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土木学会誌

■土木学会誌2010年10月号モニター回答


■  日本の風景街道をゆく(10)

本号の表紙を見た瞬間,直ぐに懐かしの八王子の風景だと気付きました。学生時代,この銀杏並木をよく歩き,実りの秋を感じていました。この季節になると,銀杏(ぎんなん)の収穫時期も近く,秋真っ盛りと言った所でしょうか?この甲州街道の八王子から高尾までの区間は,いち早く道路整備が進み,4車線化されていて走行しやすい道路となっていましたが,今は,どうなっているか気になるところです。
(所属:日本ポリウレタン工業 氏名:田中一幸)

■  第71回  日本アイ・ビー・エム(株) IBMフェロー浅川 智恵子さんに伺いました [聞き手]苗村 由美、武居 秀訓

記事を読んで「あきらめなければ道は開ける」という言葉が心に残った.閉塞感の漂う世の中であるが,一人ひとりが前向きな気持ちで,行動を起こせば何らかの成果が得られると信じたい.たとえ小さな成果でも,無から有を創造することの価値は絶大だ.目標をもち,変化しながら成長し,ものづくりを通じて成果を残す.最近考えていたことと軌を同じくする著者の生き方に勇気をいただいた.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)

■  企画趣旨 有安 敬

今月の特集が自転車交通に関する記事ということで、まず頭に浮かんだことは「自転車も土木なんだ!」ということでした。今まで、通勤・通学の一部や趣味として乗ってきた自転車ですが、昨今の自転車ブームで、ずいぶん社会からの捕らわれ方が変化してきたのではないかと感じます。それと同時に、自転車交通が土木分野であるということも、改めて認識しました。恐らく、一般的に自転車と土木は無関係と思われている方が殆どだと思われますが、逆に、このブームを利用して土木を広くアピールするチャンスではないかとも思いました。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

「企画趣旨」は小生が日頃思っていることを端的に述べられている。特集のどの記事も自転車交通の数々の有用性を挙げ、身近な移動手段として今後も発展すると述べている。半面放置自転車や暴走走行等問題点も指摘している。小生も横浜の郊外に住んでいるがまったく同様のことを感じている。小生も参加している区民の会議においても大きく取り上げられ、その対策を検討しているが既成の道路や施設を改善して解決しようとしてもほぼ無理であるとの結論を得ている。今までの開発計画で自転車を計画対象にして取り上げていなかった結果と思われる。これからの都市計画や再開発計画、計画道路の策定に際し自転車交通を計画の要素の一つとして組み込む事が大切と考える。
(所属:NPO法人ITステーション「市民と建設」 氏名:比奈地 信雄)

■  1 自転車交通ガラパゴス日本の道は? 山中 英生

日本には独自のママチャリ文化が育ち、自転車は市民の足として重要な役割を果たしているようである。また、その利用の高さは世界でも屈指であるという。私自身、現在自宅から会社まで自転車で通勤している。私の暮らしている街は比較的自転車を乗る人にとっては快適な環境である。自転車専用のレーンが多く、駅前等にも大規模な駐輪所が存在する。しかしながら、比較的整備されているような街でも、やはり駅前には大量の放置自転車があり、歩行者との事故が多い。これは信号無視や右側通行するなど自転車を乗る人のマナーの問題であると思う。ハードの整備だけではなく、利用者一人一人のマナーが向上し、自転車利用が益々促進されることを願う。
(所属:東洋建設(株) 氏名:澤田豊)

自転車は私自身も利用しているが、都市の中における自転車走行性の悪さについて痛感していたことから、この特集は、とても興味を持てた。特に歩道上の錯綜については、自身も歩行者、自転車双方の立場から、現状が最適とは決して思えない。広い自転車歩行者道を供用しても、歩行者との共存がありマナーに依存するしかない。双方の安全性を保つためにも、限定した地域の整備に留まらず、都市全体のインフラ整備の中に自転車道整備の機運を高めて欲しいと感じた。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)

