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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2009年8月号モニター回答


■ 巻頭言 海外で活躍する土木技術者の育成のために 廣瀬 典昭

地方のコンサルタントでは海外事業で活躍する技術者の育成などにつて、状況実態がどのようになっているのか、わからないのが実情です。海外事業の紹介はよく掲載されていますが、技術者の育成の現状などについても紹介をしてほしいと感じました。
(所属:大日コンサルタント 氏名:船場俊秀)

■ PHOTO REPORT めんそーれ沖縄 前川 進

なつかしの沖縄那覇、昨年の外国クル−ズ船寄港数が日本一とは意外!てっきり横浜港とばかり思っていた。優雅な、まさに気品のあるダイヤモンド・プリンセスを一般貨物用岸壁に接岸さるなど恥ずかしい限りである。日本の国力また地域格差の歪みを象徴したものと云えないか。あの明るい海洋博会場を思い起こす琉球絣のデザインは南の島らしくて心地よいイメ−ジが伝わる。写真構成、特に完成予想図と 工事進捗状況は分かりく良い。レセプション写真は小さくせっかくの雰囲気が伝わらない。それにしても、116,000トンの豪華客船が水深9mでO・Kなのも意外!
(所属:(株)てすとぴあ 氏名:坂本 和雄)

■ 大井町線改良・田園都市線複々線化工事における大井町線溝の口延伸 横内 稔充

私は、昨年まで11年間、田園都市線で通勤していましたが、その混み様は尋常なものでありませんでした。また、近年、沿線には次々とマンションが建っていくことが、その混雑に輪をかけているようでした。私を含めて沿線住民は、複々線化を早期の実現を願っていたと思います。私は、溝の口から中央林間方面へ3駅先にある宮前平駅が最寄駅でしたので、工事の進捗状況を毎日観察していました。複線の状態でも周りにスペースがなく、さらに運行量の多い路線で、工事を進めていく様子は、とても興味深いものでした。今は、この地を離れてしまいましたが、時間短縮 と混雑緩和で、快適な通勤電車になればよいと思っています。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出 圭介)

■ この人に聞く 第57回 大阪府副知事 小河保之さんに伺いました [聞き手]松島 格也、松田 曜子

話題の大阪府知事の下、さまざまな改革に取り組んでいる大阪府の様子が紹介されており、参考になった。アダプトプログラムについては、浸透しつつあるようであり、他の自治体もぜひ参考すべきであると感じた。世の中をよりよくするために、どんどん積極的にチャレンジすることが必要とのこと、肝に銘じたい。
(所属:西武建設(株) 氏名:三村 卓)

厳しい国家予算、複雑な地域情勢が絡み合う中で、何が、どれが必要な社会基盤整備であるかを決定することは非常に難しい問題だと思われるが、記事の中で新名神高速道路建設の必要性を述べられている内容を見て心強いものを感じた。名神高速道路建設当時は、トンネル技術の問題で鈴鹿山系を通すことが不可能だったと聞いてい る。新名神が一部開通して以来関西から名古屋、東京方面への交通量は、距離、必要時分、関が原の雪害などの理由で、大きく新名神に移行している。経済効果も大きい。今次世代向けた新しい社会基盤整備の基準が必要な時期に来ているのではないだろうか。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

政局が混乱する中、地方から改革の狼煙が上がっていますが、その代表格である大阪府の副知事にインフラについて理解が深い方が就かれていることに安心を覚えました。昨今のメディアの影響を受けて、社会には「インフラ整備=悪」と頭ごなしに決めてかかる風潮があります。しかし、私たちが今、安全で安心な暮らしを手に入れているのは、必ずしも生活が豊かでなかった時代から先輩方がインフラを整備し続けてくれたおかげです。今やめてしまっては、将来立ち行かなくなることは目に見えています。しかし、社会にこのような風潮が流れていることは事実であり、その責任は我々土木技術者にもあると感じます。必要なインフラは整備する、不要なインフラは根絶することを国民に明確に説明し、実行することが、いまこそ問われる時代であると思います。
(所属:大林組 氏名:村上真也)

