土木学会誌10月号モニター回答
建設業の国際化

 「これからの10年弱の期間が,最後の機会かとも考える」という言葉に重みを感じた。日本企業が国際的にも生き残れるための変革の時間はあまり長くない。今後勝ち残って行くためには,企業,個人ともにどれだけ危機感を持てるか,だと感じさせられた。
(東京大学大学院 細田 暁)

 「建設業の国際化の方策−情報の発信」として英語で発表する努力が必要であると述べられていますが同感します。海外プロジェクトにおいて、日本人以外の顧客に対して採用した設計の裏付けとなる研究報告や、あるいは施工実績を説明するにあたって、英文で書かれていないために、どうしても海外の文献等を検索せざるを得ないことがあり、日本のすぐれた技術や研究成果を実設計や実工事に反映するためも必要なことと感じます。
(千代田化工建設 工藤正一)

 論説の本旨からは少し外れるのかも知れないが、大学の課程における第二外国語履修の必要性への疑問を指摘されていて、なるほどと思います。「英語すら出来ないにもかかわらず」とあるのは、必ずしも他のカリキュラムに責任がある話ではないとは思いますが、英語だけに特化してでも英語力の強化を、とのご意見には賛成です。本来大切なことは、英語の教育ということでなく、国際社会でのコミュニケーション能力の向上にあるのでしょうから、そうした視点で英語の講義ではなく、大学生活全般の中でこの能力が高まるような仕組み作りが大切ではないだろうかと考えさせられます。
(伊戸川環境総合企画  伊戸川善郎)

 現在、日本の建設業界は不況のどん底にあるのではないか。日本全体が不況と言われるなか、際立って悪い業界に入ると考えられる。建設技術の水準が低いために国際競争力が低く、グローバルスタンダードに達していないのならまだしも、技術力が相当高いことは国際的に自明なことであると考えられる。近年、景気低迷による民需の低下や公共事業批判の荒波により、国内の建設業界は冷え切っているが、これは国内のことに過ぎないということを本文により再認識させられた。世界に目を向ければ、日本の建設技術を必要としているところはどこにでもある。そんなことを考えさせてくれる内容である。冷え切った日本の建設市場を海外の建設業会に開放し、逆に海外の建設市場を信頼の高い技術力で勝ち取って、日本の建設業界の浮上を目指していかなければならないと実感した。
(日本鉄道建設公団東京支社調査課  依田淳一)

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