土木学会誌
土木学会誌1月号モニター回答


表紙・裏表紙
わが街を愛する気持ちは、幼い頃から慣れ親しんだ景観に再び巡り会うことでなお一層強くなるんだろうと思います。 私の生まれ育った神戸という街も、門司港を有する北九州市と同じく、海と山の景観が融合した美しい空間を演出していることを、 お正月に帰省した際に再認識することができました。技術的な話題では、 「山、海へ行く」というキャッチフレーズのもと実施されたポートアイランド等の人工島建設が有名ですが、 どの山を削って埋立土を得るかについては、海側から六甲山系を眺めたときに見えない、 すなわち、山を崩したときに海から見た景観を変化させないことも考慮されたと、かつて伺ったことがあります。 一方、私が知る神戸港の景観では、神戸大橋やポートタワーなどの土木・建築構造物の存在を見逃すことができません。 私にとっては、これらもまた「人の記憶に根付いてしまった物」なのです。 土木工学は、そんなノスタルジーを演出する役割をも担っているのだと改めて気付かせてくれる表紙でした。
( (独)港湾空港技術研究所 平山克也)

これを記事としていいかの判断は、わかりませんが、門司港レトロは、 私の郷里と近いこともあり、何度か足を運んでいて見慣れた懐かしい景色した。しばらく足を運んでいない間に、思い入れのあった、 建物が取り壊されて、景観が変わってしまい、寂しい思いをした経験は、少なからずあります。今現在、学生の方が、 生活している人々の心情の部分を意識して勉強されているのだということをうれしく思いました。
(鉄道公団総務部人事課 上村雅人)

最近は、カメラ付携帯電話やデジタル写真の普及もあり、“撮る”という行為が多くの方にとって、一段と身近で気軽なものになっています。 1月号の表紙解説は、撮影者自らのものであり、自分の言葉で素直な気持ちが表現されており、好感が持てました。 残念なのは、表紙の写真が窓越しに撮影されたものらしく、ガラスに反射した室内像か、 拡大したことによる画質の荒れのようなものが見受けられます。 表紙写真の募集案内には、“きれいなだけの写真はいらない”とありますが、この文の意図するところは、風景の一部として捉えた土木(構造物)のことと考えます。 従来から、現場管理に写真撮影は付きものでした。また最近では、NPOや市民との協働の場をはじめ様々な機会において、 より高いプレゼンテーション能力が求められています。その中には、撮影の初歩的なテクニックも含まれるのではないでしょうか。 もちろん採用にあたっては、写真のみならずエッセイとセットで選考されたと考えますが、 この写真が応募作品である以上、(学会誌として掲載内容等に一定のレベルを求められるのと同様に、) ある程度のレベルを備えた作品で表紙を飾るべきと…。 様々な雑誌等において、ごく普通の方からハイレベルな作品が数多く寄せられております。 広く一般より“日常生活に生きづく土木(構造物)”の写真を募集し、 会員内外からインターネットを通じた投票で表紙を飾る写真を決める、というのは如何ですか。
(東京都 石原成幸)

特集I 「夢」
「実際に施工している人達(作業員さんも含めて)」の話も取り入れた方が良いと思いました。 大きなプロジェクトはそれだけで魅力的だと思いますが、そのような工事はまれです。 どんな規模の工事であっても、やりがいを持ち、夢を持つことができるでしょうか?ですから、 一般の施工者の話を聞きたいと思います。全ての土木従事者が、土木に魅力を感じていて、夢を持っていて欲しいですね。 (ですから、欄外の記事(私の原点)の方が楽しく読むことができました。)
(鹿島建設梶@永谷達也)

景気の低迷による社会全体の将来に対する閉塞感が高まる中、また、 公共土木事業に対する不信感が募り経済性の観点からも事業が縮小されていく中で、 我々「土木」の世界にいる人間は「夢」を自然体で語ることが少なくなり、ともすれば意気消沈し、 高度成長期に社会資本整備に邁進できた技術者を疎ましく思うことさえあるのではないかと思います。 しかしながら過渡期にある今、我々技術者が「夢」を志として前へと進むことが、新しい方向性を見出す原動力であり、 新しい人材が「夢」をもって取り組むフィールドを摘み取ることのないよう土木業界全体が配慮する必要があると思います。 本特集を読みながらそんなことを考えるとともに、 学生編集委員の皆さんのさわやかな切り口もあり、自分が「土木」の世界へ抱いていた「想い」 を構えることなく再考することが出来ました。
(清水建設(株) 影山 雄)

「夢」、実にロマンチックな響きで大好きです。学生編集委員の皆さんと同じように、 私も学生時代には土木に対して多くの夢を抱いておりました。しかし、実際に土木の世界に飛び込んで現実というものを思い知らされ、 その厳しさを痛感しています。まさに「理想と現実のはざまで」といったところでしょうか。 とは言いましても、「夢」を忘れてしまったわけではありません。現実は現実として受け止め、その上でやはり「夢」を追い続けています。 だからこそ、自分の仕事に情熱とプライドがもてるのだと思っています。IT化などのデジタル産業が進む昨今にあって、 土木は未だにマニュアルであり、良くも悪くも実に人間らしい分野であると感じています。私たち人間が人間らしくあり続けるためにも、 「夢」を持った技術者が必要であると思います。 「夢」を語り合うことは自分自身の情熱を奮い立たせる上でも大切なことだと思います。 今後も、このようなソフト面で土木を活気付ける企画を大切にしていただきたいと思います。
(清水建設 佐藤将寛)

最近、「土木技術者が夢を抱きにくい時代になった。」ということを耳にすることがよくある。 はたして、本当にそうだろうか? 私が思うに、土木技術者個々のレベルにおいては、「ここに新しい線路を引いたら、こんなに便利になる。」とか、 「この海峡に超長大スパンの橋梁を建設したらかっこいいだろうなあ。」等々、多くの夢を持っているはずである。 ただ、「いらない道路を建設している。」とか「本四架橋は3本もいらなかった。」等という一般(?)論に抑えられて、外部にそれを積極的に発信していないだけではなかろうか? 種々の批判はあるかもしれないが、過去に諸先輩方が、様々な困難を克服して建設されてきた構造物、あるいは現在自分たちが建設している構造物というものは、特集の文面にあった「誇りと自負」を持つのに十分に値するものである。もう少し特集の文面を引用すれば、土木という畑には「civilengineering = みんなのための工学」、「社会資本に恵まれない方々に、豊かさを供給出来る」、「現在供用されている、鉄道、道路、橋梁、ダムといった構造物を「私が造りました」と言える」等といった魅力が植わっている。「こんなにまで魅力にあふれた分野に身を置いて、夢を見いだせないはずはない!」と私は思う。
(日本鉄道建設公団関東支社計画課 村上 明)

最近、自分のやりたいたいことってなんだろう?と思うことがある。今回の記事を拝見して、土木に出会った頃抱いていた気持ちを思い出した。当初、私はどんな形でもいいから人の役に立ちたいと思っていた。モノを作ることが好きだったことと、大勢の人の役にたてるということで土木を選択した。しかし、現在は目の前の仕事をこなすことに精一杯で、当時の気持ちを忘れていた。どうしたらもっと人の役にたつことができるかを常に考えながら様々なことにチャレンジし、もっといいモノをつくっていきたい。その過程で自分のやりたいことも具体的になっていくだろう。
(五洋建設 吉田 誠)

私は、「夢」を持つこと自体は、すばらしいことだと思いますし、その関連する記事は、興味深く読ませていただきました。ただ、この夢の記事を総括する記事において、もっとこうすれば、よかったと思うのは、今の世論状況では、うかつに土木技術者が夢を語ると、技術を試したいがために、莫大な投資による負担を強いられていると、誤解するかたも出てくるのではないかと、危惧しました。そういう考え方も含めて特集を丁寧に、まとめられれば、よりよかったのでは、ないでしょうか。
(鉄道公団総務部人事課 上村雅人)

