土木学会誌5月号モニター回答

縮小する「土木」 ―胎動する「新土木」―

 「岐路に立つ大学教育」は、我が国の大学における土木系学科が今後直面するであろう問題に対して正面から取組んだ、読み応えがある素晴らしい特集だったと思う。特に、標記の記事は今後の方向性を提言するもので興味深かった。ついては、今後の日本の大学土木を検討するに当たって、米国の大学における土木系学科が過去どのように変革してきたかを調査することは有益だと考える。すなわち、大学院学生の大幅増員、修士課程のプロフェッショナルスクール化、研究の博士課程とポスドク重視、外国人大学院留学生の大量受入れ、Dept. of Civil EngineeringからDept of Civil and Environmental Engineeringへの改名、トップの研究大学から職業訓練大学までのスペクトルの拡大化、情報、経営、マネジメントへの進出などである。恐らく、日本では米国のようなトップダウン方式ではなく、ボトムアップ方式になるだろうから、底辺の意識改革を促進するために、この特集のようなPR活動が尚一層必要となると思われる。
(室蘭工業大学 矢吹信喜)
←戻る