土木学会誌
土木学会誌12月号モニター回答


この人に聞く 防衛庁陸上自衛隊 岩村公史 氏
自衛隊のイラク復興支援について現状が良く理解できる記事でした。記事にあるとおり、自衛隊が独自で公共施設などを建設していると思っていました。しかし、実際は、技術の継承という意味の支援が行われていることに、大変感心いたしました。「つくってあげる。」ではなく、「これからつくっていける技術」を伝えることが、確かに真の復興支援であると感じました。日本と異なり、過酷な自然環境の中での復興支援の展開に感銘するとともに、ひとりの日本国民として、自衛隊の役割の重要性を痛感しました。自衛隊の方々だけではなく、土木技術者として、全世界にこのような支援が展開されることを望みます。
(匿名希望)

イラク人道復興支援について、テレビや新聞報道などで、具体的な支援内容があまり紹介されず、自衛隊の施工担当者の話を聞いたり読んだりする機会も無かったので、とても興味深く読みました。その中でも、気候の話はまさに想像を絶する話で、とても印象深いです。通常の土木工事に比べて、かなり特殊な状況下での施工ですが、名前ではなく心を残すために淡々と任務をこなすことの大切さは、施工場所及び施工内容や、自然・社会・経済状況に係わらず共通であると強く感じました。 復興支援に関する施工内容について、施工状況写真・施工図面・計画概要表があると、更に良かったのではないかと思います。
(国土交通省 杉浦健太郎)

被災地での復興支援を作業ではなく監督として実施しているということをこの記事ではじめて知りました.このようなハードではなくソフト的な支援はとても良い手法であると思います.イラクが自立出来ることを目標とする精神に感動しました.
(東京工業大学 田辺篤史)

マスコミなどで自衛隊海外派遣の話題をよく目にするが,実際に人道復興支援活動に従事した方のインタビューを見るのは初めてである。土木学会誌ならではの題材として非常に興味をもった。日本では考えられない外気57℃,地表面で60〜70℃という環境下での施工管理には驚きを感じた。同時にコンクリート構造物の 施工管理は悩ませられそう。現地の人達とふれあい,互いの思い出となったことは人生の宝であると思う。言葉や治安の問題があり大変であると考えるが,海外での支援活動ではもの(構造物)が出来上がり,人が喜ぶ姿を目の当たりにすることができ,土木技術者としての喜びを実感できるのではと非常に興味がある。
(伊藤組土建(株) 滝澤嘉史)

自衛隊の現地での活動の実態を知ることのできる良い企画の記事であると思いました。記事を読むまでは自衛隊自身が復興のための施工をしていると思っていたのですが、それは間違いであることが分かりました。今回の記事の内容は大方の日本人が未だに誤解している部分であると思います。自衛隊はもっと、このよう な内容を一般紙などにも掲載されるようにPRするべきであると思います。現地の人を雇っての活動をしているということから、雇用の面でも歓迎される活動となっていることが推測されます。それにしても現地の気候の厳しさは想像を絶するものであり、いくら日頃から訓練をしているとは言え隊員の方々のご苦労はたいへんなものであると感じられました。
(東京ガス 飯村正一)

日本の自衛隊が、イラクに支援活動を行っていることはテレビで見て知っていましたが、その大変さは分かりませんでした。50度を超える気温という厳しい気候の中で、支援活動を成功させた自衛隊のご努力に感銘を受けました。いずれイラクの人々が自分たちの手で国を復旧させなければならないので、自衛隊の支援活動の目的は資金やモノを支援するだけでなく人を育てて行こうという考え方は素晴らしいと思います。今後のご活動も続けて欲しいです。
(徳島大学JSPS研究員 スレン ソッキアン)

