土木学会誌
土木学会誌11月号モニター回答


PHOTO REPORT
少ない量の文章で説明する難しさを感じます。「1」は分かりやすかったのですが「2と4」は分かりにくいと思います。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)

写真や図がたくさん載せられており、現場の雰囲気が伝わってきて、とても良かったです。また、フォロー記事として「CEレポート」にも掘り下げられた解説が記載されており、背景や事業の詳細が把握できて分かりやすく、興味深く記事に目を通すことができました。今後とも、写真だけ目を通す人、詳細な解説を読みたい人、色々な読者の興味を惹きつける記事づくりに期待しています。
(パシフィックコンサルタンツ(株) 寺田悟)

PHOTO REPORT(4) 台湾高速鐵路構造物細見
先月号の「PHOTO REPORT 2 のぞみ号,台湾を走る」について「できれば続報を」と書いておりました。ありがとうございます。続報が確定していたのであれば先月号にその旨記載して欲しかったと思います。
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)

この人に聞く 東京大学生大学院経済学研究科・経済学部教授 高橋 伸夫さんに聞きました
「成果主義は失敗だ」の内容は面白いと思うのですが,土木学会誌としてのインタビューの主旨が今ひとつ理解できませんでした。
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)

「大学の研究室のシステムは、今の学生のニーズにあっていません」という指摘は。その是非はともかく、重要な論点だと思いました。ただ、「執筆者に教授、助教授が5人も10人も名を連ねていて・・」という記述について、そういった事例を私は寡聞にして知らないので、この議論が土木の世界の話なのかどうか、少し疑問を感じました。
(広島大学 一井康二)

公務の職場にも成果主義が導入されつつあります。ある一定の評価は必要ですが、評価する事・される事を気にするあまり、仕事が「ある程度」になっては、本末転倒です。今必要な事は、仕事に対するモチベーションを如何に保つか、また長期的視点に立った人材育成ではないでしょうか。官でも民でも状況は同じです。
(名古屋港管理組合 高木 強)

会社のシステムのあり方や、そのシステムの中で働く人の育成については、時代背景や経済状況によって、価値観・考え方・お客様のニーズ等が変化し、必ずしもこれといった正解がないのが、現実だと思います。
高度経済成長期の日本では、年功序列・終身雇用制度が威力を発揮し、バブル崩壊後は、欧米的な成果主義が導入され、そして現在は、また以前の終身雇用制度が見直されてきているといった話も聞くことがあります。
このように様々な事象が変化していく中にあっても、私たち土木屋が仕事を進めていくうえで変わらないのが、お客様を第一に考えるということだと思います。
私たちの仕事は、何十年も地図に残る良いものをつくることです。お客様のニーズが変化するといっても、人が生活していくうえでの根源的な部分は大きく変わらないでしょうから、そのことを踏まえながら、会社のシステムのあり方や、人材育成について、未来を見据えた最適な方法を考えていく必要があるということを、痛感させられました。
(東京急行電鉄 廣脇大士)

最近感じていたことをズバリ指摘していただいているような気がする。仕事の面白さを感じさせ、やる気を起こさせるためにどれほどの労力がいることか。また、それがいかに大事なことか、本当に理解している人は多くないと思う。建設会社など、設備を持たない業種は人材しか「財産」がないにもかかわらず。しかしそれを放棄してしまっては会社としての将来はない。皆が心して高橋教授の言葉をかみしめるべきだろう。
(前田建設工業 今西秀公)

特集 放射性廃棄物の地層処分における課題と取組み
非常に重要なテーマだと思いますが、テーマ自体の国家的重要性や今この特集を行うことの必然性について十分な説明がなく、いきなり内容に入っているので私も含めて背景知識が無い人には唐突に思えたのではないかと思います。なぜ、高レベル放射性廃棄物が出るようなサイクルが必要なのか、エネルギー問題の視点から 簡単であれ説明があったほうがよいような気がします。また、この地層処分での土木技術上の課題やその解決は、(この事業自体はおそらく単発で日本に一箇所だけの事業でしょうから。)他の土木分野でも応用範囲が広いのかどうかも掘り下げるとよかったと思います。
(大阪府 小将根)

