A−37
武庫川流域圏における有機物資源リサイクルシステムの構築と評価
栗栖雅宜1・藤田壮2・盛岡通3
1 工学士 大阪大学大学院修士課程学生 工学研究科環境工学専攻
(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1)
2 正会員 博士(工学) 東洋大学教授 工学部環境建設工学科
(〒350-8585 埼玉県川越市鯨井2100)
3 正会員 工学博士 大阪大学大学院教授 工学研究科環境工学専攻
(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1)
自然共生型の流域管理を行っていく上で,物質循環を制御することは重要な意味を持つ.本研究では循環制御の対象として有機物資源を取り上げ,武庫川流域圏をケーススタディの対象として有機物資源リサイクルシステムの構築を支援する方法を提案した.具体的には地域特性に適合する有機物資源再資源化技術の指標として量的指標,質的指標,需給指標の3つをあげ,それらの指標及び既存施設から決定される資源循環区に対して再資源化技術を導入することによる二酸化炭素排出量の削減効果を評価した.それによると,適合度分析により示される流域リサイクルシステムは,対象区域全域に画一的な単一の再資源化技術を導入した場合よりも環境影響が少ないことが示された.これにより流域管理において,地域特性を見た上で再資源化施策を決定するプロセスを試行的に構築することができた.
Key Words : basin-wide management, organic waste, biomass, suitability analysis