過酷な気候にもかかわらず、緊張感のあるイラクのなかで、地道な支援活動をされていることに深い感銘を覚えました。特に、岩村氏が述べておられるように、従来の日本型の支援(カネ・モノ)ではなく、大変なご苦労があると考えられるが、ソフト支援の重要性を社会にアピールしていく必要があると考えました。その点、学校などの修復作業では、全体の1/3にあたる補修をされていることが特筆されると思います。きっと、時間が経過して、イラク復興支援の効果が発揮されると思います。 ただ、現実問題として、イラクのように、新たな国家建設となると目に見える復興も必要なのでないか、とも考えています。しかしながら、サッカーボールをプレゼントされる少女の目が印象的ですし、サッカー少年とのふれあいのなかでは、子供達の話し声が聞こえてきそうな写真は、紛争ばかり取り上げられるイラクのなかで、一服の清涼剤のような気持ちを持つことができました。 最後に述べられた、ヒーローはいらない点にも、土木技術者の一人として深い感銘を受けました。こういう大変な状況下で、我が国の隊員達が努力していることも、もっと社会が取り上げてもらえることを希望します。
(中部土質試験協同組合 坪田邦治)

イラクで日本の自衛隊のやっていることは、要するに土木なんだという視点が新鮮だった。これからも途上国や戦乱のある地域での土木という特集はおもしろいのかもしれない。日本の土木技術者が必要とされているのは国内よりは海外であることは間違いないだろう。「外で1時間作業したら2リットルのペットボトルの水を1本飲む」など、現場のリアリティが伝わるインタビューだった。
(産総研 梶原秀夫)

毎回、各方面の方から色々なお話をうかがうこの企画は、毎回興味深く読ませていただいております。今回のお相手は自衛隊のイラク復興支援を行われた方であり、話は聞くが、なかなかその実態が伝わってこない復興支援の内容がわかり、非常に楽しめました。今号では、特集でも国際支援の内容が示されており、こういう方面についての情報をもっと知らせるためにも、またこのような企画を設けて欲しいと思います。
(清水建設(株) 牧野洋志)

特集 土木と国際貢献 ―人間の安全保障―
自分の経験から、人はなぜ挑戦するのかを考え、そのキーワードに「生命」があるとの思いを強くしています。生命の時間は、個としては約100年だが、地球生命体としてなら40億年の寿命を保っています。個の生命は、常に新しい環境へ挑戦し、多様化し、種としての繁栄や持続の過程を経てつながり続けています。こうした生命の原理の中では、「1人勝ち」の個や種では長続きできないだろう、とおもう。また、個の挑戦は社会全体、生命全体が発展する源である。イチローや松井の活躍を、他人の私たちが「嬉しい」と感じるのは、生き延びる可能性が増えたことを無意識に感じている点にあるとおもう。人類は皆、異なる遺伝子の組み合わせを持っていることがゲノム研究により判明したが、それは、適応した環境において誰もが高い能力を発揮し、成功者となる可能性があることを示しています。環境と個性が適合すれば、個は「突然力」を発揮します。そこで教育は、社会に適応するための基礎的な能力を養い、その上で個の優れた能力を引き出すことを重要視し、また、自分は他とつながっていて、他にも喜びを与える存在であること、地球生命全体の中で自分を考えることを教えるべきである。
(シーエーアイ技術本部 畔柳剛)

物質社会が行き詰まりを見せている現在、客観的で科学技術的な視点や考え方に基づく、自然環境、多様性、持続性、共生といった哲学を構築し、共有することが重要と考えます。日本にはそれらに価する「思いやり」や「真・善・美」といった考え方が伝統的な文化としてあったと思うが、最近の物質重視の社会の中で日本人もこうした感性を見失っているようです。一方、社会が経済成長を続ける中で、見える範囲しか考えず、公害に悩まされてきた現実があります。今後は、見えないものを見通し、次の時代にも責任を持てるような社会活動や経済活動を行っていくべきであると考えています。われわれが、いままさにアジア太平洋諸国のためにつくそうとしていることは、日本政府の意に沿うものではないことであるように、たとえば、日本国のために粉骨際し尽力されてみえる国会議員という職を得てる方たちは、地域のためにはたらくことができるのであろうか。
(シーエーアイ技術本部 畔柳剛)

土木と国際貢献というテーマで一つ一つ記事の順序がありストリーが分かりやすかったです。土木が社会基盤の整備に大きな役割を果たしているという意味は十分理解できると思います。ただ、本特集に紹介していただいた事例は、いずれも災害後の復旧に関する事例であり、他の事例は紹介されていません。日本の土木がどこの国々に国際貢献をしたのか、どんな工事を行ったのか個人的に興味がありますので、是非紹介してほしいです。
(徳島大学JSPS研究員 スレン ソッキアン)