一般的な知識向上という視点では興味深いテーマです。ただ、土木学会誌のメイン特集としては少々専門すぎると感じます。学会誌編集の方針では「適宜性」と「速報性」の維持を謳っていますが、「適宜性」であれば偽装建築などで問題化している技術倫理の優先順位が高いと考えます。テーマ決定について、より透明性を図るべきです。上層部からの影響を回避するためにも。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 工事課  櫻庭 満)

先般的分かりやすいと思いました。特にカラーで適切な図が多く配置されているのが分かりやすいと思います。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)

放射性廃棄物の処分をどうするのかという点について、熱心に研究がなされていることはとてもわかるものの、逆に言えば、まだ不明瞭な点も数多く、処分方法が確定していないのに原子力発電を推進してきたのか、という点について、素朴な疑問を感じることがあります。これは、土木技術というより、政治の問題かもしれませんが、原子力の問題に限らず、土木の問題が技術の問題でなく政治の問題となっている点が、土木のイメージ低下につながっているように感じます。結局のところ、地層処分にしても、熱心に研究されていること、研究が親展していることはわかりますが、安全に、安心できる形で、本当に地層処分できるのでしょうか?誰が、あるいはどこの部署が、その処分の実現性について責任を持ってコントロールしているのでしょうか?政治の問題が絡むこともあるのか、結局よくわかりませんでした。
(広島大学 一井康二)

現在、日本のエネルギー事情で長期間にわたり問題になると思われる地層処分について、取り組み、問題点、土木技術者として期待されること、を非常にわかりやすく説明していると感じました。専門職が強く、さらに特別な条件下での研究ですので、地層処分研究に携わっていない方により理解していただくという取り組みは良かったです。他国における処分研究やサイト選定などについての進捗など、もう少し詳細に記載していけば、日本が世界基準でどの程度の位置にいるのか、わかりやすかったのではないか、と感じました。
(前田建設工業 武部篤治)

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業に直接従事する者として,このような特集が組まれ,多くの土木技術者の方々に身近な事業であることを認識していただける機会を与えていただいたことを嬉しく思います。長期間にわたる本事業では解決すべき技術課題も残されていますが,言い換えれば土木技術者として活躍していただける場でもあり,今後も多くの土木技術者の方々に興味を持っていただけるよう,様々な機会を利用して情報を発信していくべきであると考えます。
(原子力発電環境整備機構 大東秀光)

現在の世界的にエネルギーが逼迫している状況から、原子力発電の開発、とりわけ放射性廃棄物に対する安全性の確保は急務であり、今後大きく成長する分野であると思います。また、他産業と比べて付加価値を生み出し難い建設業界において、特殊技術を集結させた当分野は大きな付加価値を提供できるものと思います。 (僕はコンクリートの寿命は100年だと思ってました。)放射性廃棄物の処分において、研究分野ならびに原子力ビジネスにおいても、世界をリードされることを期待しています。
(大成建設 佐藤吉孝)

放射線廃棄物地層処分の分野は、要求される構造物の寿命と、安全性がかなり高いレベルのものを要求されており、様々な知見を結集して、今後とも、事業として推し進めていく必要があることは、改めて認識できました。そのそれぞれの要素技術を開発したり、課題点を克服することも重要ですが、岸会長とのインタビューの中でもあるように、このことを一般の方々にどのように認知してもらうかが重要であり、そのためには、土木学会という土木技術者の集団が果たす役割というものが非常に重要だと思いました。そのためにも、まずは土木学会誌読者である土木技術者が、これらの問題点に触れることが重要だという意味で、今回の特集は意義があったと感じています。今後は、このような話題を一般の人々などに伝えるときに、少しでも最先端の技術者が考えていることの断片が伝えられるようにしたいと考えました。
(大成建設(株) 加藤 隆)

1.地層処分の現状と課題
地層処分するガラス固化体の本数は、2020年前後までに発生する燃料を処理した場合の本数として4万本となっているとの記述がありましたが、2020年以降は廃棄物が発生しないわけではありませんよね。一方で、その4万本の埋設には50年もかかる、というのはなんか気の遠くなるような話で、課題を先送りしているような印象すら受けました。少子化も進み、国も借金が多く、年金負担などもかさむと予測される今後数十年の間に誰がその面倒を見るのでしょうか?地層処分の重要性はわかりますが、「土木技術者の皆さんの活躍を期待」されても、若い技術者にとっては仕事の内容が諸先輩方のゴミの後始末というのでは、土木離れが進む要因になるとしか思えませんでした。
(広島大学 一井康二)

