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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2011年2月号モニター回答


■ 第17回 土木改革に向けて(4)山本 卓朗

見開き1ページ強の写真からインパクトのあるメッセージが感じられない。厳しい条件下で土木構造物の施工をしたことは分かるが、トンネルから出てくる電車が新しいため景観と合わないような気がする。また、撮影場所も分かるところに記載されていない。カレンダーの写真ではないが年間テーマを決めて、例えばその季節に合った土木遺産、土木遺産候補の写真などを活用してはどうか
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)

近年、土木技術者の継続教育CPDが推奨され、土木学会をはじめ日本技術士会、土木施工管理技士会などにおいて論文の発表、講習会などにより単位の認定がされている。本稿の土木改革に向けて会長は、土木技術者が体系化された「社会安全」と「土木安全哲学」についての思想を共有化すべきであるとその方向性を述べている。費用面において課題があると思うが少なくとも土木学会会員には、講習会などを通して継続教育に連動させることは可能であろう。また、そういった作業を地道に行っていくことが土木意識改革に一歩でも近づくことになると考える。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)

当社の鉄道事業は、多くのお客様のご利用いただく事業であるため、想定されるリスクについては、ハード、ソフト技術を駆使した対策が検討されている。今まで小生は、「計画者・設計者」、「システムを運営する事業者」の視点でリスクへの対応を想定していたが、本記事を拝読させていただき、「ユーザー・市民」の視点でのリスク対策について、新たに考える機会をいただくことが出来た。多くのお客様がご利用になる鉄道で事故・災害が発生した際、「想定外」という言葉で対応されることがないよう、多くの関係者と協力し、専門知識に特化するだけでなく、異業種からの考え等も参考にしながら、今後の業務に活かしていきたいと思う。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:勇 龍一)

■ 第91回  松重閘門 林 倫子

「歴史的構造物」と言われるものでなくても,その構造物が当時の役割を果たし,現在でも静かに存在しているという歴史,時間の流れのようなものを感じられることに,「土木遺産」としての魅力があると思います。今回の松重閘門のご紹介も,建設中や運河全通時のセピア色の写真,あるいは近隣の木材店の写真から,その魅力を窺うことができました。今後も,周辺の街や地域,文化とのつながりの視点等を含めてご紹介いただき,土木学会のHP等でアーカイブになることをお願いしたいと思います。
(所属:東電設計 氏名:恒国光由)

■ 連載を終えて 澤村 康生

“肥溜めの復活”というなんとも匂いが気になる話題であったが、実験を通して体で覚えた知識は、今後の人生の“肥え”になるに違いないと思います。今後の自然再生エネルギーの活用、ならびにエコシステム構築に向けての一つの基本的な方向性を示していると思います。参加された学生諸君の柔軟性と熱意に敬意を表したい。
(所属:小柳建設 氏名:金原義夫)

体を張った実験、本当にお疲れ様でした。エコ社会を構築する1つの方法として、屎尿の有効活用も良い アイデアだと思いました。しかしながら、清潔な生活環境が整ってきた現在において、汚物として取扱われることが多い屎尿の利用は、多くの課題があると思います。特に、多くの人々は、屎尿から作られた再生 物質の使用に抵抗を感じるのではないかと思います。再生物質の安全性の確保はもとより、汚いというイメージを払拭することが、最も大きな課題ではないかと思いました。
(所属:日特建設 氏名:田中 尚)

昔の優れた技術を再認識するためにも,このような企画は非常に関心が持てました.中々このような技術や歴史を知る機会も少ないので,とても楽しく読ませて頂きました.連載が終了してしまうのは残念ですが,今後もこのような文献の調査や検証実験の結果等をまとめた記事を掲載して頂きたいと思います.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:山野 貴司)

「肥溜め」肥料は、窒素過多という課題はあるものの、保水性が高められる可能性を見出したことは興味深く思いました。「自然界にゴミはない」という考えに根ざしたシステムの構築を目指して、今後も種々の取組みがなされることを期待します。
(所属:メタウォーター(株) 氏名:楠本 光秀)