2.国際機関における戦略 −土木技術者を活かした国際貢献−
国連の活動は紛争解決などの国際政治の安定のためがほとんどかと思っていたのですが、記事を読んで、世界の社会経済開発も担っているということをはじめて知りました。自分に専門性と経験があるならば、挑戦してみたいと思わせる内容の記事でした。
(東京ガス 飯村正一)

3-1.自然災害に対する取り組み
「今後は本格的な復興に加えて、ハード・ソフト両面から防災・減災対策を進める常日頃からの災害の予防の取組みが重要である」とありますが、一人ひとりの人間を中心に据えて災害からの個人の保護をする上で、非常に役立つ取組みだと思います。特にハード面では、耐震対策がままならない密集市街地以外の住宅地の安全性ならびに耐震性の向上や耐震補強の助成金などが必要と考えます。ソフト面では、ハザードマップの作成および住民への事前周知が必要だと考えます。そうすることにより、災害に対して個人や地域社会が自ら行動する能力を高めることができるのではないでしょうか。
(東日本旅客鉄道(株) 齋藤聡)

3-2.戦火からの復興への取り組み
わたしが生まれた時には道路も学校もすでに存在し,それが当たり前のように暮らしてきました.記事に登場したような場所に赴いて仕事をした人が当たり前のものがない街を見て何を感じたのでしょうか.言葉も経験も通用しない中で技術と心を復興させようと努力している現地の土木技術者に感動しました.この記事を通して,わたしも周りの人々のために,役に立てる技術者になりたいと思いました.
(山梨大学大学院 猪股拓也)

この記事では土木技術による国際貢献事例としてアフガニスタンの復興支援が紹介されていました.支援によって道路,水道,電気といったインフラが修復され,現地の人々の生活が向上するとともに再び希望をもって生活できるようになったと書かれてあり,土木技術の果たす役割の重要性を改めて痛感いたしました.
(京都大学 音田慎一郎)

イラクの話題提供と同様に、アフガニスタンでも大変なご苦労で国際貢献がなされていることを知りました。多民族ということも関連すると考えられるし、また宗教も多かれ少なかれ影響していると考えられますが、同国人でも信頼感がもてないということは大変なことだろうと推察します。復興の初期的段階では、目に見える復興が大事だと思います。混乱の復興初期段階で、 まずは目に見える復興に努力されている姿に感銘を覚 えます。 今後、アフガニスタンの人々の心に、復興への希望の火が消えずに、大きな火となっていくことを心から応援したいと思える報文でした。
(中部土質試験協同組合 坪田邦治)

コラム 学生会員による防災教育支援活動
学生の方々が、このような地道な防災教育支援を実施していることに感心いたしました。物の支援だけでなく、このような「人の支援・協力」が非常に重要であると思います。記事内にあるように、防災教育は地道な草の根活動でしょうが、全国的に広がっていくことを期待します。インドネシアの少女の「日本では、200年も前にこのようなことを経験しているのに、なぜもっと早く伝えてくれなかったのか?」という言葉は、大いに考えさせられました。「災いは忘れたころにやってくる」といわれますが、この率直な意見を真摯に受け止め、常に防災に関する備えをしておく必要があると痛感しました。そして、このような心をいつまでももち続けなければと思いました。
(シバタ工業(株) 西本安志)

私の意見 談合問題
談合問題に関する記事は、タイムリーであり、かつ、このような特集記事をくまれたことに、土木学会誌の本当の意味を感じました。企画趣旨にありますように、「ご意見コーナー」が設けられ、活発な意見交換がなされればと思います。
(匿名希望)

土木学会誌で、談合問題について専門家の方の意見を載せる試みはすごく良いと思います。これを機に今後議論が深まることを期待します。しかし、記事内容に関しては、それぞれの方の意見が、入札制度や公共事業の問題を中心に取り上げていたので、少し不満です。私が期待したのは、なぜ談合は起きたのか?談合の原因の癒着を断ち切る方法は?なぜ談合は無くならないのか?談合があった組織は、その後どのような対策を講じているのか?政治家は談合についてどのように考えているか?などの、談合問題に実際に取り組んだ方の意見を読みたかったです。ゴシップ記事は確かに不要ですが、もっと本音の議論のきっかけになるような内容を今後希望します。
(匿名希望)