3.第90代土木学会会長 岸さんに聞く、土木学会、土木技術者への期待
現在の快適な暮らしを支える原子力エネルギー、その一方で発生する放射性廃棄物の処理は大変だな、と頭では理解していたつもりでしたが、現実に、高濃度放射性物質の封じ込めに、地質学をハジメとした土木技術が不可欠である、というのは、本当に驚きでした。また、土木学会長の「安心とは、(国民が)腹の底からの納得」の上で得られるものであり、そのために「(国民に対する)安全に対する説明技術がきわめて重要である。」という言葉は、安全性の確保に対して自己満足に陥りやすい現状を、簡潔に言い表されていると、非常に感銘を受けました。
(東京都都市整備局 荒木成文)

次の二つの発言に目が留まりました。「・・、人をみつけること。物事を推進し、中心となってまとめようという人がいないと、絶対いいゴールにはたどり着きません。・・」「・・。一般の良識をもった人に、なるほどと理解してらえるような語り部、ストーリーテラーがどうしても必要なのです。・・」まさしくおっしゃるとおりだと思います。プロジェクトの規模に係らず、常にこれらを意識し、最終的には自分自身がそのようになれるよう精進していきたい。
(鹿島建設(株) 白浜 寛)

ミニ特集 連載「技術者倫理」について考える −土木における「誇り」と「社会理解」− 
「技術者倫理」については土木学会員一人ひとりが考えなければならない重い問題と考えます。昨今の世間がわれわれ「土木の社会」を見る目が厳しいのに対し、何をなすべきか改めて考えさせられるきっかけになりました。3回連載のミニ特集で企画されていますが、ミニを取って、学会全体で取り組むべき「特集記事」としてもよい気がします。
(首都高速道路(株) 小島 宏)

土木学会誌にふさわしいテーマです(本来はこちらがメイン特集では)。1の現場の声では、発注者の立場として耳が痛い内容が多いようです。ただ、2の藤井先生から「その行動に至る彼らの思想プロセス」こそが、倫理的かどうかの基準になると話されており、多少救われた気がします。もっとも高道徳水準に自分が当てはまるかは難しいところですが。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 工事課  櫻庭 満)

学会誌の場合は「研究倫理」だと思うが、「技術倫理」となるところが土木学会の大きな特徴と思いました。
技術者としての自負や危機感や向上心があり、良い日本人らしさを感じます。
土木学会や土木業界の良い点として認識して失われないようにと思いました。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)

近頃の新聞紙上をにぎわす土木分野の不祥事のことを考え、また自分自身を見つめなおす意味で非常に良かったと思います。自分を含め各土木技術者がこの記事により、現状における自分の行動や態度、立場を見つめなおし、今後に生かせるようになることを祈ります。
(前田建設工業 武部篤治)

昨今,世の出来事の影響もあり,倫理や道徳について非常に考えさせられる場面が多く,技術者倫理も同様だと感じます.ただ,自分は大丈夫という思い込み?にちかいものがあるためか,議論に対し目を背けたり,考えなかったりすることが多いのなあと感じます.今回の記事,普段,道徳・倫理を上辺だけなぞっているような私ですが,特に『「技術者倫理」をいま一度考える』の内容は簡単ではないが道徳性の3水準等大変理解しやすい内容でありました.今後も同内容を継続して話題提供されることを望みます.
((独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所 海野寿康)

「1 『技術者倫理』の定着と限界 −現場の声を踏まえて−」でのアンケート調査に関する報告は、現実に起きている事象を把握し、そこから何を見出すか、という試みであり、綿密なデータ分析を元に的確な提言に到達されていて、たいへん貴重な内容であると感じました。「2 『技術者倫理』をいま一度考える −『心理学』からみた倫理の問題−」は、モデルケースを想定したうえで心理学理論を適用して分析を試みているもので、たいへん示唆に富んだ内容でしたが、想定されているモデルケースが、結論を導くために先取りされている感を否めません でした。現実の社会で問われている「倫理」は、このモデルケースよりもはるかに複雑かつ犯罪性の高い事案に関するものが殆どかと思います。その意味で、いま一歩現実に切り込めていないのではないか、と感じました。
(自営業 今井博之)

