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技術賞

Outstanding Civil Engineering Achievement Award

2006年(平成17年度) IIグループ

事業連携のメリットを生かした新北九州空港整備プロジェクト

New Kita Kyushu Airport Development Project that Works Out the Best Cost Reduction by a Joint Enterprise

事業連携のメリットを生かした新北九州空港整備プロジェクト

  • 国土交通省 九州地方整備局 国土交通省 大阪航空局
  • Kyushu Regional Development Bureau and Osaka Regional Civil Aviation Bureau, Ministry of Land, Infrastructure and Transport
概要
2006 年3 月に開港した新北九州空港は、沖合3km の海上に2,500m の滑走路を持ち、大型ジェット機や深夜の就航を可能にした空港である。その建設は、1 つの人工島をフィールドに海上輸送の効率化と安全性の確保、増大する航空需要への対応といった港湾と空港の異なる目的の事業が連携して進められた画期的なプロジェクトとなった。
港湾と空港が連携して事業を実施した最大のメリットは、関門航路の浚渫土砂を埋立に利用したことなどで空港の建設コストを大幅に縮減できたことである。その反面、浚渫土による埋立地は、粘土を主体とした厚さ15m、含水比200%を超える軟弱な層で形成されており、開港後の空港用地および進入灯用地の沈下は、施設の維持管理に大きな問題となるため、確実に改良を行うことが技術的に最大の課題であった。そのため、地盤改良では、浚渫土の特性から沈下を予測する手法を確立・適用するとともに、施工中に得られた動態観測の結果から地盤の挙動を解析して盛土の施工に反映させるなど、沈下予測の精度の向上に努めた。その結果、開港後の空港運用に支障がない状態にまで改良できた。
開港までのスケジュールから時間的に制約を受けるなかで、急速かつ大規模な地盤改良の実施といった課題を技術的な知見から克服したことにより、連携プロジェクトが成立することとなった。この連携事業の効果により、港湾および空港の整備推進が図られ地域経済の発展に大きく貢献するとともに、埋立材として利用し難い浚渫土砂を有効に利用したモデルケースとして、今後の土木技術の発展に貢献するものと評価され、技術賞に値するものとして認められた。
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