土木学会誌11月号モニター回答
特集 水資源は大丈夫?

 水資源の開発・管理に携わる者として今回の特集は大変興味あるものでした。水資源はその水利権等の複雑さから、一般の人からは非常にわかりづらいものと日頃から感じており、このような特集を組んでもらうことは、大変ありがたいと思います。また、ダム等の水資源施設の開発はそのコストの高さ、事業の長期化、環境問題等から、ここ数年、公共事業問題の主たるものとして、話題となっていますが、その効果や既設施設の管理の実態などはあまり論じられるケースが少ないと感じてます。今後、水資源の問題を論じる場合は、その複雑さを明確にし、1つの水循環の中での既設施設、開発中の施設の位置づけを正確にする必要があり、そうゆう観点でのレポートを今後、期待します。
(水資源開発公団 塚本 守)

 今回の特集大変興味深く拝読しました。水資源問題が全体的に解かり易く、まとめてあったと思います。後半にQ&A方式を採用して有る事も、大いに貢献している様です。特集を企画された方々ご苦労さんでした。
・ペットボトルの普及に驚きましたが、転勤族で東京、神戸、北九州、等で生活し毎日水と付き合いますと、良く理解できます。最近、健康面より硬度の高い水が多く、愛用されていると知り驚きました。
・水資源の経済学も大変面白く読ましてもらいました。
・水の再利用、海水の淡水化、雨水利用、地下ダム興味深く書かれています。
・給水拒否裁判も充分理解できます。
・漏水防止対策での都の御苦労、戦後の80%から今日の7.6%までの低減に対する努力に頭が下がります。
・水利権の再配分記述の難しいところですが農業用水が9割を維持すること事態、無理が有るように思います、今後のコンセンサスを得ることが、大変な作業ですね。
(日本海洋コンサルタント梶@片岡真二)

 水資源に対して、あらゆる側面からの解説がなされており、特に、Q&Aの内容は、具体的な数字での回答で、水にかかわる土木事業の必要性がよく理解できるものでした。それにしても、昭和20年の都の漏水率が80%には驚きました。 飲料水について思うことですが、最近、子供が公園内にある飲料水を飲もうとすると、母親がおなかが痛くなるからやめなさいと制止する光景をよく見かけます。日本では、子供が公園内の水を所謂“タダ”で“ガブガブ”飲み、走り回っている姿は今後とも見ていきたいと思います。飲料水とその他の生活用水の区別を定着させると共に、飲料水に対する安全性を更に高め、雨水利用や再利用の技術開発を進めていく必要性があると思う。
(ジオスター株式会社 田中 秀樹)

 海水の淡水化や地下ダム、人工降雨など、水資源確保のためのさまざまな技術が紹介されていた。実際にそのような技術を駆使しないと水資源を確保することが難しい状態になっているということであろう。21世紀は石油をめぐる争いが水をめぐる争いになると言われている中で、私たちの水資源に対する危機感というものが低いように感じた。
(大成建設 古池章紀)

 海外での生活を経験すると,日本では何ら問題なく水道水を直接飲むことができ,大変幸せであると思う。渇水がなければ不自由なくその水を種々の生活水としても利用している。環境問題等でダムなどの建設が難しくなっている昨今を考えると,水の大切さをすべての人が理解すべきと思われる。また,おいしい水を飲みたい人は,ミネラルウォーターやナチュラルウォーターを求めればいいのではないかと思われる。
 いずれにしても土木学会員以外の人たちにも水資源の大切さを理解してもらえるように技術的問題を含め検討すべき時期を迎えていると思われる。この特集がそれに向けても発展することを期待している。
(福山大学 梅田眞三郎)

 今回の特集記事は多方面からの色々な話題で構成されていて良かったと思う。一つ一つの記事をもう少し長く、内容を掘り下げて欲しい感もあったが、今まで知り得なかった水資源に関わる様々な対策が紹介されていたので大変参考になった。
(東京工業大学 渡辺倫樹)

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