平成15年度 第3回 土木史研究委員会・幹事会 議事録(案)
(第4回土木史教材検討小委員会準備会)

日 時:平成16年3月4日(木)14:00〜18:00
場 所:土木学会・C会議室
出席者:為国、原口、岡田、五島、田中、知野、中井、日野の各氏
オブザーバー:中村委員長
欠席:北河氏

配布資料:
  3-1 第4回土木史教材検討小委員会準備会(土木史若手懇談会を継続)(土木史研究委員会・臨時幹事会)次第
  3-2 第2回土木史研究委員会幹事会・若手懇談会議事録(案)
  3-3 土木史教材検討小委員会の設置申請書
  3-4 平成16年度「重点研究課題(研究助成金)」申請書
  3-5 日本の鉄道計画史(為国)
  3-6 日本の港湾計画史(為国)
  3-7 道路1-近代道路技術の移入-(原口)
  3-8 その1(水道:年表)その2【技術】その3【水道関係施設】(岡田)
  3-9 「土木史図説」「年講用原稿」(五島)
  3-10 電力または電気事業(田中)
  3-11 河川改修史年表(知野)
  3-12 全国大会共通セッションテーマ
議 事:
  本幹事会は、テーマを土木史教材検討小委員会設立に関する検討およびその関連事項のみを目的として開催された。今回の会合趣旨及び中村委員長の出席を確認し、座長を為国(小委員長予定)として会議を進行した。最終的な議事録は、原口メモ等を参考にして為国が作成することとした。

1. 前回議事要旨の確認
  前回会合(15.11.21)での議事要旨(作成:原口)を確認した。なお、前回は第2回ではなく、第3回懇談会であるので、その部分は修正する。

2. 教材小委員会の設置申請・運営内規・委員構成案
  提出された設置申請書・運営内規・委員構成原案(資料2)をもとに議論を行った。その結果、名称を含めてそのままの内容(ただし、委員構成は修正あり)で、次回委員会(16.3.29)へ提出することとなった。委員は現在参加している9名、委員長は為国、幹事長は原口を予定。なお、学会事務局に確認の結果、小委員会の設立には、委員会での承認のあと、委員長より調査研究部門主査理事あてに設置報告が必要である。また、細かな文言での修正点は各自がチェックし、為国までに連絡のこと。
  活動は2年間、そこで教材(図録年表)を刊行し、シンポジウムを開催する。「教育研究」小委員会は、次のステップとして、取りあえずは教材を作ることを目的とする。
  また、行政の委員が活動しやすいように配慮を検討する(横浜市には、昌子先生に相談・上層部への働きかけを依頼する)。

3. 平成16年度「重点研究課題(研究助成金)」への公募報告
  調査研究部門主査理事より委員長宛に来ていた標記の研究助成について、土木史研究委員会として、「土木史教育のための参考教材に関する調査研究」をテーマとして申請した旨の報告がなされた(メンバーは、本会合参加者)。
  中村委員長より、「土木技術者の一般教養」という表現について、「より具体的に書いた方が良い。例えば、土木原論(職業的アイデンティティや、計画・設計の種(イマジネーション))にもなる、技術者倫理にもなる、等の表現で訴えかけた方が良い」との指摘がなされた。他に、「出版されている土木史の教科書の数が少ない」「JSCE2005に掲げられている目標を目指すもの」との表現にした方が良いとの指摘も出された。今回は既に提出済なので、今後、科学研究費等の応募時に変更する。