■ 企画趣旨 南 浩輔

なんとも意欲的、刺激的な特集だ。第一、恥ずかしながら私はバックエンド事業という言葉自体に、これまで親しみがなかった。多くの読者もそうなのだろう(企画趣旨の文章で「バックエンド事業」の意味を注釈で説明しているくらいだし)。けれど土木とは、文明の進歩や社会の変化に応じて手がける対象を広げていくものだとは、ぼんやり信じていた。だから、こうして土木技術の力がまさに社会的関心高まる新分野で「未来を切り開いて」いることには納得がいったし、そのことを浮き彫りにしようとした特集は読んでみると大変面白かった。敢えて言えば、こういった斬新な内容を組んだのであれば、もっと(バックエンド事業に馴染みない)読者を引き込めるような特集タイトルをつけた方がよかったのではないか。私案、「土木技術は原子力も支えている」、「放射性廃棄物処理を救う土木」等。タイトルの印象は、読む意欲を大きく左右する。
(所属:国交省 氏名:鈴木高)

■ 記事1 インタビュー 土木工学を礎とした国際協力[語り手]石川 迪夫、[聞き手]南 浩輔、佐々木 隆

かねてより原子力施設にかかる放射性廃棄物処理の現状と今後の展望について、非常に興味がありました。安全かつ安心な処理の道筋を定めて社会に示すことは、当然、国をはじめとした当事者の責任だと思うからです。特集記事「バックエンド事業のいま」は、原子力施設のライフサイクルの「衰退期」に見事にスポットを当てて、さらには今後の展望まで示す内容になっており非常に興味深いものでした。土木技術を磨くことで、より良い社会を導ければなんと素晴らしいことかと思いました。
(所属:電源開発(株) 氏名:小林憂三)

■ 記事2 廃止措置への取組み 佐藤 忠道

原子力施設も例外ではなく、寿命を向かえたものは廃止する方向で計画され、そのための技術も準備されつつある。また、今回の福島第一原発事故は、地震という自然災害が引き金になったものであり、運転が原因の事故ではない。国・東電が言っていた安全神話が崩壊し、東北地方の方々に多大なる二重の苦しみを与えたことは反省すべきであるが、この度の大震災による事故の理由で、新しいものも含めて他の国内の全ての原子力発電施設を1度に廃棄する必要はないと考える。これは、国・官庁の言うことが、ころころ変わる年金問題とも同じ構図であり、その時までに払った年金をここでチャラにしてもいいと誰が言うだろうか。資源が乏しく、今後高齢化が進む日本の原子力技術がやっと成果を出し、世界レベルの売れる技術になったところであり、本当にチャラにしてもいいのか冷静に考えるべきである。この災害を教訓に、地球温暖化対策にもなる世界一安全な原子力発電システムを構築するのも1つの方法ではないだろうか。これは、今回の災害を経験した日本しかできないと思う。日本の科学技術は、政治のマニュフェストに比べたら、はるかに信頼性は高い。日本の技術を信じたい。
(所属:小柳建設 氏名:金原義夫)

原子力発電所の廃止処置に関して、多くの方がさまざまな努力を続けていることがわかり、大変意義のある記事であったと思います。地盤内への処分は深層であれ浅層であれ、100%の信頼性を担保することは困難と思います。仮に、技術者が「100%問題ない」といっても、もはや誰も信用しないと思います。そのような中で、この種の処分技術に多くの人々の理解を得ていくにはどうすればよいのか、といった点も今後の大きな課題であると感じました。
(所属:東亜建設工業 氏名:鈴木 耕司)

■ 記事3 廃止措置技術ならびに廃止措置に伴い発生する低レベル放射性廃棄物の処分について 苅込 敏

原子力施設の廃止措置に30年、その後の放射性廃棄物の管理に30〜300年が必要ということです。これらを一連のバックエンドと考えると、原子力事業のスパンの長さを再認識すると同時に、何世代にも渡る責任ある係り方の構築が求められると思いました。また我国では、50基の原子力発電プラントが運転中とありますが、その発電量が総発電量に占める割合は、東日本大震災前のデータ(2009年度)で29.2%です。50基も運転してこの程度かと感じる方もおられるでしょうが、むしろ分母の総発電量に目を向けるべきではと思います。膨大なエネルギーを消費せざるを得ない社会そのものを、まず問うてみるべきであると感じています。
(所属:メタウォーター(株) 氏名:楠本 光秀)

