土木学会誌11月号モニター回答

この本
科学技術者の理論 その考え方と事例


 毎号この記事が掲載されていますが、土木学会誌には必要と思われません。来年度の編集において、ぜひ御検討願いたいと思います。
(大林組 上垣義明)


 トンネル崩落事故,H2ロケットの打ち上げ失敗,核燃料施設の臨界事故と,科学技術の根底を揺さぶるような事故が相次いでいる。このままでは,技術者の常識と世間の常識が乖離しているのではないか,と思われても仕方がない状況にある。そもそも,日本の技術者は,雇用者や依頼者の利益を最優先してしまうきらいがある。理科教育の頽廃が叫ばれる昨今,「倫理」を軽視してしまえば,科学技術の進歩は止まってしまうであろう。
 21世紀には,クローン人間を,3K,5Kといわれる建設現場で作業させることの是非が問われるかも知れない。倫理とは,重く,面倒くさいものである。
 元々建設業界は,倫理という点で,とかくマスコミの標的にされやすい。一方で,我々は,社会資本整備の一翼を担う重要なセクターである。土木学会の倫理規定とあわせ,「技術的倫理観とは何か?」を考える上で,本書を,是非一読してみたい。なお,本の紹介という点では,倫理的判断を問われる70の事例のうち,ひとつでも紹介して欲しかった。
(戸田建設 関口高志)


 本来,土木技術者とは,高度な技術と高い倫理観を持った人のことを指すのだと思う。日々の業務に追われれば追われるほど,大事なことを忘れ,業務を「こなす」ことだけを私は考えているような気がする。自分への戒めとしても,ぜひ,机上のいつでも見えるところに置きたい一冊である。
(片平エンジニアリング 松本猛秀)

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