土木学会誌10月号モニター回答
特集1 建設・エンジニアリング産業のグローバル化

 世界経済のグローバル化の波及が、国内建設市場へ及ぼす影響を、我が国の社会経済システム、市場開放にともなう建設技術体系の変化など、さまざまな視点から整理されていて、建設市場の将来をあらためて考えさせられた興味深い特集だった。自動車・電子機器などの身近な産業では、以前から技術者資格などの国際基準をはじめとするグローバルスタンダード化が議論されていたが、いよいよ建設業界も市場開放に対する具体的な対処方法を考えなければならない時期にきたことを認識した。さらに、わが国の自動車・電子機器産業のもつ強い国際競争力と異なり、建設業界では、市場の国際化に向けて改善しなければならない点がさまざまあり、より深刻であることがわかった。長期的に公共事業が減少するとされるなかでの建設業界のグローバル化と市場開放に対し、教育機関では、学生をどのように集め、教育していけばよいのか、真剣に考えなければならない。建設市場での国際競争力の大きな要因として「情報技術」ががたびたび出てくるが、「情報技術」の具体的活用法について興味深いので、もう少し大きく取り上げていただければと感じた。
(長野工業高等専門学校 柳沢吉保)

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