4. 土木史教材(図録・年表)の進捗状況
  各自が担当する以下の進捗状況が報告され、議論となった。以下に議論の要旨を記述する。
(1) 鉄道、港湾:為国
(為国)鉄道はまだ拾っただけである。
(中村)体裁について、A3版1枚に全て収めるのか?
(為国)A4版2枚で見開き1枚に収めるイメージだが、見開きのタイトルの付け方が重要であろう。この議事次第での10項目案は作業状況の整理であり、変更は可能。
(中村)明治開港に始まり、港湾の再開発なども入るのか?空港は?
(為国)解釈の部分等はまだ検討していない。これから。
(田中)鉄道会社の統廃合の系譜なんかは?
(五島)港だといろいろな切り口がある。材料・搬出方法等、ここで無理やり区切ってカテゴライズするしかない。港湾技術史としての流れは?時代でくくる?
(為国)例えば、鉄道では、明治末〜昭和初期が面白い。
(五島)鉄道で電車好きには電車の写真などが載っていると一般へのまき餌にもなる
(中村)国土マネジメントの思想がいるのでは?
(知野)計画史にしてしまうと良い感じでまとめられる。
(岡田)戦前の港湾となると、海軍とか国防の話は?
(中村)軍事という切り口はどうかと思うが、大陸との関係をどう考えたか。「物流」というのも視点とはある。いわば、総合戦略としての土木史。
(中井)土木はこういうことをやってきたよ、土木は本来こういうものだ、どっちをやるか?
(知野)歴史は結果であるから、土木が今までにあったことを説明することも大切。
(中井)土木を表現するような教材をつくることは難しいのでは。「土木」は、上から与えられてきたものをやってきただけではないか。土木という概念があるのではないか、という共通の幻を一生懸命支えているようなイメージ
「明治工業史(土木編)」、「日本土木史」の目次をコピー配布
(中井)文明開化の土木 → 殖産興業の土木 → 戦後復興の土木。「国策」に盲目に応じた土木、受動的にやってきた土木、それが今の私の結論である。
(中村)総合的なものをどこかで書かないといけないだろう。

(2) 道路:原口
(為国)例えば、路線の設定が時代によって考え方が変化している点、そういったものが入って欲しい。
(中井)これを見ると、道路築造技術史という感じがする。これを初学者が興味を持てるのだろうか?例えば、交通計画史。行為で分けるのがよろしいかも。地域別の分け方もある。
(原口)道路計画、とかっていう切り口は?
(中井)教育目的とした場合、地域開発での絡み合いの部分が面白いのではないか。
(中村)自動車専用道路の歴史を見ると、アメリカはレジャー目的のパークウェイ、ドイツは軍事的な理由だろう。日本はどうか?

(3) 水道:岡田 →特にコメントなし

(4) 砂防:北河 →(今回欠席)

(5) 都市:五島
(五島)今日の会議では、各自の論考をまとめた年講原稿を持ち寄ることと認識している。しかし、この体裁の整わない状態では難しいのではないか。
(五島)どの辺にピントを合わせるかが問題。1年目の学生と言われても、今の学生はどういったものなのか?それが私には分からない。
(為国)一般の人の興味関心と同じだろう。
(知野)このペースで1年目に出版となると、年講で出したものを9月に議論、それを持ち帰って煮詰め直す、となりスケジュール的に難しい。
(中村)教科書を作るにあたって、法定都市計画に偏るのは如何なものか。土木学会の70周年記念出版で出した、グラフィックス「くらしと土木」は参考になる。
(中村)この原案では、昭和30年以降は、都市計画はないっていうステイトメントだね?昭和30年以降の都市内高速道路網、地下鉄網はどう考える?ネットワークは落とせないだろう。多摩ニュータウンなどは?入れないというのも一つのメッセージではあるが。

(6) 発電:田中

(知野)電力を担当してもらった時の最初の意図は何だったか?
(中井)発電は手段であり、目的ではない。対象が手段である限り、技術史とならざるを得ない。電信、照明、動力と目的は変遷していくことを記述できないか。「工事」は土木。
(中井)「縦糸」=技術の歴史、「横糸」=総合的開発など(我々の担当がクロスオーバーする部分)、縦での割り切り方で、学生が面白く思えるか?
(五島)横ばかりではまとまらない。
(岡田)クリーンエネルギーや風力発電も。
(五島)そうなってくると現代まで入ってくる。土木の初学者には必要。あたかもこれも土木の範疇だと言ってしまう。

