tunnel Project

わが国初の鉄道トンネルへの全断面TBM 工法の適用に関する設計・施工技術 −吾妻線付替八ッ場トンネル−

  • 東日本旅客鉄道(株)上信越工事事務所 清水建設(株)・西松建設(株)・(株)間組共同企業体
  • Joshinetsu Construction Office, East Japan Railway Co.; Shimizu, Nishimatsu and Hazama JV
概要
八ッ場トンネルは、八ッ場ダムの建設によって水没するJR 吾妻線の付替線建設工事において建設される延長4,582m の鉄道単線トンネルである。当該現場は、(1)トンネル延長が長く、かつ片押し施工、(2)トンネル延長の大部分が良好な岩盤、等の施工条件であったことから、高速掘進が可能な全断面TBM 工法(掘削径6.82m)をわが国の鉄道トンネルで初めて採用した。
技術的課題としては、(1)掘進精度の確保と高速掘進性能の両立、(2)不良地山部におけるTBM の拘束の回避と確実な掘進、(3)大口径TBM における合理的支保構造の確立、があり、これらを解決するために、(1)方向制御技術の高度化や掘進管理システムの導入、支保作業の機械化、(2)地山前方探査技術の採用による不良地山の事前把握、(3)ファイバーモルタル吹付けやロックボルト、鋼製支保工を主要部材とした薄肉支保構造の設計、等の技術開発や改良を実施した。
その結果、計画線との偏差± 30mm 以内で平均月進300m 以上の高精度高速掘進を実現するとともに、不良地山部においてもTBM の拘束もなく、掘削を完了した。本プロジェクトで採用された技術は、わが国におけるTBM 工法の適用範囲の拡大に寄与するとともに、より大断面トンネルへのTBM工法の適用への道を拓くものと高く評価され、技術賞に値するものとして認められた。
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