土木学会誌
土木学会誌9月号モニター回答


表紙・裏表紙 公共空間の中の視覚障害者のバリア
今月号の表紙は意外にも都会のミツバチ.外来種に押される自然動植物の世界において日本在来種が都市部で増えているという意外な事実.都会の中での巣作りに適応し,園芸ブームのお陰で密や花粉を手に入れやすい環境になり,集団で外敵オオスズメバチに立ち向かう習性.ほのぼのとする話題であると感心しました.その一方で,ガーデニングブームの中,都会の緑は着実に増えているのだけれど,「虫たちの活気に満ちた羽音は聞こえない」という事実にむなしさを感じ,また,ニホンミツバチの天敵オオスズメバチがセイヨウミツバチの帰化を防ぎ,結果としてニホンミツバチを増加させているという自然界の複雑さをも読みとれる興味深い内容でした.
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

日本在来種のミツバチはスズメバチとの共存が可能であるが、セイヨウミツバチはスズメバチが天敵となり、日本で帰化することができない。一方、最近では、日本の生態系を乱す外来種の帰化が問題となっている。ブラックバスやアライグマがたびたび例に挙げられる。これらの外来種の多くは、日本国内にスズメバチのような天敵がいないため繁殖力が強く、日本在来種の生態系を乱し、絶滅させる危険まであると聞く。
植物についても同様であるとともに、園芸ブームの影では、売れる品種を育てるために、国内の野山を切り開くケースもあると聞いたことがある。
自然だ!環境だ!と叫びながらも、植物は好きだけれども、虫は嫌いだと言う人も多い。結局、都合の良い時にだけ自然がほしいという人も多いのではないだろうか。親水護岸や屋上緑化など、自然の姿に少しでも近付けようという中で、ヒトと動植物とのつき合い方を考えさせられた。
(竹中土木 近 信明)

特に都会では身近に生物が生息していると、それを極端に重要視したり取り上げたりする傾向があると思われるが、今回のミツバチの例を見て生物の存在の背景にある様々な真実を把握しなければ、現象の解釈に大きな誤解を招く恐れがあることを痛感させられた。
(山口大学 樋口隆哉)

以前から「表紙の写真は何を言いたいんだろう?」と心の片隅で思っていた.最近,過去のモニター意見をHP上でチェックしていたところ,表紙に対する意見がチラホラあって,そこで初めて表紙と裏表紙が一対になって記事になっていることに気がついた.しかも,読んでみれば毎号軟らかい文章で内容も面白い.今回のミツバチの記事も面白かった.今後も(来年以降も)なんらかの形でこの記事が続いて欲しいと思う.
(京都大学 中島伸一郎)

視点・考点・論点 「国際化に向けてのアクションプラン」提案
国内だけの仕事をする人にとっては「俺には関係無いや」と思われる内容かもしれませんが昨今の国内の景気低迷などを考えると、世界的に見ても優秀な土木エンジニアがどんどん海外に出て行って活躍の舞台を広げていって欲しいと思います。
(東洋エンジニアリング 菅原紳二)

私自身大学時代には就職先として海外建設コンサルタントは検討しませんでした。国内中心に活動している企業の情報がはるかに多かったこともその原因の1つだったかもしれません。ここ数年、海外に活動の場を求めている土木関係の企業を多く耳にします。新入社員から即戦力というのは難しいことかもしれませんが、学会としてこのような国際化のアクションを起こし、我々社会人の情報交換だけでなく、学生の就職先の選択肢が増えることは好ましいことかと思います。また、大学のカリキュラムでも、いくつか実施されていることも耳にしますが、今後、この国際化のアクションを受けて、大学の講義内容に国際化の意識付けをより一層充実させる方向につながればいいように思います。
(国際建設技術協会 安永 良)

土木学会の国際委員会からの提案であったが、このような委員会があることを初めて知った。Webを使用した数々の国際化への取組みに期待したい。英会話が苦手な人であっても英文で会話することにより、多少は入ってゆきやすい環境が得られると思う。海外エンジニアとの交流を通して我々のやり方を改善してゆくことも必要であると考える。
(西武建設 三村 卓)

特集 自然環境共生インフラ グローバルに考えローカルからの行動を
プラントの世界では、工業団地内の一区画に工場を建設する事も多く、自然条件と闘う事はあっても「自然との共生」について考える事はほとんどありませんでした。今後は発展途上国といえども自然との共生を考える必要も出て来ると思われ、勉強すべき項目を教えられました。
(東洋エンジニアリング 菅原紳二)

絵本「ちいさいおうち」の絵が懐かしかった.1942年に出版されたこの絵本が,社会の未来を語る上でいまだに有効であるということは,この60年で都市の居住環境がそれほど改善されてこなかったということなのだろうか.少し悲しい.ちいさいおうちが最後にたどり着いた「成熟の時代」を我々の世代が作りあげていかねばならないと感じた.
(京都大学 中島伸一郎)

自然環境問題への我々土木技術者の関わり、自然環境と共生する社会資本整備のあり方などは、幾年も前から繰り返し叫ばれてきたことだと思います。正直、特集の前段と特集を終わっての総括などに書かれた言葉には、若干「何を今頃・・」の感を受けました。土木界にとって自然環境との共生が重要なテーマであること、また一部を除き自然環境問題への対応が遅々として進んでいないことは、どんな立場であれ、土木技術者としては十分認識しているところかと思います。今、学会誌で敢えてこのテーマを持ち出されるのであれば、何故これらが速度を持って進まないのか、核心をえぐるような記事も付け加えて欲しかったと思います。これもある意味ひとつの危機管理かと思いますが、全体として読者にもう少し危機感が持たれるような内容にする必要があったように思いました。総じてこのあたりが学会誌に欠けているところではないかと感じました。
しかしこのあたりは、学会誌として仕方ないところなのでしょうか・・? 札幌大会のパネルディスカッションが有意義なものとなることを期待しています。
(清水建設 入江正樹)