“専門分野の井戸を深く掘る”機会の少ない職場で勤務する私から、掲載を希望する記事があります。その内容は、民間企業(コンサル,ゼネコン)から求められる理想の公務員像についてです。日経コンストラクションにも同様な記事が掲載されたこともありましたが、改めて記事にして頂きたいです。その記事を読むことで“私たちの使命”“何を実現していくか”の答えを見出せればと思います。
(所属:戸田市 氏名:宇田将人)

「チャレンジ、先手必勝、プラスアルファの知恵」この言葉を聞いて胸にグッとくるものを感じました。製品を開発する私にとっては、とても大事な言葉ですが、どんな業種の方にでも通用するような言葉でもあると感じています。チャレンジ、先手必勝までは気にしていてもプラスアルファの知恵を思いつく人はなかなかいないのではないでしょうか。プラスアルファの知恵を持っている人こそ、自分のカラーを持っている人だと思います。個人的な意見で申し訳ないのですが、最近の若者は自分のカラーを持っている人が少ないように感じます。平均レベルで満足している人が多いのではないでしょうか。それでも将来、自分達が社会を作り上げる時代がやってくるはずです。その将来のためにも、今はプラスアルファの知恵を養う時期だと思っています。そして、これからもいろいろなことにチャレンジしていこうと強く思いました。
(所属:住友大阪セメント(株) 氏名:川瀬 彩)

■ 特 集 挑戦する駅

駅は多機能化してきており、特徴的な事例をいろいろと紹介されていた。機能面、商業化などさまざまなバランスをとり、個性的な駅が次々に出現してくることを期待したい。とはいえ、歴史的に意味がある駅舎に対しては、維持保全の重要さも持ち合わせていることを忘れてはならないと感じた。
(所属:西武建設(株) 氏名:三村 卓)

■ 1.座談会 進化する駅空間 [座談会メンバー]内藤 廣、家田 仁、源 淳一、鎌田 由美子、[司会]三島 大輔

「進化する駅空間」を興味深く読ませていただきました。確かにここ最近、駅空間の変化を目の当たりにしています。その中でも特に斬新だと感心したのが、大岡山駅の東急病院です。壁面・屋上緑化を取り入れ、環境に配慮した新たな病院の進化に、正直驚かされました。人々の集まる駅、人々が必要とする病院と、地域コミュニティに上手に調和しているように思います。このような地域開発や整備が、進むことは地域の活性化にも繋がるように思えます。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

今回の特集は鉄道の駅にスポットを当てたものだが,座談会の発言で,空港を例に示すものがあった.更に拡大して船舶の港を考えた時,港湾全体の風景が話題に上ることは多いが,フェリーターミナルなど駅に相当する建造物に対する議論があまりに少ないのではないだろうかと感じた.また建造物へのアプローチも,寒々とした場所が多く, 例えば旅に出るときのワクワクした雰囲気を盛り上げるものでは無い様な気がする.それが,船の旅客減少にも影響しているのではないかとも思う.「挑戦する駅」を魁として,その他の分野でも議論が活性化することを期待したい.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

最初は「エキナカ」や駅舎などの構造物をどうするかという議論から、最後は「まち」や「沿線」との共生が重要という結論に至ったことがおもしろいと思いました。最近でこそ様々な機能が組み込まれた駅が登場していますが、まだまだ「ホームと改札があって電車の乗り降りをする施設」が多いと思います。地元の人たちと鉄道事業者でまちづくりについて議論を深めていくと、駅地区をもっと楽しくしたいという要求がどんどん出てくると思います。駅を図書館や公民館等のパブリック施設と同等に捕らえて、そのまちに必要な機能や利用者の視点を考慮した計画を行えば『自分の駅』になっていくのではと思いました。私の利用している駅もそうしたいです。
(所属:日本水工設計(株) 氏名:佐々木 隆)