私が土木を学ぼうと考えたきっかけを思い出しました。父親が土木技術者である影響もありましたが、夢を持って土木を選んだ事に自信を持ち、自分の夢を実現するために何が必要なのか、すべきなのか少し分った気がしました。
(呉工業高等専門学校専攻科 丸岡弘晃)

宇宙への思いをはせていた幼少の頃の夢を喚起させられました。生命を賭した新たなる挑戦は、建設業に携わる我々のロマンです。一方、宇宙開発の根底にあるものは経済の豊かさを追求してきた人類のツケであることも忘れてはいけないと思います。これからは、地球という視点で物事を考えなくてはいけない。宇宙開発構想は、昨今の閉塞感のなかで明るい話題でした。今回の記事にはありませんでしたが水素をエネルギー源とするCO2排出ゼロの機関など我々が夢をもてる技術も開発されてきていますので、マスコミも過去のプロジェクトを懐かしむ番組ばかりでなく、未来を描いた番組も多く放送してほしいと思います。また、事業構想は提供者側の夢物語だけにとどまらず負の要因も含めてその有効性について明確にしてパブリック・インボルブメントによる国民の理解を得ながら進めてほしいと思います。
(西武建設 関谷成人)

「夢」というテーマであり、最初に見たときは新春らしい企画であるとの感想を抱いた。そして、自らが大学に入学した頃のことを思いおこしながら読むことができた。編集後記にあるように、自分にとっての「原点」を再確認するきっかけを与えてくれたが、それは読者の多くにとっても同様であったのではないだろうか。その意味で、有意義な企画であったと思う。確かに、現在は実現不可能であるように思われることでも、その実現を目指すことが我々技術者が技術者であるためにも必要なのであろう。その意味でも、土木工学を志している学生等から「夢」をつみとるような「土木」であってはならないのではだろうか。
(北海道大学 日野 智)

多数の方へのインタビューは、報酬のない学生編集委員にとっては大変だったと思う。インタビューを受けて下さったかたにもお礼をいいたい。内容についてはそつなく用意した質問をまとめているので手にした本が○○コンストラクションと一瞬間違ったと思った。もっと学生らしい青臭い質問もあってもいいと思う。インタビューを受けるほうもそのほうがおもしろいのではないか。
(前田建設工業 芝本真尚)

学生がこのような特集を組んだことに意義を感じます。ふだん学生と接していると、「夢」を持ったり、自発的に何かをやろうという学生がすごく少ないように思えるからです。もっとも、編集委員をやるような学生は自発的な学生ばかりでしょうが・・・。
(信州大学 豊田政史)

正直に言って、学会誌にこれほど真剣に目を通したことは、初めてでした。そのため、種々の発見がありましたが、最も驚いたことは、冒頭の特集が「夢」であったことです。私が土木の道に進んだのは、自身の夢を叶えようと考えた結果でありました。しかし、日々の生活の中で、その大事な原点を疎かにしていることに、改めて気付かされました。もちろん、現実と夢のギャップについては、以前よりも冷静に理解できるようになってきました。しかし、土木という影響の大きな仕事に携わっている以上、夢=理想を抱いて、それに向かって進んでいくことが大切だと考えます。その意味で、こうした雑誌の冒頭の特集として、今回のようなテーマが採用されるということは、業界の懐の深さが感じられ、好感を持つとともに、大いに刺激、激励されました。
(鉄道 匿名)

とても楽しく読ませて頂きました。夢を持ち続けることは、エネルギーに満ちた生活を送るために大切なことの一つだと思います。具体的な夢がなくても、将来に希望を持って前向きに日々を送るだけで、物事の感じ方や見え方、行動力が違ってくると考えています。
(横浜国立大学 田中真史)

特集のタイトルに「夢」というテーマが取り上げられていることにいささか戸惑いを覚えつつ、しかし、読み始めると面白くて一気に読んでしまいました。学生編集員の方々苦労されたことと思います。技術的な堅いテーマと一味違い、時には、このような特集も読みやすくていいのではと感じました。
(東海大学(非常勤) 橋本哲子)

特集「夢」について。様々な人の夢について、また若者の夢に対する現状のお話などが掲載されていたが、土木の専門誌と考えると多少主旨が離れてしまっているのではないかという気がした。逆に言えば、土木の専門技術的な話(研究・開発等)についての内容が少なかったのではないだろうか。
(東亜建設工業株式会社 吉川 靖彦)

非常に漠然としたテーマであり、どのような構成がされているのだろうと思いながら読ませて頂いた。非常にうまく構成されており、かなりのご苦労があったものと推察される。この特集をまとめられたのは学生編集委員の方々であるが、私自身が土木工学を専攻したきっかけは、当時建設中であった瀬戸大橋児島・坂出ルートにかかる下津井瀬戸大橋を修学旅行で見たことであった。しかしながら、現在の社会情勢では大規模プロジェクトが目に見えた形であるわけではなく、社会資本整備により人々の暮らしに貢献する土木工学において、学生諸氏だけでなく、私自身も未来の姿がなかなか描けないのが実状である。そのような気持ちに対して、「人口半減時代のニッポン」は今後の羅針盤になるような内容であった。「なぜ、今の若者は夢をもてないのだろう。」に香山リカさんが書かれていますが、私も今の学生さんが好きですし、応援しています。今後のご活躍を期待しています。
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)

座談会 田村喜子さんとともに夢を語る
この記事を読んで痛切に感じたのは、まともな夢を描くのがいかに難しいか、ということです。夢の対極にある言葉は、おそらく現実でしょう。この国のかたちづくりという夢に心血を注いだ明治の偉人達比べれば、私達は、財政状況など現実的な条件に制約され、矮小化された思想から社会基盤整備を考えがちであるように思いました。
(東京大学 阿部敦壽)

夢を語る。いったいいつの頃から夢を語っていなのだろうか?久し振りに夢を思い出させてくれた記事だった。社会に出る前は友人と将来の夢を酒を飲みながらよく語ったものだ。現在、社会人大学院生でもあり学生と話す機会があるが、土木業界に対しては期待感より不安感が勝っているようだ。先日、高校受験申込み状況の新聞記事を見たが、土木系はほとんど定員割れに近い状況であった。残念である。土木建設業界には夢がないのか? 『土木の魅力は誇りと自負』とあったが、まさしくそうであったと私は思う。しかし、次代を担う若者達や世間ではテレビや新聞から入ってくる建設バッシングによりイメージが出来上がっている。夢の実現に向けて、これからも素晴らしい仕事をするとともに、メディアとも上手く付き合っていかねばならないのでは?自己満足ではだめで、もっとアピールする必要がある。そのためには、誰のための土木か、エンドユーザーである市民の立場や目線で考えよう。
(中央復建コンサルタンツ株式会社 丹羽信弘)

田村さんの「お金がないからといって夢を無くしてはだめ」という言葉について、考えさせられました。欄外の私の原点には、多くの人が「社会のためにモノを作りたい」という夢をもって土木を選んだと書いています。今の我々は、夢を無くしたり忘れたのではなくて、そのような夢を現実に出来る技術を既にもっているのに、経済事情等により実現できないというジレンマに陥っているような気がします。そのような状況において、開発された技術や知識が、安く性能の良い世界に勝てる技術となることを信じたいと思います。戦後の日本が経済大国になる原動力は、安く性能の良い技術だったことを思い出しました。
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

最近、公共事業の削減が必要との意見などがあり、土木技術者としては夢を持ちにくくなっていると思います。座談会の内容を読んでいると、夢を持つことは、今後の土木工学にとって重要なこととは思います。ただやはり現実を見ると夢だけでは実現しないものでしょう。夢だけでは北海道に橋は架かりませんし、また架けてはいけないものと思います。現実に不要な道路、橋、空港を造っているのではないかとの批判も多く、反省すべき点も多くあると思います。今後は夢を持ちつづけることももちろん重要ですが、まずは現状を十分認識することが必要ではないでしょうか。
(日本道路公団 眞東健一郎)

若い技術者や学生に対して「真心と素養がある文化人の土木技術者になってほしい」というところに非常に感銘を受け、興味深く読ませて頂きました。学生を教育する上で、私自身の素養ももっと磨かなくてはと感じました。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

