旧佐渡銀山

所在地:新潟県佐渡市相川北沢町2番地 MAP  新潟県佐渡市相川栄町5番地 MAP
事業者:新潟県佐渡市産業観光部観光課 新潟県佐渡市世界遺産・文化振興課 新潟県佐渡地域振興局

 

受賞者

氏名
所属(当時)
役割
矢野和之 (株式会社文化財保存計画協会 ・計画統括
川口純代 株式会社文化財保存計画協会 ・調査・計画・関係機関の調整
・現場監理(遺構保護)
南雲勝志 ナグモデザイン事務所 ・デザインコンセプト立案
・ストリートファニチュア設計
・現場監理(デザイン監修)
崎谷浩一郎 有限会社イー・エー・ユー ・デザインコンセプト立案
・広場詳細設計
・現場監理(デザイン監修)
安仁屋宗太 有限会社イー・エー・ユー ・広場詳細設計
・現場監理(デザイン監修)
篠原修 政策研究大学院大学 ・デザイン監修
新潟県教育庁文化行政課世界遺産推進登録推進室 ・調査・計画指導
文化庁文化財部記念物課 ・調査・計画指導

 

講評
 現地を訪れ、まずは、数々の産業遺産群の迫力に圧倒された。そして、いまもなおカラカラと朽ち果て続けているという眼前の時の流れに身を委ねつつ、過去の繁栄の時代に思いを馳せる空間を獲得しようとする設計者の意図は、実に控えめなデザインを指向する広場を見れば明快だ。圧倒的な時の重みに敬意を持って接しようとする謙虚な姿勢には、心から共感できる。
 ただ、ニュートラルな気持ちで歴史に向かい合いたい場所に、ノスタルジックな雰囲気やその意味を発しがちなレンガという素材が、少し主張しすぎているような感じも受けた。また、旧佐渡鉱山・北沢地区工作工場群跡地広場については、建屋が存在した痕跡がレンガ舗装の通路によって説明的に視覚化されて、来訪者の想像力をかえって削いでしまわないかなとも思った。
 設計者の真摯で丁寧な取り組みには好感が持てるが、時空を超えて場を思うための広場のデザインは、今以上にさらに控えめであってもよかったのではないだろうか?(西村)

  • photo:eau

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