■ (2) インタビュー 鉄道とまちづくりの連携[語り手]和田 康之、[聞き手]三島 大輔

駅前広場とは、駅から広がるその町の玄関口であるが、鉄道事業者とまちづくりが連携している例はそう見当たらない。駅前広場と、その周辺のまちづくりと鉄道事業者が個々に作り上げてしまい、きれいな景観の使えない駅の例は多く見られる。この例で言う日向市は「中心市街地活性化」と言う大きな目標があったからこそ成功した例ではないかと思う。日向市の進め方を見ると、地権者等関係者には構造段階から説明を十分に行い、自らの事業を進める為の協力を各方面からとる努力を行ってきたことが見えてくる。駅前と言うのが街の玄関口であることを理解し、その部分を何に使うかと言うことを明確にし、関係者に説明を丹念に行う。都市計画事業を行うに当たって極めて基本的なことを積み重ねた結果の賜物であり、基礎の大切さを再確認した。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井敬嘉)

■ コラム 鉄道と道路整備の連携 三島 大輔

これは特集 挑戦する駅 全般に関連する問題だとも思われるが、大ターミナル駅の線路上空の経営資源について。線路上空間の活用による、歩行者、鉄道利用者、の利便性の増大、複数交通モードの集約、商業施設、交流広場の併設等により新しい形態の街造りが可能となり、其の経済効果は計り知れないものがあると思われる。しかしそこには計り知れない危険性が潜んでいるのではないだろうか。それは地震。複合施設の結果、震害はハード、ソフトを含め想像を絶する規模になる危険性をはらんでいると思われる。一歩引いた思考も必要ではないだろうか。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

■ 4.駅がもっている潜在的な価値を引き出そう 岩倉 成志

最近、帰宅途中の駅の「駅ナカ」が便利で、自分自身良く使うようになりまして、鉄道の上に人口地盤を構築するこの姿は非常に良いと思っておりました。しかしながら、「駅ナカ」ゆえに発生している問題も出ているとは思ってもいませんでした。ただ、駅を利用する人にとって、交通手段で利用すること以外の目的が増えることは楽しみが増えることだと思います。一方、自分の家の最寄り駅を考えると「やっと帰ってきたなあ」という感じに浸り、綺麗に整備された歩道を歩くと心が安らぎます。駅も街づくりと一体になってどんどん発展していくと思いますが、駅によっての役割を十分に考えて発展して欲しいと思います。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

駅のパフォーマンスが一目でわかる図を見て高速道路の渋滞情報板と良く似ていると思いました。この図を見ると、駅のどの辺で混雑が激しいか一目でわかります。このような図は、駅のパフォーマンスを把握するだけでなく利用者にも混雑状況がわかるように、このような図を示すのも面白いのではないかと思いました。利用者の判断で、混雑が解消すればそれはそれで良いことだと思います。混雑緩和のため様々な工夫をされていると思いますが、朝の不快な通勤ラッシュを緩和するきっかけになって欲しいと思います。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

この記事にあるライフピッチ・ベルリン中央駅の写真を見ると、エスカレーターの勾配が、階段の勾配と同じである。我が国ではほとんどエスカレーターの勾配の方が急である。建築基準法の違いだろうが、安全性、景観、美観、の面からも、勾配を同じにし、駅が持っている潜在的の価値を高める要素として加味出来ないだろうか。また高速道路通行料の割引で、今鉄道は大きな打撃を受けている。自動車より数段勝る輸送エネルギー効率を持つ鉄道を、駅をふくめ全体として潜在的な価値を持つ輸送手段としてPRすべきだと思う。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

現在の私の暮らしでは、あまり鉄道を利用することはありません。しかし、ニュースなどを見ていると、鉄道や飛行機の時間が遅れると、乗客からの苦情は後を絶たないように感じています。しかし、世界を見渡すと、日本は時間に正確だと思います。本当に、そこまで時間に正確性を持たせるべきでしょうか。現在の日本人には、もっと時間にルーズであり、それを許容することも、必要なものの一つであると、日頃から感じております。
(氏名:平田 貴久美)

