首都圏の代表的空港である成田空港は,滑走路の容量制約のために離着陸回数をこれ以
上増やすことができない状態にある.また,首都圏の国内航空需要を担う羽田空港に関
しても,需要の増加から,2015 年頃にはその容量の限界に達することが予測されてい
る.さらに,近隣のアジア諸国では,大規模なハブ空港の整備が進んでおり,容量制約
が大きい日本の国際空港の相対的な利便性が低下し,海外の航空会社が日本への運行を
利便性の高いこれらのハブ空港に移転することが危惧されている.私たちは首都圏の空
港容量不足を解消するための案として,中小型機を中心とした首都圏第三空港の計画と
設計を行った.新しい空港の特徴は,@国内・国際両線あり,A国際線は東・東南アジ
ア方面中心,Aターゲットはビジネス客,B需要創出型空港,Cコンパクトな空港,と
いった点である.私たちは,このようなコンセプトに基づく空港を東京湾奥に配置し,
そのフィージビリティスタディと,ターミナルやアクセス交通等の詳細設計を行った.