関東の土木遺産 関東の土木遺産
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栃木県/足利市
あしかがしきんだいすいどうしせつぐん
足利市近代水道施設群
H27年度認定(2015)
1.名 称:
あしかがしきんだいすいどうしせつぐん
足利市近代水道施設群
2.完成年:
1930(昭和5)年
3.形式:
  1. ①緑町配水場 配水池:RC造、水位計室および保守点検入口棟付 *1955年頃改築
    幅約60m、奥行約27m、面積1607u、3池に区切られる
  2. ②緑町配水場 水道山記念館(旧管理事務所):木造平屋建、瓦葺 *1934年改築
    建築面積200u
  3. ③緑町配水場 接合井:RC造(ろく屋根)、塩素滅菌室付 面積43u
  4. ④緑町配水場 水道計量室:RC造平屋建 桁行2.5m、梁間1.5m 面積4.0u
  5. ⑤今福浄水場 ポンプ室:RC造地上1階地下1階建(ろく屋根) 面積208u
4.設計者・施工者:

中島鋭治門下の米元晋一の指導により、中島貞一郎(八王子市水道部工務課長兼主任技師。後に足利市水道技手として招聘される)・中谷繁治(八王子市水道部主任技手。後に足利市水道技手として招聘される)が設計。

5.推薦理由:

足利市近代水道は、1917(大正6)年に飲料水の不良を訴える一部地区の住民からの要望によりその検討が始まり、1921(大正10)年1月の市制施行において上下水道事業が市の重要事業として位置付けられた。1922(大正11)年4月に内務省の西大条覚技師の意見聴取、7月に東京イリス商会のザーラー技師が招聘され水源地の実地調査や水量・水質調査等が行われ、その後、1928(昭和3)年4月に足利市上水道の施行実施が決議された。翌1929(昭和4)年5月に着工され、1930(昭和5)年12月に計画給水人口55,000人として竣工し、1931(昭和6)年4月に給水が開始された。

今回、選奨土木遺産に推薦する施設は、すべて1930(昭和5)年に竣工し現役で稼働している施設である。また、すべて国登録有形文化財(建造物)として評価されており(2006年3月23日)、保存状態も極めて良好である。ゼツェッション風の装飾性豊かな施設群で近代の息吹が感受されるとともに、足利市の近代化の様相を今に伝える歴史文化遺産でもある。文化財の公開として市による一般への公開も恒例化されており、今回の選奨を機に、近代化のモニュメントとしての土木遺産のさらなる啓発に結びつくものと考えている。

6.所在地:
栃木県足利市
7.管理者:
足利市
8.特記事項:
  1. ①すべて国登録有形文化財(建造物)。保存状態も良い。
  2. ②管理者および関係官庁等と調整済み。
  3. ③2800選:Cランク(水道計量室除く)。
9.PR方法:
毎年11月に開催している土木学会関東支部栃木会の「土木の日の集い」において、認定書および銘板の授与式を行う。また、新聞各社などマスコミへの周知を積極的に行う。
10.連絡先:
  • 足利市上下水道部工務課
  • 課長 松本富士夫 氏
  • 主査 内田 憲吾 氏
  • 〒326-8601 栃木県足利市本城三丁目2145
  • tel.0284-20-2211 e-mail:skoumu@city.ashikaga.lg.jp
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■足利市の位置
画像:緑町配水場 配水池の入口
■緑町配水場 配水池の入口
画像:配水池の内部
■配水池の内部
画像:緑町配水場 水道山記念館
■緑町配水場 水道山記念館
画像:昭和天皇来足(昭和9年)
■昭和天皇来足(昭和9年)
画像:緑町配水場接合井のデザインされたアーチ窓飾り
■緑町配水場接合井のデザインされたアーチ窓飾り
画像:配水場建設工事(昭和4年)
■配水場建設工事(昭和4年)
画像:水道計量室
■水道計量室
画像:今福浄水場ポンプ室(入口両側のアール・デコ風のピラスター)
■今福浄水場ポンプ室(入口両側のアール・デコ風のピラスター)
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