原子力施設の廃止措置については、震災前から、技術の蓄積や制度の構築が進められてきたようである。ただし、今回の地震においては、放射線量に関してほとんど無視しても良いレベルであった岩手県や宮城県の瓦礫の最終処分の受け入れを阻止する活動が活発になっており、福島県の瓦礫の処理に至っては、議論できる状況にすら置かれていない。法令上及び技術的に問題がなければ粛々と進められるべき瓦礫の処分が、住民感情や政治的な圧力に屈する形で、行政側が拒否するという事態が起き、混乱している。原子力関連の廃止措置の手法については、さらなる技術の確実性の向上、制度の合理化を進め、住民感情等によりぶれることのない確固たるものとなることを強く期待している。それと同時に、そうした技術制度の妥当性を正確かつ確実に、多くの国民に伝えることがとても大切であると感じている。誌面上においては、主に震災前までの蓄積技術等の紹介に留まっていたため、今回の事故対応を教訓にした今後の展開についてもっと知りたいと感じた。
(所属:福島県庁 氏名:小林元彦)

■ 記事4 地層処分への取組み 土 宏之

以前、放射性廃棄物の処分方法について、何故、地層処分が選択されているのかを勉強したことがありました。海洋投棄、宇宙投棄など、私のような一般人が思い付くことは、条約、コスト、リスクなどの面でベターではない、ということでした。そこで、国内で処理できる方法として地層処分が選択され、様々な取組みが進められているのだと理解しています。しかしながら、日本は、地球上で地質活動が活発なエリアに属することから、地層処分も難しいのではないかと思います。と言っても、処理が必要な放射性廃棄物はどんどん出てきますので、いち早く放射性廃棄物の処理方法を確立させ、実行されることを望みます。
(所属:日特建設 氏名:田中 尚)

■ 特集を終えて…南 浩輔

「再考」というタイトルに惹かれました。ただ,「再考」への私のイメージとは異なり,時間軸でみれば将来に向けての話題であったよう理解しました。しかし,私が自ら取組む機会がないであろう技術であり,知見を広めることができました。「特集を終えて・・・」にもありますが,「土木技術ができること,成すべきことを」を再考するためには,今の時代から軌跡を振り返る再考もあるのではないかと思い,学会誌として,様々な視点からの再考を連載していただきたく思いました。
(所属:東電設計 氏名:恒国光義)

■ 復興施工技術特定テーマ委員会の活動報告(その2)

東日本大震災に伴う津波堆積土砂の再利用についての試験施工は、学会誌よりも先にインターネットやテレビなどで報道がなされていた。ニュースの時間は短かったが、マスコミに対しその復興施工技術が公開され、土木のイメージアップに繋がっていたと思う。私は、国民に対して、土木業界が震災復旧・復興を通して社会に与える恩恵、プラス面をもっとアピールする必要があると考える。土木学会には今後も継続してこのような技術が定期的にテレビ等でニュースになるよう、 広報活動を行ってもらいたい。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)

■ 記事1 想定外について(On Unpresumed)小林 潔司

震災直後、専門家から素人まで枕詞のように「想定外」という言葉を使っていた。これほどまで「想定外」という言葉が注目され、使われたことは無いのではないか。ただし、その意味は曖昧で、使う人によって異なっていると感じていた。本記事で引用している柳田邦男氏の指摘の通り。想定内と想定外の間には乗り越えがたい壁がある。という筆者の小林氏の意見に私も同感である。また、その壁を乗り越えることは非常に困難であるということも。ある防災関連の図書では、「人の習性として、一世代ほどの期間に遭遇しない事象は、起きるはずがないと考えがちである。しかし、自然変動の時間スケールは一世代より長く、災害発生の可能性は常にある。「天災は忘れた頃にやって来る」の警句は、貴重である。」とあり、まさにその通りである。想定内と想定外の議論とは異なるかもしれないが、一度、人の習性が社会的通念となってしまった事象を覆すことが困難であることの一例を示していると考える。今回の東日本大震災は、「社会的通念を修正するような動機。」という小林氏が指摘する、想定外を克服する唯一の方法としてのインパクトは十分にあったのではないかと考える。今後、東日本大震災を踏まえ、行われる各種検討において、全てを想定内とすることは不可能であるが、せめて「何を想定外としているか」や「想定内の対策では十分に対応できない」ことなどを明確にする必要があるのではと考える。改めて、技術者として考えさせられる記事であった。
(所属:(株)オリエンタルコンサルタンツ 氏名:中村 慶之介)