現在においては,自然環境に配慮することは当たり前となっておりますが,改修した川の流れまで元に戻しているとは初めて知りました.
(信州大学 河村 隆)

近年人々の環境への関心の高まり,ニーズの多様化等の理由から,今後の社会資本整備において,環境保全・自然環境との共存が一つの重要なキーワードとなる.今月の特集では,パネリストの方々の意見,北海道において行われている具体的事例等が述べられており,非常に興味深く読ませて頂くと同時に,全体討論会を前に,問題提起の意味をこめ,非常に良い特集であると思いました.全体討論会にぜひ参加し,自然環境との共存を目指したインフラ整備について,周りの意見も聞いてみたいと思いました.
(北海道大学大学院 迫井裕樹)

土木学会誌8月号 外からみる土木 生物学編「生物との共存に向けた土木」の中で,由井教授が「今や人間は自然を壊すことによって生きて」いるため「共生は無理」と述べておられたので,今回の特集のタイトルには違和感がありました.社会資本整備において自然環境に配慮することは今や常識となっておりますが,何をどのように配慮するかについては多くの技術者が頭を悩ませるところだと思われます.本特集の事例も地点毎に特色のある対策がとられており,そのご苦労のほどがしのばれます.自然環境への配慮には総合的かつ長期的な視野と,変化に容易に対応できる柔軟性をこころがけたいものです.
(電源開発 川ア昌三)

高野さんの記事の「新しい価値観の構築」を見て,「私と同じようなことを感じているんだ」とうれしくなりました.人々の価値観は,時代背景の影響を大きく受けるので,寿命の長い土木構造物では,どの時代の人々も満足できるインフラを整備することは難しそうであると感じました.
(信州大学 豊田政史)

第1章 パネルディスカッション参加者
全国大会におけるパネルディスカッション参加者の特集であった。討論会に先立ち、テーマに対する各々の意見を知ることは、当日の聴講者にとって非常に有意義であると思う。全国大会には参加できないが、今後、学会誌で討論会の模様を取上げていただきたい。
(西武建設 辻田陽一郎)

これからの土木技術者には,構造物を造る技術のみならず,文化,環境問題,地理的特性,経済の動向についての知識も合わせ持ち,新たな時代の要請に即応できるコミュニケーション能力が必要であること等が語られており,土木技術者として一度は目を通すべき記事内容であった.また,1-4「インフラストラクチャーの設計者の責任」においては,設計者は,構造物の計画段階において構造物の安全性,経済性,機能性のみならず,構造物のライフサイクルにわたる環境影響評価を行い設計する責任が課せられ,今後,土木技術者は,最も環境問題を理解している技術者となる使命が課せられていることを痛感した次第です.
(愛媛大学 谷脇一弘)

自然環境と共生を目指した社会資本整備
これからのあるべき土木者技術者像として,「心の豊かさを享受できる環境づくりの技術者」との言葉に共感した。技術者は自身が社会のためと思って遂行している日々の業務が「本当に役立っているのか」また,「物欲的な面でのみ貢献し,人々の心を本当の意味で満たしていることはあるのか」と時として疑心にかられる事がある。自身のしていることが・・という受身的な態度ではなく,まず自身が心の豊かさを享受できるものをつくることへの強い意志とさらにそう出来得る技術を自ら身に付けることが必要だと痛感した。
(鹿島建設 藤井秀樹)

「土木構造物」は、公共、公益のために建設されるものであり、みんなの為の社会資本である。従来もっとも重視されてきた「安全なものを建設する」という点が、おざなりにされて良いわけではないが、人々の要求が多面的に広がっている現代では、それだけに止まらない幅広い視野からの検討が必要であると思う。本報告の中で、土木技術者が熱心に自然のことを勉強しているが、知識のみに基づいて建設されたものが不自然な感じを与えているという部分があり、知識だけでなく、本当に自然を愛する事が重要と書かれている。自然環境との共生を標榜するなら、これからの土木技術者にはそのあたりの素質も求められるのかも知れないと、痛感した。
(関西電力 松本明男)

栗山からのメッセージ
私は栗山町での公共事業に携わる関係で、10年前に3年間ほど栗山町に住んでいたため、昔を思い出しながら読ませていただきました。当時でも、オオムラサキの孵化施設のようなものがあり、何回か足を運んだ事がありました。また、メロンや地酒が美味しくとても懐かしく思います。
本当の自然を知る町から、地球環境に対する説得力あるメッセージを今後も期待しています。
(竹中土木 近 信明)

世界を旅して・風土を大切にはぐくんで
著者の自然に対する思いが伝わり、読んで爽快な気分になった。これから、人間は自然とどう接してゆくべきであるか。我々、建設事業に関わるものとしての視点についても考えさせられた。
(西武建設 三村 卓)

インフラストラクチャーの設計者の責任
インフラのライフサイクルにわたる環境への影響を考慮することが設計者の責任として確立される必要がある,と述べられており,これに共感するとともに,設計に携わる者として身の引き締まる思いです。しかし,まだ,土木施設の設計における自然環境,地球環境に対する設計上の配慮が事業のコストを押し上げる1つのオプションとしてしか認識されていないのではないかと感じています。リオの地球サミットからすでに10年。土木技術者,特に設計に関わる者は環境についてしっかりと学ばねばなりません。
(東京コンサルタンツ 今度充之)

インフラストラクチャーの整備は環境に与える影響の大きさから 、慎重な環境配慮を行う必要がある。政策、計画、プログラムの段階で環境影響配慮を行うことを可能とする戦略的環境アセスメントの考え方は日本においても取り入られていくべきだろう。
(岡山大学 平川陽介)