「夢を抱き続ける人」羽中田昌さんに聞く
新年号にふさわしく「夢」をテーマとした特集であった。不慮の事故により夢をあきらめた羽中田氏が、再び新たな夢に向かって努力する。その力強い姿にとても感動した。また、「人生を楽しむ一番の方法は、夢や目標をもって生きることだ」というメッセージがとても印象的だった。今後、サッカーの指導者として活躍されることを期待したい。
(西武建設 辻田 陽一郎)

第2部 土木の夢を追え
公共事業に科せられる期待は、時代や場所によってかなりの温度差があると思います。現代の日本のように、身の回りの社会資本が「あって当たり前」の世の中では、莫大な資金を必要とする巨大プロジェクトを推進することは並大抵ではないでしょう。しかし、次の時代の社会資本を準備する時間は、いましかありません。現在の便利な暮らしは、過去に蓄えた社会資本による恩恵の上に成り立っていることを思い起こし、公共事業の投資効果ばかりに目を奪われすぎず、未来のために今やるべき仕事を見据え、PRしていくことが大事なのではないかと感じました。現在の地球が抱える問題からすると、高校生の頃に科学雑誌でみた未来都市や月面基地を実現させるべきときが、もうすでにやってきているのかもしれません。
( (独)港湾空港技術研究所 平山克也)

歴史的工事の話は、どのように先人たちが工事を行っていったかを聞くことが出来、 非常に興味深いです。技術のヒントも多く隠されていて、参考になります。また明石海峡大橋の維持管理業務は、普段見ることがないため、おもしろかったです。大構造物の維持管理業務は今後も何らかの形で報告していただきたい。
(竹中土木 長澤太郎)

嘉南大川に花開いた八田與一の夢
一般的に対日感情が良い台湾ですが、海軍が統治していたことの他、土木の先輩技術者の人情味あふれる活躍にその理由の一つを見た気がします。翻って対日感情が一般的にあまり良いとは言えない韓国ですが、同様な土木の先輩技術者の活躍は無かったのでしょうか。
(国際協力事業団 西宮宣昭)

烏山頭ダムをたずねて
一部なのですが、昔の土木技術者の姿を知ることができて、感動、感心、尊敬、などの気持ちが沸いてきました。まず、土木技術者というのは、土木の技術だけを知っていればいいというものではないということを再認識しました。その構造物の使われ方、気象、環境、地元の人の考え方、農業などの多分野の知識などを総動員させて構造物を設計・施工していく。土木というのは本当に一生仕事、年を積み重ね様々な関連分野の知識を得て、素晴らしい技術者になるんだなぁと感じました。また、八田さんの言葉の中で、「水を飲むときには、その井戸を掘った人のことを思え」というのがありました。つい人の苦労を忘れ、自己中心的な気持ちで人に文句を言ってしまう自分を見つけ、反省しなければと思うと同時に、八田氏の心の広さを感じる一言でした。
(国際協力事業団(JICA) 松元秀亮)

明石海峡大橋にかける夢
明石海峡大橋についてはさまざまな記事や映像などで知っていたが、改めてその施工の難しさ、工事に関わった人の想いを知りました。その中で、技術はいきなり進歩するのではなく、日々の技術者の新しい技術を創造しようとする気持ちが、このような大規模プロジェクトの成功につながると思います。そして、明石海峡大橋のような大規模プロジェクトではなくても、どんな小さなプロジェクトでも、誇りと情熱をもって取り組むことが土木の分野に限らず、技術者として必要であると思いました。現在土木分野は世間での評価は厳しいですが、それを追い払うのに何が必要か考えさせられる特集であったと思います。
(信州大学 生水良幸)

明石海峡大橋建設に携わった方々の、様々な「思い」がよく伝わってくる内容であった。前例のない世界最長の中央支間距離へのチャレンジ、技術的に極めて厳しい施工条件でのやり直しのきかないケーソン沈設作業への取り組み、建設後の維持管理への情熱、日々目先の業務に追われ忘れてしまっている「土木」という分野の本来あるべき姿、またその「土木」に携わる人間が抱くべき考え方をあらためて見直させられた。特に明石海峡大橋設計計画時の担当理事でいらっしゃった方の、「今の技術を使って新たな橋を架けよう」というのは技術者のわがままであり、「橋が欲しい」、「橋を架けたい」というそこに住む人の気持ちに答える「必要性」のために、技術というものは存在し、発展するというお話には大変感銘を受けました。このような夢のあるプロジェクトについて、大きな可能性のある土木という分野に従事していることを大変誇りに感じることができた。
(東亜建設工業株式会社 吉川 靖彦)

人口半減時代のニッポン
筆者は工学部長という立場にあるため、エンジニアリング全般の統括者としての鋭い提案を期待していたが、通り一遍の内容であるように感じた。
(東京大学 阿部敦壽)

第3部 ひとりひとりが輝く、みんなで輝く
「3-2夢への道は、自分自身で切り開け!」および「3-3 いま、生きている実感を」、2記事に関して。近年、リストラや早期退職といった声が非常に強く、自分の本当にやりたいことや、生き方を見直す機会が増えていると思います。かく言う私も、何度も考え続けている中で、これらの記事のように、自分の信念を持ち、進路変更を選ばれた方の、生き生きとした声を聞けて、大変勇気がわいてきました。土木現場関連や技術に関する記事ばかりでなく、こういったフレッシュで活力につながるような特集を今後も期待します。
(関西電力株式会社 土木建築室 土木グループ 福住 晃)

3-1 土木技術者としての夢を追う
宇高氏がアメリカ留学中に感じたこととして、「「1+1=1。5〜2。4」の心 」を述べられていました。「外国人の価値基準は多様で1+1=2とは限らず場合によっては1+1=1。5〜2。4になる。これくらいの幅をもたないと理解できない場合がある。1。5〜2。4の幅で物事を考えられる心の広さ、ゆとり、そして何事も多様にとらえる力が必要と感じた」との宇高氏の言葉に、幅広い視点で物事を捉えることの重要性を改めて教えられた気がしました。
(高知大学 藤原 拓)

特集U 公共投資と財政のバランス
これからの公共事業のあり方が各方面から議論されており、読み応えのあるものでした。特に、第2編の首長へのインタビューは、国と住民との間で公共事業を模索し、まさに地方自治体が抱える問題に直面している知事、町長の意欲とエネルギーが感じられるものでありました。それだけに、太田知事の節が、インタビュー形式でなかったのは残念でありました。
(清水建設(株)影山 雄)

特集を通読して感じたことは、今後の社会資本投資は地方自治体への適切な権限委譲を通じてなされるべきである、ということです。地方自治体の規模、景気対策との関連、さらには住民との距離等、今後の公共事業のあるべき姿について考えさせられる内容でした。
(東京大学 本島貴之)

公共事業に対する批判が近年声高に叫ばれている。当然その中には、我々、事業を計画・推進する立場にある人間が、耳を傾けねばならないもっともな意見も存在する。ただ、私が思うには、これらの多くの批判というのは事業そのものに対する批判ではなく、汚職、談合、政治家の不適切な関与、情報を積極的に開示しない等、いわゆる「お上の体質」に対するものである。だから、現在進めている事業、あるいはこれから進めていく必要がある事業に関しては、消極的にならなくても良いと思う。ただ、先にも書いたように批判をしっかり受け入れなければならない点もあろう。一昔前なら、我々土木技術者は、「良い構造物を、安く造る。」だけで良かったのかもしれない。(勿論、今でもそれは我々土木技術者の最たる役割であろう。)しかし現在は、「何故その構造物が必要なのか?」ということに対する説明が要求される時代である。それも、それは専門家にだけでなく、一般大衆にも理解されうるものでなければならない。(ここで言う「理解」とは、「説明された内容を理解する」ということであり、「事業について承認する」という意味ではない)公共事業の出資者は言うまでもなく一般大衆であり、古くさい言葉で言えば「血税」を使って事業を進めていくわけだから、当たり前といえば当たり前である。しかし、この当たり前のことに気づいていた(?)にもかかわらず、我々はその説明を怠ってきた。その結果、「情報を積極的に開示しない=秘密主義」と批判され、論外であるはずの汚職・談合・政治家の不適切な関与が連動して、いわゆる「お上の体質」を作り上げてしまった。これについては自戒も込めて猛省をしなければなるまい。この説明責任をしっかり果たして初めて「公共事業を採算だけで評価をするべきではない」といった正論を、世間一般に理解してもらえる日が来るのではないだろうか?
(日本鉄道建設公団関東支社計画課 村上 明)