■ 4-1 JR常磐線の被害と復旧 大熊 佳雄、松尾 伸二、小川 考二

あれからもう1年が経とうとしていますが、復興に向けて何が問題となってきたのか、何を行ったのか、何を行うのかをより具体的に知ることができました。特に、変位などの具体的な数字が多く示されていることが理解の助けとなりました。淡々と事実を伝える文章の向こうに、被害の凄まじさと復興に向けて苦闘する方々の姿が浮かんでくるようです。このような、具体的かつタイムリーな報告の記事は土木学会誌ならではのものであると思います。今後もこのような記事を宜しくお願い致します。
(所属:(株)大林組 氏名:海老塚 裕明)

■ 提言2 計画思想の再構築と技術水準の向上 川崎 芳一

提言の解説の中に、土木施設の「取扱説明書」という単語がありました。これは、構造物の設計思想および設計条件を明らかにし、利用者にもその構造物に期待できる性能を正しく伝えることができるものです。長期供用がなされる土木構造物は、得てして後の世代に設計思想や設計条件等の情報が伝わりにくいものである。今後も我が国のインフラは様々な自然災害に見舞われ、設計条件が変更されていくことが予想されます。その様な状況下において、ソフトとの組み合わせにより減災対策を講じていくとすれば、既存のハード側の機能も長期間に渡って明示し続けていく必要があるのではないでしょうか。一般家電にはあって、土木設備にはない「取扱説明書」。東日本大震災によってハード単体での対策の限界が見えたなか、我々技術者が改善しなくてはならない課題のひとつであると考えました。
(所属:開発設計コンサルタント 氏名:野嶋 潤一郎)

■ トピックスを終えて 篠ア 真澄

本質的な特集だと思う。学生時代(とりわけ就職活動期)には、土木をとりまく各業種を俯瞰していたし、各業種の関係性に興味を抱いていた。一方就職してからというもの、どうしても“自分の仕事を通して”土木とかまちとかを眺めることが多くなる。それを一度取り払って広い目で見るには、仕事という切り口はなかなか良い。坂口氏や岩波氏がおっしゃる通り、仕事をしていると、多種多様な人々が一緒になって働いているということが見えてくるものだと思う。だから個人的には、他者との関係性や役割分担について仕事を通して感じるところ、思うところを、もっと突っ込んで聞きたかった。いずれ、「学生へのメッセージを」といった漠然とした質問よりも、仕事の具体的な場面を掘り下げる質問をもっとぶつけてほしかったところ。よいラリーはよいサービスから始まるのだから。
(所属:国交省 氏名:鈴木高)

就職活動に臨む学生に有益な記事であるにとどまらず、これから土木を学ぼうとする新入生にも読んでもらいたい記事である。そして、「土木」という言葉の響きから連想されるステレオタイプの印象を打ち破り、入学時から将来に夢と希望を抱き、誇りと志を持って学ぶための羅針盤として欲しい。
(所属:北海道工業大学 氏名:井田直人)

東日本大震災後、「土木のお仕事」に対する国民の見方は以前と比べ、僅かながら良くなったよう思います。少なくとも私個人の他業種に従事する友人の間では土木技術無しでは、被災地の復興も難しいばかりか、今後の発展も期待できないとの声を聞きます。これまで、陰日なたと様々な側面を見せる土木のイメージの中で、テレビニュース等の報道でも“陰”の部分だけがクローズアップされ続けてきたように思われます。 そのような中、今回のような企画は本誌を読ませていただく中でも一息つけるポイントになり、対話形式で進められていることで臨場感が出ていると思います。また、「土木のお仕事」として、ゼネコン、コンサルタント、インフラ、教育と多方面にわたり活躍される方々の生の声は土木の魅力を分かりやすく発信していく上で非常に良い企画であると思います。今回は官公庁の方のインタビューが掲載されていなかったので、そちらの方面を目指す学生の方々のことを考えると、今後同様の企画をされる場合には一考いただければと思います。
(所属:(財)日本水土総合研究所 氏名:高橋 直樹)