事業に着手する早い段階から環境配慮をするべきであると主張する著者の論述は、小手先だけの環境配慮と違った意味をなすという点で大いに意義があろう。しかしながら、設計に際しては配慮すべき事項は数多くあるため、そのプロジェクトに対して何を主眼に置くかといった点からの検討も必要であろう。
(西武建設 三村 卓)

物の豊かさと心の豊かさを享受できる環境づくり
「 新しい価値観の構築」,「建設と消費の20世紀から環境と育成の21世紀へ」,そして「行動を起こさなくてはならないことは多い」と,感じています.具体的にどのように行動すべきか,個人,個人が総合的に考え,判断し,行動できるもしくは,行動しやすい環境づくりも重要であると思いました.
(西松建設 土屋光弘)

第2章 北海道における事例紹介
全体的に、もう少し内容を知りたいのに、という感想が残った。簡単にまとまりすぎているものがあり、物足りなかった。
(匿名希望)

北海道は自然がいっぱい。と考えていた私ですが、今回の特集を読んで人間による自然破壊、稀少動物の減少などが問題となっており、それをくい止めるために土木と言う分野から多大な努力が注がれていることがよく分かりました。
(東亜建設工業 宮坂尚樹)

ここでは,自然環境との共生を目指した様々な北海道の事例が紹介されているが,特に,2-6「水生生物協調型防波堤の開発と施工」の記事に興味を持った.防波堤に背後マウンドを構築し,水生生物の生息環境の創出と建設コストの縮減を目指すものであり,北海道の地域性にとらわれることなく,全国に利用可能な構造である.今後の水生生物の生息の改善に大きく貢献できることを期待します.また,近年,海岸に敷きつめられたテトラにより美しい海岸線が損なわれ,港湾には殺風景な一文字の堤防が構築されておりますが,ぜひモニュメント的なデザインも期待したいと思います.
(愛媛大学 谷脇一弘)

川の自然再生
治水安全度向上がある程度達成できた河川において、旧川を復元して自然再生型川づくりを試みるという計画の紹介でした。
自然環境再生を主目的として、旧川の復活をされる川づくりは、まだ少ないと思います。このような先駆的な事業において、様々な地域の要望を、どのようにまとめあげ、形としていくのか、復活した旧川をどのように維持していくのか等は、大変興味があるところです。今後の検討の過程についても、是非、紹介していただきたいと思います。
(東京都 浅井重政)

自然海浜と共生する国縫漁港
国縫漁港の形状は設計思想とどういう風に結びついているのか、どのように機能しているのか、もっと詳しく説明してほしかった。
(岡山大学 平川陽介)

国縫漁港は私が住んでいる室蘭と目と鼻の先にあるわけですが,その漁港の形状がワイングラス状であることや,何故このような形状をしているのかということが詳しく記述されており,非常に勉強になりました 
(室蘭工業大学 菅野昌生)

水生生物協調型防波堤の開発と施工
埋立や防波堤の計画は、「構造体そのものが自然を破壊する」・「そのものによっ て自然を復旧させる」という相反する考え方で議論することが多い。今回のように、 当初から生物協調を目的として開発していくことは、こういった論点そのものを代えることとなり、将来広く普及していくことだと思う。
(清水建設 遠藤和雄)

資源リサイクルに向けた取組み
フライアッシュを採用することで,リサイクルの推進と同時に,コストダウンにもつながるとういうことはとてもすばらしいことだと思います.さらに,フライアッシュ以外にも,リサイクルとコストダウンにつながる材料,新工法の開発が急務であると感じました.
(西松建設 土屋光弘)

海外リポート ルーマニア コンスタンツァ港
ルーマニアが、中東欧の一大拠点港として開発を進めているコンスタンツァ港の事業概等について、革命という時代背景を踏まえ、分かりやすく説明されていると思います。
ただ、欲をいえば、コンスタンツァ港の中東欧での位置付け、積み卸し貨物の種類・方面、鉄道や運河の利用状況等について、もう少し詳しく掘り下げて欲しいと感じました。。
(中国地方整備局 増本信宏)

革命による社会主義体制の終焉という大きな社会変革を体験した人々の新たな発展に向けた動きに期待したい。各国それぞれ、社会情勢や風土は違うが 土木に携わる人々の努力には勇気付けられる思いである。
(岡山大学 平川陽介)

旧共産主義国の土木構造物施工事例の紹介ということで興味深く読めた。建設資材の手配・建設機械の安定運用・コスト管理・労働力の調達など、ルーマニアに限らず、旧共産圏書諸国や政治体制が激変した国に共通していると思われる状況が記載されており、参考とするところが多い。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

ルーマニアのこれまでの歴史と絡めてコンスタンツァ港について説明されていたため,非常に興味深く拝見しました.中でも.港と鉄道が連結されていることに関しては,交通のアクセスが効率的,合理的な施設であると感じました.これからも,学会誌において日本にもあまり例のない海外の土木施設が紹介されることを期待しています.
(室蘭工業大学 菅野昌生)

ルーマニアという、日本では馴染みのうすい東欧の国での港湾の重点整備事例紹介がされていて、非常に興味深かった。国内の港湾貨物の70%を取り扱っており、またバース全体に鉄道の連携が徹底されていることからも、このコンスタンツァ港がルーマニア国としてかなり重要な社会資本基盤であることが読み取れる。今回の南港整備事業が日本の円借款で行われるということだが、ルーマニア国内の主要港湾に対する日本の資本と技術の活用をきっかけとして、良好な国際関係にまで発展することを期待する。
(苫田ダム工事事務所 尾崎精一)