今月号では、私が以前に提議した問題を取り上げていただき有り難うございました。ご意見を寄せられた4名の方々のうち、古川先生を除いて(注:古川先生のご意見は、私の理解の範囲を超えた内容でした)「談合は解決しなければならない問題」として捉えていると理解しました。ただし、内容がいきなり「どのようにしたら防げるのか」という方法論となり、「何故談合が行われているか」という前段が欠如しているような気がしまし た。個人的には、中村先生が少し触れられていた品質との関連について、より鮮明なご意見を書かれる方がいても良いのではないかと思いました。鋼橋談合問題で事情聴取を受けたある容疑者が、「何故談合をしたのか」と問われて「品質の悪い橋を造りたくなかった」と答えたという噂も聞きます。誤解を恐れずに言えば、これは名言であると思います。ただし「談合をしないと良い品質の橋が造れない」というのは困った話です。インフラは国民の財産であり、一般の国民は「適正な品質のものを適正な価格で作ってもらいたい」と考えていると思います。そこでいろいろな意見が出てきます。曰く『予定価格を下回れば適正な価格だ』、曰く『発注する 官側に品質の監理・評価能力がないじゃないか』、曰く『施主の代わりに施工監理を担当すべきコンサルが経験不足で、ゼネコンやメーカーに任せっきりだ』等々・・・。適正な利潤を上げることは許されて良いことです。ダンピングをして品質を落とす弊害は、現在マスコミをにぎわしている耐震設計偽装問題で明らかです。「適正な品質を適正な価格で作る」システムを考えていくべきではないでしょうか。道は遠いかもしれませんが、今後とも建設的な意見交換が続くことを期待しております。
(正会員 石塚敬之)

「談合は国民に不利益をもたらす行為、事業者選定における透明性や競争性の確保、品質の確保・不良不適格業者の排除が特に重要」という内容は、昨今、急増する倫理違反を防止する上で、必要不可欠だと思いました。特に、技術力と経営能力の優れた企業が選定される風土づくりがきわめて重要だと思います。また、設計、入札等に対するチェック機能を働かせるために品質確保法を有効に活用することも重要だと思いました。
(東日本旅客鉄道(株) 齋藤聡)

これぞ学会誌の記事です。日常目にする談合問題の意見は、事件を発端とした新聞や土木専門雑誌で触れる各論的な内容で利害や契約制度に特化しているように感じてました。今回学会誌上で「学」の立場から、問題の本質的な部分に切り込んだ論述は、画期的で、発注、受注に対し公平な立場での意見として大変参考になりました。これから何度も読み返したい記事です。
(匿名希望)

談合問題は、公共事業、土木技術への社会からの信頼を失墜させ、現在の公共事業不要論のようなものが生まれる元であり、必要な事業でさえ難しくなっている。素晴らしい社会資本をつくるためには、周辺の理解と協力が必要である。そのためにも、当然のことであるが、公共事業の入札は透明で公正なものでなければ ならない。現在の入札制度は、実績や若干の発注条件による等は付加できても、基本的には金額で決定されるものである。社会資本は、長期にわたって使用されるものであるため、初期コストのみで決定されるには少し違和感がある。特に技術的に困難なもの、将来莫大な維持管理費がかかるもの等については、技術力、 開発力等も加味できるような制度にし、純粋に技術力等でも競えるようにする必要が有るのかもしれない。ただし、この場合も誰がどのように評価するのは難しいと思いますが・・・
(匿名希望)

公共事業受注者の決定方法の改善への試案
中村先生が指摘されているように、”効用−費用”を最大化するということは至極最もなことで、提案されている効用の算定も一般の方からも理解しやすいと思う。個人的には、落札者決定の際に評価者名、評価結果も全てオープンすれば、さらに透明性が確保されるのではないかと思う。
(関西電力 梅澤孝行)

