■ 土木学会第114代会長 会長就任挨拶
2026年6月12日
このたび、第114代土木学会会長に就任いたしました小澤一雅です。
伝統ある土木学会会長という重責を担うにあたり、その使命の重さに身の引き締まる思いです。大正・昭和・平成、そして令和と、激動の時代を駆け抜け、この土木学会を守り、育ててこられた歴代会長、そして諸先輩方のたゆまぬご努力に、改めて心より敬意と感謝を申し上げます。現在の土木学会の活動は、一世紀以上にわたって受け継がれてきた「志」の積み重ねであり、社会から寄せられてきた「信頼」の結晶です。
一方、私たちは時代の大きなうねりの中にいます。デジタル技術の発展や価値観の多様化により、これまでの正解が通用しない場面も増えています。しかし、時代がどれほど変わろうとも、私たちが大切にすべき「根幹」は揺るぎません。初代会長古市公威が第一回総会講演で示した土木技術者は「いわゆる将に将たる人」として、100周年記念事業で第102代磯部雅彦会長が示した「あらゆる境界をひらき、持続可能な社会の礎を築く」ことです。この普遍的な理念を羅針盤とし、持続可能な土木学会として進化し続けられるかどうかを、現在問われています。
就任にあたり、次の三つの方針で取組みを進めたいと思います。
第一に、「時代のニーズに応える革新への挑戦」です。
これまでの実績を尊びつつも、慣例に縛られることなく、見直すべき慣習については柔軟に見直し、次世代へ繋ぐための新しい仕組み作りを推進してまいります。一方で、世代を超えた対話を促進し、ベテランの知恵と若手の情熱が融合する、より風通しの良い組織とすることが肝要と思います。
第二に、「連携による価値の創出」です。
より複雑になっている社会課題を解決するためには、関係する皆様との対話を深め、学会内外との連携を図ることにより価値を創出することが必要不可欠です。土木学会は、これを促進するネットワークの核となる役割を果たす必要があります。次世代を担うリーダーたちがその機会に参画し、挑戦できる場を整えたいと思います。
第三に、「透明性の高い組織運営」です。
公益法人として社会から託された信頼をより強固なものにするため、また、個々の活動が組織内外と連携し、価値を高められるようにするために、公正かつ開かれた運営が必要不可欠です。時代や社会の変化を敏感に捉え、常に自律的に進化し続ける組織となるよう運営のあり方を見直したいと思います。
現在私たちを取り巻く環境は、かつてないスピードで変化を続けています。少子高齢化、DX推進、グローバル化、高齢化するインフラと地域コミュニティの再構築などの課題が山積みであり、まさに時代の転換点に立たされていると言っても過言ではありません。このような不透明な時代だからこそ、土木学会が果たすべき役割は、これまで以上に重要です。 皆様の多様なお知恵と、確かな歩みが合わさって初めて、新しい次の1ページが刻まれます。皆様の温かいご指導とご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