土木紀行 三角西港
明治時代の土木構造物には,いわゆるお雇い外国人技術者の英知が込められている.しかし,お雇い外国人も万全ではない.記事にもあるように,明治三大築港のうち,三国港は土砂の堆積に悩まされた上に激しい波浪で破壊し,野蒜港は台風で破壊した.そんな背景から,明治の外国人技術者が日本の風土を学び,日本に適したものを作るべく挑戦していった過程が,三角港の建設に濃縮されていることを感じられた.このことは,「外からみる土木 第5回 映画編『映画監督が語る土木の魅力』」で田部監督が「土木に秘められた魅力」で述べている八田與一やファン・ドールンの業績とも通じるものではないか.
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

先達の足跡をたどるこのような記事は、いつも非常に楽しく読ませて貰っている。このような形で紹介して貰わなければ、もしかしたら生涯知ることの無かった構造物やまつわるエピソードを知るという事も楽しいが、時間が経過して、生活空間の一部となっている構造物や、全体的な街並みの写真を見ると、土木構造物の寿命や人々の生活に与える影響が感じられ、土木技術者として、仕事のやりがいを覚える事ができる。
(関西電力 松本明男)

何気なく訪れたら特に気に留めることのないであろう穏やかな港町。どんな土木構造物にも背景や歴史があるということに改めて気付かされた。今回の記事では、港湾整備に至る経緯、当時の社会的背景、土木技術者の取り組み、さらに現状まで詳細に解説されており、折をみてこの地を訪れたいと思うほど興味をそそられた。また、今回の記事は筆者の流れるような文章の美しさもあいなって惹きこまれるように読ませて頂いた。
(京都大学 菊本 統)

緑 森が水を養う 森林の公益的機能の限界と可能性
非常に興味深く記事を拝見しました。森林の管理は、自然の流れを「模倣」しながら・・・というのは、我々分かっているようでこのように言葉で改めて書かれると、はっと気づかされるといった気がします。
(匿名希望)

最近は、「ダム」が環境破壊の代名詞的扱いを受けており、代替機能として森林保全を言われる事が多い。森林の機能については、漠然と「水源涵養に役立つ」というイメージを持っているにすぎなかったが、本報告によって、その機能の限界や可能性の端緒に触れる事が出来た様に思う。土木技術者としては、どうしても工事実施に際して自然改変を伴う以上、今後はこういう知識を正確に知っておくことが、非常に重要となってくると思われる。
(関西電力 松本明男)

昨今の森林機能論、保有林制度の歴史的意義等について、グラフ等を入れながらわかりやすく説明された記事でした。  記事中に、現在の森林の機能論は、細かな林分単位の施業(間伐等)による応答を検討していないとありました。東京都でも土木の現場における間伐材利用の検討・試行を進めているところですが、この施業が与えるプラス効果を科学的に証明し、間伐材の性能等を、広く土木業界にアピールすることができれば、間伐材利用がもっと推進されるのではないか、延いては、林業振興の一助となるのではないかと思います。
(東京都 浅井重政)

最近話題になっているダム建設と森林の役割との関係について重要な視点を明らかにしてくれたが、文章の表現をもう少し平易にした方が一般の方も含めて多くの理解を得られたのではないだろうか。
(山口大学 樋口隆哉)

森林の役割という現段階において不確定要素を含んだ評価に対して,様々な具体例を挙げその問題点,今後の考え方が述べられてあり大変興味深く拝読させていただきました.自然といった不確定要素を含んだ分野では,その不確定性から具体的な判断基準を与えることが難しいと考えられる.評価項目の定量的把握の重要性について改めて考えさせられた.
(大阪大学 谷本泰雄)

森林の評価というのは完全に農学部の分野となっており、土木の分野がほとんど足を踏み入れていない分野であろう。しかし、森林の定量的な評価ということになると農学的な観測第一の研究手法と土木的なシミュレーションの技術の両方が必要となってくるであろう。もっと土木の分野の人も森林の中に入ってきて調査を行ってもよいのではないだろうか。
(京都大学 木下篤彦)

このような観点からの森林の公益的機能についての議論は,専門外の私にとっては始めて目にするものであり,森林機能評価についての考えを大きく改めさせられました.私自身,著者の言う「妄想」にとりつかれていたようです.同様な「妄想」は多くの自然再生事業にもあるような気がします.機会があれば,様々な「妄想」についての記事を掲載して頂けると幸いです.
(国土技術政策総合研究所 岡田知也)

森林万能論への問題提起、特に緑のダム構想の問題点を理解することが出来た。人間に対して無条件に役立つものとして、森林を感覚的にしかとらえていなかった自分を反省した。ただ、森林の漁獲高への影響についても、サケの事例で否定されているが、魚介類ではどうなのか、最近漁師が植林へ積極的な参加をしているという(これは環境の連関を意識した市民レベルでの活動という点で画期的な出来事だと思っているが)報道をいくつか聞くにつれて、もう少しその面の話が聞きたいと思った。
(前田建設工業 島田敬次)

「多くの議論が本来すべき科学論や技術論から逸脱して,政治的道具に使われることを危惧している」という言葉には,非常に共感しました.情報化が進展し,多くの議論がとびかう現代にこそ,「幻想論ではない科学的データに立脚した」議論に基づいた政治が行われることを願います.
(信州大学 豊田政史)

外からみる土木 映画編 映画監督が語る土木の魅力
監督は「土木事業は人類のためと素直に言えるものがあるんです。」とおっしゃっています。でも、現実の土木は「近年の土木事業はあまりにも巨大で大きなお金が動いているために一般の人々が理解できる範囲を超えてしまっている。」とも続けられています。昔から土木は巨大なものもありこの言葉のとおりだとは思わないのですが、理解できる範囲を超えてしまっているといのは一般の人だけでなく、土木屋も同じ状況だと思います。土木も各々が専門化してしまい、総合的に物を見れなくなったり作れなくなったりしています。土木のもつ影響力の大きさを考えても、土木事業を大枠で理解できる人が必要で、その人から「土木事業は人類のため、人間のため」という志が伝わってくればその土木事業は、安易な合意形成の手法を用いなくても立派に後世への最大の遺物足り得ると思います。
(大阪府 岡田敏男)