個人的にも自転車をよく利用するようになり、自転車を取り巻く環境への興味が高まっているなか、タイムリーな特集でした。本記事では、自転車交通に関する日本の現状、日本が抱えている問題点が整理されて述べられ、今後の自転車利用環境の方向性についても示唆されており、勉強になりました。 現在、その利用環境に様々な課題がありながらも、自転車の魅力が広く伝わっており、身近にもこれまで以上の自転車利用を始めるユーザーが増加しているように感じます。ユーザーが増えるとともに、この特集記事のような議論が実際に行われ、政策が実行されていく過程で、日本の自転車利用環境は良い方向に向かっていくのではないかという思いを強くもちました。
(所属:日本工営(株) 氏名:野末 康博)

日本の自転車利用率が高いことに驚きを感じた。そう言われると確かに、私自身も学生時代には自転車通学だった。身近な交通手段として、デンマークやオランダを除くヨーロッパよりもはるかに利用率が高く、市民に浸透しているのである。パリの自転車共同利用は、施策としてはインパクトが大きいものだが利用率としては4%と低いのも意外だった。また、撤去自転車の返還率が低迷しており、2008年で60万台以上が廃棄された現状を考えると、非常に勿体無いという気持ちが湧いてくる。相応の費用も発生するため、簡単ではないが何か有効利用できる手立てはないものかと一市民目線から考えを巡らせている。
(所属:清水建設 氏名:近江健吾)

昨今は,ECO・健康といったブームが自動車社会から自転車社会へと変貌してきているやに感じます。地方では,一人に1台といった自動車社会が継続しておりますが,都市部では,よく自転車通勤者を見かけます。小生もその一人で,学生時代より乗り続けた愛車(自転車)が壊れ,今は,ママチャリと呼ばれる駕籠を沢山付けた愛車に乗っています。最近のマスコミ報道では,ガラパゴス化という言葉をよく耳にしますが,自転車社会については,日本もEUやアジア地区と同じ方向へ進んでいると思っています。ただ,難を言えば,東京下町は,道が狭く,車道に出れば,自動車の迷惑。歩道は,歩行者の迷惑と走るところが無いのが現状です。ECOをうたうのであれば,いち早く,道路整備を優先して行って貰いたいものです。
(所属:日本ポリウレタン工業 氏名:田中一幸)

個人的な話しから申しあげることをご容赦願いたいのだが、ここ数年とみに感じていたことが、自転車走行の「モラルとルール」であった。そのことからも今回の特集は非常に共感するところが多く、自転車のインフラを含め、モラルとルールを見直すような政策が必要であるとひしひしと感じた。
私は自転車愛用者である。以前は、歩道を走ることが多かったが、これは「自転車の王道」というものがあったからだ。高齢者を見れば、半径1mは離れて走行する。対向車とすれ違うときは、自動車のように1台来れば、次はこちらが1台進む。曲がるときはインからアウトのラインを取って曲がる。ところが、この頃は、この共通感覚が通らない。況や、海外で通じるアイコンタクトはまったくなく、それでも以前は自転車のタイヤの向く方向でライン取りを察知したが、近頃、これもわからない。ケイタイメールをしながら走るから、ライン取りがふらつくのである。そこに輪をかけて、放置駐輪である。これでは歩道はもう走れなく、車道を走ることになるが、今度は自動車からの嫌がらせにあう。特に、信号待ちでは、自転車が通れないように路肩すれすれのところで止まっているのである。仕方がなく、今度は歩道に乗り上げ歩道を走行するのである。是非、この機会にガラパゴスからの脱出を図る方策を現実化させていきたいと思う。
(氏名:横田 美行)

■  COLUMN  放置自転車ゼロを達成して 土屋 信行

このあとの特集3でも取り上げられている江戸川区の地下駐輪場、別の冊子でその内部構造を見て、こんなものがあるのかと驚いた。是非、地表面の写真だけでなく、内部構造の説明もつけてほしかった。 それにしても、この装置は高額だろうな・・・と思った。
(氏名:高橋麻理)

