はまみらいウォーク

所在地:神奈川県横浜市西区高島1丁目36番地先~高島1丁目1番地先 地図
事業者:横浜市都市整備局みなとみらい21推進課

 

受賞者

氏名
所属(当時)
役割
松井幹雄 大日本コンサルタント株式会社 景観デザイン室 室長 ・デザイン統括
・設計統括主担当
三浦 聡 大日本コンサルタント株式会社 横浜事務所 技術室 室長 ・下部工設計
池田大樹 大日本コンサルタント株式会社 景観デザイン室 主任 ・上部工設計
田村幸久 大日本コンサルタント株式会社 専務取締役 ・デザインアドバイス
黒島直一 大日本コンサルタント株式会社 景観デザイン室 主任 ・施工時のデザイン監理
大野美代子 株式会社エムアンドエムデザイン事務所 代表取締役 ・意匠設計
池上和子 株式会社エムアンドエムデザイン事務所 主任デザイナー ・意匠設計
金箱温春 金箱構造設計事務所 代表取締役 ・シェルター構造設計
中島龍興 中島龍興照明デザイン研究所 代表取締役 ・照明デザイン
横浜市都市整備局みなとみらい21推進課 ・業務運営、事業運営
横浜市都市整備局都市デザイン室 ・デザイン管理、委員会組織
横浜市道路局橋梁課 ・設計、工事管理
みなとみらい21 公共施設デザイン調整会議 ・デザイン調整

 

講評
 横浜駅の東口から通路を抜け、横浜新都心ビルの2階の公共スペースにて、はまみらいウォークのたもとに立つ。この橋は、横浜港へ注ぐ帷子川を横断し、まっすぐに日産自動車本社へ向かっている。  橋のたもとで、まず目につくのが、幅約10mの歩道橋の半分以上を覆うガラスの屋根である。ガラス屋根は、右側の高欄の外側から円筒状にカーブして、橋面を横切ってまっすぐ伸びている。円筒状のガラス面の外側には移動式の検査台が設置されており、維持管理を良く考えて設計がなされていることを期待させる。ガラスの屋根には、メッシュが入っており、直射日光が程良く遮られて橋面に落ちてくる。
 橋梁を渡り、日産自動車側の水際プロムナードに降りる。下から見た桁は、底面が円弧上で、両側にブラケットを設けた、すっきりした構造である。さらに上を見上げると、ガラス屋根の下、はまみらいウォークを渡っている人々が非常に気持ち良さそうに感じられる。はまみらいウォークは、平成21年7月21日の開通から、今年の夏で2年を経過している。(猪熊)

海に向かい開放している形状は軽快で気持ちがいい。一見さりげなく見えるのは、かなり複雑な構造解析を行いながらも、その難しさを打ち消すことに成功しているからだ。シェルターガラス上部の構造材やメンテナンス用のラダーレールは歩行者からはほとんど気づかれないよう配慮している。逆に市街地側から見ると設計者のコンセプトである「水面に浮かぶ透明チューブ」の姿を見せる。曲面ガラスが桁部まで落とし込んであるために確かにチューブに見える。利用者はかなり多いのだが、まるでその中を浮遊して歩いているようだ。この機能を伴った二つの違う魅力の見せ方が最大の特徴だ。
日産ビル側のエントランスと歩行者デッキの連続性はエレベーターも含め、実に綺麗に納まっているだけに、スカイビル側のシェルターエンドとビル側のシェルターの関係は少し残念であった。また、構造部材に白色系塗装を施しているが、経年変化や汚れを考慮するともう少しダークな色調の選択もあったのでは、と個人的には思った。(南雲)

  • photo:松井幹雄(大日本コンサルタント株式会社)

  • photo:金子俊男(写真家)

  • photo:池田大樹(大日本コンサルタント株式会社)