私は,田部監督の土木の映画を見たことがありませんが,土木に全く関係のない人が監督の映画を見たらどう感じるでしょうか.土木に対する見方が変わるのではないでしょうか.映画を観た人の意見も聞きたいと思いました.
(信州大学 河村 隆)

土木分野が対象とするものは非常に多岐に渡るため,他分野との接点が多く生まれ,他分野からの観点を踏まえた多角的な検討が必要となる.”外から見る土木”シリーズでは,科学,医学,金融工学など,一見して土木とはなじみが薄い分野からの意見・指摘があり,大変興味深く読むことができ,また,非常に勉強になる連載であった.”外から見る土木”シリーズは,今回で連載終了とのことであるが,今後もまた他分野から見た土木についての記事が掲載されることを期待しています.
(北海道大学大学院 迫井裕樹)

5回で終わってしまうのは本当に惜しい内容でした。特に今回はあらためて土木を学習し始めた頃を思い出すことができました。スタートは土木の歴史の勉強だったと記憶しております。目先の土木の業務だけでなく、時々ふと一歩引いた形で、土木を見つめる時間を持つ必要があるのではないでしょうか?「石刎」や「鼻ぐり井出」等語句説明もあり、親切な点もすばらしいと思います。
(国際建設技術協会 安永 良)

今回で終了した企画「外からみる土木」は、自らが身を置く土木という分野を客観的に見直すことができる大変良い企画でした。是非、第2段をお願いしたいと思います。
(東京都 浅井重政)

土木と映画がどのようにつながるのか記事を見るまではピンと来なかったが、田部監督の言葉から、土木構造物そのものよりもその背後にある人間くささが重要であり、人々を引きつけるものであるということを教えられた。また、最後に述べられていた土木技術者へのメッセージには重要な視点が含まれていると感じた。本シリーズは土木を外の視点から見直すためのいい機会となり、多くの貴重な意見が得られたのではないだろうか。
(山口大学 樋口隆哉)

インタビューの中にもあったように土木構造物は見ただけではその魅力が伝わらない部分もある.しかしながら,構造物が計画されるに至る過程,問題点解決のために用いられた技術,竣工後の様々な変化をも含めて考えたとき,他のものにはない奥深い魅力を与えてくれる.こういった技術・魅力といったものを如何に今後の技術等に応用していくのか.土木遺産の保存の意義とは,単に保存していくのではなく,こういった部分からの保存が重要になるのではないかと感じた.
(大阪大学 谷本泰雄)

「外からみる土木」ですが、色々な人からの意見が聞けるのでいつも興味深く読ませて頂きました。今回、終了を迎えましたが、非常に残念です。
(東亜建設工業 宮坂尚樹)

「土木には”華”がない」「一般人にはなにがすごいんだかよくわからない」という監督の言葉に納得した.私自身,これまで,いくつかの建設現場を見学に行ったが,大学に入りたてで技術的知識が無かった頃は,現場をみても「ふーん,それで?」という感じが強かった.土木技術者の仕事やその魅力を一般の人に理解してもらうためには,単にいいものを造るだけでなく,その歴史的背景や技術的知識を知ってもらう機会を積極的につくる必要があるといえる.
(京都大学 中島伸一郎)

土木に関連するが分野の異なる人々から土木を見るという視点が非常に興味深く、毎号楽しみに読ませて頂いた。今回の記事では、「土木技術者は科学技術を過信してはならない」という言葉が印象的であった。ただ、記事で述べられたように土木技術者が自然への畏敬を持つことの重要性を痛感するとともに、また一方で科学技術を発展させるためのたゆまぬ努力も重要だと思った。
(京都大学 菊本 統)

私も大学の講義で明治時代に活躍した土木技術者の話を聞いたことがあります。私と同じような年齢で、数々の土木事業に携わり、現在でも使われているものもあるわけですから、確かに彼らの偉業はすばらしいと思います。しかし、明治時代だけでなく現在の土木技術者の方々も、人類のため、人間のため、という思いを持っていると思います。これから私も、そのような気概を持ち、それを胸を張って言えるような仕事をしていきたいと思いました。
(東京大学 中西雅通)

「今回は映画監督か!」と人選のうまさに感心しました.この企画が今回で終了 するのは非常に惜しいです.
(国土技術政策総合研究所 岡田知也)

5回の取材を通じて「土木が要求される範囲の広さ」を実感し、おもしろく拝読させていただいた。最終回となった本稿では、大河津分水可動堰を例にした田部監督の「土木構造物の“すごさ”を理解するためには、周辺の過去の歴史的背景、技術的な理解が必要」と言われたことに共感を覚えた。土木事業は、その地域のこれからの風土を造ることであり、過去の「風土」を理解しなければ地域が受け入れてくれる、地域に根付いた土木構造物とはならないことを改めて痛感した。
(前田建設工業 高橋和夫)

「土木」という言葉が持つイメージは悪いとよく言われている。しかし、人気番 組「プロジェクトX」の内容は土木をテーマにしたものが少なくない。人間は与えら れた表現次第で、感じるイメージが違ってくるのだ。土木をテーマにした映画で、多 くの人に土木の魅力を感じて欲しいと思う。
(清水建設 遠藤和雄)