(7) 河川、ダム:知野
(知野)自分が欲しい年表で作成した。横の流れはカラー化。数の変化で時代の変化は表せる。戦後という話は、どこまでやるのか?
(為国)戦後は、昭和20年を原則として、後ろは各自に任せる。
(知野)親水の話、生態系の話など今の学生には良いから入れるとなると。
(岡田)親水は戦前にもある。
(知野)自然発生的にできたもの。意図して作ったものではない。
(田中)TVAは?年表上の粗密のつけ方。何もない時期はどう処理するか?
(中村)総合治水、スーパー堤防などは?
(知野)入れるものは入れる。建設省でメインになったものについては

(8) 橋梁:中井
(中井)材料史も入ってくるが、それは切って「設計史」としてやる。初学者の興味のもてる題材として割り切る。
(中井)年表は、A3判1枚。編年体、紀伝体。人で切れなくなったらおしまい。図説といいつつも、編集者の意図を出す。講義に使う、視点の確保。
(中井)二部構成を考えている。縦で切る時は統一した形態(年表は時代を決めた方がよい)、横で切る時は粗密があっても良い。
(為国)図説として編集者、書く側の個性があっても良い。

(9) 日野:やるとすると交通か?

  議論の結果、以下の点を申し合わせた(順不同)。

計画史的に見ると、連携しているものが多いので、どこかで総合的に書く必要がある。
行為や目的としての土木をとらえることも必要である。そうした観点では、二部構成も検討課題である。
大学1、2年次の初学者がおもしろいと感じる切り口で、かつ理解しやすくする必要がある。そのため、学術的に深く入り込まないようにするとともに、取り上げる内容は二級土木技術者試験レベルとし、それ以外は削除することを考える。
縦糸を時間軸(年表)、横軸に土木のモチベーションを意識する。
過去に発行されている類似書(グラフィックス暮らしと土木、など)でどこまで取り上げているか、参考にする。
年表は、近代(明治から戦前まで)を原則とする。ただし、分野によっては戦後も入れたほうが良いこともあるので、次回以降に調整する。なお、その切り口は、1,2年生が理解し興味を持つこと。
土木の扱い方(範囲)は時代とともに変化しているので、現在の視点だけを取り上げて「土木はこうだ」とは断定しない。
図録のアウトプットイメージ(レイアウト)、容量(ページ数)、出版スケジュール、目次構成等、具体的なことが示されていない。たたき台を為国が作成する。なお、各自があまり労力をかけずに最大の効果が上がるように配慮する。

5. 全国大会共通セッション講演申込の確認
  平成16年度全国大会(9.8,9,10、於:愛知工業大学)での共通セッションについて、小林幹事長からの意向が知野氏より紹介された。
講義セッションでの講演依頼者:藤田(日大工)、大熊(新潟大)、小西(信州大)、伊東(日大理工)、馬場(岡山大)、吉原(鹿児島大)の予定。北大はカリキュラム変更でこれまでより土木史にあてられる時間が増える(8回授業。カリキュラム上は倫理教育)こともあり、交渉中。
教材セッションでの講演者及び運営方法をこのメンバーで決めて欲しい。
座長は、いずれも小林幹事長。4.27開催のプログラム編集会議に誰か出て欲しい。

  議論の結果、以下を申し合わせた。
教材セッションで講演発表を予定しているのは、為国、原口、岡田、田中、知野、中井の6名。
五島委員は既に概要を用意されていたが、講演するかどうかは未定。
この研究グループでの活動内容、小委員会での教材の目標などの全般的な内容を為国が発表する。
他の講演者は、作成している教材にとらわれることなく、個人の考えを発表する。
講演用原稿は、論文として完成していなくても良い。
共通セッションでは、現在作成している教材でたまりそうなフラストレーション(学術的・実務的論点)について議論する。
4.27開催のプログラム編成会議には、為国が出席する方向で調整する。
この共通セッションでの開催意義、目的(ねらい)を明確にして欲しい旨の要望も出された。

6. その他
1) 土木史研究委員会(3/29)への提出資料の確認
  本日の議論を踏まえて、為国が作成する(一任)。
2) 今後のスケジュール
  次回は、6月第1週もしくは第4週の水曜日の夕方を予定する。そこでの議論、作成資料等は、作業スケジュールなどの全体計画案(為国作成)に照らし合わせて、検討する。
以 上

(文責:為国)