平成12年度 第2回 土木史研究委員会 議事録(案)

日時 平成13年3月19日(月) 13:00〜15:20(予定15:00)
場所 土木図書館2階5号室
出席者

榛澤顧問、佐藤委員長、市川副委員長、伊東副委員長、小林幹事長
青山(代理:田中)、河村、北浦(代理:村田)、馬場、松浦の各委員
鈴木、高安、武田、迯目、原口、福井、堀、安田(代理:長野)、山下の各幹事
丸畑職員


配布資料
2-1 表紙  : (土木学会土木史研究委員会 平成12年度 第2回 議事次第)
資料-1: 前回(平成12年度 第1回 委員会)議事録(案)
資料-2: 姫路「土木の日」シンポジウム
「近代技術の移入と日本の発展?姫路の生んだ土木技術者・古市公威を例に〜」
資料-3: 「土木技術者と歴史感覚〜A・Picon教授招待記念シンポジウム〜」
資料-4: 土木史研究編集小委員会からの報告
資料-5: 土木学会選奨土木遺産
資料-6: 「土木博物館(仮称)野外展示基本計画検討委員会」について(委託委員会)
資料-7: 産業技術史資料の評価・保存・公開等に関する調査研究
資料-8: Oral History(聞き語り人物史)研究の提案
2-2 「土木技術者と歴史感覚〜A・Picon教授招待記念シンポジウム〜」
2-3

土木学会認定技術者資格について(資格評議会提案・計画学委員会議事録案)

2-4

古市遺品寄贈および「古市公威とその世界」編集小委員会構成(案)


1.委員長挨拶

・佐藤委員長より、委員会の開催に先だち挨拶がなされた。考古学会での石器発掘ねつ造(「神の手」問題)を取り上げ、科学論文であることを意識して活動していくことが必要であると述べられた

2.報告事項

・小林幹事長より、前回議事録案(資料2-1-1 (2-1内の資料1 以下同))について訂正があれば申し出てくれるよう注意が促された

1)12年度会計・13年度予算について

・12年度発表会の論文集販売収益を、13年度予算に繰り越すことが報告され、了承された。現在、20万円の残金があることが報告された。

2)海幸橋・神戸橋の保存に関する要請書 小林幹事長から要請書は提出する旨が述べられた

3)ホームページの改訂について 小林幹事長から説明がなされた

4)姫路土木の日シンポジウム (資料2-1-2) 

5)「土木技術者と歴史感覚〜APicon教授招待記念シンポジウム〜」

・福井幹事から説明がなされた(資料2-2)。報告書の作成に40万円程かかり、これを景観デザイン委員会と折半することとして、20万円を来年度予算から支出したいと要請があり、了承された

6)13年度行事予定

・丸畑職員から13年度土木史研究発表会の予定が報告された。参加者が減ってきているのでは、との指摘があったが変化は微小であると報告された。審査付論文が少なくなったのは辞退者がいたため

・伊東副委員長から全国大会・共通セッションに、保存・修復関係で申請してあり、論文数を集める必要があるため、関連論文を出してほしいと要請がなされた。(4/3締切)

・迯目幹事から全国大会・研究討論会は「21世紀・石橋はよみがえる」の題目で申請してあると報告された

7)平成12年度・選奨土木遺産

・小林幹事長から選奨土木遺産選考委員会の位置づけについて説明され、続いて馬場委員から報告された。12年度の委員会は1回しか開かれなかったため、責任が明確にされていない面がある。選奨土木遺産自体は新聞雑誌等に取り上げられるなど一定の効果はあったが、土木の日行事との連携は支部と代表者の連絡が必ずしもうまくいっていない面もあり、連携している支部とそうでない支部とがある。システムの改善が必要と考える。銘板が文化庁のものと似てしまった

・今回やってみて東京都で非常に積極的に動いてもらえ、そんなに喜んでもらえるならと、支部が乗り気になった、など良い効果が出ているとの意見があった

8)その他

◯古市公威資料関連

・松浦委員から、古市公威関係資料の寄贈が遺族からあったと報告され、図書館委員会において取り扱いがなされ、土木史研究委員会でも古市研究を開始する旨、要望が出された(資料2-4)。組織を両委員会に置き、予算は図書館委員会でもてると考えている。活動としてはシンポジウムを企画、最終的には出版事業をしたい

・佐藤委員長より委員会間での組織運営について規定があるかどうか質問され、丸畑職員より委員会内でおさめるならば特に規定はない、と説明がなされた

・佐藤委員長から、研究について土木史委員会、出版について図書館委員会と別組織とし、「古市研究小委員会(仮)」という名称で組織をつくってはどうかと提案がなされた。正式名称は小林幹事長に報告すること