土木とコミュニケーション 体感してみよう! ファシリテータって何者?
竹迫さんが、大学時代に「自分が学びたい内容と環境を伴った授業という「場」を自ら作り出す力、を意識して勉強されていたことに感心しました。自分が学生だった頃のことを思い返すと、自分も周囲も受け身に収支していたように思います。その時の自分に何が必要で何が欠けているのかを見いだしながら学ばれていたのだろうと想像し、自分にもそんな姿勢が必要であると反省しましたし認識を新たにしました。ファシリテーターという言葉にはなじみがありませんが、これからの社会には重要な役割であると思います。日本人は、他人と異なる意見を、なかなか積極的に主張できずつい多数派に流れてしまったり、少数意見や奇抜な意見を持つ者が、肩身の狭い思いをする場面が多いと思います。そうではなくて、他人を認めて、合意形成を図っていくことがこれからの世の中、どのような場面においても不可欠であろうと思います。竹迫さんの「自分を他人に評価してもらうことは大切」という言葉もとても印象に残りました。
(匿名希望)

住民参画という言葉を最近よく耳にしますが、実際の現場では、都市計画や事業認可の段階で大まかな諸元が決まっていて、工事発注時の地元説明では、施設そのものについて議論になることはありませんというか、意識するしないにかかわらず、説明する側もされる側も避けています。その結果、説明会は工事による影響や取り付けなどの細かいことが中心の工事説明会となっています。この段階でファシリテーターに活躍してもらって合意形成を行っても、現行の施設計画を変更できる可能性は少なく、せいぜい仮設の方法を少し変える程度です。ファシリテーターが活躍し効果が上がるのは、川上にあたる計画を論議する時です。しかし、計画段階での住民参画がなぜ普及しないのかということを掘り下げてみる必要があると思います。
(大阪府 岡田敏男)

土木事業には,住民との協調が必要ですが,事業者と住民とを仲介してコミュニケーションを図り,より深い理解から納得のいく結論を導き出すことを手助けする「ファシリテーター」の存在を始めて知りました.まだまだ新しい仕事で,しかも仲介者であり翻訳家みたいな存在ですから,目立つことのない地味な存在かも知れません.でも,相互理解のために必要な存在になっているとのこと.こういった新しい分野の活躍に期待したいものです.
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

ファシリテーターという言葉を聞くのは初めてですが、記事を読んでみると「パブリックインボルブメントの場で、KJ法を使っている」というイメージを受けました。ただ、それだけで職業になるものなのかな?という疑問を持ちました。私も会社でKJ法の研修を受けましたが一度覚えればあとは自分たちでできるものと感じました。従って各行政、企業等の説明する側に研修をして回ったらそれでおしまいであとは自分達で進める、のだろう。ただの研修会社かな?というイメージを抱くだけの記事でした。
(東洋エンジニアリング 菅原紳二)

学生のページはいつも楽しみにしています。それは多分、他の土木関係の専門紙にはない広場であり、新鮮な感覚の切り口であり、内容もストレートに伝わるものだからだと思います。特に学生編集委員の短い感想には、ときどきハッとさせられることがあります。「学生のページ」と言うことより、「(我々社会人への)学生からのページ」のほうがタイトルとして適しているかも知れませんね。学生編集委員の皆さん、これからもがんばってください。
(清水建設 入江正樹)

「ファシリテータ」という耳新しい職種について、具体的に業務事例を紹介するなどとてもわかりやすく説明されており、大変面白い記事である。ファシリテーターの方の、学生時代のどのような体験が今現在役立っていると考えているかなどの記載もあり、学生にぜひ読んでほしい一編である。
記事中でファシリテータの方が言われているとおり、ファシリテーターの社会的地位がまだ確立していないことが最大の問題である。まちづくりに限らず、土木プロジェクト全般について、住民のみならず行政・企業を巻き込んだ”全関係者参画型”を主導することでファシリテーターの有効性が社会的に認知されるだろうが、それには行政サイドのファシリテーターに対知る認識度を高める必要がありこれが厄介である。
ファシリテーターの職務内容は、各種の情報シシテムを構築する際に用いるシステム設計・レビュー手法にも参考にする所があり、個人的にも注目する分野である。ファシリテーターの方々には今後ますますの奮闘を期待してやまない。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

国内の公共事業に関わる機会の多い土木業界ではここに書かれているPIはどうしても必要となってくることかと思います。さらにはODA(政府開発援助)でもこの種の合意形成が必要ですし、そのためのファシリテーター的役割も不可欠かと認識しております。その意味でも実際にこのように現場で活躍している人の生の意見に触れることができるのはすばらしいことと思います。PIについては現在土木関係でどのように扱われているのか、またこのようなファシリテーターの存在について土木の世界ではどうなっているのか興味が湧いてきます。
(国際建設技術協会 安永 良)

「ファシリテーター」の役割について,実際に学生編集委員の方々がファシリテーターを交えて議論してみせた部分が,具体的で非常にわかりやすく感じました.ただ,残念なことに,この記事で用いられている写真の解像度が悪いため,実際にファシリテートしている状況が今ひとつ伝わってこなかったような気がします.掲載する写真に対しても,読者が見てわかりやすいように気遣うべきではないでしょうか.
(室蘭工業大学 菅野昌生)

ファシリテーターとして活躍している竹迫さんの率直な話が聞けてよかった。彼女の信念を持って取り組んでいる様子が強く感じられた。ただ、一部の写真の画像が悪く気になった。
(西武建設 三村 卓)

“外からみる土木”を終えるにあたって
“外からみる土木”シリーズを通じて、土木に対する様々な客観的意見を知り得ることができ、とても有意義な企画であったと思う。また、相互の協力及び連携の必要性を強く感じた。土木の持つイメージは改善されつつあるが、未だ閉鎖的な部分も残っている。したがって、様々な分野と交流することで「土木」を知ってもらい、理解を得ることが大切であろう。今回でこのシリーズは終了するとのことだが、今後の「学生のページ」の新企画を楽しみにしています。
(西武建設 辻田陽一郎)