技術者倫理について、「現場」と「理論」という二つの切り口の記事が載せられており、一技術者として個人的に考えさせられました。私の業務経験がまだまだ浅いせいか、今回の記事の内容について、なかなか消化できませんでした。技術倫理に関して、明確な答えは無いのでしょうが、今後の連載を通じて、自分なりに考えを深められればと思います。
(パシフィックコンサルタンツ(株) 寺田悟)

記事の冒頭にもありましたが、「技術者倫理」を問われる事件が世間を騒がせている昨今なので、続きも楽しみです。特に、調査結果には、「うんうん、そう思う」と共感する部分があり、なかなか難しい部分もあるのだと思いました。
(清水建設(株) 時弘みどり)

1.「技術者倫理」の定着と限界 −現場の声を踏まえて−
耐震構造偽装問題等もあり、今、非常に世間をにぎわせている問題でありますが、非常に難しい問題だと思います。倫理違反をしてはいけないことは理屈では誰でも分かっている問題であるにも関わらず、予算の関係で業者側だけでなく官側の方も苦悩しているのが分かりました。私自身もそのような場合、どうするか、非常に考えさせられました。
(大林組 中森滋子)

倫理問題に関する実態調査の結果を読んで、現場の実態が生々しく反映されており、印象深かった。自分も発注者として現場を管理する中で、厳しい工程管理を余儀なく実践するうちに知らず知らず、土木技術者として倫理的に問題のある事態を生じていないか心配になることがある。協力会社とよくコミュニケーションを図り、発注者として適切な判断が行われるように、肝に銘じていかなければならないと思った。また技術力の低下も倫理問題に根深く起因しているのではないだろうか。倫理問題の他に、安全への配慮や、品質の良い構造物の構築に向けて、熟年の技術者を活用した教育、経験の伝承を積極的に行っていくことが問題を解決する糸口につながっていくと考える。
(東京急行電鉄(株) 横内稔充)

2.「技術者倫理」をいま一度考える −「心理学」からみた倫理の問題−
藤井先生より、心理学からみた倫理として、「高道徳水準」(より普遍的な倫理的原理に基づき、自らの良心から非難を受けないようにすることで倫理的行動をなそうとする段階)について説明があった。土木技術者として、自らの良心に照らして倫理的に行動することは非常に重要であると思う。ただし、この高道徳水準の行為が社会的に倫理的であると受容されるためには、当人の良心が、社会一般に共有されている倫理観と概ね一致している必要がある。「国家公共のための道路の必要性を信じ、そのために万やむを得ず虚偽の需要予測を求める」行為であっても、「国家公共のために万やむを得なければ虚偽を働かざるを得ないこともある」という考えと社会一般に共有されている倫理観との間に乖離があれば、社会的には非倫理的であると認識されるだろう。つまり、土木技術者は、自らの良心に従うだけではなく、社会一般に共有されている倫理観を的確に理解している必要がある。
((株)三菱総合研究所 牧 浩太郎)

日常の業務において、安全、品質、工期、コストなど、様々なトレードオフに直面した場合、技術者としてどのような選択をするか、常に葛藤が伴う。この葛藤に対して、まずは法的な側面から判断し最低限遵守した上で、技術者としてどこまで追求すべきかあるいは犠牲にしてもよいか、難しい問題である。すなわち「技術者倫理」は、法による規範と相互・補完関係にあり、自主的に遵守しようとする意識に基づく自律的な規範として考えられるからである。コールバーグ理論では、主観的理由づけ、行動に至る思考プロセスが判断基準になると解説されている。ただし、この思考プロセスの根底には、土木技術者が専門職として何らかの行為をするとき、公衆の安全、健康、福利など、公益の確保が最優先されるべきであると考える。今後、ますます複雑化する社会ニーズ、利害関係を考えると、「公益とは何か」、土木技術者に求められる大きな命題ではなかろうか。このように考えると、倫理的な談合の存在については疑問を感じざるを得ない。
(首都高速道路(株) 土橋 浩)

ミニ特集 「社会」とのコミュニケーションで、土木学会にできること
先日、長女の通う小学校で早稲田大学防災支援会(WASEND)の方々を招いて防災教育(スライドによる地震や津波の授業および、被災後の状況を想定し身の回りのものを用いたランプ作り)をしていただいた。
土木という言葉も知らないであろう子供達だけでなく、土木とは無縁の職業に就いている大人たちも、我々、土木技術者にとって関わりの深い地震や津波の話題に真剣に耳を傾け、熱心にランプを作っていた。
「社会」とのコミュニケーションで土木学会にできることを一人実感し、ほくそ笑んでいた一日だった。(内容が記事と直接関係なくてすみません。)
(清水建設(株) 久保昌史)