3.審議事項

1)土木学会「継続教育」プログラムと認定技術者資格への対応

・小林幹事長から計画学委員会でなされている討議について説明がなされ、土木史研究委員会でもこれと連動していかないといけないとの意見が述べられた。土木史の資格は、調査部門と設計部門とに分かれると考えられる

・試験方法等、具体化について選奨土木遺産選考委員会に検討を依頼することが提案された

・小林幹事長から選奨委員会の活性化も視野にいれ、幹事長をつくるなどの方法で対応してもらいたい、との意見がなされた

・伊東副委員長から、論文発表が資格認定のポイント制度と連動することと関係して、「土木史研究」の審査付論文のなかで事例研究の満たす条件を考えないといけないと指摘がなされた

2)2000選図書の購入と関連機関への配布について

・馬場委員より説明がなされた(資料2-1-5)。特にリストについて、調査は完璧に終わることはなく洩れは存在すると考えられるため、リストに入っていない構造物が安易に破壊されないよう、ダイジェストに掲載されなかったものの紹介やデータの補充など、ホームページで対応することを考えている。発行されるもののうち200部を学会で確保し、関係部署に配布する予定(その際印税は放棄)。

200部の購入について、丸畑職員が出版部に問い合わせることとなった

・寄贈先のうち地方公共団体などでは、土木課よりも文化課に寄贈したほうが良いのではないか。これまで優位であった建築構造物と同等に考えてもらうため。

2400円の低価格について質問され、カラー印刷を減らす等の努力で達成されたものと馬場委員が返答した

・増刷の際には土木史委員会の収入になるのか、との質問があったがこれは土木学会の収入となる

3)土木史フォーラム作成・発送予算の増額について

・鈴木幹事および丸畑職員からフォーラムの発行経費について説明がなされた。年間30万円の発行自体にかかる経費の他に、外部の執筆者への謝金等で9万円の経費を確保したい

・小林幹事長から前回委員会で示された有料化は、学会の規定でできないことが説明された

・ホームページからPDFファイルとして配信(もしくはメール配信)することが議論されたが、フォーラム小委では紙媒体で残されることの意義を採択している旨が説明され、来年度は現行の方法を変更しないこととなった

・委員会の予算収入について説明、整理がなされ追加の9?10万円のフォーラム予算増額が了解された

4)江戸期以前の土木遺産調査計画に関連して

・榛澤顧問から文部省科学研究費へ応募を行っていることが説明された。「近世以前の土木遺産の調査および評価(案)」

・近代とは評価基準も変わってくる。残っているものばかりではないし難しい調査になると思う。近世に詳しい人が集まってという立ち上げ方になるのではないか

・やらないといけない調査で避けては通れない

・近代の調査で10年を要したのであるから、近世でも10年はかかると推察される。やるなら今が時期と考える

・調査実施の方法について、地区を区切って、時代をいつからとするか等議論があった。榛澤顧問からは、まずは現存するものから取りかかるべきだと意見があった

・幹事会で議論を進めることとなった

5)その他

・伊東副委員長から編集小委員会での議論をふまえ、土木史研究発表会の開催時期の変更について、困難であるとの結論に達したと報告された(資料2-1-4

・伊東副委員長から国立科学博物館が進めている産業技術史資料の評価・保存の事業について説明がなされた(資料2-1-7)。予算の問題等で他学会と状況も異なるため、土木学会がどう関われるかはまだ未定。これに対して、産業技術史の方では土木学会の事例を参考にしてやっている状態なので、積極的に参与してほしい、との意見があった

・大成建設の国土を造った人達、の映画についてぜひともビデオ化を望んでいる。委員会から何らかの要請をできないか。できれば大学への配布も検討してもらいたい。この件について幹事会で検討とされた

・論文集19号の剽窃問題について質問があり、経緯について説明がなされた

Oral History(聞き語り人物史)の研究

・伊東副委員長からOral History(聞き語り人物史)の研究について説明がなされた(資料2-1-8)。 アメリカで盛んな研究分野であるが、調査方法の文献も少なく、各自の方法でなされている

・学会では学会賞受賞者の講演を記録するなどを行っている。保存方法で磁気のものは難があり永久保存は CDへの焼きつけ。大学研究室でも独自に行っているものもあり、事例はたくさんある

・以前の幹事会でも調査しようとしたことがあるが、調査方法の勉強に時間をとられている間にその方が亡くなられてしまった

・そのような調査を行ったものを論文にしたときの査読基準を検討する必要がある。編集小委員会で議論していただきたい

・図書館委員会でも同じことを少しやっているが非常に大変である。資料の蓄積では、アーカイヴス室をつくるので対処できると考えられる

・景観デザイン委員会では当時のデザインに関わった人にヒアリングを行い、非常に参考になった。出版事業にもつながっている

以上(文責:原口)





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