温故知新 多摩川を搾り尽くした大東京
まず「多摩川を搾り尽くした」という言葉に惹かれて、ダム建設に伴う様々な出来事を読んで、今も昔もダム 建設のためには、大変な苦労が伴うものだと感じました。私は小野基樹氏について今まで知らなかったので、この記事を読んでもっと知りたいと思いました。そして、何かを成し遂げようと思えば、様々なことに興味を持って行動することが大切だと感じ、技術者としてどうあるべきか考えさせられました。 要望としては、小河内ダム建設までの出来事と当時の出来事を並べて年表で示すと、歴史背景がより分かりやすいのではないかと感じました。そして、できれば12月号と1月号に分けるのではなく、12月号でまとめて掲載して欲しかったです。
(国土交通省 杉浦健太郎)

旧東京市の水源を一手に担うものとして計画されたダムは『多摩川を搾り尽くす』とう表現が的を得ているとまず,タイトルに惹かれた。荒川,利根川など東京都外の水系に水源を移行した現在,かつての重要性が薄れがちであるが歴史を振り返ることでその特殊性,これに従事した土木技術者の偉業を再認識することができる。本連載では東京都の水道の歴史を掻い摘んで知ることができた。温故知新では土地の土木構造物をピックアップして時代背景や技術者たちのエピソードなどが盛り込まれており,興味深い。
(伊藤組土建(株) 滝澤嘉史)

人に歴史あり、と言いますがダムにも歴史があることを実感させられる記事でした。(正確にはダムをとりまく人々も含めて)立ち退き移転問題や水利紛争など、古今東西よくある問題であり人間とは本質的に成長しない動物なのでは、と感じる反面、小野基樹のようなバイタリティ溢れる人間をみると、そう捨てたものではないとも思います。一般的には(土木史的にも)無名であっても、「こんな人がいたのか」と思わせてくれる人物に出会うことができるのが、この「温故知新」シリーズの良いところだと思います。つづきの1月号を楽しみにしております。
(国土交通省 林智樹)

今回の記事を読んで、本文で紹介されていた石川達三氏の「日陰の村」を読んでみたくなりました。
(関西電力 梅澤孝行)

小河内ダム。名前だけは聞いたことがあったが、それほどまでに巨大なプロジェクトであったことは初めて知った。10月号の台湾のダム建設でもそうだったが、中心人物(小河内ダムでは小野基樹、台湾のダムでは八田興一)となる土木技術者の野心と、「一人でやる」行動力に驚かされる。海外からの機材の買い付けまで一人でこなしてしまうとは。いずれも戦前、大正から昭和初期の物語りであるが、彼らの根本には「公共のために何かをすること」の喜びや夢があるように感じる。現代のヒーローであるイチローや松井に通ずるものを小野や八田に感じるのだが、それは「公共のためにすること」の中身が変わってきたということだろうか。1月号では小河内ダムを題材にした小説「日陰の村」のジュニアレポートが載るとのことで楽しみだ。
(産総研 梶原秀夫)

小河内ダムが計画された頃、計画通りに完成していたら世界第二位の高さになっていたかもしれないという記事に、当時としては、東京、日本だけでなく世界的に壮大な計画であったことを知りました。 また、小野基樹という技術者の、計画の立案、設計から関係機関との調整、地元交渉、工事の施工のすべてに当事者として推進するという卓越した仕事ぶりには、非常に興味を持ちました。現在とはシステムも違ったのでしょうが、この人物の行動力には驚きました。
(匿名希望)

CEリポート 米国におけるFRP橋梁
FRPの実情について、なかなか触れる機会がないので楽しく読ませていただきました。紙面の都合もあるので、詳細はのせることは出来ないのかもしれませんが、「もっと知りたい」と思いました。理論と現状の相違が把握できるようなことはあったか。計算にはのってこない事柄で何か問題はないのか。 継手の状況や疲労などで問題はなかったかなどなど。。。 今後の研究でFRPなどのコスト面で鋼やコンクリートに見合う材料となるような成果がでることを期待しています。
(国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所 飯塚知浩)

CEリポート 組織マネジメント能力とエンジニアリング能力養成のための総合教育演習 〜東京大学社会基盤学科の新たな試み〜
学生のうちからこういった実際の会社運営のような演習があるのはとても良い事だと思います。他の学生と競い合うことで臨場感を出し、より良いものをより安く作る努力をすると思われますし、配合設計書などの書類を作ることにより、構造力学がどのようにつかわれるのかを学ぶことができると思います。こういった総合的な教育は実際に社会に出た時にとても役に立つと思われるので東京大学のみならず大学、高専などで是非取り入れて欲しいと思いました。
(長崎大学院 岡崎久典)