本特集は、企画趣旨にある「一般市民に理解される土木事業」という意味でも、新年の会長挨拶、14年度全国大会の特別講演等との同時掲載に絶好な記事です。  第1編では、本来、専門的な解説が必要となる難解な内容を、正確さを保ちつつも数式をできるだけ省き、グラフや平易な表現で判りやすく記述するなど配慮されています。これは、本号に掲載された(11月号の)モニターの声を先取りされたのでしょうか。第2編の各首長への取材記事では、単なる評論ではなく現場の生の声が記述されている分、興味を引くとともに読んでいて引き込まれるものがありました。取材にあたっては、首長への約束を取り付けるだけでも、相当な苦労があったと聞いています。約1年を要した大作であり、特集後記を読むと恥ずかしくて書けないことですが、「それでも私には、第1編の内容を十分に理解できたとは言い難い」のです。例えば、公共(土木)事業に関する一つのアンケートやデータについて、事業を推進する立場、反対の立場及び中立(慎重)派の方に同時に分析・評価を依頼することはできませんか。それぞれの立場の違いがどのような結果を導き出すか、バイアスの掛かり方によって評価が如何に異なるかを具体的に示したうえ、これからの公共事業のあり方や一般市民に理解される事業のあり方などを探り、さらに議論を深めることは出来ないものでしょうか。もちろん、アンケート作成時から学会外の方の参画が必要になるかもしれません。私のような会員でも親しめる、より開かれた学会(会誌)となることを楽しみにしています。
(東京都 石原成幸)

建築協定的道路づくり制度は面白いと思いました。 建築では、地区の景観を保持するため住民側からきまりごとを提案できる建築協定制度があります。道路は生活の場でありながら、住民の意見が反映されない制度に疑問を持っていました。コミュニティーの観点から十分なポテンシャルを持つ駅前広場があじけないものであったりするのも決定権が利用者側にないためと思われます。管理者の縦割り体制の弊害でもあるでしょうが利用者、行政、企業の協働が可能になれば解決できる問題はたくさんあるように思います。
(西武建設 関谷成人)

編集後記に、企画案に対して二つの意見があったが、双方を併せて一つの特集とした旨が記されていた。この特集を読み、それが正しい選択であったと感じた。特に、第2編の北川・三重県知事と平沢・深浦町長に対するインタビューは興味深い内容であった。 中でも、深浦町のような状況下にある地方自治体はわが国に多数存在している。国土の骨格を成す社会基盤を整備していくことも土木技術者の重要な責務であるが、地方に様々なメニューを提示していくことがこれからの土木技術者に求められていくのではないか。
(北海道大学 日野 智)

公共事業に対する、首長の考え方が今回の取材で拝見でき非常に興味ぶかかった。地域による特色があるとおもわれるが、その他の自治体でも同じような取材があるともっとおもしろいものになると思われるが、ご検討願いたい。
(電力中央研究所 今村)

第2編の知事、町長へのインタビュー記事は迫力がありました。特に三重県北川知事には、明確なビジョンとそれに向けて邁進する志を強く感じました。知事として情報公開、説明責任を推し進める背景には、地域住民にも一緒に考えてもらい、住民にも責任を問うという本来の意味での自治を目指しているスタンスを理解しました。話題の人の紹介で、興味を持って読みました。
(電源開発 笠原 覚)

公共事業のあり方について、三重県北川知事と大阪府太田知事のご意見が紹介されていました。この二つの意見に共通する事項として、「情報の開示」が挙げられると思います。日本では右肩上がりの成長がストップし、公共事業のあり方についても、種々の場所で議論されています。近年では、公共事業に対する財源の確保が非常に困難で、以前のように政治主導で、種々の公共事業を立ち上げていく時代では無くなったようです。そうした中、公共事業を進める上で「情報の開示」が重要とする意見。これは、受益者である一般市民に対して、責任の一旦を任せるもので、私自身は大いに賛成です。元々、公共事業とは一般市民が利用して、初めて価値をなすものであるのに、その主役の意見を直接聞くことなく事業を運営することは、レストランで客の注文を聞かずに、カレーライスを出しているようなもの。一方で、客も黙って何か食べるものが出てくるのを待っているだけでは、自分の食べたいもの(味、値段)は出てこない。何でも食べるような素振りをしながら、カレーライスが出てきてから、辛すぎるとかとんかつ食べたかった、ではどちらも不愉快なだけ。従って、情報を開示(店のメニューを客に提示)して、利用者の注文を聞いてから事業を進める(=料理を作る)ことが効率的である、ということなのかな?と、感じました。
(鉄道 匿名)

三重県知事北川正恭氏の主張からは、中央と地方の関係や縦割り行政による弊害が、今まさに大問題であることを強く感じた。しかしそういった現状に妥協することなく、公共事業のあり方を変えてゆこうとする方々がいるのだと改めて認識した。現在のような暗い建設業界にあっても、建設業はチャンスを創り出せる業種でありその技術を持っていると信じる私にとっては、率直に言って嬉しかった。 深浦町長平沢敬義氏の主張では、地方、特に過疎地域の公共事業が大変難しい問題であることを再認識した。現在の世論の中では、さらに大きな逆風を受けることがこれから増えるように思う。公共投資は規模に拘らず選択決定されるものだと思うが、ではどのように公平適正に評価するのかが難しい。
(横浜国立大学 田中真史)

難しいテーマだが、だからこそ図等を多用して、わかりやすい記事にして欲しかった。図表が記事によっては少なく、読む気がしないものもある。
(竹中土木 長澤太郎)

昨今の公共事業に対する逆風のもと、今回の特集は私にとって、副題にされている通り「これからの公共事業のあり方を考える」ためのよい機会となりました。第1編と第2編では、理論的検証と現実的な公共事業の検証というように異なる視点で構成されていましたが、研究者と実際の行政との意識のずれも見えたようで興味深いものでした。私としては第1編により興味を持ちましたので、もっと第1編が長くても良かったと思いました。森地教授は現状自治体単位への極端な財源移譲に対する警告も発しているのに対して、井堀教授はあっさりと財源も地方自治体にゆだねるべきであろうとしている点、及び、井堀教授が公共投資の限界生産は時間とともに次第に減少してきたとしているのに対し、小林教授は生産性を計算するための社会資本ストックデータの問題点について言及している点等、3名の執筆者間でも認識が一致している訳ではなく、執筆者間でのフィードバックがあればもっと良かったかも知れません。第2編では、深浦町長の顔写真が2枚も隣り合ったページに出ていましたが、冗長な印象を持ちました。そう思ってみると三重県知事の顔写真も、別のページですが2枚載っていましたね。それに比べて大阪府知事は小さな写真が1枚で、写真の代わりに施策の表が数多く掲載されており情報量が多くてより望ましいと感じました。
(名古屋大学 山本俊行)

論説 公共事業の改革
現在、日本が直面している公共事業の現状がわかりやすく述べられておりとても勉強になった。また、公共事業がこれから進んでいく方向として、圏域構造の改革、環境再生、インセンティブ型補助制度の導入といった概念が紹介されており興味深く読むことができた。また土木事業の効果の評価の部分では、勉強不足もあり完全には理解できなかったが、景気対策として行われてきた高度経済性長期以降の公共投資政策のいびつさを感じることができた。これからは「将来までに有用に使用されるような公的インフラの整備」という公共事業の本来の目的に立ち戻るべきである。
(岡山大学 平川陽介)

