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田中賞 作品部門

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度)

下植野高架橋の横梁移植

Replacement of Three Cross Beams in Shimouneno Viaduct

Replacement of Three Cross Beams in Shimouneno Viaduct

  • 西日本高速道路(株)関西支社
  • Kansai Branch, West Nippon Expressway Co., Ltd.
概要
昭和38年に供用を開始した名神高速道路の下植野高架橋は、国道を跨いで架設された単純合成鈑桁4連を鋼床版構造の横梁3本で支持した橋梁である。本橋は約40年間の重交通載荷に耐えてきたものの、横梁の構造上の問題から局部座屈および疲労亀裂が発生する等、危険な状態に達していたため、鈑桁の再利用と横梁の移植により改築するとともに、車両大型化対応と耐震性能を確保するリニューアル化を実施した。座屈変形および疲労損傷の著しい横梁は、新設横梁に架け替えるとともに、耐震補強のために再構築した鋼製橋脚とラーメン構造とされた。損傷の無い鈑桁は、新設横梁と剛結させた4径間連続桁とすることにより、発生断面力の低減を図るとともに、支承および伸縮装置の削減により耐震性の向上、振動騒音の抑制、維持管理費の節減が図られた。横梁の移植工事にあたっては、再利用する鈑桁を架設桁で吊る「ガーダー・ハンガー・エレクション工法」を採用して国道交通を確保するとともに、横梁の抜き差し工法により、高速道路の交通も2車線確保した。耐震性を満足しないケーソン基礎は鋼管矢板基礎に再構築し、2段階構築とすることでベント基礎として兼用した。本作品における設計・施工は、困難を伴うことから敬遠されてきた都市内高架橋資産のリニュ−アル化の一方法として、橋梁の保全技術の発展に大きく寄与することから、土木学会田中賞に値するものと認認められた。
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