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技術賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) Iグループ

利便性および安全性の抜本的な改善を図った既設地下駅の大規模改造
 −阪神電鉄本線春日野道駅改造工事−

Large-Scale Renovation of an Underground Station for Drastic Improvements of Convenience and Safety - Renovation Works of Kasuganomichi Station on the Hanshin Railway Line

利便性および安全性の抜本的な改善を図った既設地下駅の大規模改造 −阪神電鉄本線春日野道駅改造工事−

  • 阪神電気鉄道(株) 鹿島建設(株) 中央復建コンサルタンツ(株)
  • HANSHIN ELECTRIC RAILWAY CO., LTD.; KAJIMA CORP.; CHUO FUKKEN CONSULTANTS CO., LTD.
概要
阪神電鉄本線春日野道駅は、神戸市の中心部にほど近い位置にあり、昭和9 年より地下駅として営業してきたが、ホーム幅員がわずか2.6m と狭小であり、また、バリアフリー化や火災対策設備が未整備であったため、今般、利便性と安全性の抜本的な改善を図るために大規模な改造工事が行われた。
本工事の技術的特徴は、(1)列車の安全運行と駅営業という鉄道の機能を維持しつつ、営業線との超近接施工を克服することができる設計・施工が求められ、これらに対処するため新技術等を用いた結果、安全施工とコスト縮減を達成したこと、(2)構築後70 年を経た地下駅を、防災や安全・安心という新時代の都市土木に求められる機能を完備した駅に再生させたこと、の2 点に集約される。
設計・施工上の個別技術では、(1)既設部材を積極的に利用した設計法を採用したこと、(2)新旧部材接合部の品質向上のため、既設鉄筋のはつり出しに初めてコリジョンジェット工法を採用したこと、(3)既設側壁の撤去工事は狭隘空間での超近接施工となったが、防護パネルを設置することにより昼間に列車を走らせながら施工したこと、などが特筆される。鉄道の機能を維持しながらの超近接施工を、新技術を合理的に組合せ、安全かつ低コストで成し遂げた本業績は、今後の都市内における類似工事において大いに参考になる先駆的事例として高く評価され、技術賞に値するものとして認められた。
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