特集のなかで大都市の駅がもつ普遍的な問題点と課題解決を示す一論と捉えました。時間の正確さ、複数交通機関のコーディネーション、駅利用者の動線、駅内の物流機能とどれも重要論点と思います。その解決方法のひとつのとして「見える化」ツールのご提案がありますが、ぜひ駅の基本機能の維持に役立てて欲しいと思います。通勤通学者、旅行者の動線の輻輳化、歩行速度のバラツキの拡大は日々体感しています。エキナカマーケティングはひとの集まるところの潜在的価値を見事にビジネスに繋げましたが、駅の基本機能にも気配りが必要と思います。歩行者のマナーに期待するだけでは解決せず、駅歩行の交通ルール、動線の積極的な改善も本気で考えるべきだと思います。
(氏名:秀島 雄二朗)

我が国の鉄道技術は非常に技術水準が高いとされているが、お客さまに対するサービス、旅客流動や他交通手段との連携という点においては今ひとつであるようだ。これはメディアなどを通してよく言及されており、また私の実感ともよく適合する。本論では鉄道駅の問題、特に通勤通学時間帯の旅客流動の問題を「見える化」をはじめるとして、具体的な指標を用い図化することで分析の補助となる方法を提案しており非常に興味深い。今後鉄道建設に携わるものとしては、お客様の視点を絶えず意識しておかなければならないが、とかく忘れがちであり、これらの指標を駅設計に組み込むことが出来れば非常に有用であろうと考える。
(所属:鉄道建設・運輸施設整備支援機構 氏名:伊藤翔太)

駅とは、今や鉄道の乗り降りのみならず、多くの施設が集まる都市の拠点として機能することが求められている。その中で駅の流動については、ただ大きく作ればよいとか、もし、その流れを阻害する物があった時には構造的にしょうがないということで片付けられてしまう面があったと思う。事実私のよく使う駅は、地上を走る路線と地下鉄とで通路の進行形態が違っている。しかも、左側通行と右側通行が入れ替わる部分が、駅の入口部分となり、お年寄りが多い駅なのに終日ごった返している状態が長年続いている。バリアフリーもよいが、こういった歩きやすさに対する不満を解消するのも、駅の設計もしくは、改良時に重要視されてもよいのではないかと考える。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井敬嘉)

■ 特集を終えて…三島 大輔

今回の特集は大規模な駅が主体であったが、駅前土地に余裕のある中小駅を対象に、パークアンドライド、キッスアンドライド、もある。これは都市中心部への人口集中を抑え、都市間格差の是正、都市の均衡ある発展、田舎暮らしによる人間性の回復、ITのフル活用、今大問題になっている農業問題解決への糸口、そしてエコ輸送の王者である鉄道のフル活用にも連なると思う。更に鉄道、道路、空路、海路、IT、の特性を上手く活用し、地域特性を生かした、次世代国土計画特集を御願いしたい。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

私事で誠に申し訳ないが、今までに乗せて頂いた鉄道を列記してみた。メストレ〜ベニス。 メストレ〜トリエステ。 リンツ〜ウイーン。ジュネーブ〜パリ(TGV)。 ロンドン〜パリ(ユーロスター)グラナダ〜マドリード(AV)。 台北〜高雄(新幹線)。ニューヨーク、パリ、ロンドン、ウイーン、ローマ(地下鉄の一部)ここで感じた事 何れも車内放送はほとんど無い。車両設備、駅施設、は日本の普通程度施設、設備の感じであった。我が国の大きな駅の施設、設備は今後の人口減を考慮に入れると少し過大ではないだろうか。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