土木技術者は、確かに今まで、社会に対してPRしたりすることについては、どちらかといえば積極的ではなく、「男は黙って・・・」の世界であったと考えます。今回の特集で、土木パンフレットについて紹介されていましたが、こういう身近な啓蒙活動を、土木技術者ひとりひとりが発信していくことの大切さを今回の特集で改めて考えさせられました。もっともっと土木業界全体で、このような機運を盛り上げていくために、土木学会は、その先導役となることは十分に可能であると考えています。
最近、地方の自治体で、リサイクルの事業をPRするために、職員が手作りで、特撮ヒーローの格好をして、PRしている事例などを見聞きしますが、土木学会も同じような手法でPRするかは別として、様々なアプローチは可能であるかと思います。
先日までTVで放映されていた、プロジェクトに携わった人達のドキュメンタリー番組が好評だったように、世間の人々も、伝え方によっては、我々のことに共感してくれたり、親しみを持ってくれたりできると思います。まずは、身近なところで、自分自身が一般の人々に、土木事業のことを楽しく伝えられる、「語り部」でありたいと思います。
(大成建設(株) 加藤 隆)

2.「土木パンフレット」の試み −小さいことから1つずつ−
土木のイメージアップをする試みは従来からよく行われていますが、マスコミに対して適切に取り上げられる試みはやはり難しいのでしょうか?確かに記事・ニュースの決定権はマスコミが持っているのですが、私がいつも感じる疑問として、なぜ「土木作業員」という言葉がニュースで使われ、「建築作業員」という言葉が使われないのか、ということを思います。土木の中身を多くの人に知ってもらうことはもちろん大切ですが、イメージアップをする手段はないのだろうか?と記事を読んでいて再び思いました。
(大林組 中森滋子)

土木パンフレットが人気を博しているということを読んでちょっと嬉しい気持ちになりました。恥ずかしながら「土木パンフレット」の存在を知りませんでした。「本誌5月号のパンフレット配布以来・・・」とあったので、早速読み直してみると、ありました!88ページにひっそりと。どうやら読み飛ばしていたようです。読み飛ばしてしまったのは私だけか?土木パンフレットのPDFファイルも見ましたが、素敵なパンフレットに仕上がっているなぁと感じました。こんなものこそ巻頭で紹介してみたらいいかと思います。
(道路計画 野中康弘)

記事とは直接関係ないかも知れませんが、私は何かの時に自分の仕事の内容を説明する場合、「土木の設計です」と言います。しかし、世間一般では、「土木」が何かを分かっているようで分かっておらず、「設計」と言う言葉から連想されるものは、住宅の間取り図のような物が多いようです。また、ある時は「土木に設計なんてあるの?」と言われたこともあります。一般の方々に「土木」の説明をすることは難しいと思いますが、やはり、土木学 会として、「土木」の知名度アップに貢献して欲しいと思いました。(バブルの頃の、馬鹿げたイメージアップではなく)
(清水建設(株) 時弘みどり)

聞いて流せぬトイレの話 第2回
スローライフにも繋がるかと思います。もちろん処理能力に限界がありますから、密集市街地では難しいと思いますが、下水道行政のバックアップも期待しつつ、持続可能な開発にも貢献できるトイレなので普及を期待します。
(河川環境管理財団 鎌田照章)

バイオトイレについては、登山愛好家の間での話題として耳にしてはいましたが、今回の記事で、その実態と有用性が、よく理解できました。循環型社会へ向けて、応用の可能性は極めて大きいように感じます。また、既存の上下水道を、コストの観点からも見直してみよう、という視点が、たいへん新鮮でした。
(自営業 今井博之)

トイレに水が不要のバイオトイレの話は、たいへん面白く読ませていただきました。記事の「災害対策としての利用が期待できる。」は、平成7年の阪神淡路大震災で、トイレの使用がいかに困難だったかを伝えるニュースを思い出し、こうした技術は、今後に希望の持てるものだと思いました。また、これからの課題ではありますが、資源のリサイクルなど、環境面にも配慮がなされているところは、21世紀型の技術だと感心しました。
(大阪府 加世堂 孝始)