論説のため文章だけになるのは仕方ないかもしれませんが、要点だけでも箇条書きとして示すなどの工夫をして読み取りやすくしてほしいと感じました。当然、自分の読解力の不足も否めませんが、重要なテーマだからこそ、分かりやすく示してほしいと感じました。
(信州大学 生水良幸)

このような安価な補強工法の普及により,後回しにされてきた水中橋脚の補強が速やかに完了することを期待します。一般的な仮締切りによるドライアップ工法との比較が示してあれば,PC巻立て工法の優位性をより協調できたのではないかと思います。
(東京コンサルタンツ株式会社 今度充之)

地方行政の財政は多くが危機的状況に面し、行財政改革がさけばれ深刻な状況となっています。また、次世代により良い環境を引き継ぐため、公共事業の執行には特にコスト意識と目的・効果が問われています。この特集は、公共事業を計画する今後の方向性について関連していたので興味をもちました。社会資本整備の観点では、圏域構造をあげられ広域を対象としたより集積度の高いサービスを目指し、地域社会が自立する重要性が感じられました。公共事業をとりまく社会的キーワード、補助制度、地域の取組などは、今求められている柔軟でスピーディーな対応にどう取組むべきかの一つの方向性を感じました。最後に、事業評価とコスト削減の箇所は、市民意見の取り入れ方の具体的な評価事例も紹介して欲しかったです。全般的に、時代にあった内容で興味を持続して読めました。ありがとうございます
(高橋正力)

1-1 社会資本整備の生産性を考える
本稿で述べられている、公共事業の産物たる社会資本の「除却」という概念は、土木構造物を常時最適な状態に保つことを旨とする土木技術者にとって”盲点”的発想ではないだろうか。今後、土木構造物の維持・管理によるメンテナンスコストの増大が予想される状況において、”インフラ会計”という観点は重視せざるをえないであろう。ただし、”生産関数”の概念は捉えにくい。むしろ「土木事業のミクロ効果」を示す具体的なデータを利用して”マクロ効果という考え方”の有効性が実証されるのではないか。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

1-2 今後の土木事業の効果の考え方
私は、公共事業すべてに対して、反対するわけではないですが、本当に必要な公共事業に効果的に投資されているかというと、その配分、金額、順番に疑問をもっている一人です。今後の公共事業を進める上で、土木技術者の方々が、この記事にあるような公共投資の効果について、多少なりとも意識する傾向となれば、より効果的かつ経済的な公共事業がすすめられるようになると思います。そういった意味で、読んで考えさせられるものでした。
(鉄道公団総務部人事課 上村雅人)

興味があって読みました。GDPと公共事業割合の関係からケインズを用いた投資効果の説明であったと思います。経済効果としての話はわかりましたが、過去からの実証による辛口のコメントが響き、これからどう進めていくのかがわかりませんでした。また、文末の「地方分権が徹底すれば、足による投票というメカニズムが働く。」の部分は、その後に説明がありますが、そのように住民が自治権を移し変えていくメカニズムの根拠が見えなかった。(たしかに選択権はあるが。……もしかしたら勘違いかな)
(匿名)

第2編 危機的財政下での土木事業の進め方とは
北川知事のインタビューは、知事の意志が強く感じられた。聞き上手であったともいえるが知事が普段から考えていることが十分表現されていていい内容であった。特に地域行政は縦割りではダメだと言い切り、住民にも責任がある等の意見はいままでの知事からは聞かれない言葉であった。「インタビューを引き受けて下さってありがとう。」といいたい。 平沢町長のインタビューも町長の意志が強く感じられた。特に過疎地域に対する問題点が凝縮している。公共事業のありかたはもちろんであるが市町村合併がもたらす影響など新しい問題提起になったのではないか。 一方、太田知事の記事はちょっとさみしかった。この内容であれば編集部で配慮して別の号にしたほうが知事にも失礼がなかったのではないか。おそらく多くの読者が読み比べてどうしちゃったのという印象を持ったに違いない。
(前田建設工業 芝本真尚)

地方行政のトップに、土木関係者が直接、質問者として接し、その質疑内容を発信する機会はそうないのではないだろうか?都市再生が叫ばれ、東京につい目が向きがちな中、大阪府のトップの意見を直接伺えなかったのは、やはり残念であった。 三重県政の先進性については、多少、知っていたが、情報公開と地方と中央の関係について知事によって論じられる内容は歯切れがよく、驚いた。また、深浦町長の話から、過疎地域の現状を打破する意気込みが感じられた。土木技術者として、地域のために役立つ提案・仕事を今以上に心掛けようと考えるよい機会となった。
(五洋建設 山本省吾)

2-1 情報公開で中央集権から地方分権へ。時計の針を元に戻すことはもはやできない。
地方分権を推進するということは、責任の国から地方への委譲のみならず、住民ひとりひとりの責任感の喚起をも意味するという氏の主張は、逆に国家的規模の安全保障・国際協力といった事柄の将来を考える際にも重要な視点であると思いました。
(東京大学 阿部敦壽)

改革派知事として有名な三重県北川知事のインタビューということで、興味をもって読みました。特に縦割り行政への批判、地方分権の推進といった主張には賛同させられるものがありました。地方に行けば、高速道路に並行して立派な農道が整備されていたり、逆に高速道路もなく一般道も十分に整備されていないといった地域もあります。こういったことも縦割り行政の弊害ではないでしょうか。地方に財源と権限があれば、必要なところに一般道を整備できるでしょう。責任も財源も地方に任せるような地方分権が必要ではないでしょうか。
(日本道路公団 眞東健一郎)

知事は、社会の各主体が明確に自己否定してゼロベースで見直せば、大きな変革をペリー、GHQ等の外圧無しに可能とされています。しかし、自己否定、ゼロベース見直しのためには日本社会が失敗を許す文化を持った社会へと変わる必要があるのではないかと思います。一体どうすればこの文化を変えられるのか、なかなか良い回答が見つかりません。
(国際協力事業団 西宮宣昭)

改革派知事の一人である北川氏の、公共事業に対する考え方を興味深く読んだ。最近はとかく否定的な響きのある公共事業だが、「必要不可欠」と認めた上で「これまでは行政が情報を公開せず、供給者側からの一方通行ばかりだったから批判が起こるのは当然」と冷静に分析している。国や自治体の考え方も少しずつ変わってきてはいるが、まだ「住民不在」の事業が全国あちこちで見られる。このような考え方が定着することを望みたい。
(埼玉県 小池智則)

2-2 今後の土木事業に対する大阪府の取組み
今回は、大阪の現状と、府の取組体制(システム等)といった総論的な内容であったように感じました。今後は、この総論を踏まえて、具体的な「小骨」の取り除き事例とその魅力・効果に関する内容を期待します。
(関西電力株式会社 土木建築室 土木グループ 福住 晃)

2-3 個性ある取組みは地元住民と身近だからこそ
この記事に出てくる町長の御意見は、もっともだと思います。「地方にとって、公共事業が唯一の生き残りの道だ。受益者が少ないから、作らなくてもいいという問題ではない。」。 現在問題となっているのは、必要な公共事業をどのようにして選ぶか、ということでしょう。このことに関しては、地元住民が一番よく分かっているはずなので、投票とまではいかなくてもアンケートで住民の意見を聞くことができるはずです。このアンケートで、某国会議員の方々が言うほど住民が高速道路が欲しいという結果にはならないでしょう。住民が必要なものはもっと生活に密着した道路なはずです。  単に公共事業を切り崩していくのではなく、もっと住民とのコミュニケーションを図って、必要なもの、不必要なものを明確にすれば、公共事業が悪者扱いされることは無くなり、必要なところにはお金を投じようという考えが生まれるでしょう。
(横浜国立大学 五十嵐 学)

平沢町長の地方からみた公共事業の考え方や、地方独特の取り組みの内容が、多くの具体例を上げながら説明されており、非常によく理解することができ、大変興味深い内容でした。私も地方出身者でありながら、改めて気づかされる部分がたくさんありました。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