話の広場
国土地理院からの二本の投稿記事で、土木の基礎となる測量について詳しく述べられいます。でも、測量に関する記事ということで1つの記事にまとめて、その概要を示すことでも良かったと思います。また、実際の計画図面(たとえば都市計画)や工事図面にどういう影響があるのか例をあげていただけるとイメージが沸くと思います。
(大阪府 岡田敏男)

両稿とも,2001年6月の測量法,水路業務法の改正に伴う日本測地系から世界測地系への移行の影響を述べたものである.前者は主に標高表示に関して,後者は位置表示に関して説明している.測地系の変更そのものは,土木に携わる者にとっては周知の事実であろうが,具体的に何が変更されたのか,あるいは,国土の姿の表記方法が実際どのように変化するのかに関して,そのイメージを想像することが困難な方も多いのではないだろうか.両稿は,こうした疑問に対する分かりやすい回答を与えている.私にとっても,空間的に系統的な標高差が生じること,1/200000以下の大縮尺の地図において見かけ上の違いが生じること等が大変興味深かった.世界規準への規格統一により,インフラのためのインフラである国土空間情報の効用が,より一層高まって行くことを期待したい.
(東京工業大学 福田大輔)

全国の水準点の高さ(標高)が変わりました
我が国の基準面の歴史や、今回の水準点標高の改定等について、説明された記事でした。
学生のときは、実際に水準を利用する機会はあまりありませんでしたが、社会人となってからは、仕事で利用する機会が格段に増えました。
しかし、利用するようになった後、その原点の歴史を改めて知る機会がなかったので、今回、この記事で紹介していただいて良かったです。
また、水準点標高の改定に伴う新旧の標高比較の考察も、図示とわかりやすい説明で大変興味深かったです。
(東京都 浅井重政)

恥ずかしい話ですが,水準点の変更があるという情報を知りませんでした.
(西松建設 土屋光弘)

かわる日本の位置の表示
世界測地系に変更されたことは知っていたが、内容についてはあまり知らなかったので、実際に変更されることでどういった事に不具合が生じて変更していかなければいけないか等分かりやすかった。
(東亜建設工業 宮坂尚樹)

委員会報告 土木のデザイン
黒く汚れた無表情のコンクリート擁壁は近寄りがたく,高架橋のごつごつした橋脚は近寄る者を威圧しているように感じます。道路上を占用している電柱や道路の上空を容赦なく張り巡らされた架空線が路地裏から空を奪い,日々の生活の舞台である街を醜くしたように,土木構造物が年月とともに薄汚れ,街の景観にダメージを与え続けるのではないか心配されます。建築物はデザインされ,化粧を施すのが当たり前なのに,同じく街中にありながら,土木構造物の多くが無表情で無骨であり,そばに寄ると冷たく感じられます。篠原教授が指摘されているように,シビルエンジニアがデザインを誤解し,放棄した結果だと思います。土木のデザインは利用者だけに対してではなく,地域とそこに住む人たちに対する思いやりの心を形にすることだと思います。文中に紹介されていたアウトバーンの建設理念を肝に銘じ,丁寧に心を込めて土木をデザインしたいものです。
(東京コンサルタンツ 今度充之)

本記事を読んで、土木技術者が「デザイン」に対して考慮すべき事項を再確認した。デザインが土木と全く無縁な概念であると考える土木エンジニアが本当に存在するとしたら、私個人としては「驚き」以外の何者でもない。むしろ、そのようなエンジニアを生み出す環境が問題であり、大学教育の段階から土木とデザインとのかかわりについて論じるなど抜本的に思想変革が必要であろう。
なお、記事中に「土木におけるデザインは流行を追い求めるファッションにあらず」との記載があったが、逆転の発想で、流行を創造するくらいの斬新なデザインを土木に対して要求したい。ただし、前提となる安全性・機能性を考慮するとこれは至難であり、センスと技術を兼ね備えたエンジニアを育成することが重要である。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

土木学会第88回総会特別講演 曲がり角に立つ大学土木教育
アメリカの大学で,不正行為に対する宣誓文を書くというのを読んで,すごいことだと感心しました.試験時の不正行為自体はそんなに大したことではないですが,そういう行為をしようと考える人間性に問題があると思います.近年,学力低下・創造性の欠如などが叫ばれていますが,そんなことよりも,「倫理観」をきっちりと身につけた人間を世の中に送り込むことが大学教育の大きな使命であると思います.
(信州大学 豊田政史)

学会誌全般へのご意見、編集委員会への要望等
毎月、「つまらなかった記事」を選んで意見を書くことに苦心しています。自分の専門外で、初めて目にする話題は、興味がないと思うものでもそれなりに勉強になります。ですから、つまらなかったという言葉が何だか申し訳ないような気持ちになってしまいます。
(匿名希望)

美しい図,写真が学会誌のイメージアップに貢献していると思いますが,残念ながら,今月号では不鮮明さが少々気になる写真がいくつか有りました。これはデータ処理の際の解像度が問題なのでしょうか。受付の時点で確認されることを望みます。
(東京コンサルタンツ 今度充之)

学会誌に掲載される写真に,デジタルカメラの弊害を強く感じます.鑑賞に堪えるだけの画質を確保して欲しいものです.
(港湾空港技術研究所 渡部要一)

モニターの回答の期間ですが、先月はいくつかの仕事が集中してしまったため回答を送付できず、今回もぎりぎりになってしまいました。もう少し時間的な余裕があると回答できないという事態は避けられると思うのですが何とかならないでしょうか?
(東洋エンジニアリング 菅原紳二)