■  3 人はなぜ移動するのか 亘理 章

自転車が歩道通行できるのは日本だけと知り驚いた。私の住む街では、道路の上を自転車歩行者専用道路が通っているので歩行者も自転車も車を気にせず安全な通行ができるが、最近は、ご多分にもれず歩行者と自転車の交錯が問題になっている。かといって、写真1のような状況を見ると自転車が車道を走るのは自転車ではやはり怖い気がするし、車のほうも心配だ。わが町のように歩道の幅員が比較的広いところでは歩道の歩行者と自転車がそれぞれ安全に通行できるようにするべきと思う。自転車歩行車道は歩道に接続しているので、これを車道に切り替えるのも大変だ。それから車道に自転車道を設置した場合、自転車はどうやって右折するのだろう。やはり、歩行者と一緒に横断歩道を渡っていくということか。 欧米を参考にしながらも、日本は日本のやり方で安全な通行を確保するやり方を考えていくべきと考える。
(氏名:高橋麻理)

■  4 座談会 これからの自転車交通 [座談会メンバー]屋井 鉄雄、大脇 鉄也、疋田 智、[司会]有安 敬

「警察官も自転車に乗るときはルールを徹底すること」この指摘には大いに共感できる。右側通行、歩道内でベルを鳴らすなど歩行者優先の不徹底、歩道内を2〜3台で並走などの行為を平然と行う警察官の姿を見ていると、正しい自転車のルールが分からなくなってしまう。自転車のルール違反は社会が許さない、そういう気運を高めていくことが必要だと感じた。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)

座談会において、今後の自転車政策として、「速度設定」「教育」「空間整備」が重要であると述べられている。私は、これに加え「法整備」が重要ではないかと考えている。道路交通法上、自転車は歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則である。これは、歩道を利用する歩行者の安全確保のためには、当然のことであるように思われる。ところが、平成20年6月1日に改正された道路交通法は、自転車の歩道通行を今以上に認めていくという内容となっている。法改正後の現在は、『車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合。』は自転車の歩道通行が認められている。これは、自転車は「車道を走っては危ない」と思われる時は「歩道を走ってよい」というように読み取れる。また、法の中では車道通行に対する「危険」の考え方や基準は何も明確にされていない。歩道は歩行者のものであり、既存の歩道は歩行者の交通量や利用形態を考慮して幅員等が決められている。そこへ法的に自転車の混在を認めるからには、歩道を含めた道路の空間構成が見直されなければ、より混乱が生じると思われる。現状では、空間整備や自転車のマナー向上の具体的な施策が未完全のまま、法が改正されてしまっているような印象がある。
(所属:東京急行電鉄株式会社 氏名:山口洋史)

■ 特集を終えて…有安 敬

私は、自動車に乗っているときは車道の脇を低速で走る自転車を危なく思い、歩いているときには歩道を走る自転車に危険を感じ,自転車に乗っているときは歩行者、自動車の両者に危険を感じます。 おそらく多くの人が同じように感じていると思います。 この特集を読み、自転車の現状の問題点についてわかりましたが、やはり自転車の位置付けが曖昧であることが問題の根源にあると感じました。 政府、自治体が明確な方向性を示すとともに、一刻も早い法整備と自転車利用者への周知徹底が求められると思います。
(所属:五洋建設 氏名:井瀬肇)

■  第11回 日本一長い生活用つり橋 澤村 康生、澁谷 容子

恐怖の中でつり橋を渡っていく記事を読んで数年前に家族で行った寸又峡の夢の吊り橋を思い出した。こちらは定員が10人だ。高さは谷瀬のつり橋におよばないが、足元から水面が見え怖さ十分。橋の手前では難なく渡るれるものと思い、足を踏み出す。眼下の景色が、岸だったところまではよかったが、先へ行くと左右も開けるし、頼れるのは細い手すりだけ。小学生だった子供が先に渡り始め、怖い怖いといいながらも前進していくので、仕方なく私もついていった。水面の上に出て、引き返そうかと思ったが、なんと、怖くて体の向きを変えることができない。とにかく今の姿勢で何とか足を前に出し、できるだけ早く渡り終えてしまうしか、そこから抜け出す方法がないのであった。夢の吊り橋は観光用かもしれないが、谷瀬のつり橋は本来は生活用。こんな怖い思いも毎日だと慣れてしまうのかもしれない。今後も保存して、つり橋のスリルを伝えていってほしい。
(氏名:高橋麻理)