鋼板遮水クローズド型採集処分場の建設
鋼板遮水工の補修・修復が容易な点と、耐用年数に対する従来以上の信頼性がある点が印象に残った。しかしこの技術に限らず、最終処分場の開発が’閉じ込める’方向で進んでいるように見えるのは不安である。もちろん代替手段の様々な研究はあるだろうし、その上で難しい問題になっているのだろう。  私は、最終処分場の問題は重大であるにも拘らずそれに対する社会的意識はまだまだ薄いように思う。国の、地球の最重要課題の一つとして、多種多様な視点からより一層の研究開発が進むことを望んでいる。
(横浜国立大学 田中真史)

記事を大変興味深く読ませて頂いた。現在、ゼロエミッションやリサイクル、グリーン調達などが環境問題の記事として、誌面を賑わせている。しかしながら、ある種の産業廃棄物においては重金属などの汚染物質の除去が現実問題として高コストとなり、現時点では管理型処分場による処理が妥当である場合も多いと考えられる。  今回の技術は、遮水シートで心配されている信頼性に対して、鋼板を使うことでより安全度を高めている。また、弱点である溶接部の処理・チェック方法、鋼板に対する腐食・防食の考え方、漏水(汚染水)の検知システム、廃棄物の再掘削が可能など、地域住民に対して安心感を与え、アカウンタビリティーの義務も果たせるものと思われる。今後のさらなる技術の確立、コスト低減に期待したい。
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)

遠隔操縦ロボット(通称:ロボQ)の活用
実用に耐えうるほどの遠隔操作技術が実現していることに驚いた。一般の土木工事に適用していくには遠隔視覚情報技術、通信技術、位置確認技術など多岐にわたる複雑な技術が必要となり、実現には暫くの時間を要するかもしれないがぜひとも実現してほしい。
(岡山大学 平川陽介)

災害復旧工事等の施工における安全性確保を目的に開発された、無人建設機械の紹介であった。分割して容易に運搬でき通常のバックホウに取付可能である、という点に非常に高い実用性を感じた。今後、当機械が危険を伴う場面で活躍し、迅速な災害復旧や二次災害の危険性回避に寄与することを期待する。
(西武建設 辻田 陽一郎)

市販のバックホウに装着して使用が可能という点、非常に画期的だと感じました。システムの信頼性とコスト面が鍵になると思われますが、今後の普及に是非期待したいです。
(東海大学(非常勤) 橋本哲子)

土木紀行 万代橋の秘密
昭和初期に建造された万代橋が、新潟地震の強い揺れと液状化現象に屈することなくその雄姿を維持したことを知って驚いた。”古い”土木構造物が比較的”新しい”ものより強固であって、自然災害にも耐えた、というトピックは他にも見受けられる話であり、効率優先・コスト重視の現代土木工事に重要な示唆を与える。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

現代のデジタルな設計では語れない、アナログでロマンあふれる設計に感心しました。理論と信念が身を結んだ橋だと思います。機会があったら一度、現物を見てみたいです。
(高橋正力)

新土木入門
親土木入門という名前のとおり、土木学会誌らしからぬ親しみ易い内容でした。ただ、「ゴルフ場・・」の記事の方は、途中で終わっているような中途半端な印象を受けました。来月号からの続編に期待します。
(東京大学 本島貴之)

良いタイトルだと思います。内容も、調べてすぐに判る技術的なことではなく、「考え方」を取り上げていることから面白いと思いました。技術もさることながら、企画や設計の考え方を知ることはモノを造るうえで非常に大切なことであると思います。 しかしながら、あまりにも内容が薄すぎる気がしました。「ゴルフ場設計」の記事は具体的で理解し易いのですが、ボリューム的にちょっと不満が残ります。「公園編」の方については、インタビュー内容が企画の趣旨を逸するところがあるように思われます。ページの都合でボリュームを増やすことができないのであれば、もう少し的を絞って、深いところの考え方を掲載していただいた方が、異なるケースを考える場合においても参考になるのではないかと思います。また、ページのタブには「連載」とありますし、公園編のほうには「第1回は、・・・」とありますが、しばらくの間、ゴルフ場と公園についての2本立てで連載されるということでしょうか?趣旨説明では、「さまざまな記事を毎月アラカルト的に・・・」とありますが、あまり内容や方向性を柔軟にし過ぎるとこの企画のインパクトや内容が薄いものになってしまうと思います。ある程度は連載の趣旨とテーマを予告し、その上で読者に意見と感想を求めた方が良いのではないかと思います。
(清水建設  佐藤将寛)

最近なにかと風当たりの強い「土木」という分野への、愛着と誇りを再認識させていただけそうで、今後、さまざまな話題が提供されることを期待しています。今回はゴルフ場と公園の話題が取り上げられていましたが、性質のかなり異なる記事が同じ企画に掲載されていることが少し気になりました。つまり、前者は土木技術の豆知識というか、こんなところにも土木技術が生かされているんだというコラム的な内容だったかと思います。一方、後者は主に公園管理者の方による公園の紹介と土木技術者への要望がまとめられていました。特にこちらは”公園編”や”第1回”という言葉から、今後シリーズ化されるような印象を受けましたが、もしそうなら、「シリーズ公園」などの別企画とすることも検討してみてはいかがでしょうか?本企画の紹介にあった”時々ウンチクを披露したり、その場に行って触れたくなるような記事”をご提供いただくために、個人的には、橋や鉄道、公園の設計や建設に秘められた、土木技術者の知られざる苦労や工夫などをご紹介いただければ幸いです。
( (独)港湾空港技術研究所 平山克也 )

土木初心者としては、まず始めに関心を持った記事でした。連載タイトルのとおり、一読者としてより土木に親しんでいけるよう、今後の内容にも大変、期待しております。
(匿名)

土木学会誌は比較的固い特集が多いので、楽しみな企画です。普段業務に埋没し、このようなものの見方をなくしているので、新鮮な気持ちを取り 戻せるような記事を期待します。補足長く続いていくて企画になりますように。
(竹中土木 長澤太郎)

短い読み物で取っ付き易く、楽しく読むことが出来ました。ゴルフが好きなわけではありませんが、どちらかと言えば公園編のインタビュー形式よりもゴルフ場の解説形式(?)の方が私には読みやすいです。最初のページに書かれているように、時々ウンチクを披露できるようになればよいなと思います。今後、スポーツ、小説、都市公園、鉄道などさまざまな記事が掲載される予定とのことですので楽しみです。
(名古屋大学 山本俊行)

ゴルフ場設計者はどんなことを考えて設計しているのか
ゴルフを嗜む人間として、非常に興味を引くタイトルでしたが、内容は期待ほどではありませんでした。コース設計者が教えるスコアアップのためのアドバイス・・等があれば面白かったと思います。見開き2ページでは書きたいことも書けないのかもしれません。
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

私はゴルフが好きで月に一度はコースにでるのだが、ゴルフ場の設計が全体だけでなく細部にいたるまで丁寧に行われていることを知らなかった。ゴルフ場は設計者の感性を頼りにつくられていると思っていたが、18ホールにストーリーがあり、各ホールにはいくつもの戦略的な考えがちりばめられており、さらに様々なプレーヤーの力量を考慮して設計されている。どんなモノにもつくる人の考え、思いが詰まっていると感じた。次回から設計者の意図を考えながらプレーしたらゴルフがもっと楽しくなるだろう。
(五洋建設 吉田 誠)

ゴルフ場建設といえば「自然を破壊するから反対」というイメージがある。しかし、ゴルフ場を設計するのにも、現状を分析し多大な労力であることが伝わった。スポーツをするためには場所、設備が必要である中で、土木技術が活躍していることが分った。
(呉工業高等専門学校専攻科 丸岡弘晃)

私もゴルフ愛好家の1人だが、プレー中はボールを目的地に真直ぐ飛ばすことしか頭になく、他のことを考える余裕はなかった。しかし、今後は土木技術者の立場で設計者の意図を考えながらプレーするのも、違った楽しみ方ができるのではないかと感じた。
(西武建設 辻田 陽一郎)