駅構内の流動を評価する運輸政策研究機構等が共同で作成した方法は有効性の高い方法であると感じた。駅は公共の高い施設でありながら、駅構内は各事業者の所有施設で各事業者の設計思想が反映された施設となっており、利用者として混雑の実感はあっても客観的に評価しにくい施設である。このような施設の混雑度などを分かりやすく評価する方法の提案は今後の駅施設の改良、駅構内の商業施設の設置を評価する重要な方法であると感じた。「駅ナカ」など駅の商業施設の成功例などが様々なメディアで紹介されている中で、駅本来の利用者の視点に立った評価方法の提案、確立は重要であると感じた。
(所属:大日コンサルタント 氏名:船場俊秀)

■ 学生記事 第6回 クロスボーダー 漢字と土木 香月 亜記範、杉江 裕実

瀬戸内海沿岸で,版築といえばため池の堤体だろう。近年の改修工事や調査で,100年以上も昔の提体に,美しい版築講造が見て取れることがある。あるいは,近隣の軟弱な土質を見事な配合と築堤により構築されたフィルダムのシキソトロピーには感服させられる。あるいは,堤体基盤が高有機質土なので,竹の網をジオグリッドのように組んで不等沈下に対抗したようなものまである。人類にとって最も身近な材料である土との関わりを考えさせられる秀逸な記事でした。
(所属:高松工業高等専門学校  氏名:向谷光彦)

■ 博物館で土木を学ぶ 第8回 キッザニア甲子園 松田 曜子

キッザニアの中に入ったことのない私にとってキッザニアがこんなに充実した施設とは思いませんでした。子供がこのように楽しんで社会体験をすることはとても良いことですし、この社会体験をこの歳から学べる今の子供はうらやましいと思います。大人も一緒に楽しみ、そして子供さんにお父さんの仕事を教えられるまさに、一石二鳥のこの仕組みを考えた方は偉大だと思います。写真に出ている子供さんたちが将来土木の仕事に就いてくれることを期待しております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

キッザニアに建設現場のパビリオンがあることを初めて知りました。子どもたちは、アーチ橋を造ったり、クレーン操作をおこなったり、何かをつくりあげる喜びや達成感を味わったことと思います。このような体験を通じて、社会に役立つ喜びを知る子どもたちが将来、土木の世界に入ってくるかもしれません。大人の私も子どもを連れて、このような施設に行ってみたいと思いました。
(所属:キャプティ 氏名:斉藤 実)

■ 生活習慣病型の環境問題 佐藤 愼司

沿岸域の防災・環境を,急性疾患と生活習慣病に例えて,分かりやすく解説されており,終盤では,技術開発のみではなく,制度改革の必要性も指摘されたうえで,総合工学たる土木工学の方向性を指し示されたものと,非常に興味深く読み進めることが出来ました.紙面の関係で割愛されたものと推測しますが,急性疾患に例えられる津波・高潮などの災害対応は,構造物の建設などである程度その成果が目に見えますが,生活習慣病に例えられる環境問題などは,極端な場合を想定すると,「総合的判断」の名目で全てが許容される危険性も孕んでおり,その意味で,成果の評価法についても,一定の方向性を示すことが今後の課題であろうと感じました.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

環境問題を人間の病気に例えて、日常の生活習慣が原因となる生活習慣病に例えられていますが、まさしく人間の不摂生がたたったのだと思います。しかし今の環境問題は待ったなしの状態で、もうすでに瀕死の状態だと思います。記事にあるように生活習慣を変えることが根本的・効果的な対応だとありますが、私は疾患部位に直接対処する対応を求められているのが今の環境問題であり、その治癒技術の向上を早急に図るべきだと思います。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出 圭介)