■  第7回 青函トンネル [文・写真]大村 拓也

痛ましい海難事故を経て完成した青函トンネルは、各種メディアで賛否両論が今もって論じられる関心の高い公共事業であるが、北海道と本州を結ぶ重要なインフラであることは間違いない。そして、新幹線の開通により、高速交通網の中に組み込まれることで、社会基盤としての位置づけはより大きくなることが予測される。ユーロトンネル等で実現したカートレイン等の鉄道と言う手法に限定しない柔軟なアイデアで以って有効活用されることを望んでいる。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)

■  第7回 日本の近代化に貢献したヴェルニー 香月 亜記範

土木の醍醐味がひしひしと伝わってくる良い記事だ.特に,7km離れた,高低差10mの地点を水路でつなぎ,動力なしの自然流下で水資源を確保したという件.技術力のみならずコスト意識の高さに感動した.近年,立地条件の厳しさなどから高度な技術が用いられる案件が増加している.「難工事→高度技術→高額」が当然視されているが,枯れた技術の水平思考によって解決できる問題も少なくないのではないか?そんなことを考えさせられた.
(所属:鹿島道路 氏名:金井利浩)

■  第10回 一般廃棄物処理事業実態調査 苗村 由美

1人1日当たりのごみの排出量が1kgにも達していることをどれだけの人が知っているだろうか。ごみは商品の一部として流通・輸送され、役目を終えた後はごみとして再度、輸送される。即ち、1人1日1kgは、その重量・容量×往復で2倍に相当する輸送車が走っていることを示す。この事実を多くの人に知らせれば、過剰包装を避け、コンビニでビニル袋を断るなどごみの減量に努める人が増えるのではないか。
(所属:首都高速道路株式会社 氏名:小林 雅彦)

■ 座談会 PART1 学生編集委員の経験から得たものとは
[座談会メンバー] 中川 義也、鈴木 崇之、武田 智子、澁谷 容子、石村 陽介 [司会] 渡辺 香奈

私が学生であった時を振り返ると、叶うならば貴誌の学生編集班の話があれば参加したかったと感じた。というのも、実際の社会に出られ活躍されているOB・OGにお集まりいただいた説明会に参加、現場見学会等もあったのだが、今一土木の現場と言うのが実感出来ず、悩んだ時期があったからだ。その中において、実際の現場に数多く行かれ、目で見て、現場の活躍されている方々の話を聞くことが出来、文章に起こすために頭を使うことができるという経験は何物にも代えがたいのではないかと感じた。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井 敬嘉)

学生編集委員経験者のお話しで特に印象的だったのが、編集委員を経験して良かったこととして、ほとんどの方が「人との出会い」を挙げていたことである。土木事業は、その規模の大きさや完成後に周辺に与える影響から、人との関わりなしには実現し得ないものである。編集委員の仕事を通じて、そのことをいち早く実感できるのは、貴重な経験だと思う。また、一般の編集委員の方は、意識する・しないに関わらず、所属する組織の代表という立場がどうしても付いて回る。その点、学生委員は、まだ何の色にも染まっていない、本当にフレッシュな視点から記事を書くことができると思う。これからも新鮮な切り口で魅力的な記事を掲載していってもらいたい。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)