実際に趣味でゴルフをプレーする者として、なかなかおもしろい内容であった。 プレーヤーの飛距離にあわせた攻略ルートの確保、ホール毎の難易度の設定、グリーンの形状等様々な計画事項があるということである。ゴルフ界の著名なプレーヤーの監修したゴルフ場をよく目にするが、前記のようなコース設定に関する事項を、監修者の目指すものを現実にあわせた設計に繋げていくという作業には大変な苦労がありそうである。 普段何気なく歩いているコースにも、設計者の苦労、意図が隠れているのだということを考えながらプレーすると、今後また違ったゴルフの楽しみ方がでてくるかもしれない。
(東亜建設工業株式会社 吉川 靖彦)

この記事の題名を見たとき、非常に興味をそそられるものでしたが、記事の量との関係もあると思うのですが、なんかあっけなく終わってしまったように感じられました。苦労話や予算との兼ね合いの話なんかを載せてもらえると、もっと興味の沸く内容になったのではないかと思います。
(国際協力事業団(JICA) 松元秀亮)

ゴルフを愛好している一方で、どの様な考え方でゴルフ場が設計されているのかあまりよく知らないために、記事名は大変興味をそそられるものでした。ただ、基本的な設計思想の他に、もう少し具体的な設計例を交えながら、設計の面白さや難しさ、独特の自然環境条件を生かした工夫などを知りたいと感じました。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

ゴルフも他の競技スポーツ同様、人々の生活の一部として重要な地位を確立している。そのため、他の土木構造物と同じく設計者に課せられる役割は大きい。ただ、この記事の設計はあくまでもスポーツとしてのものであり、今、ゴルフ場の設計に求められている自然との調和をどのように図っていくかという記述が無い。例えば、造成による雨水の流れや保水力の変化に対して、筆者はどのように考えられているのだろうか。 ゴルフ場の造成は、土木の仕事に対してよく言われる自然破壊の代名詞のように、人々は感じているように思われる。そのような切り口からの記事を今後は望みたい。
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)

公園編「とちぎわんぱく公園」
公共の施設とはいえ、このような規模で入場料が無料という点はおどろきでした。維持管理や運営においても、きちんとした考えのもとボランティアを巻き込む方法は有効かと思いますた。最近は、子供が外で遊ぶ機会もへり、このような体験が減っているように感じます。肌で感じることが、子供にとって重要だと思います。このような、ボランティア中心の活動では、いろんな人を巻き込むことが成功の鍵のように思います。今後の発展を期待します。
(電力中央研究所 今村)

公園を運営していく工夫、苦労が紹介されており、興味を持って読むことができた。私自身、こうした公園をたびたび利用することがあるが、どれも似たようなもので、印象強く心に残るものは少ない。これは、公園の管理・運営において、知恵を絞っていないからではないだろうか? どこかで、人気を集めた企画があれば、それに類似した企画を取り入れる。どの公園にも、同じような設備があり、利用する者に与える印象に、大きな差異が生じない。公園に限らず、公共のサービスにありがちな傾向であろう。しかし昨今、利用者が要求するサービスは、細分化するとともに、非常に高いレベルを要求する時代となった。従って、特徴の無いサービスは、利用者から選択されなくなってきている。そして、現在に至っては、バブル時代にしっかりとしたコンセプトを持たずに造られた施設が、軒並み閉鎖、倒産といった憂き目にあっている。日本では長期不況の中、競争力を持たないものが淘汰されている。今後、私自身も公共サービスを提供していく一員として、利用者がどのようなサービスを望んでいるかという原点を忘れることなく、日々の業務を進めなければと、改めて感じました。「とちぎわんぱく公園」については、記事のような取組みにが、利用者にどのように評価されるのか、今後も注目していきたい。
(鉄道 匿名)

2002年台風21号による送電鉄塔被害とシミュレーションによる強風の推定
数ヶ月前に送電鉄塔倒壊が報道されていたことを思い出した。不測の被害に関する調査結果および最新のシミュレーション結果を学べる機会を得て、興味深く読んだ。 風況予測が災害対策資料になるだけでなく、幅広い応用例を紹介され、既存技術の多分野への応用の重要性に気づかされた。
(五洋建設 山本省吾)

ニュースでも大きく取り上げられた災害だったので興味深く拝見させていただきました。このシミュレーションにより、強風推定がかなりの精度で可能なのではないかとかなり期待しています。 ただ、一つだけ気になったのが、平均風速の観測値と予測値との比較の図で、ある観測地点において、観測値が1点しかないのものと予測値のグラフを比較して「台風シミュレーションの結果はここでも観測値とよく一致している」との記述があったので、これはどうかな・・・と思いました。何故観測値が1点しか取れなかったのか断り書きが欲しかったです。 あと、私の勉強不足かもしれませんが、その観測地点の名前が難しくて読めません。これはたぶん私だけではないと思いますので、どうか地名などの難しい字には振り仮名をお願いします。
(横浜国立大学 五十嵐 学)

三次元気流解析から求められた最大瞬間風速と、倒壊した送電鉄塔の設計風速とがほぼ同じ値を示したという結果を興味深く拝見しました。個々の地点の解析がどの程度の労力を要するのかわかりませんが、全国の送電鉄塔について、あるいはもっと広く重要構造物や倒壊によって人的被害の出そうな構造物について、どのような台風の場合に倒壊の危険があるのか被害想定マップのようなものを作成できないものでしょうか。台風は地震と違い、数時間後の挙動がほぼ予測可能なわけで、事前解析が充実していれば構造物の補強や住民非難などの対策がスムーズにとれるのではないかと感じました。
(東海大学(非常勤) 橋本哲子)

アフガニスタン国土復興ビジョンができるまで
数ヶ月前まで世界中の関心事であったアフガン問題ですが、最近はほとんどメディアに取り上げられません。その中で、日本がODAではなくNGOとして復興計画に参画し、また非常に高い評価を受けている事は、日本人として誇りに思える良いニュースでした。日本が行うODA等の国際活動には、国内外から何かと批判が多いですが、今、日本が国際社会に求められているのは、経済的援助ではなく、日本の技術や知識を生かした人的活動なのだと認識させられました。今後もこの活動を追跡すると同時に、国際問題に尽力している他のNGOについても学会誌で取り上げてほしいと思います。
(中央復建コンサルタンツ(株) 畠中 仁)

発展途上国の国土復興と言う、まさに土木の原点に戻った活動であり、大変楽しく読ませていただきました。特に、今回の活動は、土木学科が政府の下部組織としてアフガン復興に参賀した訳ではなく、NGOとして独自のビジョンを打ち出したことが非常に興味深かったです。このような活動がある中、復興のための資金をめぐり国際的な主導権争いが生じていることが残念でなりません。昨今、グローバリゼーションが持て囃されているように、国際社会は目先の利権に固執せずもっと長期的な展望を持った議論をしてほしいものです。
(鹿島建設 朝倉良介)

この記事の中で、強く印象に残った言葉があります。「専門家集団NGO」という言葉です。これまでも土木学会は、学会外に様々な情報発信をしてきたと思いますが、一般の方よりも、むしろその道の方を想定する場合が多かったのではないでしょうか。NGO活動では、一般の方にわかり易く説明するということも求められると思います。学会として今回のような社会貢献としてのNGO活動が増えることを望みます。本記事を通して、自分もNGOの一員であるということを認識しました。
(電源開発 笠原 覚)

最近、NGOやNPOの活動が世界規模から地域規模まできわめて盛んである。土木学会のような大きな組織が、従来の組織にない「専門家集団」としてこのような世界規模のNGOを行ったことはすごく有意義だと思いました。このような活動は、経済・法律・土木・医療などさまざまな観点から見た組織の相互補完で成り立つと思います。いろいろな人がそれぞれの観点から活動し、少しでもよい社会がつくられることを強く望みます。
(信州大学 豊田政史)