時代にあった大学教育の取り組みに目を見張り、学生は経営的判断と技術力や要求される性能とコストとの折り合いをどこでつけるか、有意義なカリキュラムであることが伺えました。
(匿名希望)

非常に興味深い記事でした。このように実験と設計、積算、契約といったものまで統合して演習を行うことで、単に技術や知識を習得するだけでなく、その背景にあるものまで含めて学ぶことにより、これから社会人になる学生の方々には非常に有益だったのではないでしょうか。また、“市場原理に任せた一般競争入札では容易に一人勝ちの状況が生じる”との記事を読み、昨今の談合問題と重ね合わせ色々と考えさせられました。
(国土交通省 林智樹)

マネジメント能力やエンジニアリング能力を養うことは非常に重要であると考えられます.この記事では,こうした能力を養成するための新たな取組みが紹介されていました.演習項目が現実の問題を対象としており,学生も実体験として学習できることから面白い取組みであると思います.ただ,新しい取組みですので学生側からの意見も書かれていたら貴重な意見として参考になるのではないかと思いました.
(京都大学 音田慎一郎)

この総合教育演習は、個々の演習を行うよりも より実践的であり、学生達のモチベーションも高そうである。まだ社会へ出る前の学生が、社会へ出た時の心構えを醸成し、社会や建設業界を理解するには、大変有意義な演習であると思う。今回が初年度との事で、計算ミス等によるタナボタ等があったようだが、今後 より有意義な演習となることを期待する。なお、既設構造物補強演習の確認を載荷試験で行ったとの事であるが、現実では、載荷試験結果は安全側(評価値を上回る)に出てもらわなければ困るのだが・・・
(大成建設 戸崎達也)

今回の記事では、その活動内容が大変面白く、感心しました。私のイメージにある、これまでの教育では、ひとつのものに対しての知識をつける(例えば今回の例では、配合検討)ものであったのに対し、この活動ではそれに加え、組織を考え、コストを低く、かつ利益を考えるといった、実社会に非常に近い試行錯誤を行う活動で、こういったことを学生のうちから身に着けることは、卒業後を考えた場合、後々非常に有益となるだろうと感じられたからです。また同時に、授業の合間に、実際に民間建設業者で働かれている方の体験、苦労話等の公演を交えれば、より現実味が増し、授業内容の吸収も早くなるのでは、と感じました。
(清水建設(株) 牧野洋志)

CEリポート 海外からの技術導入を経て海外展開へ
この記事では,老朽下水道管渠更生工法について紹介されていました.私も下水道管渠など土木構造物の老朽化対策においては,早急かつ重要な課題であると考えていたので,興味深く読ませていただきました.地上の道路交通への影響に配慮するとともに大口径管への適用や長距離施工などが可能であり,また更生管の強度も確認されていることから,更生工法の今後の発展が期待されます.
(京都大学 音田慎一郎)

下水道等の管路の老朽化は年々進んでいるため、更新工事は必要であるが、都心部では特に開削による管の入れ替えは、難しくこのような技術革新は不可欠であると思う。海外から得た技術を日本で発展させ輸出していくというのは素晴らしいことと思う。
(匿名希望)

CEリポート アルカリ骨材反応対策小委員会報告 −鉄筋破断と新たなる対応−
ASR(アルカリ骨材反応)により鉄筋破断が起こっても、意外に土木構造物は強いという結果に大変安心した。 と共に、我々の今まで造ってきた(また、これから造って行く)構造物は、社会を支える基盤としての役割をいつ何時でも果たすため、この先の人口減少、自治体の予算が逼迫している時代において、確実なLCC評価、適時なリニューアルの必要性を益々感じた。
(大成建設 戸崎達也)

見どころ土木遺産 北上川分流施設郡
二つの洗堰の現位置保存については激論があったようですが、せっかく、保存の結論が出たからには、堰のある風景から長い歴史に想いを馳せ、見る人の心をひきつけることができるよう、周りの自然とともに大切に保存してほしいものです。
(東亜建設工業 奥信幸)