私も現在、会社の採用活動の手伝いをしていることもあって、他業種の方々のインタビューをとても興味深く読みました。語り手の方々の仕事のエピソードは、大変さや、やり遂げたときの達成感が伝わってくるものばかりでしたが、実務経験の無い学生さんにどこまで伝わるかな?とも思いました。業種は違っても、「よりよいインフラを将来に引き継ぐ」という思いは、土木に携わる人に共通だと思いますし、それが土木の仕事の魅力であると思うので、多くの学生に感じ取ってもらえたらと思います。
(所属:阪神高速道路(株) 氏名:佐藤彰紀)

■ 第5回 橋梁設計のスペシャリスト編 松村 博、澤村 康生、篠ア 真澄

「5%へのこだわり」には筆者の橋梁設計スペシャリストとしての気概が感じられる。 厳しい公共財源を理由に、現在の無機質に算出される費用便益比やコスト削減のみに重点を置いた設計ではその気概の継承も難しいのではないか。技術だけではなく、スゴ腕土木技術者たちの気概や信念を学ぶためにも本企画は末長く続いてもらいたい。
(所属:高山運輸建設(株) 氏名:高澤 謙二)

最近,「日本のデザイン」(原研哉,岩波新書)を読んで,その中の「デザインとは,ものを介して暮らしや環境の本質を考える生活の思想である」という言葉が印象に残っていました。それを実務で実践されている方がこの記事で紹介されており,適時的で嬉しく思いました。勿論,土木にも様々な場面があり,一般には見ることができない構造物や,設計者のデザインの意図通りにならない制約もありますが,土木のおもしろさの一つとして,若い技術者の方々に魅力,誇りを感じていただければと切に思いました。
(所属:東電設計 氏名:恒国光義)

私の業務(鉄道駅改良工事の設計・施工管理)でもよく感じることですが「地域に受け入れられる」構造物の構築は、非常に難しいことだと思います。松村さんの設計される橋梁と同様、鉄道は、多くのお客様にご利用いただく公共構造物であるが、沿線にお住まいの方々のご理解・ご協力がなくては成り立たないものであると考えております。橋梁設計のスペシャリストである松村さんが好奇心を忘れない「素人」の信念をお持ちのように、どんなことにでも興味を持ち、たとえマニュアル化されていることであっても、プラスアルファ付加価値をつけることで、鉄道構造物をご利用になるお客様、沿線にお住まいの方々に満足していただけるものづくりが出来るよう努力していきたいと思います。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:勇 龍一)

■ 未来を切り拓く骨太ビジョンの策定を 谷口 博昭

この「頁」では,先生方,先輩方の重みあるご意見,考え方を拝読することができ,毎回の楽しみです。今回の論説では,谷口先生の,「土木界も連携のとれたビジョンを策定することが必要」というお考えが特に印象的で,巻頭の会長のメッセージにもある「市民工学への回帰」にも通ずると思いました。このように,土木全体のビジョンを議論できることも「土木学会誌」に期待さるものの一つであると考えています。思い切って巻末近くなどに目立つように箇所に配置すれば,さらに重みも異なるかもしれないと,新聞,他の雑誌を読んでいて感じました。
(所属:東電設計 氏名:恒国光義)

谷口氏が「骨太ビジョンの策定を」と謳い、辻本氏がそれは「自然共生型流域圏管理」だと応じる。見事な組み合わせの二つの論説だと感嘆する。また各稿とも大変前向きで、元気になる。ただ残念ながら議論がいずれも抽象的で、読んでいてどうも惹きこまれない。また「明らかに正しい」ことしか主張していないので、本モニター欄で、特段の議論が巻き起こらないのではないか。大御所の方々にこそ、具体的なエピソードに根差した挑戦的な主張をして頂けると、土木界も土木学会誌も盛り上がると思うのだが。
(所属:国交省 氏名:鈴木高)

■ その他・意見等

モニターアンケートで、各記事について、「見出し」、「内容」、「体裁」のA・B・C評価をさせて頂いていますが、もう少し良いアンケート方法があるのではないかと思います。具体的には、以下のような内容でアンケートを回答させて頂けると良いと思います。(1)読んだ記事にチェック(しっかり読んだ/斜め読み) (2)面白かった、ためになった記事のチェック(ベスト5),(3)ベスト見出し記事のチェック(ベスト3), (4)ベスト体裁記事のチェック(ベスト3)。良くない評価(ワースト3)については入れても良いかとは思いますが、執筆者の心情もあるので検討が必要かと思います。
(所属:日特建設 氏名:田中尚)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会