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環境賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) Iグループ

環境への負荷低減に配慮した特殊膜濾過による新しい高度清澄濁水処理システム

New Filtering System for Muddy Water

環境への負荷低減に配慮した特殊膜濾過による新しい高度清澄濁水処理システム

  • 清水建設(株),(株)睦商事
  • Shimizu Corp., Mutsumi-Shuoji Corp.
概要
特殊膜濾過による新しい濁水処理システムは工事で発生する濁水の処理システムで、特殊な芯材を濾布で包み込んだ板状の膜濾過ユニットを濾過槽内に垂直に懸垂し、ユニット内外の小さな水頭差により濾布の表面で濁水を補足、高度に清澄された濾過水を得る膜式濁水処理方法である。膜濾過ユニットにより浮遊物質濃度10mg/Lまでの清澄処理が可能で、厳しい環境保全の要求に対応できる。また小さな水頭差により処理水の流速を遅くすることで、高濃度濁水(浮遊物質濃度1,000-3,000mg/L)を直接処理できる。従来手法で高度清澄濁水処理を行うためには、砂濾過と凝集沈殿を組み合わせた手法が一般的であった。この従来手法と比較し、以下の利点を持つ。濾過膜の洗浄回数は一日一回程度と少なく、稼動効率の向上につながっている。また有機性高分子凝集材を使用せず、無機質系の凝集材のみを使用するため環境への負荷が小さい。さらにはイニシャルランニングコストも小さく、コンパクトな装置となっている。清澄な水を要求される農業水利事業などの工事に採用され、高度な濁水処理がおこなわれ、環境の保全に寄与している。今後、建設工事はもちろん、河川・故障などの浄化への適用など地球環境保全への寄与が大いに見込まれる。よって、土木学会環境賞に値するものとして認められた。
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