この指、とまれっ!
端的に言って,何を伝えたいのかまったく読みとれません.情報のソースもなく,客観的な証明もないものが羅列されており,単に奇をてらったようにしか思えません.いったいどのような意図があるのでしょうか.
(東京工業大学 田辺篤史)

1〜33まで質問形式の情報がありますが、文章だけでなく、図や表を用いて説明される方が、より興味をひく内容になるのではと思います。
(東日本旅客鉄道(株) 齋藤聡)

これは学会誌です。専門誌です。ページをめくって、「ああ、また(わけの分からん記述)か」という感じです。 この2ページの中のどこに「土木の根っこにつながるヒント」があるのか教えてください。顔文字も気分を害します。
(匿名希望)

本連載はこれまでも賛否両論あったように思いますが、今月号はさすがにいかがかと思います。言論の自由はもちろん大切ですが、TPOというのもあるのではないかと思うのですが・・・。「情報の真偽は、自分自身で見抜く以外にない」とはそのとおりだと思いますが、そう書いているご本人が「本当と思えてならないんです」とか「〜ようです」と書いているのをみると、単に盲信しているだけでは?と思えてしまうのですが。少なくとも科学的、技術的な項目については「思う」「思わない」ではなく、「科学的、技術的又は論理的に説明できる、理解できる、納得できる」という態度で望むべきではないでしょうか?科学的、技術的なアプローチで全てが解明されるかどうかは分かりませんし、現在の科学技術のレベルでは解明できないこともあるかもしれません。しかし、分からないことは「わからない」とするのが技術者の態度だと思います。最後に、世界を動かしているという組織について「公然の秘密」とありますが、「公然の秘密」などという論理矛盾した日本語はあるのでしょうか?(言わんとしているのは、秘密にしていたけれど実はみんな知っているという事なのでしょうが、そんな組織少なくとも私は知らないです)
(国土交通省 林智樹)

この記事はいつもさっと流す程度でしたが、今月号は何回も繰り返して読んでしまいました。いくつかの項目については、以前から関心を持っていたこともその理由です。また、これだけのビックリ情報を集めるために、いったい何人の人が関わっているのでしょうか。各項目に番号が付してありますが、この根拠はどのように解釈すれば良いのかが非常に気になりました。
(東京ガス 飯村正一)

今回の内容については、「土木と関係ないんじゃあ」と感じられましたが、実に楽しく読ませて頂きました。  こういう内容の本当に軽く読める読み物も、息抜きとして誌面にアクセントを与えると思います。
(清水建設(株) 牧野洋志)

役立ってます 土木施設 第9回 下流部の生活を守る狩野川放水路
筆者の体験から見た放水路への想いが伝わる記事でした。日頃、脚光をあびることの少ない土木施設ですが、立派にその役目をはたし、市民の評価を得たことは、施設建設に関わった方にとっても大きな喜びになったのではないでしょうか?
(東亜建設工業 奥信幸)

自然災害により被害が発生した場合は大々的に報道されますが,それに対し,この放水路の様な防災施設が災害を防止できた場合には,その効果はなかなか評価されないと思っていました.しかし,この記事では防災設備の効果が広く紹介されており,個人的にも嬉しく思いました.この様な報道は,住民の理解が深ま るだけでなく,土木技術者の意欲を高める効果があったのではないかと思います.このような記事がもっと広く掲載されるようになって欲しいところです.
(東京工業大学 田辺篤史)

狩野川放水路を間近に見ている著者らしく、臨場感のある内容の記事であると思いました。更に、編集者サイドで地図などを補足に入れていただけたなら、もっと良く理解を助けたのではないかと思いました。
(東京ガス 飯村正一)

ステイト オブ ジ アーツ 安全問題研究委員会
現場において、ヒヤリハット運動やKY活動などが重要だという事は、大学の講義やインターンシップなどでもよく耳にしたが、実際このようにグラフで事故発生件数を比較すると一目瞭然で、これらの運動の重要性を改めて知ることができた。また、建設業はさまざまある職種の中で事故発生件数や死亡事故が一番多いと聞いたことがあるが、これらの運動をすることによりその汚名を返上でき、このような心がけを普段の生活にも活かせばより安全で快適な生活が送れるのではないかと思った。
(長崎大学院 岡崎久典)