バイオトイレの存在を初めて知りました.トイレを水で洗浄するのではなく,おがくずによる吸収と微生物の分解作用によって水洗トイレと同等の衛生を保つうえ,有機肥料として再利用できるといった優れもの.節水という看板を一番見かけるのがトイレなだけに,もし普及が進むと大幅な節水が行えることになると思います.その一方で,おがくずの環境条件などでエネルギー消費が大きくなります.今後はさらなる検討が期待されます.私としてはトイレの後に,水を流さないとスッキリしない感覚もありますが・・・近い将来にはそのような考えがなくなっているのかもしれません.
(金沢大学大学院 平野貴宣)

学生記事 新米学生編集委員が行く −鹿島技術研究所・首都高速中央環状線新宿線トンネル工事見学
学生の現場見学の様子が丁寧に書かれていて非常に興味深く読むことができました.ゼネコンの研究所などは,現場での仕事に比べ縁の下の力持ち的な存在であり,知る機会が多くありません.今後とも学生による楽しい記事を期待しております.
(金沢大学大学院 平野貴宣)

記事を読ませてもらって、学生さん達が研究所、現場見学で体験したこと、感じたことの生の声が聞けて、興味があったことと、自分自身が学生時代に同じように現場見学して、「現場ってすごい」とか思ったことが思い出されました。
できれば、もう少しプロジェクトの内容や、現場スタッフなどのインタビューなども行って、もう少し深く「取材」されたほうがいいのではないかと思いました。そうすれば、この業界のことについてや、プロジェクトを遂行することなどについての理解が深まると思います。今後の学生編集委員さんの活躍ぶりに期待したいと思います。
(大成建設(株) 加藤 隆)

CEリポート アジアのハブ空港間競争がますます激化 −バンコクにスワンナプーム空港開港−
10年位前の香港チェックラップコック空港の頃から何故か目が向いてしまいます。標題のとおり仁川や今度のスワンナプームとアジアに沢山出来てしまいました。日本の場合は文中にあるとおり需要確保・増大の戦略性がやや欠けるような気がします。事情はある程度分かりますし,PRIORITYが需要増大ではないかもしれません。浅学ですが中部はやや違うのかもしれません。場所によって違いますが建設コストも含めたビジネスとしての分析に公共性の視点からの分析を合わせた,国際空港に関する総合的なレポートがあれば(すでにあるのかもしれません),と思います。
(原子力発電環境整備機構 兵藤英明)

現在、東アジア及び東南アジアにおいて各国がアジアの玄関口を目指して国際ハブ空港の整備にしのぎを削っている。バンコクもスワンナプーム空港が全面的に整備されると大型旅客機が離着陸できる3000m以上の滑走路が4本整備され、国際ハブ空港としての主導権争いに更なる競争激化が予想されるであろう。しかし、ただ作るだけではなく、近隣国間の連携により国際空港ネットワークの効率的な運行・運営が模索できないのかと思うこともあり、航空ネットワークに関する将来計画の検討がどのようになされているのか興味のあるところである。一方で、日本の国際空港整備も遅れているのが実情である。重要な点は滑走路整備の他に、国内空港との連 携や都心へのアクセスであろう。他国の事例を参照により利便性の高い整備が進むことを期待している。
(東京急行電鉄(株) 横内稔充

CEリポート 自転車の走るまちづくり
この記事は、「これからも総合自転車対策に取り組んでいきたい。」という言葉で締めくくられています。まさに「総合」と呼ぶにふさわしい江戸川区の取り組みを知り、色々と勉強になりました。ここで紹介された一つ一つの施策は、先例があったりして、技術的あるいは政策的な興味にはつながらないかもしれません。しかし、区役所内部の複数の部局を束ねて、さらに警察や地域住民をも巻き込んで、放置自転車の解消などの成果を上げていることは、十分に注目に値するのではないでしょうか。
地下駐輪場の整備など、ハードの整備にあてる事業費を確保することは大変ですが、ソフト対策がそれ以上に困難な場合があると、地方自治体に勤務した時に感じました。一方で、行財政改革の一環として補助金の交付金化が進む中で、地方自治体の創意工夫が反映される部分が拡がってきているのも事実です。不勉強で江戸川区の財政事情は存じ上げませんし、土木学会誌の守備範囲からも若干外れるかもしれませんが、そうした意味で事業予算の確保などの工夫にも、記事の中でふれていただければ、とも思いました。
((財)ダム水源地環境整備センター 盛谷明弘)