■ CE リポート 首都高速道路における環境改善を目的とした道路緑化の新たな取組み 長谷川 栄一

この高速道路における道路緑化の取り組みの報告記事に私は大変な興味と興奮を覚えました。私は屋上緑化に関心を持ち拙宅の屋上でも狭いながら季節毎の果樹、野菜、草花、芝等が途絶えることなく楽しめるようになっております。土壌、防水、散水、追肥、防病虫等いずれをとっても教科書通りには行かず、日常技術的な創意工夫を重ねることが不可欠です。その経験からも、特にコンクリ−ト構造物の中でも壁面における緑化は技術的に解決すべき難問・課題が多い訳で、今回のこの報告内容(取組み)には敬服致しました。道路のみならずコンクリ−ト造りのあらゆる土木・建築物の壁面について緑化が可能な事を実証しつつあることを知りました。近い将来この壁面緑化が土木分野の有望技術、温暖化・エネルギ−対応技術等として促進され、事業化が図れるのではないかと力を得ました。法面や屋上の緑化技術から更に壁面緑化へと飛躍出来そうだと夢見ました。
(所属:福冨幹男)

首都高速道路は,振動により五色桜大橋のイルミネーションを点灯させてしまうような斬新な取り組みで知られている。今回は,道路壁面緑化ということで,水の供給方法や講造形式の試行錯誤が提示されていて興味深い。都市高速等では,土地の有効利用の為,直立壁化された部分が今後ますます広がるだろう。一方,そこには毎日の生活道路として壁面を見ている地域住民がおられる。壁面の保水機能は,施工長が稼げるとため池のような機能があるだろう。背面の余分な水圧を速やかに排水させながら,植生の散水も損なわない技術の確立に注目している。
(所属: 高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

環境問題がますます重視されている今、「土木」は私たち人間の生活環境を守る使命を負うこととなりました。過去主に便利な生活環境を作り上げた「土木」は、今快適な生活環境を提供する役割を果しています。このような変化の下、私たちが自分の生活環境を大事にする強い意識および、新たな土木技術の創出の必要性を一層感じました。この記事を読んで、工夫された技術に感心している一方で、これから新しいアイデアを取り入れることによる土木技術の開発を期待します。
(所属:神戸大学大学院 氏名:彭 豊)

■ 最近の駐車問題とその対策について 小島 宏、香野 雅之

私が暮らしている福岡の天神地区では、以前、あちこちの歩道に無造作に置かれた自転車が散乱していました。しかし、現在では駐輪場の整備や街頭指導員などの配置により、随分と改善しているように感じます。これからのまちづくりは、自転車の使用を念頭におかなければならないように思います。
(氏名:平田 貴久美)

我が家の周りには、コインパーキングが広がりつつある。道路交通法の改正により駐車車両が減少したと感じる部分もあるが、バイクについてはやはり路上駐車が多く見られるが確かに駐輪場がないことは記事を見て近くの公共駐輪場を確認して実感した。150台の自転車を収納できる駐輪所にわずか6台しか置けない箇所や、全く置き場を確保していないなど自動二輪車を利用するには便利な状況とは程遠いのではないか。駐車車両の対策が一通り整ってきた今、小回りの効く自動二輪車についての対策についても進めてもらいたいと考える。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井敬嘉)

■ その他

PHOTO REPORT の2件には所在位置は示されているが、博物館で土木を学ぶ、見所土木遺産のページで挿入されているように、簡単な地図も挿入して頂ければありがたいと思う。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

これまで土木学会誌を読ませて頂きましたが、大規模工事を対象とした記事が多く取り上げられているように感じました。私個人の意見としましては、「鉄道とまちづくりの連携」のような地方を対象とした記事を多く掲載して欲しいです。
(所属:戸田市 氏名:宇田将人)

『進化する駅空間』冒頭で『「エキナカ」を代表する「エキュート」のコンセプト』との記載がありますが,関西圏に生活している私にとって,「エキュート」には全くなじみが無く,前のページを読み返して関連する記事が無いか探しましたが,やはり解決できず,分からないままに読み進めてようやく,たぶん固有名詞だろうと理解することが出来ました.このような固有名詞については,脚注などで解説を付けて頂けると,読みやすくなると思いますので,ご検討下さい.
(所属:東洋建設株式会社 氏名:小竹康夫)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会