自分と近い年代の方々の座談会であり、興味深く読みました。土木系の学生は「これが土木だ」という固定観念が強いという話がありましたが、私の周りでいうとそんなことはありませんでした。大学時代、土木を専攻していた私の友人たちは土木業界に入った人もいますが、商社、金融、マスコミと幅広い分野に就職していきました。彼らはそれぞれの世界で存分に活躍しており、その活躍ぶりは私のモチベーションの糧になっています。いわゆる土木業界に就職しなかった彼らですが、会って話すと今でも「自分は土木出身」ということを強く意識しています。記事のとおり、土木の役割は幅広く、それを活かす方法もたくさんあるのです。学生の皆さんには、自分の可能性を狭めず、幅広い意味での「土木」を考えて将来の道を決めていただきたいなと思いました。
(所属:前田建設工業 氏名:奥田文)

■  首都壊滅 河田 惠昭

直下地震と水没が複合して、首都が壊滅する危険性について鋭く指摘された。155年前の江戸で前例が起きていたことを知り、恐ろしくなる。このリスクに対しあまりにも無防備であると警告を重く受け止めなければならない。国会決議した「首都機能移転」をいつのまにか封印して、ますます一極集中している。せめて、首都を代替する機能をバックアップしておかないと、日本全体が沈没するのでないだろうか。
(所属:東日本高速(株) 氏名:伊勢田 敏)

「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉があるが、大地震や洪水に対する危険を喚起するニュースは頻繁に流れており、現状は必ずしも忘れている状態ではない。それにも関わらず、社会基盤の災害対策が進まないのは何故だろうか。理由のひとつは、当事者意識の欠如であろう。安全というものは平和や健康と同じように、失ってみてはじめてその尊さが分かる類のものである。もうひとつの理由は、都市への人口・機能の集中に歯止めがかからない事実だと思う。都市の機能は集約されていた方が、利便性は高いのであるから、当然といえる。このような中で、リスクが高まりつつある複合災害に対して安心・安全な国土を形成するためには、強いリーダーシップが必要であると思う。
(所属:清水建設 氏名:河田雅也)

■  津波防災技術の世界への発信 村田 進

日本語の津波は今や世界の共通語になっている。世界に発信しなければならないのは津波防災技術はもちろんだが構造物の耐震設計も同様である。本誌6月号に橋梁被害についての報告が載っていたが、日本の阪神淡路大震災を踏まえた道路橋示方書の内容がチリの耐震設計に反映されていず、落橋したものが多かったようだ。6月号のモニター意見にも書いたが、日本の地震対策をもっと世界に発信し世界の地震被害を低減するために役立っていいはずだと思う。技術交流を推進していく必要があると感じた。
(氏名:高橋麻理)

■  阪神・淡路大震災の被災経験伝承の取組み 伊藤 学、松本 茂

震災後15年が経過しましたが、安全の原点を見つめ直す場を提供し、企業としての安全に対する姿勢を広く社会に示すという社会貢献活動に感動いたしました。質の高い崇高なCSIだと思います。また、「事故から学び明日の安全を創る」という趣旨のもと、事故関係資料などの情報を開示する企業が、最近少しづつ出てきていますが、安全意識の共有を図りながら、企業文化や社員の意識改革について、取り組む姿勢は、素晴らしいものがあると思います。また震災では、鉄道関係も大きな被害を受けていますが、貴重な被災経験伝承について、外部への情報開示に向け、鋭意取り組んでいただくようお願いいたします。
(所属:清田軌道工業株式会社 氏名:原 繁男)

今夏、洞爺湖と有珠山に旅行した折、有珠山の噴火遺構をたくさん見た。遺構の中には個人の住宅もあり、遺構として公開するに当り反対意見もあったと説明があった。火山の噴火による被災物は、後世に噴火の様子や自然の力を伝える貴重な財産である。 有珠山周辺地域は、火山から被害を受けることもあるが逆に火山からの恩恵も多数受けて生活しているので、火山との共生を目指すという。このような形での保存に協力してくれた市民に感謝したい。一方で、阪神淡路大震災のような都市部でもまれな大災害の被災物はどこへ行ってしまったんだろう、と思っていた。災害復旧が急務で、壊れた物は早急に撤去し修復しなければならないのは最もだが壊れたものすべてを廃棄してしまったら教訓にも伝承にもならない。今回、このような形で、被災物の一部でも保存され一般に公開することは 大変意義のあることだと思う。関係者の尽力に感謝したい。と同時に、もっと早く公開してほしかったとも思った。
(氏名:高橋麻理)

