関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
群馬県
さぎいしばし
鷺石橋
R2年度認定(2020)
1.名 称:
さぎいしばし
鷺石橋
2.完成年:
1929年(昭和4年)
3.形式等:
鋼プラットトラス橋 2連
橋長104.6m、幅員5.5m
4.ランク:
土木2800選 ランクC
5.管理者:
群馬県
6.管理者連絡先:
群馬県沼田市薄根町4412
群馬県 沼田土木事務所 施設管理係
電話:0278-24-5511
7.設計者:
不明
8.施工:
名村造船鉄工所(現:名村造船所)
9.推薦理由:
鷺石橋は、群馬県沼田市の利根川に1929年(昭和4年)に架橋された本県に現存する鋼プラットトラス形式では、唯一のもので、トラスの曲線が美しく、谷川連峰を背景に利根川の清流に調和の取れた景観をかもしだす土木遺産である。
10.補足説明(歴史):

鷺石橋は、前橋市方面から利根川右岸を北上した国道17号※1より、本橋架設位置で左岸に渡す、沼田駅や、河岸段丘の上の沼田市の中心市街地へと向かう沼田市の玄関口としての役割を担っている。

初代の橋は、1885年(明治18年)に、高崎―長岡間の上越国境を越える清水越新道※234の開通に合わせ、木造のトラス橋が架けられたが、1896年(明治29年)の利根川大洪水で流出した。
現在でも、その橋脚基礎の船形石が現地で確認できる。

2 代目の木橋(1897年(明治30年))、3代目の橋(形式不明:1906年(明治39年))と架け替えが行われ、4代目として「鋼プラットトラス橋」1929年(昭和4年)が竣工した。
4代目の橋の架橋当時、橋のそばの石が利根川の水位によって鷺が今にも飛び立とうとする姿に見えることから、「鷺石橋」と命名されたとのことである。
鷺石橋は、約40年間にわたり、沼田市の玄関口としての役割を担ってきたが、激増する自動車交通と老朽化から荷重に耐えきれず、1970年(昭和45年)に直下流に新鷺石橋が開通し、車道橋としての現役を退いた。
廃橋の運命をたどるはずであったが、地元の要望もあり、現在も廃橋されることなく歩行者・自転車専用の橋として利用されている。
1999年(平成11年)に国道17号沼田バイパスが開通したことから、新鷺石橋は、国道291号に編入された。

※1:国道17 号は、東京都中央区から新潟県長岡市を経由して、新潟市中央区に至る一般国道である。起点である日本橋から、高崎市の君が代橋東交差点にかけては五街道の一つである中山道、群馬県北部の一部及び新潟県内の大半の区間では、三国街道をたどる。関東と越後を直接結ぶ唯一の道として江戸時代より重視されている。 ※2:1878年(明治11年)、内務卿の大久保利通が提唱した土木7大プロジェクトに唯一の陸路建設として、清水越往環が取り上げられ、日本海側の国際貿易港として重要性を増した新潟港へ至る道として、馬車交通が可能な緩勾配・広幅員の道路に改修することが、決定され、1885 年(明治18 年)に完了。 ※3:1885 年(明治18年)の内務省告示第6号「國道表」では、国道5号「東京より新潟港に達する路線」(現在の17号、18号、8号経由)及び国道8号「東京より新潟港に達する別路線」(上記17号を経由し、高崎で分岐)として指定された。この8号は、清水峠(現在の国道291号)を通っていた。 ※4:清水峠越えの道は、古くは「直越(すぐこえ)」と呼ばれ、山道の区間は、長いものの上野国(現:群馬県)と越後国(現:新潟県)とを結ぶ最短ルートであり、古来よりよく利用されてきた。 出典:ウィキペディア 「国道17号」、「清水峠」

11.所在地:
群馬県沼田市下川田町~戸鹿野町
12.選定された場合に実施を予定しているアピール方法
(選定前ですので、選定されたら実施したいと考えている内容で結構です:
鷺石橋が渡河する一級利根川と上流側の谷川連峰を背景に、写真やパネルを作成し、広くアピールを行います。
13.選奨土木遺産公募に関する連絡担当者(群馬県):
土木学会関東支部群馬会
(選奨土木遺産事務担当:群馬県県土整備部建設企画課技術調査係)
技術調査係長(補佐) 石坂 幸喜
同係 主任 南 毅
電話:027-226-3531
FAX :027-224-1426
メール:

位置図

全景:鷺石橋と新鷺石橋

全景:鷺石橋(上流右岸より下流方向)

鷺石橋と背後の谷川連峰

鋼プラットトラスの構造1

鋼プラットトラスの構造2(右岸から左岸)

鋼プラットトラスの構造3(左岸から右岸)

鋼プラットトラスの構造4(端部構造)

橋歴版

上流左岸 親柱 (鷺石橋)

下流左岸 親柱 (前橋へ三十四粁)

旧橋脚基礎の船形石

架橋当時(1929 年)
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