街にあふれる自転車、その周辺に放置されるごみ、悪化する街の雰囲気や治安、何とかしたくてもなんともならない現状、しかしどうに かできる方策はあるはずだ、と維持管理部署にいたときには、痛切に感じてました。
結局は、一公務員のできることには限界があると・・、自分を納得させていましたが。しかし、江戸川区では、まさに、区が率先して官民学一体となって、放置自転車の一掃を実現していることに、驚きとうらやましさを感じました。一人ひとりのできることを組み合わせれば、困難と思えることも実現できる。そのために、土木技術者は、先を見通す確かなビジョンと強い意志、相手を納得させる説明能力が不可欠だ、と感じました。
(東京都都市整備局 荒木成文)

学生時代には、道路と言えば車両の通行する道路しか念頭になかったと思います。最近は、歩行者や自転車にもやさしい道路・歩道の整備が進められています。自分もこの春から東京に住んで、できる限り自転車で移動していますが、歩道が狭く、歩行者や駐輪車とのトラブルが絶えません。人間にも地球にも優しい自転車にゆったり乗れる日が来るのを夢見ています。
(河川環境管理財団 鎌田照章)

本記事でも紹介されている小中学生を対象とした実技講習については、先日のニュース番組か何かで見聞きして大いに感心した覚えがある。今回の記事を拝見して、駐輪場やモデル通行帯の整備など、「総合自転車対策」の名にふさわしい多面的かつ先駆的な取り組みが行われていると感じた。特に、自転車を「生活の中の主役として復権させる」とのビジョンを掲げている点を高く評価したい。場当たり的な放置自転車の対策に終始している自治体には是非とも参考にしてもらいたい。
(国立保健医療科学院 島崎 大)

記事にあるとおり、エコロジーや健康志向の観点から、近年、自転車の利用が見直されてきていますが、その反面、特に都市部において、マナーをはじめ、総合的な対策があらためて必要だと思いました。最近は、携帯電話をかけながら、あるいはメールをしながら自転車を運転している人も多く見受けられ、実際に歩行者との衝突事故が起こり、ひどい場合は死亡事故にまで至る状況をみると、法的な整備も含めて、抜本的な対策が必要ではないかと思いました。また、都市部では、営業に自転車を用いる会社員が、歩道をかなりのスピードで走っている場面をよく見かけますが、自転車が道路交通法上の車両である認識がほとんどないのではと思います。今後、記事にあるような、マナー講習の普及や、自転車通行帯の整備がますます必要になってくると思いました。
(大阪府 加世堂 孝始)

自転車に関する記事は最近よく目にし,それだけ注目されているということが伺えます.小中学生を対象とした自転車免許となるものがある地域では存在しているとのことですが,これは全国的に行うべきことなのかもしれません.知人の自転車ショップで働いている人に聞いたのですが,最近は売り上げが好調だそうです.自転車への関心が高まる一方,自転車や道路交通に関する知識を一人一人しっかりと持つことが交通事故を軽減し,今後はますます重要な課題になってくると思います.
(金沢大学大学院 平野貴宣)

都市部で生活するものにとって、自転車は便利でもあり迷惑でもあったりする。「やさしい自転車」の存在があってもいいとの提言は非常に共感できる。実際の自転車対策は非常に困難であったと思われるが、管理の一元化などで粘り強く対策を行った結果か全体で放置自転車を85%も削減できていることは、他の自治体や鉄道会社などにとっても朗報であると思える。
費用も期間もかかるが、環境に優しく綺麗なまちづくりへ、是非どこの街でも実施してほしい内容だ。そのためにも自治体同士の情報交換や、各種技術の提案などで土木学会が活躍できると思う。
(大林組 津久井啓介)

江戸川区に居住する者として,非常に興味深く読ませていただきました。自転車利用については7月号のミニ特集でも取り上げられていましたが,自転車利用は環境面,健康面等多くの利点がありますが,利用を促進するためには,自転車の利便性を損なうことのないまちづくりが不可欠であり,今後は駅前だけでなく商店が集中する地域への取り組みを期待します。
(原子力発電環境整備機構 大東秀光)

CEリポート 溶存気体を利用する環境改善 −気体溶解と脱気の画期的技術−
何かすごい技術であることは感じられるのですが、よく分かりませんでした。基本の基本となる原理等を図解するなどの工夫が必要だと思いました。
(東京都都市整備局 荒木成文)