“安全”に工事を進めるというのは、簡単なようで難しいことであるとつくづく感じる 。「安全に、安全に」と言い過ぎても事故は減るどころか招いてしまうことがある。記事中のヒヤリハットの決定木がまさにそのことで、“適度な安全教育”の重要性を示している。この“適度”というのがなかなか難しいのであるが・・・。また、安全問題研究委員会のHPを見ると、いろいろな意見があり、非常に興味深い。自分には見えていなかった安全への意識、安全に対する姿勢がわかり、とても参考になった。
(鉄道・運輸機構 中村龍次)

アンケートで、(1)ヒヤリハット活動にかける時間や、(2)「現行の法規」と「現場での実施しにくさ」についての紹介がありましたがこのような情報を知っているのと知らないのでは大きな違いがあると感じました。それだけに、情報の収集や伝達に関する取り組みが非常に重要だということがわかりました。今後中小業者に対して、労働災害防止のための安全教育を実施してゆくとありましたが、数も多ければ、特徴も様々かと思いますが、是非がんばっていただきたいと思います。
(国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所 飯塚知浩)

学会誌全般へのご意見,編集委員会への要望等
マンションの耐震強度偽装が、大きな話題となっています。建築と土木の違いはありますが、土木関係者としても見逃せない事件です。また、今回の問題では、売主、設計者、施工者、検査機関、買主のそれぞれの責任が議論になっています。買主の責任は別として、関係する技術者それぞれの立場での技術者倫理や、不正防止の方策、責任と権限など、記事に取り上げて見てはいかがでしょうか?
(東亜建設工業 奥信幸)

編集員会の皆様、おつかれさまです。いつも興味深い内容の記事で、学会誌を読むことができます。
(シバタ工業(株) 西本安志)

土木学会継続教育がわかりづらいので学会誌などで詳しく説明してください。
(長崎大学院 岡崎久典)

測量は土木には欠かせないものですが、業務として測量を実際に行うことがなく、自分の測量に対する理解不足を感じます。そこで、土木学会誌で、測量についての特集を要望します。測量の歴史・測量の種類・測量機器の紹介・特徴的な測量業務の事例紹介・測量担当者の苦労話など、基本的なことも含めて取り上げて欲しいと思います。
(国土交通省 杉浦健太郎)

12月号といえば総目次ですが,紙の色を変えるなどして目立たせると便利だと思いました.
(東京工業大学 田辺篤史)

環境保全(都市屋上緑化技術)やBMSなど最近の土木に関するベンチャービジネス情報について提供されるとおもしろいのではと思います。
(東日本旅客鉄道(株) 齋藤聡)

土木学会の動きで、CPDの記事が掲載されています。現在、各種の団体がそれぞれに独自のCPDシステムを構築されています。個々人にとっては、なかなか使いにくいのが現状ではないかと思います。できれば、各種の団体が共通で登録できるような日が来ると、継続教育が統一され、ユーザーである個々人にとってすごく活用しやすいシステムとなるのではないか、と考えています。このことにより、CPDの単位も共通化されて、使いやすくなるような気がします。
(中部土質試験協同組合 坪田邦治)

今回で私のモニター期間は終了となります。その間、私のだした要望に対し、丁寧なご回答を頂けるなど、 本当にお世話になりました。ありがとうございます。実際のところ、これまで学会誌はほとんど読んでおらず、読んだとしてもざっと目を通す程度のことしかしておりませんでした。今回、モニターに参加させて頂き、改めて誌面にじっくり目を通しますと、斬新な企画や誌面づくりが多くなされており、興味深く読ませて頂けました。今後もこれを機会に、学会誌を楽しみにさせて頂きます。半年間、ありがとうございました。
(清水建設(株) 牧野洋志)

6ヶ月間ありがとうございました。本当に遅れる事ばかりで非常に申し訳ない思いでいっぱいです。土木屋は、「美しい国土」を創造しなければならないと常日頃おっしゃっていた恩師が年末に急逝されました。できの悪い学生でしたが、その言葉を大切に今後も仕事をしていきたいと思います。
(匿名希望)

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