アフガニスタン国土復興に対して、日本が特に社会資本整備で貢献しているということは新聞報道で知っていましたが、土木学会がNGOとして果たした役割に対して感銘を受けました。「国土復興ビジョン」取り纏めまでの関係者のご苦労が記事から伝わり頭が下がる思いです。専門化の目でトータルに国全体をみることのできる土木学会の特長を活かし、土木学会自体がNGOとして直接的に社会貢献を行うことを積極的に検討すべき、という著者の提言は非常に貴重な意見と思いました。
(高知大学 藤原 拓)

土木学会として独自に社会貢献されている活動を読ませて頂き、いろいろと思いが頭を巡りました。今までのように技術力向上のためだけの学会ではなく、社会の変化に合わせて柔軟に変化していくことによって、学会が存在していければ素晴らしいと思っています。また、今回掲載された活動の趣旨の中に、NGOとしてアフガニスタンの復興資金を、できる限りアフガニスタン国内の雇用創出に振り向けるといった行があり、その意見には賛成したいと思いました。一方、資金・心に余裕のある人は社会貢献について異論はないかもしれませんが、今の日本ではそうは言っていられない人もいるのではないかと思います。もし、その「社会貢献」これがビジネスになるのであれば、是非、日本の雇用の創出の為にも活躍することができれば、学会への考え方も変わってくると思います。
(国際協力事業団(JICA) 松元秀亮)

国民の自然災害への意識高揚に向けて
国民が自然災害についてどう考えているかが分かりやすく示されていると思います。特に自分の出身地の調査結果には非常に興味を持ちました。そして地域により自然災害についての認識の違いなど、今後の防災計画の上で貴重な資料になると感じます。
(信州大学 生水良幸)

日本は自然災害が多い国で過去にも地震、台風等による被害はよくニュースでも聞きます。しかし、地震災害に対する危機意識が阪神・淡路大震災からしばらくたつと低くなる傾向にあるのはやはり人間の性質なのでしょうか。私も集中豪雨による災害を目の当たりにした経験があるのですが、年月が経つにつれその恐怖などが薄れ、現在は防災意識などあまりないような気がします。やはり、自然災害に対してはずいぶん基本的なことですが、まず防災意識を持つことが大切だとあらためて考えました。
(東亜建設工業(株)小田秀人)

自然災害に対する国民の意識を考える上で興味深い一編であった。また、アンケートの回答数も多く、データの信頼性も高いものと思われる。気になる点として、アンケート対象者が”自治会長”という、防災について比較的意識の高いであろう立場の人であったことである。おしなべて一般市民レベルで考えると、また違った結果が出たのではないか。今後、継続的にアンケート調査を実施してほしい。特に、台風・地震などの大規模自然災害の発生直後にアンケートを実施し、平時との市民意識の相違について検討を加えるならば、より有用性の高いデータとなるであろう。
((株)ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

自然災害に対する意識調査結果ということで、非常に興味深く記事を読みました。自然災害に対する対処法については、「対処法はもっている」と答えた人が半数程度であり、若干少ないように感じました。対処法として、避難場所や経路を確認することや、非常時の食べ物・水を用意することは簡単にできると思います。今回のアンケート結果を有効に活用して、国民の自然災害に対する意識が高揚することを期待します。
(西松建設株式会社 熊島 朗)

近年、東海地震の危険性が指摘されているので、興味をもって読ませていただきました。しかし、地震災害への意識は地域差が現れているのに対し、全国的には、台風・集中豪雨による災害への意識のほうが高いように思われました。ほとんどの人が自然災害への関心を持ちながら、その対処法持っていない人が半数を占めるのは、自分は助かるという思いがあるのではないでしょうか。
(信州大学 杉山周平)

学生時代、車で旅行中に崖下転落の事故を起こしましたが、シートベルトを着用していたおかげで、けが一つしませんでした。このとき、「ちょっとした安全対策」が大切なことを知りました。昨今の世知辛い世の中において、防災に対する備えをやる余裕がなくなってきていると思われますが、よくいわれている個人個人の「ちょっとした防災対策」が被災可能性を小さくすることを十分に国民に周知することが大切だと思います、
(信州大学 豊田政史)

昨年12月に東海・東南海地震の生命・家屋被害予測が新聞等で取り上げられ、個人的に防災について関心を持っていた。 自然災害への取り組み状況について、行政や土木関係者以外の一般の方々がどのような意識を持たれているのか、全国各地の2、200名を超えるアンケート回収は貴重な資料だと思う。 ただし、今回のアンケート回答者が自治会長からの選出であること、また、土砂・浸水災害と地震災害(津波災害)という、情報入手から避難までの時間的余裕のあり・なしで異なる種類の災害を同時に扱っている点が特徴的で、アンケート結果の考察にも注意が必要と感じられた。 傲慢だと言われるかもしれないが、大規模地震の襲来が、時期は不明ながらも確実視されている状況下で、土木技術が発達した現在でも、ある程度の人的被害を覚悟しなければならない現実を認めなければならないことが悔しい。
(五洋建設 山本省吾)

この本 坪田一男・著「理系人間のための人生戦略 リフレーミングの発想」
レンガを積む辺りの記述が、非常に魅力的で、是非購入して読んでみたいと思いました。こういう魅力を感じさせる書籍の紹介を今後もお願いします。
(関西電力株式会社 土木建築室 土木グループ 福住 晃)

学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等
できればまた、 CGや数値解析についての特集をお願いします。
(岡山大学 平川陽介)

ページの右端にある「ラベル」をより活用しやすくするために、”線”ではなく”面”で、かつ”色分け”していただくことはできないでしょうか?
( (独)港湾空港技術研究所 平山克也 )

今期からモニターをやらせていただきます。まだ学会にも所属していない身ですが、土木に関わる人、またそうでない人にも身近に感じるような学会誌が出来ればと思っています。微力ながら、そのような学会誌となるように、モニターとして少しでも役に立てばと思い、精一杯やっていきますのでよろしくお願いします。
(信州大学 生水良幸)

毎月、学会誌を楽しく拝読させていただいております。最近は、IT技術(特にデジタル技術)の著しい進歩により、雑誌もビジュアル化が進みカラフルになってきました。「百聞は一見にしかず」と申しますように、画像はそれ自身が資料であり、字面で説明するよりはるかに説得力があります。しかし、残念ながら、ときどき低解像度のデジタルカメラで撮影したと思しき画像が掲載されていることがあります。せっかくの貴重な資料なので、この点は特に注意をして執筆していただきたいと思います
(鹿島建設 朝倉良介)

特集やその他の記事はとても興味が惹かれる内容のものばかりでした。それだけ社会に関わりのある内容に携わっておられる学会なのだろうと認識を新たに持てたことが、素人モニターとしては大きな一歩になるのではないだろうかと思うところです。また、「土木」という枠の中でもジャンルが想像以上に多岐に渡っていることには驚きました。
(匿名)

座談会議事録や質疑内容のそのままの文書化は、雑誌編集の安易な手法だと軽く考えていましたが、今回の行政トップの場合、その場で話を伺うことで、個人の意見をありのまま知ることができるメリットがあるということに気付きました。ありがとうございます。そして、お疲れさまでした。
(五洋建設 山本省吾)

自分と異なる専門分野での技術的内容はあまりよく理解できない部分もありますが、歴史的背景や文化的価値などが書かれた内容のものは、大変興味深く読むことができ、勉強になります。
(高知工業高等専門学校 山崎慎一)

土木の仕事は、新土木入門に書かれているように、「僕の仕事は一生どんなにいい仕事をしても個人の名前は残らない」(『無名碑』:曽根綾子著より)である。このことについて、個人的には誇りに思っているが、土木の仕事が賞賛されるのが、NHKのプロジェクトXのみでは少し寂しい気がする。 私も典型的であるが、総じて日本人はプレゼンテーションが不得手である。しかし、今後はもう少し日々の暮らしになくてならない業務をしていることを、何らかの形でアピールしたほうが良いのではないだろうか。官学民、大小を問わず、日頃遅くまで業務を遂行している人々に光をあてる機会がもう少しあっても良いような気がします。
(東海旅客鉄道梶@永尾拓洋)


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