画期的な技術であり、社会的需要も高い、という点は理解できましたが、もう少し具体的な応用例について、わかり易い展望が示されていれば、記事として更に質の高いものになったか、と感じました。
(自営業 今井博之)

行動する技術者たち 第8回 米国マサチューセッツ州元輸送長官 Frederick P. Salvucci 氏
私たちが仕事の中で当たり前のように使っている言葉が、実は世間的には、非常に特殊な専門用語であることを、一般の方から指摘され、ハッとさせられることがあります。
これからの土木屋は、高度な専門知識、多岐に渡る関係者との調整能力、事業全体を統括するマネジメント力に加え、分かりやすい言葉で説明するプレゼンテーション能力が必須になるということを感じました。
(東京急行電鉄 廣脇大士)

会告他
【理事会だより:会員サービス向上・会員確保に悩み多い理事たち】
会員増強対策方法については大いに疑問です。どちらかというと依頼が多い内容ですが、学会のPR不足を補うために入会をお願いするのであれば多少納得出来ます。しかし、(私を含めて)入会するメリットが少ないと考えている人を強引に勧誘するのは本末転倒です。会員の減少は土木関係者のニーズを捉えきれていないことが原因と考えます。増給対策案の一つにある「入札資格に認定技術者資格を反映させる方法」も(多少変化球ですが)一案です。これ以外にも、例えば会員限定閲覧サイトから土木学会認定技術者試験(できれば技術士試験も)の傾向と対策シリーズの企画があれば、私も食指を動かします。しかし、多くの会員と土木学会との一番の接点は学会誌です。毎回読みたくなる学会誌をめざすことが根本的な対策になると考えます。
(国土交通省 北海道開発局 留萌開発建設部 羽幌道路事務所 工事課  櫻庭 満)

【記事全般について】
今回学会誌の目次をざっと拾っていくと、発電所、橋梁、空港、鉄道、放射性廃棄物、バイオトイレ、環境改善等々、誠に多岐にわたっている。普段なかなか日が当たらず、評価もされにくい土木の世界であるが、いかに生活に欠かせない分野か判ろうというものである。あとはミニ特集にあったとおり、「いかに社会とのコミュニケーションを図るか」ではないだろうか。
(東亜建設工業 岸真裕)

【学会誌全般】
速報性のある記事が多く、とても参考になっています。土木に興味を持ってもらうよう家族などに見てもらおうと思うのですが、内容が多岐にわたり、充実しているので、どこをみていいのかわからないようです。学会員以外の人でもわかるような記事があれば、目次に印をつけていただければ、見やすくなるのではないかと思います。
(九州大学 梶田佳孝)

学会誌全般へのご意見,編集委員会への要望等
今月号のPHOTO REPORTの「バイチャイ橋」「バンコクにスワンナプーム空港が開港」とCEレポートの「世界最長の1面吊りPC斜張橋」「アジアのハブ空港間競争がますます激化」を連携させて同じ号に掲載したのはとても良い企画です。最新のニュースをPHOTO REPORTでざっと目を通した上で、それに関するさらに突っ込んだ記事を読むのは、読者にとっても新鮮さを感じるだけでなく、記憶にも残ります。今後もこのように「考えた編集企画」をお願いします。
(首都高速道路(株) 小島 宏)

「土木パンフレット」は本当にすばらしいと思います。
(産業技術総合研究所 対馬孝治)

土木学会として、あるいは学会誌として、重視すべきものが学会らしく「技術」なのか、あるいは土木「事業」なのか、明確なポリシーが必要だと思います。昨今の土木バッシングは、例えば談合などの、土木「事業」あるいは、その事業のシステムであり、考えてみれば、土木技術や土木技術者がバッシングされていたわけでは必ずしもないと思います。学会誌も、事業の話に力点を置きがちですから、土木技術者がみな談合に加わっているかのようなイメージを与えてしまうのではないでしょうか?もっと、純粋に記事の内容を技術的なものに特化させたほうがいいと思います。
(広島大学 一井康二)

今号も、誤字脱字が多く、少々読みづらかったです。雑誌の発刊というのは、膨大な作業を要し、時間的制約の厳しいものだとは思いますが、校正がもう少し丁寧に行われれば、さらに質の高い学会誌になるであろうと感じます。
(自営業 今井博之)

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