土木学会誌9月号モニター回答
なぜいま「2000年仙台宣言」か

 このような宣言が,どのような過程を経てできあがるものなのか,過去の事例を知らないが,今回の宣言については宣言(案)となっていることが自分にとっては興味深かった。宣言(案)を出す時点ですでに相当議論が重ねられており,宣言(案)に対して多くの意見を受けることを学会は表明している。最終的な宣言ができるときには,意識のある学会員はその内容を熟知しており,真に学会の宣言である,ということができると思う。宣言の戦略の奥深さが強く感じられた。
(東京大学大学院 細田 暁)

 社会資本整備に大きく係わる土木部門への風当たりは強い。公共事業の休止・中止も日常、新聞・テレビで報道されている。土木技術者の一人として興味深く又一部悔しい思いで注視している所である。確かに一部手抜き工事等により著しく問題を生じているものもある。しかし、それはほんのわずかな部分であると思う。それを誇大報道され致命的な欠陥として国民に認識され、全てがそういったやり方をしていると誤解されていれば残念である。多分野においても同様な事はある。また、公共事業不要論が幅を利かせているが、行政サイドからすれば長期的な展望から今すぐには不要かも知れないが現時点から事業を進めておく必要もある。つまり、現在当たり前の生活が出来るのは、こういった施策を今までに実施してきた結果より得られたものであることを忘れているのではないか。この辺の議論が重要であると思う。三原山の噴火の様に何かあれば全員が避難すればよいといった考え方・計画では住民(地元民)は納得できないのではないかと思う。
(中電技術コンサルタント(株)  佐々並敏明)

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