■  名チャリ社会実験2009 兼岩 孝、佐橋 友裕

興味深かったため、名古屋市HP掲載の利用者意識調査結果を拝見したところ、詳細な項目まで調査されており、改めて有用な社会実験であると感じた。利用者意識調査の内、名チャリシステム維持のための財源確保方法を問う設問では、「自転車に広告をつけて財源にする」という回答が一番の支持を得ていたが、実際にビジネスモデルとして可能なのかどうか知りたいところである。
(所属:運輸政策研究所 氏名:梶谷 俊夫)

ヨーロッパのある都市ではコミュニティーサイクルシステムが定着していることはテレビでもよく拝見しておりましたが、このシステムの社会実験が名古屋で行われていることに関しては、この記事を読むまで知りませんでしたので、とても楽しく拝見させていただきました。特に驚いたのは、会員登録者数の増加と平均利用時間の推移です。このシステムに関心がある方が世の中に沢山いること、また、システムに対する利用者の理解が思ったほど時間がかからずに浸透しているということに驚きました。実際の運用を始めるには、まだまだクリアしなければならない問題はあるかもしれませんが、近い将来、一つの移動手段として定着する日が来ることを祈っております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

今回の社会実験からは従来の自転車の利用方法とは異なる、コミュニティサイクルシステムというシステムが日本でも十分な社会的需要があり、自転車道や駐輪場、ステーション等のハード面の整備を整備することで自転車が都市交通手段として成り立つことが分かった。
一方で、実験結果からはハード面だけでなく、いかに利用者に周知し、 システムを理解してもらうかというソフト面の課題も明らかになった。
多くの土木事業に共通することであろうが、ハード面の検討だけでなくいかに運営し、使用者へアプローチしていくかというソフト面とセットで検討することがいかに大切かということを改めて感じた。
(所属:東日本旅客鉄道(株) 氏名:伊東寛)

非常に面白い社会実験であると感じた。さらに、回数を経る毎により実用性が増し、規模も大きくなり、結果もすでに実用化されているヨーロッパのCSSに近づいている。実用化に関しては、越えるべきハードルは数多いと思うが、日本らしさのアレンジを加えたシステムで実用化されることを楽しみにしている。
(所属:清水建設 氏名:近江健吾)

私の住む街でも数年前に市内数箇所に拠点を置いたレンタサイクルがあったが、盗難や破壊行為などで、結局なくなってしまった。名古屋の社会実験では予想以上にうまくいったようで安心した。私の街では拠点の置き方や台数、システムなど様々な問題があったのだと思う。名古屋市の成功例を参考に他の自治体でもレンタサイクルシステムが出来上がるといいと思う。名古屋市の今年の成果と学会誌での報告に期待したい。
(氏名:高橋麻理)

私が名古屋に住んでいた頃、街やテレビ、新聞で「名チャリ」はよく見かけていました。残念ながら私自身は利用したことはありませんが、記事を読んでたった2ヶ月間で会員数が3万名を超えていたことには大変驚きました。本格導入には克服すべき課題がいくつかあるとのことですが、名古屋市だけでなく日本全国がCCSの実用化に期待を寄せていると思います。ぜひ課題を解決し、CCSを全国に拡げるリーディングシティになってほしいと思いました。
(所属:前田建設工業 氏名:奥田文)

■ その他・意見等

歩道、車道のことを考えて、以前から気になっていたことがあります。土木とは本来関係がないことなのかもしれませんが、白い横断歩道の塗装のことです。 雨で濡れると滑りやすく、近所の高齢者の方が、よく「あれは何とかならんのか」とこぼされていたことがあったからです。今回の特集から「みち」についての素材や工程について、解説記事のようなものがあればと思いました。
(氏名:横田 美行)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会