環境情報の計測誤差に伴う近似式パラメータの安定性について
山下 清吾 豊田工業高等専門学校 環境都市工学科  
草間 晴幸 名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科  
【抄録】  計測データをもとに近似曲線で推定式を導く手法は今なお幅広く用いられている。 様々な数学処理ソフトで近似曲線の係数は容易に求まる。しかし、求めた係数の 信頼性は、計測誤差に依存し、数%のデータの違いで変動する場合もある。殊に、 自然環境データは、サンプリング誤差がつきもので、BOD等の水質指標については 20%以上のケースも少なくない。通常の曲線近似計算過程での行列演算ではCondition Numberが大きくなり、求解に不安定さを伴う。本研究では、3次放物線での近似過程 で通常解放によるものと、独立変数にチェビシェフ関数を組み込んだものとを比較し て解の安定性を検証した。データのばらつきが15%を超えた場合に後者の優位性を 認めた。
【キーワード】 計測データ、近似曲線、パラメータ推定、計測誤差、解の安定性、環境情報、水質指標