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技術賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) Iグループ

不良地山における日本一の超大断面道路トンネルの建設− 箕面有料道路 箕面トンネル(南工区)

Construction of the Largest Road Tunnel in Japan through Unconsolidated Ground - Minoh Tunnel on Minoh Toll Road

不良地山における日本一の超大断面道路トンネルの建設− 箕面有料道路 箕面トンネル(南工区)

  • 大阪府道路公社 熊谷・間・竹中土木・大豊・森本共同企業体
  • Osaka Prefectural Road Public Corp.; Kumagai Gumi, Hazama, Takenaka Civil Engineering & Construction, Daiho and Morimoto JV
概要
国道423 号のバイパスとなる延長約5.6km の「箕面トンネル」は、南坑口部において周辺市街地環境への配慮から、本線への流出入ランプをトンネル内に設けたため、最大掘削断面積313m2という超大断面トンネルの建設が計画された。坑口部は、砂・砂礫・粘土の未固結層から成り地下水も大量に賦存していたため、本坑に先立つ作業坑掘削では大規模な切羽崩壊が幾度となく発生した。このような切羽の安定性が著しく悪い不良地山において超大断面トンネルを建設することは前例がなく、無事成し遂げることそのものが課題であった。本業績は、既往技術の応用・新技術の適用によりこの課題を克服し、安全性と経済性を重視し、高い品質を確保しつつ、不良地山における日本一の超大断面道路トンネルを完成させたことにある。
個別技術としては、長尺切羽補強工の採用により切羽の安定化を図り、これまで成し得なかった不良地山での大断面トンネルの早期閉合を達成して安全確保がなされている。また、各掘削段階で情報化施工技術を駆使して最適な支保構造・掘削工法・補助工法を選定し経済性に優れた合理的な施工を具現化している。さらに、新たに開発した準高流動コンクリートを覆工に適用し高い品質を確保しながらコスト削減を実現している。
都市空間の高度利用が課題である我国においては、地下開発技術は必要不可欠であり、当該技術は都市部等の脆弱地盤の地下大空間開発にも多いに活用でき、トンネル建設技術の発展に大いに寄与するものと評価され、技術賞に値するものとして認められた。
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