本誌「外から見る土木 映画編」を見て思ったのですが、過去に製作された記録映画などの土木に関わる映画を取り上げ、連載を組んでみたらどうでしょうか?
(今思いつくだけでも、「佐久間ダム」や「超高層のあけぼの」(霞ヶ関ビル)、「海峡」(青函トンネル)などがあります)
映画は製作当時の世相を反映したものになるので、土木あるいは土木構造物に対する社会的位置付けを再認識する機会になるかもしれません。
(ダイヤコンサルタント 宮口直巳)

毎回大変興味深い特集が組まれており、楽しく読ませていただいております。今後も引き続き期待しております。
(国際建設技術協会 安永 良)

学会誌を受け取ってからモニターの回答を提出するまでに実質2週間強しかなく、じっくり読めないままに回答を提出しなければならないのが残念です。
(山口大学 樋口隆哉)

土木学会への意見。「脱ダム宣言」「緑のダム構想」についてはマスコミの演出もあり,比較的多くの方々がこれらを無条件に正しいものと認識されているように思われます.「森林の公益的機能の限界と可能性」のような記事を学会員以外にも公開できれば,これらの方々にとっても貴重な判断材料になるかと思われます.
(電源開発 川ア昌三)

学会誌への意見要望というわけでないのですが,全国大会の聴講のみの参加登録について意見を申し上げます. 今大会では,開催地が北海道ということで私の大学から比較的近いため,私の研究室では発表を伴わない学生も聴講者として参加する予定となっています.しかし,聴講のみの登録料が8400円もかかることを知り,割高感を覚えました.学生員だけでも登録料をより低額に設定することで,学生の教育の場としての意味合いも大きくなり,また土木学会員の増加も見込まれ,学会自体もより発展することができるのではないのでしょうか.
(室蘭工業大学 菅野昌生)

土木学会誌をぱっと見て思うこと、それは写真、図などがすごくきれい。編集委員の方々の苦労はものすごいものだと推察致します。これからもよりよい土木学会誌のために頑張ってください。
(京都大学 木下篤彦)

編集委員会より読者の皆様へ
8月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答です。以下に掲載した他に多くの企画提案および表記の改善提案をいただきありがとうございました。これらのご意見については個々に回答はいたしませんが、編集委員会で検討させていただき、今後の土木学会誌に生かして行きたいと考えております。


【ご意見・ご要望】
雑誌の構成に明るくないのですが、8月号は目次や本編の前に「新土木図書館・会館」関係の記事があり、目次の場所が分かりにくかったこと、また、ページ番号が本編と重複していることが奇異に感じられました。「新土木図書館・会館」を本編から外す必要はないと思うのですが。

【編集委員会からの回答】
この記事は、学会にとっての重要な記事なので、関係者からも一番先頭にと指示を受けておりました。その際、当初は、用紙を色紙にして目立つようにすることを考えておりましたが、工程上、色紙を使うと時間がかかることから、やむを得ず本文と同じ用紙を用いました。その結果、本文との区別がわかりにくくなってしまいました。
ページ番号は、本文と異なるフォントを用いて区別したのですが、これも、違いがあまり目立たず、当初のあてがはずれた仕上がりになってしまいました。今後、このような取扱いをする際には注意して参ります。


【ご意見・ご要望など】
土木学会ホームページから、学会図書館の蔵書を検索できないのでしょうか。

【編集委員会からの回答】
現在でも、土木学会のホームページの「土木図書館」の中に「目録・書誌検索」のページがあり、そこで検索が可能です。ご利用下さい。


【ご意見・ご要望など】
学会誌8月号のモニター欄に「句読点に。と、をつかうべき」という意見が掲載されていましたが、私も同感です。日本語の良い点は、ぱっと見ただけで、漢字の位置や句読点の位置から文の構成を即座に把握できるところです。しかし土木学会誌で使われている「.」は、ぱっと見ただけでは認識し難いのです。このことは、ある程度の速読を心がけている私には非常にもどかしく思います。地盤工学会誌「土と基礎」では。と,を使っています。土木学会誌よりも読みやすいと思います。是非ご一考いただきたく思います。(投稿) 

【編集委員会からの回答】
ご指摘の8月号掲載のご意見につきましては、学会のホームページで、次のようにお答えしております。今回、再び同様のご意見があったことを考慮して検討して参ります。
(学会ホームページに掲載のお答え)
ご指摘の句読点の形や大きさの変更は、校正や印刷会社のフォント等の関係から早急な対応は困難と考えております。しかしながら、現在、土木学会では来年の1月号から学会誌の体裁をリニューアルすることを検討しておりますので、句読点についてもより読みやすい観点から検討して行きたいと考えております。


【ご意見・ご要望など】
各記事の1ページ目の端に縦書きで彩色された見出しが付けられていますが、この見出しの色を反映させて目次を作成すると、目当ての記事がより探しやすくなると思います。

【編集委員会からの回答】
おもしろいご提案、ありがとうございます。今後、レイアウトを変更する際に参考にさせていただきます。


【ご意見・ご要望など】
常々感じているのですが、土木学会誌には最新の工法や設計法に関する記事が少なすぎる様に思います。何を同考えるかと言う内容に対するさらっとした記事が多く、(それも大事ではあるものの)役に立たないきらいが強いと感じます。学生のための留学情報(土木関係の留学コースなどがあれば)や語学講座などを取り上げてほしいです。
これからの都市の地下活用のように一つのタイトルで網羅的にかつ切り口を法律的分析、社会学的分析及び技術的分析等からの多面的に行い意見を述べる企画はおもしろく興味深いものでした。できれば、後日違うタイトルでの企画を期待します。

【編集委員会からの回答】
ご提案ありがとうございます。今後、特集などの企画の際に参考にさせていただきます。



←戻る